オルガマリー「──・・・・・・」
怨霊【お、くぉおっ・・・!美少女からの魔術弾滅多撃ち・・・!これだけ撃たれたら、近付く暇もありはしない、かっ・・・!】
「私の勝ちよ。空に至った貴女ならともかく、旅の最中の貴女なら負けないわ。大人しく成仏し、温泉を明け渡しなさい」
【・・・──ません】
「?」
【ぜーんぜん!悔しくなんかありません!!だって火力とか間合いとか遠すぎますし!私じゃなくても絶対勝てないわよそんなの!相性の差で私は負けたのです!私はまだ上回られていないのです!ノーカウント!ノーカウント!ノーカウントなのです!!】
「──・・・・・・」
【私は仕切り直します!美少年、美少女に出逢えるまで!貴女も本当にいい線いってる!刀を持ってまたきてね!うへへへへへ・・・!】
「──これ、なんとかなるのかしら・・・?」
「ふふははははははははは!!満を持してこの時が来たな!!貧乏神に閑古鳥よ、いざ刮目するがいい!今この瞬間!!貴様らの息の根をこの我が止めてくれるわ!!」
大量に集められし各種材料、スギやヒノキ、ケヤキを始めとした大量の木材を前に、悪や災いを笑い殺すような天下泰平の御機嫌スマイルが閻魔亭へと響き渡る。各種、各人員が集めに集めた木材が今、此処に閻魔亭の真なる姿を復元するための足掛かりとなる。そう、つまり──
──各種担当部屋、検討そして必要素材と経過時間の計算、そして選別は完了しております!どうか御存分に、その威光をお示しください!
エアのサポートが示す通り、此処からは王のターン。即ち改築王の顕現タイムなのである。客足が遠退き、コストが嵩むと閉鎖されていた各種の部屋。永らく寂れてしまい風化してしまった各種設備を王による劇的ビフォーアフター・・・匠ならぬ王の御技にてその全てが復活する時がやって来たのだ
《よし、それでは始めるとするぞエア!──しかし、これ程の木材を一度に扱う事態は中々に得難いな。我がウルクは土地柄故、どうしても杉を手にするために森へと遠征しなくてはならなかった故な。木材調達は我が治世において頭を悩ませた難題でもある。懐かしいものよ》
この時の果てで、見上げんばかりの木材を前に自分等が立っている。その愉快な経過にまた笑みを漏らしながらも、粘土板や泥ばかりが能では無いという事を知らしめんが為に今こそ王が立ち上がる。この宿の千客万来、商売繁盛を確約させる為の第一歩にして、『王手』をかける一手を示すために
──これ程の木材を難なく改築に昇華してみせる王の手腕、特等席にて拝見させていただきます!王よ、その敏腕をどうか御存分に!
《ふははははは!!言われずともそのつもりよ!其処で存分に見るがいいエア!我に最早、麻婆以外の弱点など存在せぬという事をな──!!》
王と姫、いよいよ以て動き出す。慰安旅行を磐石にするために、自らの愉悦の為に。驚天動地のゴージャス大改築奮闘記が幕を明ける──!!
やどにきて やりくりをする けものかな
紅閻魔専用特上私室
「あ、あちきにまで部屋を用意してくださったのでちか!?あちきが、こんな至れりつくせりだなんて・・・よいのでちか・・・!?」
「お前が閻魔亭の大黒柱、一番の功労者なのだ。当然であろう。お前が我が威光を受けずして何者が受けると言うのだ。もてなすは良いが自愛せよ。体調管理も仕事のうちだぞ?」
「・・・あ、ありがとうございまチュ!埃一つないほどに、ピカピカに使わせてもらうでち!」
──雀の皆様の個室も、勝手ながら改築させていただきました。心機一転、全身全霊でこれからも頑張って参りましょう!
「「「「「「女将!!御部屋が最高級になっているでチューン!!」」」」」」
「なんでチュって──!?雀の皆がいったい何羽いると思っているでちか──!?」
「ふふはははははは!!それよ!驚天動地に戦くならば、我が手掛けた甲斐があると言うものだ!!」
各種客間 (ゆったりとした客間、趣のある客間、古風な客間、眺めのいい客間、お忍びの客間、接待用客間)
「まずは部屋がなくては話になるまい。客をいくら招こうが容量が足りぬと言って追い返せばそれは此方の落ち度、失態となろう。様々な場所にてそれぞれの利点、それぞれの風情がある部屋が散見されたが・・・、うむ、面倒ゆえ全て復興してやったわ!ふはは、空き部屋が余るくらいが宿には丁度よいのだ!これにて来客を招き入れる最低限の準備はこなしたと言って良かろう!」
「久方ぶりにこんなにお部屋が・・・!だ、大丈夫でちか?ここだけでも六つを同時に改築したでちよ!?」
──これはほんの始まりです!さぁギル、全てを復旧し元の姿を取り戻してしまいましょう!
《無論だ!身体が暖まってきた所よ、最早我を阻むものは無いわ──!!》
大厨房 第二厨房
「よし、これで腕を存分に奮えると言うものだ。各種世界、各種幸を完全に調理して見せよう。カルデアのキッチン同盟の本領にして真髄を発揮する時だ!」
「任せるぞフェイカー!旨い飯は出掛けの旅館の醍醐味だ、万が一にも失態があれば即座に貴様の責任問題に繋がると知れ!貴様の肩にかかりし責任、何よりも重いことを頭に叩き込んでおくのだな!」
「──言われるまでもない。私もまた、この旅館を建て直す為に尽力する身だ。一切の加減なく力を振るおう!」
「よーし、サカナと肉、野菜も果実もいっしょくたに放り込むが良いのだナ。いざいざ、調理の極楽開演である」
──全てが終わった際の宴に、より一層期待が高まります!胸を踊らせ、次へと参りましょう!
鳳の間、御大尽の間
「ハハッ!ファラオが休み、饗宴に耽るに相応しき部屋をも解放したか!見事なり御機嫌の!ではありがたくこのホルスの間は使わせてもらうとしよう、報奨の果実を受けとる事を赦す!!」
──いつのまにかファラオ・オジマンディアスが待機、鎮座しておりました・・・!?
《こやつめ、さては既に良き部屋に目星をつけていたな?そして改築が終わり次第即座に予約と確保を行ったと。ふはは!高揚し昂っていたのはこやつも同じであったか!──ふむ、となると宴会の間がこやつの専用となると言うわけか。──よし!ならばもう一つ宴会の間を追加する!御大尽の間は我が貰うゆえ、者共の宴会の場が無くてはな!エア、追加の余地は残っているな!》
──そう来ると思っていましたよ、ギル!時空歪曲にてスペースは確保済みです!
《フッ、流石よな!ならば即座に取り掛かるぞ!足りなければいくらでも手掛け、作る!ゴージャスプレイとはそう言うものよ!!》
+→騎士の間、征服の間、饗宴の間、神殿の間(どれも大宴会に対応した部屋)
鐘撞き堂
「時を示す鐘を突く間か。地味ながらも景観の為に外せはせんな。叩く輩も見繕わねばならんか・・・」
「わーい。好きな時に鳴らしていいんだよね、これ?ガンガンガンガン鳴らしちゃおうかな?」
「止めよエルキドゥ!ピンポンダッシュの延長ではないのだ、控えよ!」
「あはは、分かってるよ。でも、こういった精確さが求められる作業は僕がやろう。皆に時間を正確に伝えるよ。任せてほしいな」
──何故でしょう。揺るぎ無い期待と信頼、それと同じくらい不安が渦巻いているような・・・
(エア、大丈夫さ!エルにはボクがついてる。きっちりやってみせるさ!)
「宜しくね、フォウ。エアにもよろしく頼むよ、ギル?」
(うわぁ~)
「当然よ。程ほどに叩くが良い!よし、次だ!」
エステルーム
──此処は外せない!と猛烈な意見がありましたので、此方も新規に実装致しました!
「ありがとう、御機嫌王。・・・ほら、私結構身体が凝るし・・・」
「不死、長寿ゆえか。その悩みは理解してやることは出来んが即物的に解決してやることは出来る。全てが終わりし際には名うての達人をつけてやろう。楽しみにしておけよ?」
「・・・ん、はい。これ」
「む?これは・・・」
『神仙の秘奥『健康カルテ』』
「色々やらかした御詫び。好きに使いなさい。解析して新しい体を造る時にでも使えば?」
──こ、これは凄いデータを貰いました・・・!?
「ふむ、アルクェイドのデータも合わせ、顕現の体の製作には困ることはない、か。良い!受け取っておくとしよう!──よし、では早速整体の時間だ、不死者よ!」
「は?」
「ハロー!来たわよぐっちゃーん!真祖同士仲良くやりましょー!」
「マッサージ役とか絶対やらせちゃいけない奴じゃない──!!?」
──賢王も、来てくださいますでしょうか?もし、その時はワタシも全力で整体に励みます!
《ふはは、エレシュキガルめを傍に置いておかねばな!よし、このまま行くぞ──!》
遊技場 イベントホール
「──正直、最後まで作るのに憂慮した空間ではある。遊技場は部員の一人が手掛けていた故、資金とメンテナンスで済みはしたが・・・」
「アタシ達の為のルームね!?任せて、バッチリ歌うわ!」
「待たせたなローマ市民たちよ!余らが歌うぞ!!」
「誰ぞこやつらを叩き出せ!!」
──マ、マシュ☆コンの二人に声をかけておきますね・・・その、デスメタルやハードロックは特注防音の場を設けますので・・・
《客脚は己で調達するのだな!其処まで面倒は見きれぬわ!》
──さ、さぁ!気を取り直して次へ参りましょうか!はい、次です!
はなれ
「騒がしいばかりではなく、静かなる空間も必要であろう?一息着きたい時分の空間をも手掛ける。万全磐石とはまさにこういう事よな」
──フォウや王、皆とのんびりする場所があるのはとても素敵です!はい、憩いの場は大切です!
[助かるぞ、王にエアよ。防音と日光の遮断は徹底してもらいたいところだ。寝るのでな]
──ゆっくりしていってね、アルク!
『私も、こういう静かな場所は好きよ。賑やかさを遠くから聞くのって、風情があるもの』
──お茶を飲む場所も大事だものね!作法をしっかり身に付けなきゃ・・・
《レアエンカウントの間、といったところよな?ふはは、隠し扉でもつけておくか!》
屋上庭園
「うわぁーい!」
「お庭ね!御茶会が捗るわ!」
「風情と言えば庭は外せまい。どう作り、どう景観を形作るかはそれぞれではあるが、高き空を前にして心和まぬ者はおらぬだろうさ」
──やんちゃでもわんぱくでもいい、元気に育ってほしい・・・幼い子達が遊べるような、そんな想いと願いを込めて作られた場所ですね!
「いい庭園ね。ガーデニングのし甲斐があるわ」
「いやはやお疲れさま。私も御昼寝、転た寝サボり寝をするに最適だと確信しているよ。やはりこういった心のゆとりがなくっちゃね」
「貴様の位置は常にフォウが感知している。逃げられはせんぞ」
「あははははは、厳戒態勢しかれちゃってるなぁ私!」
──お疲れ様です、マーリンさん。・・・
「はぁ、御茶が美味しいなぁ・・・リッカちゃんらも後で来るってさ。しばらく二人でのんびりしていようか、シバ?」
「はぁーい♥ふふっ、この時間があるだけでも、楽園に招かれて良かったと思いますね~♥」
──どうか、いつまでも御幸せに。人間としての生を、存分に謳歌してくださいね!
《そろそろ頃合いか・・・》
『クソa(ry』
音量 0
──残るは温泉、そして天守閣のみです!どちらから参りましょうか?
《温泉は何やら別件にて封鎖されているようだ。対処は後で構わぬ。ならば答えは一つであろう?王が外界を見下ろすに相応しき部屋、玉座を置くに相応しき場を整えに行くぞ、エア!》
──はいっ!それでは、最後の仕上げに参りましょう──!
王と姫の手当たり次第の改築の様子はいよいよ決着を迎える。其処は最上にして、この奮闘記の活路となりし天守閣──
ゴージャス天守閣 御機嫌王謁見の間
──うわぁ・・・!凄いです!窓から景色が一望出来て、こんなに空が近いなんて・・・!
《まさに王が居を構えるに相応しき場所よな。やはり我等の目に狂いは無かったと言うことよ。──これで、閻魔亭の不足していた部屋は全て開帳した。後は我等が何を成すかにかかっている・・・が、そう心配はいるまいよ》
「──何か不満、要望はあるか?何かあるならば気軽に申し付けるがよい。10分程度で整えてやろう」
紅閻魔「ふ、不満などある筈がありまちぇん!閻魔亭が、半日も経たずにあっという間に元通りでち・・・!あちきは、夢でも見ているでちか・・・?」
「夢ではなく、幻でも泡沫でも無い。此処に我等が在り、此処に我が威光がある。その答えが此なのだ、女将よ」
「は、はいでち・・・!王さまとは、本当に凄いものなのでちね!──あ、でも・・・質問はあるでち」
──質問、ですか?
「赦す、述べるがよい」
「・・・そんなに沢山の財があるのなら、わざわざ材料を集める必要もなく、キラキラとした宝で代用は出来たはずでち。何故それをせず、こうして木材を使用したのでちか?」
──あぁ、成る程。『なんでもできる』筈なのに、何故態々遠回りをしたか、と言うことですね?
「──分かりきった事よ。此処は旅館、閻魔亭であろう?旅館というものはただ設備を最新にし、作り替えれば良いというものではない。そも、風呂や休息であるならば家でも行えよう。客が旅館や温泉に望むものというものはな、『その場のみにしかない特色』と、其処に紡がれる『一時』にこそあるのだ」
紅閻魔「・・・!」
「確かに黄金や財宝を使えば事は早く片がつこうさ。さっさと改築し、さっさと閻魔亭をゴージャス亭と改めることも実に容易い。──だが、それでは閻魔亭は閻魔亭である意味があるまい。客が、そして我が求めしは『閻魔亭のもてなし』なのだ。こればかりは我でも用意できぬものであるからな。その場限りの風景、その場限りのもてなし、そして『そこでしか味わえぬ安らぎ』。──それを以て初めて感謝は生まれるのだ。故にこそ、遠回りをする必要があったという道理よな」
「・・・あちき達の閻魔亭を・・・あちき達が護ってきた閻魔亭を、大事にしてくれたのでちか?」
「フッ、言葉にするな。面映ゆいわ。──なに、『尊重』の価値は、常日頃認めているのでな」
──遠回りこそが、最短の道に成りうるのです。紅閻魔さま。ワタシたちは、貴女が護ってきた閻魔亭を取り戻したいのですから!
「お、王ちゃま・・・!御機嫌王ちゃま・・・!」
「囀ずる暇は無いぞ女将!これはまだ始まりに過ぎぬ、問題の一つである温泉をなんとかせねば始まらぬわ!」
「──はいでち!全てが終わったら、皆様を心からおもてなしさせていただくでち!だから、だから・・・たくさん!よろしくお願いするでち!」
──はい!なんとしても、この閻魔亭を取り戻しましょうね!
「ふはは、これだけお膳立てを整えたのだ!大繁盛、千客万来は見えているようなものよ!さぁ行くぞ、旅館の目玉、温泉を建て直しにな──!」
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