カルデア
ダ・ヴィンチ「特設スタジオまで作って出来上がった傑作、使いこなしてねリッカ君・・・あー!疲れたー!!」
『師匠、モニタリングがまだです。管制室へお願い致します』
「人使いが荒いなぁもー!分かったよ、今行くからねー!」
スイーツジャンヌ
セイバーオルタ「何やらリッカに馴れ馴れしいオルタが沸いているようだが、貴様は向かわずとも良いのか?マシュなどは大層狼狽えていたぞ?」
じゃんぬ「ハッ。ライバルや邪魔者が増えたくらいで狼狽えるのは自分で至らないと認めている証拠よ」
セイバーオルタ「ほう?」
「常日頃から、リッカを信じていれば自ずと結果は出る。そう──リッカに相応しいかどうかは結果が決めるのよ」
「フッ、随分と意気軒昂な事だ。・・・さて、あの英霊・・・楽園に来れるのかどうか」
じゃんぬ「・・・?どういうことよ?」
「見ていれば解る。とだけ言っておこう」
「・・・?」
『侵入確認、英霊の霊基を利用して鋳造された『英霊兵』が来ます。マスター、魔力を練り戦闘態勢を取りましょう!』
エアの声が響き、キャスターの陣営に殴り込んだリッカ達が戦闘の開始を行う。新撰組、幕末の英雄、そしてぐだぐだ連合軍達が、決着を付ける為に明智光秀の軍勢へと雪崩れ込み攻め滅ぼすための戦いを行う
「あっ、泥が!鎧が片っ端から昇華されてくゥ!イヤホンつけて聞いたらもうダメ、尊くてホワァ」
『しっかりなさい!人類悪って本当に耐性がピーキーなのね・・・苦手属性に四倍喰らうようなものかしら・・・』
「うはwwなんだか沢山徒党を組んでやって来たのぅ!ミッチーのやつこんな趣味してたとは!わしに言えば意味もなく叩き壊してやるというに!全く水くさいやつじゃ!」
当然、それらを迎撃に現れる兵が在る。今まで集積していた英霊達を解析して現れた機械兵達が、その行く手を阻まんと指揮を受け、リッカ達の道を塞ぐのだが・・・
「マジンさんが道を開く。皆、続いてくれ」
「あん?素人が粋がるじゃなか!続くのは──おまんらの方じゃぁ!!」
「退くな、斬れ!!進め、斬れェァ!!」
そんな障害、烏合の衆は敵に非ず。新撰組の不退転のバラガキ殺法、以蔵のおぼろ丸より盗んだ質実剛健な忍びと武士の太刀、そして空間を跳躍するマジンさんの極地の歩法による斬撃、そしてあらゆる手段を講じる破壊の前進が瞬く間に血路を切り開いていく
「正面から立ち向かうな!囲め、道を塞げ!数は此方が・・・!」
「叶うと思うてか!うははははは!!是非も無し!我等楽園カルデアを敵に回した時点で最早詰みよ!茶々!丸!放て放てーぃ!!」
指揮官の憔悴を笑い飛ばし、信長が──バスタークソダサTシャツに身を包んだバーサーカー信長の改造ロックギター『ヘシkill・ハセーベ』が唸りを上げ焔を撒き散らす。時代の最先端を行き常識に反逆するロックスター・バーサーカーノッブとなった信長THE・ロックンローラーのうつけ殺法によるギタリスト殴打が瞬く間にスクラップを積み上げていく
「茶々、楽園に行きたいから頑張っちゃうし!金色の部屋で沢山贅沢する予定!と言うわけで!カモーン!豊臣ポーンズー!」
楽園のSweetSに骨抜きとなり、かつてないやる気を出す茶々による豊臣の骸骨と遺骸たち。業火と死霊の大雪崩が、信長『もろとも』敵を蹴散らしていく
「うぁっちちちちちち!!茶々!違う違うそれワシ!ワシじゃ!」
「え?あれ?間違えた?茶々、判断ミス?まぁ大丈夫!信じてるし叔母上!敦盛歌わなきゃなんとかならない?」
「そりゃならんがの!バーサーカーじゃから痛いのじゃ!ちょっと優しくいたわってくれんかの!」
「・・・──平賀源内のカラクリ技術は世界一。出来ぬ事はない」
喧騒を横目に忍術を、カラクリを使役するはおぼろ丸の技である。英霊兵による包囲を、魔力により練り上げた無数のカラクリにて押し返しているのだ。本人も鎖鎌、手裏剣、日本刀を駆使し、指揮官を的確に狙い気絶させ無力化し、英霊兵の指揮系統を寸断し活路と突破口を開いていくのだ
「お竜さん、無茶しないでね。大分アーチャーにやられてるしさ」
「安心しろ。カエルを沢山食べたお竜さんは無敵、最強だ。全員やっつけてやるぞぅ」
殴り、蹴り、吹き飛ばすの応酬にて壁をぶち抜き吹き飛ばしていくお竜さんもまた、心強い戦力であり、龍馬を、マスターを支援する。一騎当千の英霊達が、一丸となり戦い抜くその戦力はまさに強大かつ鮮烈であり、数の過多すら覆していくのだ
「皆、思いきりやって!マスタースキルはこっち、支援は私達がやるから!」
かと言えど、けして無傷というわけにはいかず魔力の消費も懸念される。それを解消し皆を失わぬようにと願い戦うマスターの奮闘を、楽園にて生み出され託されたタブレット、英雄姫の支援が的確にて推し進めていく
『戦法、戦術予測、パターン算出。回復スキル、強化スキル自動発動。霊基損傷度合い問題なし。礼装転換、オススメ候補提出。推奨スキルリストに展開。敵対戦力計算結果算出、自戦力と比較し考案される手段を画面に表示いたします。マスター、目を通しておいてくださいね』
刻一刻と変化する戦況、一秒毎に変わる戦場を秒単位で読み取り、予測し、敵味方の戦力の状況を計算し、取るべき戦術や戦法を検索する。エアの戦術眼、戦況予測と状況処理がタブレットを通じて発揮されているのだ。前進、回復、殲滅などといった行動の是非の決断をリッカに委ね、目まぐるしく画面に情報が提示されていくのである
「強化、回避、魔力供給にルート算出!ありがとう姫様!これなら誰も傷付かずに奥までいけそう!」
『はい、マスター。ですが油断や慢心はダメですよ。そして──数が多いです。次善の行動や皆への気配りを忘れないようになさいましょう!』
自動回復や、防御や魔力回復といったスキルは、タブレットを通じてエアが選別しカルデアのスタッフ達が起動させている。故に戦況は優性ではあるのだが、数多無数とも言う英霊兵は補填が止まず、倒せど倒せど次が湧いてくる。数を頼みにする以上、その供給は無尽蔵だ。──此処に留まるは推奨される状況ではない
『マスター。此処は隊を分け、退路を確保しつつ本命に向かうべきだと提案いたします。本拠地において消耗戦は推奨されません。マスターは迅速に敵の本命を。共に往く者、残す者の選抜をお願いできますでしょうか?』
エアの言葉に即座に頷く。此処は殿と迎撃を任せ、一気に本命へと駆け抜ける電撃作戦を二面に分けることをリッカは決断した。エアはあくまで進言、提案を為すのみであり選択はリッカに委ねられているのだ
「マジンさん!ノッブ!行こう!新撰組、維新の皆!、そいつら蹴散らしたらすぐ来てね!」
「解った。・・・そのタブレット、素敵だ。心と気持ちがふわっとする」
『ありがとうございます、マジンさん。貴女こそがこの特異点におけるマスターの従者。どうか、最後の最期まで共に在りますように・・・』
「おかのした!!──命が惜しくば疾く失せよ!!わしのロックは嵐を呼ぶ!故に阻めば、蹴散らすのみよ!!とうとみノッブ、皆殺しデスメタルじゃぁ!!」
即座に指示を出し、眼前の敵を薙ぎ倒しながらリッカが走り出す。マジンさんはその傍らに戻り、光の斬撃を放ちながら進行方向の者達を粉微塵にしていき、ノッブが炎にて焼き払う
「御意に。武運を。殿は武士の武勲と誉れだというぞ、以蔵。知っていたか」
「わしが知るわけ無かろうが!わしは人斬り、土佐の人斬り以蔵じゃ!!おまんら此処でぇ、皆殺しぜよ!!」
「全く、竹馬の友じゃないかってくらいに仲良しだね君達・・・さてと、お竜さん?もう一頑張りいける?」
「当たり前だ。ポメ蔵やそぼろには負けていられないからな」
維新組の天才の剣技、火遁、水遁、砂塵やカラクリ。お竜さんの武骨な格闘、龍馬の剣閃きが暴れ狂い、敵対者の兵を確実に削ぎ退路を確保する
「うぅ、叔母上行っちゃった・・・そこのー!人斬りサークルー!茶々と一緒に暴れる事を許したげるから茶々をいい感じに護ってくれな!」
「茶々さん!?それは構いませんがいきなりですね!?むしろ隙を晒してしまうのはこちらやも──」
「ごちゃごちゃいってんじゃねぇ!!皆殺しにしたら後は本命だ、死んだらぶち殺すぞ沖田ァ!!」
「あぁもう!私におぶさってください!振り落とされないでくださいよー!」
「茶々ァ!茶々、楽ちんな事大好きだし!」
暴風のように暴れ回り、前進と抹殺を繰り返していく新撰組と、火焔をもたらし続ける茶々。激動と激震の進行、混乱の最中に基地は悲鳴を上げあらゆる部屋の壁や通路が瓦礫に沈んでいく
「仕える者に罪は無し」
指揮官や存命の兵士は、おぼろ丸が回収し隔離し確保する。彼が殺めるのは外道のみ。彼にとって兵士ですらも、道を外さぬならば殺す理由を見出ださない
「皆の衆、即座に片付け救援に向かおうぞ」
「仕切るなや丸の字!!」
「やるぞ、ポメそぼろ!」
「此処は新撰組が引き受けた──誰一人!生かして返さねぇぞ!!」
「やれー!進めー!見ろー!人がゴミのよう!茶々は太陽のよう!マジ絢爛だし!」
「あんまり動いちゃダメですよ!振り落とされたりしたら──コフッ!?」
更に数を増していく英霊兵、油断すれば即座に打ち落とされる戦力差なれど、磐石の支援と体制を整えた楽園ぐだぐだ連合に絶望の色はない。体が動く限り、矜持がある限り何処までも戦い、食らい付いていく
──頼もしき仲間達に背中を任せ、リッカとノッブ、そしてマジンさんはひた走る。この特異点を形成する起点にして楔、聖杯を確保するために。そんな最中──
「リッカ先輩。・・・キンカンの言ってることは大分支離滅裂かもしれんが、願うなら戯れ言と笑わんでやってくれ。──己に負けたうつけなれど、一から十まで否定され尽くしじゃったからの、あいつ」
「ノッブ・・・」
「・・・マスター。この扉の向こうだ。この向こうに、全ての元凶が待っている」
マジンさんが指し示す扉の先。そこより感じる莫大にして甚大なる魔力。そして──狂気。その根源にして元凶が、待ち受けている
『サポート、サイレントモードに移行。──此処より先は、当事者たる皆様のみの物語。勝利と凱旋を、心より祈り、信じております。──元気な姿で、カルデアでの再会が叶いますように』
「──ギルと一緒に、見ていてください。ありがとう、姫様!」
エアの祈りを胸に懐き、リッカが扉に手を掛ける。──そして、神を降ろす宮の最奥の全貌が、眼前へと広がる──
キャスター「・・・なんだ貴様らは。・・・正規の英霊、正規のマスターではないのか?」
マジンさん「マジンさんは・・・リッカの為のサーヴァント、マジンさんだ。それ以外の、何者でもない」
リッカ(鎧がとうとみで生成できない!シュワってなるぅ!)
「・・・何者だろうと、もう遅い。見るがいい、この私が長きをかけて集積した英霊の魂。我が手に落ちた信長公の霊基、そして聖杯!ようやくよみがえるのだ!真の第六天魔王、織田信長公がな!」
リッカ「・・・ノッブ殺したの、あなただよね?なんで甦らせるの?」
「・・・だって、仕方ないじゃないかね。あやつのせいで信長公は信長公でなくなってしまったのだから」
「・・・秀吉さんのこと?」
「そうだ!忌々しいあやつ!あやつが現れてから、信長公は信長公でなくなってしまった!信長公は私の光、私の救い!私の全てだったのに!私の全てを捧げた!母でさえ、捧げるも惜しくはなかった!なのになぜ、なぜ私でなくあやつに笑いかけるのですか!」
マジンさん「──何故、大切な者を手にかけられる。何故。かけがえのない存在を殺したんだ」
「信長公は私だけのものだったのに!私が、私だけが彼の理解者だった!私だけが理解者でなかなければならない!私以外の者に、天下を語るなど許される筈がない!」
マジンさん「──・・・解らん、想いだ」
「だから、殺したのだ。すべては、すべては信長公の為!あのような奴に、日ノ本を治められる筈がない!事実、あやつは何もかも失い惨めな最後を迎えた!ですがご安心を!日ノ本を納めるにたるは信長公以外にございません!そう!私の信長公!私だけの信長公が!さぁ聖杯よ!数多の英霊の魂よ!私の、私だけの信長公を此処に産みおとさ──」
ノッブ「バカかキンカン。──つまらん性根は変わっとらんのう」
光秀「───は?・・・・・・な、に?」
「いや、計画自体は割りとグッド。スケールよし。わしも好きなタイプの絵面じゃしの?」
リッカ「ノッブ?」
「すまん、黙っておくつもりじゃったが我慢できん。言わせてくれぃ先輩。・・・何故、そこで『わし』なんじゃ?」
「・・・信長、公?」
「そこまでやるなら自分でやらんか自分で。──心酔し、陶酔し、己を一切示さない。そういうとこじゃ、お前のダメなとこ」
「な、なにを・・・」
「わしを殺してみたはいいが、その先の世をお前は考えておらなんだ。わしなき世など思い至りもしなかった。──其処が、お前とサルの差じゃ」
「差・・・」
「己が世界を照らさんとしたサル。わしを失い全てを見失ったおまえ。──おまえはサルに負けたのではない。わしを抜けば何も残らぬと。己を恐れる己に負けたんじゃ」
「・・・──いや、いや、いいや!私の信長公は此処にいる、貴様など、私を否定する貴様など信長公などではない!!」
英霊兵「「「「「「・・・・・・!」」」」」」
リッカ「うわ、一杯出た!」
ノッブ「すまん、やぶへびだったか?だが、言わなきゃ気がすまなんでのぅ」
マジンさん「──言っていることはまるきり分からないが、分かりたくない事が分かった気がする。大切な人を殺すなど、死んでも嫌だ」
リッカ「マジンさん・・・」
「──もう一踏ん張りだ、リッカ、ノッブ。・・・此処を切り抜け、あの聖杯を破壊する」
「うん!行くよ!二人とも!」
「英霊兵!その乱心者共を片付けろ!!」
リッカ「出来るものなら──」
マジンさん「やってみろっ。マジンさんは──大切な人の傍にいる限り、負けない」
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