人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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ギルガメッシュ「あぁ、そうであった。忘れていたぞ。女将よ、受け取るがいい」

『権利書』


紅閻魔「!?こ、これは・・・!?買い取られたはずでち・・・!」

「たわけ、我が此を買い取ったのは借金を肩代わりし返済する為に決まっていよう。無為に返済するは我の流儀に反するのでな。借金が消えた以上、最早我が持つ理由はない。──この宿は、お前の物であろう。二度と手放すなよ?」

「──はいでち!何から何まで──」

「礼はよい!いざ始めるぞ──本来の目的、慰安と新年の宴をな──!!」


大宴会、新年始動!

「者共!酒を持て、食を貪れ!最早この場にて憂いは無い。存分に本分を果たすときだ!即ち──慰安の始まりである!!よい、全てを許す!今宵、否当分の間は無礼講よ!!一年の奮闘を今こそ労うときだ──乾杯!!!」

 

 

「「「「「「「かんぱーい!!!!」」」」」」」

 

閻魔亭の大広間、そして宴の間にて、愉快なる王の音頭と共にグラスが打ち鳴らされる。この場に来た理由、その本懐を果たすための障害を全て排除しようやく辿り着いたこの喧騒・・・そう、『慰安旅行』の始まりを告げる大宴会が幕を開けたのだ。二日に渡る改築、借金返済、そして元凶の討伐・・・それらの難題をあっさりと解決した番頭王の笑顔と愉悦の振る舞いが、否応なく全員を笑顔にし手にした酒を極上のものへと変化させる

 

「どんどん料理を持ってくるでチュン!恩人の皆様に報いるでチュン!」

 

「大盛況でチュン!大騒ぎでチュン!大感謝でチューン!」

 

騒ぎ、飲み、歌い、食べる。それらを盛大に行いし楽園一行に、雀達も必死に応対を行う。今日ばかりは完全貸し切り。皆が皆誰に憚ることなく宴を存分に楽しんでいるのだ

 

「ふははははは!!やはり番頭王たる我に不可能は無いという事が再び証明されたか!我ながら我の万能ぶりが怖い、流石は我よな!」

 

「フッ、貴様がやることは周知の事実だ御機嫌の!だが・・・酒宴の席において太陽が如く輝くはこのファラオ!オジマンディアスである!──雌雄を決するか、御機嫌の!!」

 

「ほう、良かろう!!ならば行くぞ、恒例なりし酒宴の余興──野球拳の開幕を告げてやろうではないか!!

 

「松茸、お刺身・・・美味です。あ、わさびも良いですね・・・ブリテンにはこんな美味しい食事はありませんでしたからね・・・日本の食文化、最高です」

 

「鬼殺し!鬼殺しとな!?ほほう、それは大きく出たのぅ!この征服王を酔い潰せる美酒かどうか──勝負してやるとするか!樽を持てぃ!!」

 

王は普段の職務や矜持を投げやり、それぞれの嗜好に励む。常日頃の負担や疲労を、この場において洗い流す思い思いの活動を

 

「みなさーん!マシュ☆コン旅館ライブに来てくださり、ありがとうございます!皆様の為に、歌います!一生懸命歌います!」

 

「先輩聞いていますか!歌いますよ!後輩が歌いますよ!一生懸命ですからね!聞いていてくださいね!先輩!」

 

「でさー、一番の推しはじゃんぬなんだけどさー、やっぱり生前のエピソードとか知るととうとみやエモさを感じたりするよねって。そういうのだとやっぱり・・・」

 

「そうよねぇ、英雄のバックボーンは凄いものねぇ・・・」

 

(まさかの・・・アウトオブガンチュウ・・・!?所長と仲良くジュースで乾杯・・・!?)

 

「ホラホラ、ゴルドルフちゃん飲みましょ飲みましょ?アタシがおごっちゃうわぁ!ほーら乾杯乾杯!」

 

「なんだか物凄く距離が近いぞ!?私は君に好かれるような事をしたかね!?」

 

「やだもう、分かってるくせニ♥蛇はしつこいんだから──その気にさせた責任、取ってもらうわよン?♥」

 

「はははははは!!ざまぁ無いなゴルドルフ!そして同情しよう、オレと気が合うという事は例外なく伴侶が地雷ということだ!はははははは──」

 

「・・・どうでもいいけれど、お願いだから私の愛弟子の前で無様を晒さないでくれるかしら。ダメ男を始末する顔なんて見せたくないでしょう?」

 

「は・・・ゴルドルフ!飲もう!忘れるんだ!過去は飲んで忘れるに限る!!」

 

 

「はい、あーん♥ロマン様、お疲れ様でした♥とってもカッコよかったですよー♥」

 

「そ、そうかな?良かった。・・・シバにダメな所は見せたくないから、ね。もうヘタレた自分とは卒業しなくちゃ」

 

それぞれの愛するもの(一方通行含む)と過ごす者。友情を育む者・・・

 

『まさかどおきな』

 

『本日、誠に晴天なり』

 

【然り。首を求むに相応しき日和なり】

 

『それは晩鐘である』

 

【つまり、晴天なり】

 

『然り』

 

(・・・初代様、笑いどころとは・・・!!)

 

(将門公が、心なしか・・・楽しそうな様な・・・)

 

コンビを組んで、お笑いに励むもの。場の空気を盛り上げようとし、一念発起するもの

 

「フグ刺し、刺身、盛り付けはこっちでいいんだよな。確かに追加したぞ」

 

「こちら鯛である。紅閻魔や閻魔亭の門出にめでたいのだナ。鯛だけに」

 

「あのー、そんな御機嫌王さまみたいなギャグセンスを口にするの止めていただけません?」

 

「オルタの声がするのは気のせいであるナ。さぁ、エミヤチーフにガンガンこき使ってもらうのである」

 

「ワフ!ワン!(料理をたくさん運んでいる)──ガウ、ワウ!!」

 

「あいたたた!解りました働きます頑張りますから噛まないでくださいまし!?」

 

「此処でますたぁの同伴に・・・いえ、露天風呂に・・・!!ああっ・・!!」

 

懸命に、一歩引いて笑顔を守り立て懸命に宴を支えるもの・・・その他にも様々な宴会の場にて、十人十色な喧騒を思い思いに堪能している

 

「一番!ノッブ!!一発芸!やります!!敦盛!!」

 

「ちょっとノッブ!止めてくださいよ!せっかくの閻魔亭が大炎上しちゃうじゃないですか!」

 

 

「今日はありがとー!アタシと新入りアイドルのデュエット!楽しんでいってねー!!」

 

「「「「「イェーイ!!刺激と一緒にブッ飛ぶチューン!!」」」」」

 

「どんなゲテモノにもファンがいるもんなのかねぇ。いや、マジで意外にしか思えねぇわ・・・」

 

「よぉしクー・フーリン!我等も何か余興をせねばなるまい!!つまり、楽器!演奏だろう!!」

 

「──やるか。いつものように、準備はできている」

 

「よっしゃ、じゃあちっとはケルトのイメージ回復と行くかねぇ!」 

 

(うむ。文武両道・・・ケルトはそうでなくてはな。弟子たちよ、文化にて生きるのだ・・・)

 

 

旅館だけではなく、温泉にも──

 

 

──ふぅ・・・よかった。皆も、閻魔亭も無事で・・・

 

『無事で良かったのは貴女もよ、エア。使命だからといって、無茶をしすぎてはいけないわ』

 

[脱衣をアレほどまでに堂々と行う雄々しさは評価しないでもないが・・・正味な話、己がただ脱ぎたいだけであろう]

 

「ラーメスも時たまやったりするし、王様にはそういうときがあるのでしょう。──いいんじゃないかしら。王様の習慣として受け入れてあげましょう?」

 

「ゴージャス様の裸体・・・ずっと見ていたい気もするけれど、何度も見ていると寒そうに感じてしまうの。腰巻きや腹巻き、エアにつけてもらおうかしら!上がったら皆で手編しましょう!」

 

──ま、待って!裸体を労るのは当然だけれど、もっと隠すべき所があると思うの!・・・さ、採寸しなきゃ・・・採寸・・・

 

『・・・頑張りましょう、エア?』

 

──頑張るね!・・・また目が眩んだら、よろしくね!

 

フォウ(──この尊い空間・・・覗きなど、許しはしないぞ・・・!!)

 

満月の夜、賑やかな喧騒・・・かつて喪われていた、かつて閻魔亭に満ち溢れていたものが、この場の全てを満たしていく

 

それらは──

 

「皆ちゃま、ありがとうでち・・・!本日はたくさん、たくさん楽しんでほしいでち!」

 

「──良かったわね、えんまちゃん・・・」

 

「閻魔亭、此処に、大盛況でち!感謝の貸し切り、お楽しみくだちゃい──!」

 

もう二度と、この喧騒を喪わないよう・・・紅閻魔は強く決意を新たにするのであった──

 




ぐっちゃん「・・・」

(・・・返しきれない恩が出来ちゃったわね。カルデアには。・・・平穏を追い求める前に、まずはその清算から始めなくちゃ)


「・・・今暫く、再会は御待ちください。──どうやら、私は・・・成すべき事が出来てしまったようです」

紅閻魔「おぉーい!ぐっちゃーん!寝床の準備をするでちよー!」

「──はーい!解ったわよ、今いくわ!」

(ですから・・・お待ちください、項羽様──)
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