人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

614 / 3000
アルク「はろはろ~♪ヒナちゃん元気~?手伝いに来たわよ~♪」

ヒナコ「げぇ!!あんたは・・・!?」

「ちょ、何よ~。顔を見たらリッカの後ろに隠れちゃって~。羨ましいわそこ代わって~」

「ど、どしたの先輩?アルクがどうかした?」

「どうかしかしてないわよ!コイツ怖いわ、自分のペースごり押してくるんだもの!なに、今度は何を教えに来たの!?」

「だから手伝いだってば~!タイプムーン古参としては、イベントには参加しておきたいの!そんなわけで、よろしくね♪あ、リッカちゃん可愛い!それ私もきたーい!」

(リッカ、リッカ!なんとかしてあしらいなさいよ!ほだされたの・・・!?私以外の精霊に・・・!?)

リッカ「かわいっ──ホワァ」

「ちょっとぉおぉお!?何虹色の粒子だしながら消滅始めてるのよぉ!?」




ヒロインX「セイバー、セイバー、セイバー!!温泉にて裸になる時がチャンス!すべて断ち切って膾にしてやります!!セイバー殺すべし!!」

アーサー「静まるんだ!落ち着くんだ!温泉に怨霊がいる!剣を持っているらしい!セイバーじゃないか!?」

「なぬ!?セイバー!?早速向かいます!セイバー殺すべし!!」

(ほっ──よし、僕も一息つこう。部屋でまたギルガメッシュの指示を・・・)

コールタール女【王子様♥】

「!!!??」

・・・廊下には、誰もいない

「・・・なんだ、気のせいか・・・それにしてもなんだか、身体が重いような・・・」

自室

【王子様・・・愛してるわ、王子様・・・旅館の温泉なんて素敵よね王子様・・・×∞ループ】

「うう、ぅうん・・・」

アーサーは仮眠中、金縛りにあい譫言を呟き続けたという・・・

フォウ(おぃゴルァ!!クルルァお前楽園参加チケット持ってんのか!見せるんだよあくしろよ!!)

【げぇ!先輩!?】

その後フォウにより即座に鎮圧された

虎名主「・・・この集まりは・・・何事だ・・・」

賑やかとなり、部員やサーヴァント、職員たちが奮闘する閻魔亭に驚く影・・・虎の面を被った『虎長者』が、不思議そうに眺めている

「・・・楽しいのは、今だけだ・・・いずれ、どうにもならない事を知る・・・」

そう、嘆くように呟く虎長者もまた、部屋へと戻る

「──ありもしない宝を、手にすることは・・・出来ないのだから・・・」

どこか、寂しげな声音と共に。彼等の頑張りが、決して報われないという諦めと共に──


山の幸を手に入れよう!

「それでは、此方も始めましょう。山の恵み、大地の幸を集め、感謝の宿の助けとするのです」

 

 

此方は山の前にて、規律正しく整列と点呼を行いし威厳を秘めた王の声音が、突き抜ける青空に吸い込まれていく。山の幸、そして材木を手にするために結成された円卓の騎士達が、カルデアのNo.2である騎士王をリーダーとした部隊を組み、山に溢れし恵みを貰い受けようと目的を新たにしている状態である。ブリテンが誇る名だたる騎士達の其々が、これから行われる収穫祭に大なり小なり心を震わせているのは言うまでもない

 

「ブリテンにいた時はこんなすっげー緑なんて縁が無かったもんな!よーし、取って取って取りまくるぜ!」

 

「モードレッド卿、限度を過ぎ越した収穫は禁ずるぞ。必要な分以上を無闇に欲すればそれは侵略者と変わらない。節度と礼儀を以て事に当たれ」

 

ぴしゃり、と騎士王の言葉、その一喝に無条件で背筋が伸びるモードレッド。誉れも高き騎士王の数ある側面の中で最も王として余裕と風格が在りし姿、そして霊基を界聖杯にて調整された至高の騎士の顕現とも言うべき存在に、流石のモードレッドと言えど理由なく噛み付くは愚考と判断したのだ。今の騎士王は、決して騎士には破れないのだから。騎士の誇りならともかく、つまらないいさかいで剣を折るにはあまりに無駄であるが故に

 

「へーい・・・程ほどにやれってんだろ?キノコとか竹の子とか、色々取ってきてやるぜってな」

 

「うん!マスターはなんだか『高級素材の匂いがする』って言って何処かに行っちゃったけど、きっと大丈夫だよね!」

 

「いやお前それ本当に大丈夫なのかよ!?」

 

モードレッドとガレスが会話に華を咲かせるなか、ベディヴィエール、アグラヴェインもまた、道具とマップを用意し、採れるスポットと地点を正確に把握して効率よく立ち回ろうと吟味を行っている

 

「毒味や知らぬものを口にして味や成分を確かめる必要はなさそうですね。これだけ肥沃な土地を踏むのは数少ない体験・・・何処かワクワクしてしまいます」

 

「私としては些か過剰戦力と思わない気がしないでもないが。まぁ休暇の延長戦のようなものだ。楽しみながら取り組むとしよう。そこでベディヴィエール卿、こちらの移動先と合流地点だが・・・」

 

モードレッド達とは対照的に、真面目に責務を全うせんと決意する二人。リラックスか仕事気分かの分類分かたれしこの面子の中間に位置するペアもまた、やる気を存分に発揮している

 

「ランスロットさん!私達が活躍し頑張れば、きっと閻魔亭の皆さんは楽になります!善き行いとなる山菜集めを始めましょう!」

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛!!!」

 

 マシュにランスロットのコンビもまた円卓である。バーサーカーのランスロットはマスターかマシュの言葉でしか意思疏通が叶わない。その為、特別にマシュが付き添いでやって来ており、行動を共にしているのは通訳、翻訳の為であるのだ。仲居としても忙しいにも関わらず、二つ返事でランスロットのサポートを申し出たのは、やはり彼女がランスロットに心を許している証であろう

 

「『収穫の季節。とはいえやり過ぎないように注意を。我々は恵みを受け取りに来たのであり荒らしに来た訳ではない』と仰有られております!流石はランスロット卿!騎士の中の騎士です!」

 

「流石ランスロット卿!さすラン!」

 

「さすラン!?本当にそう言ってるのかよ・・・!?まぁいいや、暴れてミサイルとか射つなよ、お前!」

 

「⬛⬛⬛⬛⬛~・・・」

 

「『そんなバーサーカーじゃあるまいし』だそうです!」

 

「お前!今は!バーサーカーだろぉ!?」

 

モードレッドの冴え渡る突っ込みが響き渡る中、いよいよ以て時間がやって来る。採集と確保、山の幸、確保の時間がだ。再び号令をかけ、皆の気持ちを引き締めさせる

 

「それでは、我が騎士達の奮闘と健闘、尽力に期待しています。どうかくれぐれも、楽園の看板に泥を塗ることがなきように。──それでは、解散」

 

「あ、父上!質問があんだけどさ、男の父上はどこ行ったんだ?真っ先にこういうの率先する優等生じゃないのか?」

 

「彼には暴れだすアサシンの私を制止してもらっています。セイバー抹殺阻止のための一手ですね。それと『寝ていると金縛りが凄い』ようで安息が得られず走り回っています」

 

「男の父上ハードスケジュールすぎじゃねぇ!?」

 

「彼の献身に応える為にも、何としても山の幸を持ち帰りましょう。ほら、遊んでいる暇はありませんよ」

 

父上お疲れ・・・・・・反逆の騎士たるモードレッドらしからぬそんな表情を浮かべながら、モードレッドをはじめとした騎士達は山へと入っていく

 

 

「・・・プリンセスやマスターにも、何か美味しいものを渡せれば良いのですが。私も少し探してみましょうか・・・」

 

円卓の騎士たちの行う山菜集め。聖剣は禁止、破壊活動も禁止としたアグラヴェインの指示に従い、意外にも和やかに山の幸の確保は進んでいった

 

「ねぇねぇモーちゃん、木の実が沢山成ってるよ。トリスタン卿だったらポロロンしながら飛んで取れるのに・・・どうしよっか?」

 

「任せな!トリ公だけに高いところででかい面はさせねぇ。簡単なこった。高いなら・・・叩き落とす!!オラァ!!

 

「幹に蹴りを入れたー!?うわぁ凄い!沢山木の実が落っこちてくる!凄い凄い!モーちゃん凄い!」

 

「ハハッ、だろ?要は頭の使い方だ頭の!オレはこう見えて有能で最適解を導きだ──ぎゃあぁあぁあぁあぁ!!?」

 

「ああっ!?なんだかイガイガトゲトゲしたのがモーちゃんの頭にぃ!?大丈夫!?モーちゃん大丈夫!?」

 

「抜け!抜いてくれぇ!!チクショー超いてぇ!くっそぉ、笑い話にもならねぇ!山菜集めで負傷なんてよぉ!」

 

「ウキ~」「ウキ」「ウッキ」

 

「え!?猿!?」

 

「「「ウッキ~!」」」

 

「おぉ!木の実をこんなに沢山・・・!?」

 

「なんだよエテ公、いい奴等じゃねぇか!・・・ん?なんでエテ公が助けてくれんだ?」

 

 

「キノコは素人が取っていいものではありません。熟練のプロですら時には間違え、悲惨なる事故を巻き起こすのです。特にドクツルタケ、ドクササコ、カエンタケの三つはこの日本における生物兵器と言われるほどの毒性を持ちます。良いですか、実際毒があるかどうかは食べてみないと分からないのです。くれぐれも、軽はずみに口にしてはいけませんよアグラヴェイン卿」

 

「了解した。・・・やけに詳しいな、ベディヴィエール卿」

 

「えぇ。旅の途中は選り好みはしていられなかったので、まずは毒があるかどうかを判別していましたから。うっかり毒を口にしようものならそれはそれは大変で、治癒と浸食が同時進行し血と吐瀉物を撒き散らす羽目になりますからね。なりましたから。それでも毒キノコは・・・美味しいんですよね・・・」

 

「・・・そんな卿の為に、毒のあるなしの食べ物リストを作っておいた。弁当屋経営やアウトドアの助けとなれば良いのだが」

 

「アグラヴェイン卿・・・!いえ、アッ君・・・!ありがとうございます!流石は円卓一の働き者、王を補佐する鉄の男・・・!」

 

「大袈裟だ。私としても品質不始末による回収騒ぎは避けたい。円卓の沽券に関わる。我が王──・・・・・・」

 

「・・・?」

 

「我が王達の為にも、万全の用意を以て挑まねば」

 

(あぁ・・・乗り越えたのですねアグラヴェイン卿・・・我等が王、増えすぎ問題を・・・)

 

「では行こう。毒性ばかりであるならば材料を集めれば間違いはないはずだ。慎重に行くぞ」

 

「えぇ!円卓ゲテモノ部門の称号は我等のものです!」

 

「いや、それはいらん・・・」

 

 

「⬛⬛⬛⬛~・・・」

 

「ランスロット卿、どうなさいました?先程から何か・・・」

 

「⬛⬛⬛⬛(ヒョイヒョイ)」

 

「はっ!?あれはゴミ拾いに特化したランスロットホームセンターの金属探知機(宝具)!それに黒く染まったごみ取りトングに入れた瞬間ゴミを処理する黒籠・・・!ランスロット卿、まさか貴方は・・・!」

 

「⬛⬛⬛⬛、⬛⬛⬛⬛!」

 

「ご、ゴミ拾いをするために立候補を・・・!?その為に、自らの製品をつか、ハッ!?」

 

(こ、これは絶妙なマーケティング戦法!?私達楽園が宿泊したら、山が物凄く綺麗になったという風評を広めるために・・・!そして自らのブランドの器具を宣伝するために!?)

 

「流石です!ランスロット卿!私も負けていられません!先輩をアッと言わせるような活躍とゴミ拾いをやってみせま──」

 

「⬛⬛⬛・・・」

 

「?ど、どうしました?ランスロット卿、もう一つの籠を私に・・・?」

 

「⬛⬛⬛⬛!」

 

「『汚れ仕事は私に任せなさい。マシュが歩くのは栄光溢れる山菜の道なのだ』・・・こ、これは!?ランスロットホームセンターにて絶賛発売中の『ヤマノサチミツケール君(9800QP)』と『ムシヨケール(800QP)』!更に更に『スペシャルスクランブルブザー(1200QP)』・・・!?まさか、私に山菜集めを・・・?」

 

「⬛⬛⬛⬛!(サムズアップ)」

 

「ら、ランスロット卿・・・!!確信いたしました!『バーサーカーのランスロット卿』は、騎士の中の騎士であると・・・!理性なんかいらなかったのですね!!」

 

「⬛⬛⬛⬛⬛!」

 

「はい!一緒に頑張りましょう!山を綺麗にする事が、感謝の気持ちに繋がると信じて!!」

 

 

山の静かな景観に包まれ、そして侵略者のいないのどかな空間にて、思い思いの行動にて山の幸を確保していく円卓の騎士達。その様子を、山頂にて騎士王は静かに、荘厳に佇み見守っている

 

(円卓の騎士達が、再びこうして廻り合い力を合わせる。実に喜ばしき光景が此処にある。──本当に、得難い経験です。この召喚に応じた事は決して忘れないでしょう。ありがとう、ギルガメッシュ。ありがとう、プリンセス・・・)

 

「ヒンッ(我が王よ、松茸焼けています)」

 

「む──よし、ではいただきましょうか。皆の分の幸は既に確保済み。・・・これは毒味、毒味です。けしてその、高級素材を味わってみたいという発想では無いのです。よろしいですね、ドゥン・スタリオン」

 

「ヒヒンッ(松茸美味しそうです。いい香りですね)」

 

「わかってくれたようで何よりです。よし、それでは早速。・・・ふふ、マスターやプリンセスは喜んでくださるでしょうか。さながら私は騎士王ならぬ松茸王──」

 

「どうした父上!?狼煙なんか上げて敵襲か!?」

 

「!!?」

 

「あっ(察した顔のベディヴィエール)」

 

「・・・王よ、成果の報告を(触れないことにしたアグラヴェイン)」

 

「我が王!大丈夫ですか!?イガグリ頭に刺さったりしませんでしたか!?」

 

「⬛⬛⬛⬛⬛!!!」

 

「騎士王に限ってそんな・・・!・・・あれ?この匂いは・・・」

 

「ぁ・・・いや、これはですね。違うのです、その。食い意地が張ったとか、そういう訳では・・・」

 

「なーんだ。てっきり敵襲かと思ったぜ!そうだよな!この父上なら楽勝だよな!にしてもどうしたんだよその匂い!洗ってねぇ靴下みたいな匂いがするぜ!

 

風王鉄槌(ストライク・エア)

 

「なんでだよ父上~~!!!!??」

 

──外国と日本で、様々な文化の違いは時々散見される。卵を生で食べる文化がなかったり、匂いに関しての認識の違いであったり、だ。日本では高尚な匂いも、外国ではそうではなかったりするのである

 

しっかり勉強し、知識を把握した騎士王。匂いなんて皆同じだ食えりゃあいい。そんな二人のスタンスが浮き彫りになった瞬間であった──

 

「ヒヒンッ(あの愚息はオチ要員として極めて優秀ですね)」

 

──このあと、ランスロットとマシュの提案により騎士達は山頂バーベキューを敢行し、ほくほくしながら下山したのであった・・・──




山中

「ふむ、これはトリュフ、これもトリュフ・・・これもトリュフですね。大量です」

ガレス「マスター!帰りますよー!」

「むむ、もうそんな時間ですか・・・竹の子も取りたかったのですが・・・」

「御無事でしたか?舗装された道だけしか行きませんでしたか?」

「えぇ。不思議な事に誰にも会いませんでした。・・・名残惜しいですが、此処までに致しましょうか」


木ノ上

「ウキ」「ウッキ」「ウキキー」


成果

山の幸 800

材料各種 1800

ゴミ袋 10

トリュフ たくさん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。