「そうか。此は貴様の失態だぞフラウロス」
「・・・私の?」
「惚けるな節穴め!特異点を一つ是正され、小娘一人害せず、たかだかサーヴァントを始末し損ねたのがこのザマよ!名前を節穴眼フラウロスに改名するか?どうだ!?」
「――・・・面目次第もない。次の機会に必ず」
「責務を果たせ。我等の仕事の完遂はまだ遥か先にある。イレギュラーが出すぎた真似をするなら処理しろ」
「了解した・・・」
「頼んだぞ?『節穴』フラウロス?ハ、ハハ、ギャハハハハハハ!!」
「こんにちは、私の残りカス。その姿はなにかしら?精一杯着飾ったのね?」
嘲笑う黒。神にあだなし、竜を描く黒の旗
「この姿は英雄王に諭され、祈りの末にたどり着いた私の最後の姿。――それに私は貴女ではないし、貴方は私ではない」
清らかな白。神を称え、威光を掲げる白の旗
オルレアンの平原にて、二人のジャンヌが対峙する――
「何を言っているのかしら。貴女は私、ジャンヌでしょう?」
「今は何をいっても貴女には届かないでしょう。貴女に尽くすべきは言葉ではない。鋼のごとき――祈りです」
バシッ!と音を立て拳を左手のひらに叩きつける
「まずは、貴女の顔に祈りを叩き付けてから話をさせてもらいます――!!」
その姿、城塞と鋼が如く。けして砕けず穢れぬ純白の聖処女の威光がまぎれもなく顕れていた
「黙れ!我が旗を、我が憤怒を見るがいい!」
怒りの炎を吹き出して、黒き魔女が吼え猛る
「我が憤怒は故郷を焼き、我が憎しみは故郷を覆い尽くした!我が怒りは牙となり、我が哀しみは爪となり、我が絶望は竜となりてフランスを覆い尽くした!!」
高らかに、おぞましき旗をかかげる
「喝采を!我等が憎悪に喝采を!!我が総てはフランスを喰らいつくし、やがて互いの身を食い合う!我が憎悪は遥か果て、遥か未来をも喰らうだろう――!」
地獄の業火を吐き立てる、竜の魔女なりし黒き魔女、ジャンヌ・ダルク
「それこそが、真なりし百年戦争――!邪竜百年戦争だ!!」
呼応し、吼え猛るファヴニール。総てを憎む怨嗟の叫び
しかし、白百合の華のごとき輝きが其を受け止める
「いいえ、ジャンヌ・ダルク、竜の魔女。貴女の望む世界も戦争も、この泡沫の夢も間もなく終わりを告げるでしょう」
「――マリー・アントワネット」
「何故なら、ここには彼女がいる。打ちのめされ、這いつくばってあがきもがく理不尽の反抗者たる人間を愛した旗の聖女が。その旗の下に集いし勇者達が。――そんなジャンヌが大好きな、フランスに恋された女がいる」
「マリー……!」
ジャンヌにウィンクを返す。邪悪な化身をまっすぐにらみ返す
「フン、仲良しこよしの友情ごっこ?下らない。本当に下らないわ。ばかみたい!そんなもの、消えてしまえば無くなる癖に!」
「――哀しいわ、竜の魔女。貴方が言葉を語れば語るほど、貴女はジャンヌから遠ざかっていく。貴女がジャンヌ・ダルクであるのなら、決して忘れられぬ想いであるはずなのに――」
「黙れ!!あのふざけた金ぴかを切り離すために、総てのワイバーンを捨て石にした!貴様の生命を庇護する者はもういない!今度こそ焼かれるがいい――!!」
「いいえ、私は焼かれないわ。――貴女は勘違いしている。フランスの為に立ち上がった者は、聖女だけではなくてよ?」
「何――」
突如、砲撃がファヴニールを撃ち据える。ありったけの弾と言う弾が叩き込まれていく
「あれは――!」
「総員!撃って撃って撃ちまくれ!ここがフランスを護れるかの瀬戸際だ!!」
前線に立つ、純白の鎧を纏う大元帥。ジル・ド・レェが吼え猛る
「生命があればここで捨てよ!惑うな、迷うな、恐れるな!――そう、我等には聖女が――王妃がついている――!!」
沸き上がる歓声、突き上がる怒号。フランスを守護せし軍の雄叫び
「何も恐れることはない!フランスを覆う竜など恐れるに足らぬ!――総員構え!!」
再び放たれる、意地と誇りの大掃射――!!
「前を向け!恐れるな!聖なる旗に集いて吼えよ――!!撃てェエェエ――っ!!!」
気迫の大砲撃が、ファヴニールを撃ち据える――!
「見えるかしら、ジャンヌ?あなたの奮闘は、けして無駄ではなかったの!貴女の生きざまが、皆を動かしたのよ――!」
「はい――はい……!」
涙を浮かべるジャンヌ
『――私が選び、私が選んだ人生だから。誰かを救うために旗を持ち、誰かを救うために戦った。終わりが綺麗でないとしても、私はそれでよかった』
「――ふざけないで!!私を見捨てたくせに!私を裏切ったくせに!!私を売り飛ばした癖に!!」
『護りたかった、フランスが――遥か未来に繋がったのだから――』
――別のジャンヌ・ダルクが言葉にした、信仰への殉教
その人生は、けして――間違いでは無かったのだ――!
「ファヴニール!奴等を殺せ!焼き尽くせェ!!」
使命を受け、爆炎をフランス軍に放つファヴニール
――だが
「いや、すまないが――貴様の相手は彼等ではない」
フランス軍とファヴニールの間に割って立ち、仁王立ちのその身体一つで炎を阻む影が一つ――
「あれは……」
無傷の肉体。不滅の精神
――古今無双の竜殺し
「これで三度、いやもはや数は無用だ。互いが生きている限り、俺とお前は戦う運命だ」
――ニーベルンゲンの勇者が此処にある――!
「ファヴニール!聞け!!俺は此処にいる!ジークフリートは此処にいるぞ!!」
高らかにバルムンクを抜き放ち、切っ先を突きつける!
「必ず貴様を黄昏に叩き込む!我が正義、我が生涯!我が信念に誓って――!!」
「ジーク、フリート……!」
「再び土に還るがいい、邪竜!人が生き、人が織り成す営みに、貴様の存在は無用なり――!!」
「ファヴニール!下がりなさい!セイバー!ランサー!アサシン!」
ファヴニールを庇うように、三体のサーヴァントが現れる
「――ごきげんよう、王妃。こんな形で巡り会うなんて、数奇な運命もあったものです」
「――本当ね、シュヴァリエ・デオン?随分とお顔が怖くなってしまって……」
「――死すことは恥ではない。敗北こそが恥である。どれ程浅ましくとも、余はこの無様な肉体で無敵を謳おう。余にはそれしか残されていないのだから」
「バーサーク・ランサー……!」
「ゥウゥウ、ァアァア……マリー、マリー……!」
「げ。あの変態もいるのか。マリー、君ヤツに絶縁状でもたたきつけたのかい?」
苦笑いしながらアマデウスが訪ねると、不思議そうにマリーが首をかしげる
「?私は思ったこと、感じたことを伝えただけよ?」
「あー、なるほどね。よっぽど質が悪い!やっぱり君は魔性の女だ!」
「――皆様、ここは私に任せてくださる?」
「フォウ!?(王妃!?)」
「あぁ、犠牲になりたいのではありません――ただ、見せてあげたいの!私も、私自身の輝きを皆に!サーヴァントが三騎も集まってくださったのだから、私もそれにお応えしたいわ!」
「無茶です!いくら貴女でも、そんな――!」
「あーむりむり。好きにさせてあげよう。彼女の名前、知ってるだろ?」
「マリー!」
「えぇ!私はマリー!マリー・アントワネット!」
星のように、華のようにマリーは輝く――!
「このフランスで一番――ワガママな王妃なのだもの――!!」
「盛り上がってきたぞぅ!スペアのパソコンを買ってきた!正確にはサーヴァントユニヴァースのアマゾネス通販で取り寄せたんだけどね!ウルク製品も悪くはないんだけどワンオフ過ぎてちょっとね・・・まぁいいや!早速ウォッチングしなきゃ!」
「フォウ!デュクシ!(ビーストジャミング、っと)」
「電波障害――!!おのれキャスパリーーーーグッッッ!!!」
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