人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ケイローン塾


ヘラクレス「うむ、これでよいか。感謝するリッカ。・・・上手くいけばよいのだが」

リッカ「どういたしまして!そろそろ私も本格的に怒られそうだから今のうちに誠意を見せておきたいッ!」

イアソン「なんだ、最も文系が似合わぬ筋肉二人が何を書いているんだ?俺にも見せろ見せろ」

アキレウス「そういうとこだぞお前」

ヘラクレス「・・・ヒッポリュテに歩み寄ろうとしていてな。一手を打っていたのだ。分かりやすい一手をな」

リッカ「弁明よりこっちの方がいいよ絶対!女の子は贈り物にきゅんとくるから!いけるいける!」

イアソン「ヒッポリュテ・・・あぁ、あの嫌な事件か。拗らせた事件は大変だろうな。傍目から見たら笑えるがな!」

「そういうとこだぞお前。・・・まぁ俺も人のことは言えねぇか。さて、いつ会いに行くか・・・」




ペンテシレイア「アキレウス・・・!!アキレウス・・・!!」

ヘクトール「いやいや違うよ!?味方!味方だから!!」

「アキレ──!!」

ヒッポリュテ「止めろペンテシレイア、彼はアキレウスではない」

「・・・・・・?────なんだ、ヘクトールだったか。匂いがアキレウスだった。赦せ」

(姉貴の言葉は届くのか・・・助かるぜ、出きればずっと引っ付いててほしいねぇ・・・)

「ハッ!誰かが私のことを美しいと──!」

「心配するな、美しいのは私だ」

「・・・そうか。ヒッポリュテならば仕方ないな」

(・・・なんかコントみたいだな、なーんて言える勇気は無いですけどねぇ)

リッカ「でさー、アポは取ったから三人でさー」

アイリスフィール「そうね、歓迎パーティーをしたいわね!」

ペンテシレイア「む、ヒッポリュテ・・・ヒッポリュテ・・・!?」

ヒッポリュテ「あ、マスターではないか」

「あ、ヒッポリュテさん!やほー!あとペンテシレイア!」

「ヒッポリュテが・・・二人・・・!?どういう、事だ・・・?」

(嘘でしょお!?)


改築編四──仕事終わりに笑顔を浮かべて──

「改築中に鋭気を養うとは初の体験よな。だが上質な労働は休息を如何に取れるかにある。その点において、我の楽園は万事抜かりは無かったか」

 

 

身体の・・・というよりは霊基と精神の調子が整った事を確信し、充溢した気概と覇気を確認し笑う楽園に在りし英雄王。壮絶極まりない改築の責務にも押し潰される事なく休息を行い、溜まりに溜まった責務と業務の全てが清算される場面にまで来ているのだ。その久方ぶりの楽園の改築の一区切りを前にして、王は益々やる気と王気を奮い立たせ傍らに在りし姫を気遣う余裕すら垣間見せるのだ

 

《ゴールは見えている。このまま駆け抜けるぞ、エア。心身をよく休ませたな?無理や痩せ我慢は赦さぬぞ?自己申告と自己分析は嘘偽りなく行うのだ。無理を押した奉仕などたかが知れているのだからな》

 

王の言葉に、深く頷くエア。マリーとシェヘラザードという万全の休息環境のお陰で、何ら問題なく活動が可能だ。やる気と元気が満ち溢れ、むしろ始める前より調子がいいほどと感じるくらいだとガッツポーズを見せる

 

──はいっ。万全、磐石の体調です!残る改築は後僅か。さぁ、全てを完遂させてフォウやエルの下へと帰りましょう!

 

《よし、よくぞ言った!だが最後まで油断はするなよ。納期を護り入稿するまでが執筆であるとあの童話作家めも告げていたように、どの場にて落とし穴が待ち構えているのか解らぬからな。だが──》

 

──見え透いた落とし穴には落ち、それでも問題なく君臨するのが英雄王!ですよね、ギル!

 

《然り!王として見えている地雷は踏まねばならぬのが辛いところよな。故にこそ!我は踏むぞ!王として!ふはははは!我ながら何の話をしているのか解らぬな!》

 

そんなこんなでも、笑みと笑顔は忘れない。業務を早く終わらせるコツは苦痛や苦行と認識しないこと。それを実践し体現する改築王たるギルガメッシュは、計算と選別をこなす姫と共に業務の締め括りへと臨むのであった──

 

 

コロンブス 専用資料館(オーパーツ・神話・伝説等)

 

「ありがとう、英雄王!世界中には僕の知らないことが沢山ある。だから少しでも知りたいんだ。僕が知らない全てを!」

 

──ムー大陸や、アトランティス・・・この世界では喪われているとされる知識を望む。いつか踏破する事を夢見て・・・。その在り方はまさに、生粋の冒険者なのですね、彼は

 

《リリィと呼ばれるサーヴァントはこれだから面白い。今を変えうる可能性を抱くとは得難い可能性だ。どのような結末を選ぶか、未来を知りどのような道を選ぶのか。その道筋と旅路は見応えに満ちている。こやつもまた同じよ。まこと良き拾い物よな。自ら輝く宝石など手間がかからぬにも程があろう》

 

──はいっ。彼はこれからどんな旅路を進むのか・・・目が離せませんね!

 

「いつか、この世界の全てにたどり着く!それが今の・・・サーヴァントとしての僕の夢なんだ!だから英雄王!僕はこの船から降りないよ!ずっとこれから、よろしくね!」

 

「よい、降ろすつもりも無いのだからな。新天地を見つけよとは最早申さぬ。──我の庭、余さず踏破してみせるがよい!」

 

 

「勿論!僕は夢を諦めない。諦めず前へ──僕が生涯汚すことなく持っていることが出来た宝物を、僕は未来への羅針盤にするんだ──!」

 

──その行く末に、星の輝きが如き祝福が満ち溢れておりますように!どうか、良き旅路を!

 

 

ヘクトール トロイア王室(リラックスグッズ)

 

 

「いやぁ、来たばっかりの出涸らしオジサンに即時にこんなにしてくださるとは!気前がいいにも程があるぜ、大丈夫?夜営にテントでも別に良かったのになぁ」

 

「そのようなみすぼらしい真似をクー・フーリンめを弄る時の他にするものか。トロイアの英雄たる貴様の常套手段よな。治世と政治にて本音を放つが億劫となったか?」

 

「あー、そうかもなぁ。本音だしたら敗けみたいな所あるしなぁ。別に腹に一物抱えている訳ではないのは解ってくれるかねぇ。オジサン感激してるのよ、今」

 

──政治家には、ワタシはなれなさそうですね・・・

 

《ならずともよい。魂を穢さなければ立ち往かぬ職場はお前には合わぬ。カエサルめの美男子ぶりも、政治のストレスにてああなったと聞くぞ?》

 

──凄まじいまでに自らを磨耗させるのですね。見る影も無いほどに・・・!

 

「よーし、ダラダラするかぁ・・・なんて言うわけにもいかねぇよなぁ。何をすべきなのかは分かってる。ペンテシレイアとアキレウス絡みの仲裁は任せときなさいって。まぁ喜ばしい事に、俺が出張る幕は無さそうだけどなぁ・・・」

 

 

ヒッポリュテ 自警治安組織『アマゾネス』(総勢一名)

 

「夜の治安にはもう前任がいると聞いてな。ならば私は朝と昼と夕方の治安を護ろう。私闘や暴走を出来るだけ穏便に済ませてみせるとも、任せておけ!」

 

──頼もしいです!ギリシャの方々は日本とは違った意味で個性に溢れた方ばかりですが、ヒッポリュテさんはヘクトールさんと同じ常識人と感じますね!

 

《一から十までこやつに非は無いのだがな。悪名を轟かせるヘラの悪辣さと狡猾さには頭が下がるばかりよな。神でありながら部族にすら紛れるとは。ヘラクレスめの口癖が『神々はホント最低だな』となるのも致し方あるまい》

 

──不撓不屈、人間の忍耐の究極・・・ヘラクレスさんの強さはそういった意志にて支えられているのですね・・・

 

「うむ、召喚を課せられた理由が分かったぞ。ギリシャの英雄とペンテシレイアを抑えられるのは私しかいないな。そしてマスターにしっかりとした女子の観念も出来るならば・・・」

 

ヘラクレス「・・・」

 

ヒッポリュテ「・・・!ヘラクレス・・・」

 

「ふはは、噂をすればか。どうだヘラクレス?ヘラめの被害者同士傷を舐め合うか?」

 

「・・・終わった事だ。最早覆せぬが、新たに始める事はできる」

 

『楽園のここが楽しい!イチオシマップ(リッカ共同製作)』

 

「これは・・・!」

 

「サーヴァントなのだ、険悪さを保つ必要はあるまい。──たまには我が弟子を構ってやってくれ。──ギリシャの風評を頼むぞ、ヒッポリュテ」

 

「あぁ!任せておけ、任せてくれ!治安を乱すものは首を引きちぎり楽園に並べてくれよう!」

 

「いや、そうじゃない、そうではないのだ。もっとこう、交渉や注意から・・・」

 

「ふはははは!立つ瀬がないではないか大英雄!お似合いにしか見えぬがな?」

 

「ば、馬鹿者!からかうな!──あっ・・・」

 

──・・・・・・壁に拳大の穴が・・・ッ!?

 

「・・・やる気が溢れているのは良い。だが加減せよバカめ!今回は我が負担、弁償してやる。次は二度しか無いと知れ!」

 

「わ、解った。気を付ける・・・ではヘラクレス、リッカに、ペンテシレイアが伝えていた、私の転生体に会いに行こうじゃないか」

 

「うむ。・・・だが本人には伝えないでやってくれ。私に続いてヒッポリュテの名誉毀損をしていると気にしているのだ。私としては構わぬと伝えているのだがな・・・」

 

「ふむ、そうなのか・・・なら私はポルテちゃんと呼んでもらえばヒッポリュテの名誉は護られるのでは?」

 

「うむ。ヘラクレスの伴侶であったかもしれぬ女よ、貴様は何を言っているのだ?」

 

「伴侶!?か、からかうなと言うのにッ!」

 

──綺麗な足形の穴が壁に!

 

「・・・ヒッポリュテ、貴様は直情的に過ぎるな、全く・・・私と一緒にごめんなさいだ」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

「・・・ギリシャでまともを求めた我が間違いであったか・・・」

 

 

マスター・アルトリア 和風の屋敷

 

「何故でしょうか。何かを作ると言われて思い付いたのが屋敷だなんて予想外です。ですが、きちんと作ってくれたのですね。ありがとうございます」

 

「うむ、それは貴様が貴様である限り逃れられぬ運命と思え。──サーヴァントの召喚は別途行う。何かクラスなどのリクエストがあれば聞き届けよう」

 

「うーん・・・お任せですね。出逢ったサーヴァントと上手くやっていきたいと思います。アイリさんとリッカちゃんに誘われた、マスター講習を行いながら」

 

──もう既にマスター・アルトリアちゃんに声をかけていたのですね、二人とも。流石の行動の速さです!

 

「殊勝な心がけよな。前線、特異点攻略のリッカ、フィールドワーク、別動隊を指揮するアイリスフィール・・・そして貴様はシミュレーションの調整と特異点への物資調達を任命する。危険は微細であり容易い業務ではあるが、試用期間と思うがよい」

 

「シミュレーションのレベルや作動環境、そして攻略完了した場所の調査ですね、分かりました」

 

──マスターが増えるという事はそれ即ち戦力の二乗!リッカちゃんの負担も減って一石二鳥ですね!

 

《然り。霊脈を先んじて確保するも良し、危険を駆除するも良しだ。リッカの不調の際に処置が出来るのもよい。変わりが務まるかは全く別の話だが》

 

「では・・・」

 

アイリスフィール「あ、いたいた!マストリアちゃん、行きましょ?すいーつじゃんぬをリッカが用意してくれたのよ!」

 

リッカ「マストリアー!スイーツ食べようぜー!」

 

「はい。──差別もなく、上手くやっていけそうです。ありがとう、英雄王。・・・あ、そうだ」

 

「む?まだ何かあるか?」

 

「──『かぷさば』を、知っていますか?」

 

「かぷ」

 

──さば?




ロマン「・・・見ていてドン引きするというか、さらりと都市とか作ってる君を労りに来たら・・・」


ギルガメッシュ「ふふははははははは!!見るがいい!我の第二デッキ!『絶妙にアルトリアがいないセイバー』チームをな!」

ヒロインX「ふっ、資金でも越えられない壁がありましたか!私のサブチーム!ネームレス・レッドパーティーで返り討ちにしてやりますよ!」

エルキドゥ「僕はいないのかぁ、残念・・・」

──ガチャガチャするの、楽しいねフォウ!次は何が出るのかなぁ?あ、五人めの英雄王!

(そうだよね、ガチャガチャってこう言うものだよね・・・って出すぎだろギルオマエ・・・)

「なんか妙な遊びにはまってる!?元気だね君!?」

「当然よ!愉悦があれば苦難など恐れるに足りぬわ!ふはは!ゴージャスカプさばお兄さんとして席巻してやるも悪くは──」

ジャンヌ「お疲れ様です、英雄王!差し入れに──」

「我は帰るぞ!!」

──即決ですか!?


「まぁそう言わず!まぁまぁそう言わず!」

「えぇい離せ、離さぬか!!聖杯の泥などより貴様の差し入れの方がおぞましいわ──!!」


「元気だなぁ、この王様。とにかくゆっくり休んで・・・」

「ロマン!リッカらに伝えておけ!特異点攻略!見事であったとな──!」

「──解ったよ。ばっちり伝えておくからさ、だから・・・」

エルキドゥ「あ、じゃあ僕も行こう。美味しいよねあのニトロ」

(エレシュキガルに連絡を取らなきゃ!ギルはどうでもいいけどエアの魂は護らなくちゃ!)

「無事に帰ってきてね、お願いだからさ・・・打ち上げで死ぬ仕事なんて聞いたことないよ・・・」

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