リッカ「?何が?」
「ほら、この一連の企みよ。大丈夫・・・だとは思うけれど、万が一があるじゃない。追い詰められた輩は、何をするか分かったものじゃないんだから」
リッカ「あぁ、なるほど~。じゃあ、そう言うときは『負けられない理由』を思い浮かべればいいよ!」
「負けられない・・・」
「自分は一人じゃない、閻魔亭や其処に来たい全ての人達の願いや希望を背負ってる・・・そう考えたら、迷ってる暇も悩む時間も無くなるよ!」
「・・・もしかして、世界を救うまでずっとそうやって来たの?」
「勿論!私は世界が平和になるまで負ける気なんて無いからね!勿論今だって!」
「向こう見ずね。でも・・・嫌いじゃないわ。あんたの事」
リッカ「染まってきたね!先輩!」
「朱に交わればなんとやら、よ」
~地獄
閻魔「どうしよう鬼灯くん・・・紅ちゃん大丈夫かな・・・ギルガメッシュくんと仲良くできてるならいいんだけど・・・」
鬼灯「ちょっと黙ってて貰えますか。いいところなんで」
「あ!現世の様子見てる!ずるい!見せて見せて!」
「チッ・・・とりあえず、世話になった補填を考えた方がいいんじゃ無いですか」
「う、うんそうだね。何がいいかなぁ・・・あ、閻魔キャップとか!」
「そうですね(スルー)此処はやはり・・・閻魔の椅子ですかね」
「え?私の?こんな御古気に入ってくれるかなぁ・・・」
「は?違いますよ。椅子と言ったら決まってるじゃないですか」
「・・・地位!?」
「割りと真面目に、リッカさんと御機嫌王で地獄を改革してほしいと日頃考えています」
「あ、あはは・・・紅ちゃん!頑張ってねー!」
天国
猿「こんな形で出演したく無かった!!!(ドシャ)」
桃太郎「おいぃいどうしたおまぇえ!?」
キジ「当然なゲスキャラ調理によるfateデビューに息を引き取ったみたいだな。ショックで」
シロ「元気出して!鵺だから猿より強そうだよ!」
猿「あと腐れなく倒してください・・・(チーン)」
桃太郎「・・・俺の出演まだかなぁ・・・」
キジ「ガチャ、回らないんじゃないか」
シロ「そんなに欲しくない!」
「うるせーーー!!!」
「・・・まさかそちらから呼び出して来ようとは思いませんでした。その様子では、支払いの算段がついた・・・ということですかな?」
大広間にて、従業員全員、そしてカルデアメンバー全員の歓待を受けやって来たのは『竹取の翁』・・・500年前に騒ぎを起こした張本人、財宝を盗まれたと閻魔亭を騒がした下手人だ
「ようこそおいでくだちゃいまちた。まずは、長らくお待たせいたちまちた事をお詫びいたしまちゅ」
「そうですなぁ。何百年も返済を待たされている身。それくらいの礼は尽くしていただかなければ」
虚勢なのか、はたまた自分が追い詰められていることに気付いていないのか。泰然とした態度を崩さない翁。その姿に王の肩は笑いをこらえるために必死で小刻みに震えているが、無理もない事だろう
「とはいえ気持ちで懐は潤いません。まずは去年の利息分──1000億QP、耳を揃えて御支払いただきましょうか」
それは溜まりに溜まった利息の返済額。最早返せる筈もないと言ってもいい程に膨れ上がった利息の額。それの返済を求める翁。払えるはずがない──誰もがそう思っていた。そう、『先日までは』
「はい、解りまちた。長らくお待たせした御詫びも含め、『2000億QP』、御支払させていただきまちゅ」
「これ以上は待てませんな。払えないのなら、差し押さえとしてこの閻魔亭を・・・、・・・なんですと?」
その答えを紅が口にした瞬間であった。パチリ、と王が指を鳴らし、バビロニアの宝物庫に空間を繋げ翁の目の前に大量のQP、2000億分を返済として叩きつける。その程度のはした金と言わんばかりに、乱雑な放り投げ方であった。
「利息分の上乗せとしては上出来であろう?そら、さっさと本題に移るがいい。次の本命・・・至宝の紛失した賠償は如何な値段を突き付けるつもりだ?下らぬ暴利であろうと、話だけは聞いてやろうではないか」
「・・・こ、これはどういう事ですかな紅閻魔殿。彼は一体・・・」
「彼はごきげんおー、ギルガメッシュ様でち。この世の全ての財を所持せし御大尽。この宿に遊びにいらした筈が、あまりにも侘しい有り様ゆえに一念発起し、『この閻魔亭を買い取ったのでち』」
「・・・!?」
驚愕する翁に、権利書を見せつけるギルガメッシュ。其処には正当な引き継ぎ取引の印が押されており、最早この閻魔亭は英雄王ギルガメッシュのものであるとの事実が確定している。その一環にて、紅閻魔の借金を肩代わりした、という論理であるのだ
「これしかありまちぇんでちた。翁様に借金を返すには、この閻魔亭を売り払う事しか・・・ですが、借金を、不始末を清算するためなら身売りもするが心意気でち。どうぞ利息分、お受け取りくださいでち」
驚愕する翁に、借金返済を促す紅閻魔。このまま交渉を進める筈が、利息分は容易く出されてしまった事により二の句が告げられなくなるかの御仁に、畳み掛けるように紅が鳴く
「そして、お喜びくださいでち竹取の翁さま。あなた様が無くされた大切な宝は、我等が天上天下、天下泰平御機嫌王なるギルガメッシュ様が、あっさりと取り戻したのでちから」
「「!!」」
「──」
本命は此方であり、先程はただの利息の返済でしかない。本来の問題に決着をつける為の言葉を、事実を、真っ直ぐに突き付ける。驚愕する三人に、いよいよ動揺を露にする竹取の翁
「──ほ、ほほう。それはなんと有能な王であることか。ですが、それは誰彼から手に入れた代用品でございましょう?私が取り戻したいのは、あの時に無くした、姫との想い出の詰まった──」
「ほう、姫の銘を出したのなら我とて黙ってはいられん。その銘は我にとって至宝の銘でもあるからな。その心中、察してやろう。御老体」
「・・・!!」
「『故にこそ、我は本物を用意してやった』。当時のまま、その輝きを保ったまま、500年前の貴様の財宝を用意してやったのだ。我の気遣いに感涙に咽び泣くがいい。・・・──では行くぞ。真実の総てが詰まっている500年前の部屋の景観・・・『明鳥』の間にな」
一同が動き出し、王の背中に続く。いよいよもってこの大捕物の本懐に入るがゆえに、一同の表情に曇りはない。──竹取の翁に突きつけられしは、己が犯した稚拙かつ悪辣なる詐欺の報い──
~
「・・・この廊下!この扉の造り・・・!いや、まさか、そんな事があるはずが・・・!」
翁の驚愕も無理はない。かつての部屋、かつての造り、かつての情景・・・500年前のそのままの部屋が、寸分狂わずに再現されているのだ。それは神の御技、時戻しの秘術。この閻魔亭にて溜まりに溜まった感謝の気持ち、そして『プレシャスパワー』が引き起こした奇跡そのものである。真ん中の机には、巾着がぽつりと置いてある。──500年前、盗まれたとされる宝が詰まった巾着が
「フッ、我の財をなんと心得るか。我が財は人間の可能性の原典。タイムマシンやタイムトラベルを思い付いた人間の智恵の原典が我の宝物に無い筈が無かろうよ」
「ばかな!?そんな事、神霊でもなければ出来るものか・・・!」
「なんだ、知らなかったのか?神霊ならば当然有しているぞ。日本の貴様なら知らぬはずは無かろう。『平将門』、『天照大御神』がな」
「たっ──あま・・・」
このような寂れた宿にいるはずなど無い、日本が誇る最高神にして守護神の名を呈されいよいよもって絶句するしかない竹取の翁。そしてこの奇跡の理屈が立証される。かの二柱ならば、この程度の奇跡など雑作もないことを──!
「さぁ、あとは貴様が巾着から宝を取り出せば万事が収まろうさ。だが、巾着の中身は消え失せ500年前の貴様はあわてふためくであろう。だが問題はあるまい。犯人は見つかった、『貴様の財を盗んだのは、貴様』という事なのだからな。さぁ──さっさと宝を手に取り失せるがよい。此処は我が手にせし旅館、いつまでも貴様のような薄汚い債権者にかかずらう時間はないのだからな」
「そんな、そんな筈は──」
「・・・どうした。開けぬのか?待ちに待った至宝であろう?『何か不都合でもあるのか』?──もしや貴様、『始めから宝など用意していない』などと虚言を吐くつもりではあるまいな」
先程とは違う、戦慄を促すような冷えた声音の王の言葉に、翁の逃げ場はもう何処にもない。此処に引き込まれた時点で、『最早宝を手に取る』以外の道は残されていないのだから
「翁さん♥がんばれ♥がんばれ♥」
「翁さんの、翁な所が見てみたい♪」
「信仰無き者に生きる世界無し」
マシュ、オルガマリー、リッカそれぞれの応援が、翁を後押しする。『さっさと開けろよオメー』的なニュアンスでもあるのだが
「ぐ、く・・・ぐ・・・ぐぐぐぐぐぐ!!」
「何故止まっているでち。早くあければよろしいでちょう。待ちに待った宝物、早く回収するでちよ」
「・・・──!い、いいとも、そうだな、開けてやりましょう!ここが、ここが本当に500年前の明鳥の間だというのなら、いうのなら・・・!ぐぅ、ぐぐぐぐぐぐ!くそう!そーーれ!!」
紅閻魔に急かされ、開けるしかなくなった翁の、決心と共に開く。其処には、王が拵え、神気を満たして作り上げた『五つの宝』そのものが入っていた。本物は存在しないからこそ、この場にあるものは代用品でしかない。だが、それで構わない
──この状況であれば、翁さんは『これは偽物だ』と否定はできない。500年前に存在している宝が、其処にあるのなら。・・・だけどもし、逆に『この部屋を本当の過去ではない』と否定したのなら・・・
「・・・は、はははは!はははは!!」
そして、最後の〆と言い逃れの叶わぬ状況に翁は追い込まれる。・・・翁からしてみれば、此処に宝などあるはずがない。此処に五つの宝など存在していない。何故なら──
「なぁーにが過去に戻した、だ!この大法螺吹きどもめ!嘘をつくのも大概にするがいい!これはそう見せかけただけの大芝居だ!!何故なら・・・!」
「──・・・」
「ここが過去なら袋に宝が入っている筈がない!!『宝なんざ、初めから用意してねぇんだからなァ』!!──ぁ」
「──で、あろうな。下らん猿芝居に付き合わせおって。その真実、待ちわびたぞ」
全員が即座に臨戦態勢へと移る。最早債権者でも何でもない、悪辣なる詐欺師たる、竹取の翁を騙る何者かへ向けて──
ギルガメッシュ「く──はははははははは!!!はははははははは!ふふははははははは!!!」
翁「あ・・・いや、今のは・・・」
紅閻魔「もう一度、大きな声で言うでち。『宝は、初めから、無かった』。そう言ったでちか?」
竹取の翁「い、いや。そういう意味ではない。そういう意味では無いのだ、女将。なぁ、そうだろう猿長者よ。お前は確かにあのとき、私の証人になっていたな?」
猿長者「ほほ。えぇもちろん。ワタクシは大広間で、巾着の宝をこの眼で──ひいっ!?」
一閃。対峙しているものが嘘か否かなど容易く見抜けるリッカが、手にした刀を振るい猿長者の眼前を切り裂く
リッカ「その言葉・・・私の前で胸を張って言ってみなよ。──次は、その首を貰う」
猿長者「わ、わた・・・私は、確かに・・・」
ギルガメッシュ「ならば我に告げてみよ。我も持たぬ希少な宝だ、是非とも委細を把握しておきたいのでな」
シバにゃん「蓬莱の枝の香り、御仏の鉢の重さ、龍の真珠の数は、燕の子安貝の色はどのようなものでしょうか~?」
猿長者「えぇっと、そ、それは・・・」
リッカ【答えなよ】
猿長者「っ、っ・・・っ・・・」
紅閻魔「もう一度だけ訪ねるでち。竹取の翁さま。宝は、最初から無かったのでちか?」
「い、いや・・・あった!あるに決まっているだろう!私は竹取の翁だぞ!?五つの宝を持っていて当然だろう!?」
リッカ【きよひー?】
きよひー「嘘、でございます」
翁「ガッ──ぐがぁあぁっ!!?」
瞬間、王の財宝より放たれし短剣が、紅閻魔の一閃が、そして──ぐっちゃんの血の剣が、翁の仮面を粉々に砕いたのだ
ぐっちゃん「──狼藉者め。下らぬ猿芝居は其処までにするがいい」
「──ギ、ぐ・・・テメェ、テメェら・・・また、また寄ってたかってこのオレを・・・」
・・・先程までの老人はもういない。下卑た響きと、金切り声を上げるその姿は、紛れもなきその魔性は──
「許さねぇ、許さねぇ・・・また数にものを言わせやがってェ・・・!!あぁ、ほんっとうに──ムカつくガキどもだぜテメェらはよぉ!!!!」
鵺の頭領、正真正銘の猿の怪異。──真なる『猿長者』が、其処に現れていた──
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