人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

636 / 2537
召喚編です!ゆるりとお楽しみください!


朕「は~・・・この旅路・・・はぁ~・・・なんというか朕胸いっぱい。まだ半ば、第四までしか見ておらぬというのにこの読了感。・・・詮無き事ではあるが、どうせ検分するならば朕もかの姫の成長を最初から見守りたかったというものよ。それにこのマスター・・・うむ。これは朕が膝をつくも道理であったか・・・?」

(いや、まだまだ検分は終わっておらぬ。まだ歩み始めたばかりの雛鳥に道を譲る龍はおらぬ。心して見守らなくては)

「・・・通らせてもらうが、構わぬか?」

「む?その声は・・・そなたなら良かろう。楽園に胸を張って参ずるがよし。存分に奮うがよいぞ!」

「──うむ。言われずともだ」

「さて、続きを・・・む?今のは・・・あ、そういえば」

(ここは我が秦ではない。ならば今の衛士長の声は・・・)

「・・・仙女、李書文・・・ふむ、此処まで楽園に揃っているならば、全て参列させてやりたいというが情というもの。さて、誰を選んだものか・・・」


召喚編!~爆死した数だけ部が縁を紡ぐのだ~
召喚編~縁が厚意や忠義ばかりとは限りません~


「な、何よ・・・何なのよここ・・・」

 

 

清掃員として、滅私奉公を誓い楽園へと訪れしぐっちゃん。楽園、かつていたカルデア・・・であった場所の変わりぶりに驚愕、戦慄しながらモップとバケツを担ぎ上げあちらこちらへと奔走する

 

単純に凄まじいまでに『広すぎる』。味気ない殺風景であった廊下や天上はきらびやかなシャンデリアやレッドカーペットが敷き詰められ、大理石や黄金などをあしらった王族の宮殿か何かのように変貌を遂げているのにも驚き、一人一人の個室が部屋を越えて異次元、異界に変貌しているのもまた驚愕と驚天動地な出来事である。扉を一枚隔てれば城があり、島があり、宮殿があったりする謎の改築と建築っぷり。あらゆる店舗が立ち並び、プラントにて自主生産ラインが確保され、何よりも・・・カルデア自体が魔術的に最高峰とも言っていい『神殿』と化していることが何よりも驚きであった。間違いなく全地上で最強の施設であり、世界を救う施設としてこれ以上無く、神秘の庇護する場所として万全、完璧であると言わざるを得ない場所へと、古巣が変化しているのだから驚きもひとしおと言うものである

 

「楽園、カルデア・・・如何なる場所かと身構えておりましたが、想像を遥かに越えておりました。我が主、なんと素晴らしい場所に招かれたのかと私はこの身が歓喜に震える次第です」

 

共に掃除をする仮面のセイバー、蘭陵王の言葉にもまた、ただ頷くことしかできない。何故なら自分もまた同じ。想像を遥かに越えていたのだから

 

「え、えぇ・・・やりすぎとか馬鹿みたいとか皮肉を言う気にもならないわ。まさか英霊で、ここまで張り切るヤツがいるなんて・・・」

 

それは怒るだろう。人員だけ借りようと勘違いしていた自分が愚かであったと認めるしかない。この組織が本領を発揮すれば、どんな困難もものの数ではない。世界に解決できない試練は無いだろう。──恥ぐらいは知っている。虎の威を借る狐になっていた自分の浅はかさを、愚かしむばかりであった

 

「・・・とりあえず、先輩として恥ずかしいところは見せられないわ。受けた恩を返すまで、文句を言わずに働いて・・・」

 

なんとしても先輩として威厳を示しておかねばならない。その為には出来ることをやるしかない。決意し、力強くモップを握り直した瞬間──

 

『ぴんぽんぱんぽーん!令呪を以て御伝えします!ぐっちゃん先輩、今すぐ管制室に来てください!』

 

「えっ?リッ──きゃあぁ!?」

 

突如転送される自身の身体、転移を果たされる己の情けない声を聞いていたのが知己なる蘭陵王だけなのは幸運だっただろう

 

「あ、主ー!?」

 

これより始まる召喚の儀に、ぐっちゃんは強制参加という名の拉致を執り行われたのであったとさ──

 

わーぷして やってこられる けものかな

 

 

「む、やってきたか芥ヒナコとやら!さぁ特別だ、私特製のカルボナーラとベーコンエッグを食べたまえよ!」

 

令呪にて連れてこられたその場所で、待っていたのは手厚く、そして美味しそうなベーコンエッグとカルボナーラであった。おぼろ丸が持ち帰ってきたたい焼きも含め、上級職員達が一同がのんびりと食べながら管制室に集まっている

 

「あ、先輩!来た来た!やほー!」

 

「あんたねリッカ!先輩を令呪で呼び出すとか、いまいち敬意が足りないんじゃないの!?」

 

「何を言うんですか!貴重な令呪を以て願い奉ることこそが凄い敬意なんですよ!」

 

「あ、そう・・・?そうなんだ。なら、まぁいいか・・・で、なんの用?」

 

「これより、新しい英霊の召喚・・・絆の清算を行います。カルデアの一員として、ヒナコさんにも参加してもらいたいと思いまして」

 

 

あっさりと陥落し、ベーコンエッグを食べるぐっちゃんに簡潔に説明を行う。英霊召喚・・・新たな仲間を招くその儀式を

 

「一度は放逐した身ではあるが、良き宿を示した仲介料代わりだ。貴様の参列を赦してやろう。──役者は揃った様だな。始めよ!」

 

管制室にて作られし玉座にて脚を組み、ワインを揺らす王、ギルガメッシュが開幕を告げ、ロマンがそれを受け召喚を開始する。その光景を目の当たりにするのは初なゴルドルフとぐっちゃんは、固唾を飲んで見守る事となる

 

「というか、私にも令呪効くのね・・・サーヴァント扱いという事なの?」

 

「マスターでありサーヴァントという扱いですから、リッカの判断により幅広い移動と運用が可能になります。──令呪次第ですが」

 

「いいリッカ!悪用とかパシリだとかそういうのに使ったりしたら承知しないわよ!用もないのに呼んだらあんたをボコボコに・・・」

 

「出来るんですか?先輩をボコボコに出来るんですかヒナコさん!スパンキングされないと言い切れるのですかヒナコさん!」

 

「うぐっ、ぐぬぬ・・・・・・!口を利いてあげないんだから!」

 

「そんな事しないよー。だからこれからも宜しくお願い致します!」

 

「いやはや、カルデアガールズ達も一層賑やかになって何よりだ。ねぇロマニ?まさかこんな間柄になるとは見えなかったんじゃないのかい?」

 

「もうとっくに、ボクの見ていた未来なんてあてにならないさ。この物語の先が見れるのは多分、一人だけだよ」

 

「うぅむ、女子三人集まればかしましいとは言うが、四人も集まるとより一層喧しいと言うものだ。・・・うちのメイドといい、女性とは強いなぁ・・・」

 

「女性は家庭を護るものですから~♪強かでないとやっていけませーん♥」

 

「女神が厄介なのもそういった背景があるのだろうよ。全く、イシュタルめになんど手を焼かされた事か・・・」

 

──男性は度胸、女性は愛嬌・・・でも、どちらかがどちらだけ、という決まりはありませんよね!どちらも持っていていいとワタシは思います!

 

(アバズレ、ヘタレは御遠慮願いたいけどね、ボクは!やっぱり艶やかにカッコよくは抑えたいな!)

 

思い思いの感慨を漏らし、そして召喚が執り行われる。閻魔亭、そしてバレンタインの縁によって招かれた新たなサーヴァントは・・・

 

「・・・アサシン、李書文。槍も持たぬ老人だが、お主の身を護る程度には使えよう。宜しく頼む」

 

「げぇ!?達人!?」

 

閻魔亭にて凄まじいまで我が身を癒した謎の達人。アサシン、李書文。その顔を見た瞬間、目に見えて震え出すぐっちゃん。身体中に刻まれた癒しの戦慄が思い起こされたのだ。彼の腕前、それは確かに──凝りを殺すニの打ち要らずなのである

 

「ほう、老体における召喚か。クラス違いにおける姿の変換は珍しい事ではない。その武、存分に──」

 

「あの、私ちょっと気分悪くなってきたから退出するわね!まだ掃除が残ってるから!ここにいていいものではないと思うから!じゃ、そういうことで!」

 

言うが早いか、速攻でダッシュし部屋から逃げ出すぐっちゃん。そのあまりの変わり身の早さに何が起こったのかを知るのは誰も──否、二人を除いて存在しない。そう、二人を除いては

 

──恥も外観も無いほどに、あの整体とマッサージが心の恐怖になっていてしまったのですね・・・

 

《是非もあるまい。獣もかくやと言った悲鳴、絶叫であったのだからな。成る程、縁とはこういったものでも紡がれるか》

 

「ちょっと先輩!何処行くの先輩!せんぱーい!!」

 

「探さないでリッカ!私はごめんよ、もう項羽様以外にあんな声を上げるのは!こんな恐ろしい召喚に付き合ってられない!私は掃除に戻らせてもらうわ!!」

 

「マシュ!オルガマリー!捕まえるよ!確保~!!」

 

「りょ、了解!待ってくださいヒナコさん!逃げるんですか!待ってくださーい!!」

 

「・・・何が起きていたの・・・?」

 

・・・突如逃亡し、楽園を駆け回るぐっちゃんを確保するために、召喚は一時中断となった

 

「ふむ、楽園か。・・・良き茶はあるか?」

 

召喚された本人、そして王は何処吹く風と騒動を愉快な茶請けにしながら、一端の休憩とするのであった──




NG召喚天

ピット「わぁ!此処がfateの世界ですね!いやぁ、伝奇モノの金字塔の作品にこうして関われるなんて光栄だなぁ!」

パルテナ『仮面ライダー龍騎と共に、バトルロワイヤルジャンルを開拓した先駆者と言ってもいいですね。今なお根強い・・・というか、アニメやゲームジャンルで最高峰の人気を持つ一大ブランド。ピット、無礼はいけませんよ?』

「もちろん分かってますよ!なんとしても僕はドル箱ヒロイン、アルトリア・ペンドラゴンさんのサインを貰ってみせますよ!」

『アルトリア・・・?ピット、どのアルトリアさんですか?』

「え?セイバーのアルトリアさんに決まってるじゃないですか!セイバールートのセイバーさんは本当に素敵ですね!ちょっと猪突猛進なところはありますけど・・・」

『あっ・・・ぴ、ピット?くれぐれも、その楽園の王である方の前で──』

「あぁっ!?あ、あの方は!?」


ヒロインX「ギル、次はハワイとかでバカンスとかどうですか?サバフェスの開催地でもありますし丁度いいかと!」

ギル「ふむ、ベンチャービジネスでホテルを大量建築するも悪くはないな。──我的にはニューヨークでギル祭りを開催するも一興であると考えているがな?」

「ぎ、ギルガメッシュ・・・!セイバールートのラスボスが、アルトリアさんと何故仲良く話しているんでしょうか!?」

『お、落ち着きなさいピット。サーヴァントシステムの関係上、セイバールートのギルガメッシュとこちらのギルガメッシュは別人です。彼はクラス・ゴージャスであり通称清らかなジャイアン・・・』

「ま、まずい!かの王は全てを雑種と見下し容赦なく命を奪う暴君・・・!僕なんかが勝てる相手じゃないです!一時撤退します!パルテナ様!アヴァロンとエクスカリバーを用意してください!それくらいなけなれば彼には勝てません!!」

『あぁっ!待ちなさい!まさか初代しかプレイしていないのですか!?もっと勉強を・・・!ピット!ピット~!?』


ヒロインX「?今なにかいましたか?」

ギルガメッシュ「?さて、召喚システムで不備があったか?──まぁ、大方、いつものNGであろうさ」

『ピット、撤退』

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。