人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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リッカ「はい、どうぞ!」

『お菓子、御節詰め合わせ』

ぐっちゃん「ん・・・ありがとう。じゃあ、行ってくるわね」

「気を付けてね!しっかりバッチリ、御幸せに!」

「・・・ん」

じゃんぬ「・・・中々にアレね、アレ。・・・ほら、アレ」

「ロマンチック?」

「それよ、それ。・・・結構なロマンよね。・・・まぁ、つもる話もあるわよね、そりゃあ・・・」

リッカ「いつか私も・・・よーし!その日を目指して!頑張るぞ~!!」


改築王!アーユーレディ!?

「さて、盛大に爆死したとしても業務は待ってはくれぬ。御機嫌王としての責務、労働を以て気分転換とするか・・・」

 

 

盛大にいつものように大敗北を喫した英雄王ギルガメッシュ。いつまで経っても星に手の届く気配のない己が運命を自嘲しながら、それでも楽園の拡張と展開に勤しむ。王とは自らの責務から決して背を向けてはいけない。全てを背負い、全てを率いる王の中の王であるからこそ、自らの感傷にて全てを投げ出す事は許されるのだ

 

(割と皆知っていた感があるんだ。ギル、地道に行こう!オマエは自らの爆死を以て皆を笑顔にする最高、最善の愉悦王なんだから!)

 

《たわけ!励ますのか虚仮にするのかどちらかにするがいい!可能性の収束などという馬鹿げた事象を気にすることなどありはしなかったが、もう粗方のアルトリアは召喚した筈だ。・・・よもやアレか?セイバークラスをコンプリートせねばセイバーへの道は開けぬという事か?プラチナトロフィーであったのか?》

 

「はい、エア。タオルとドリンク。ギル共々気を付けてね。ギルのいつもの爆散っぷりに挫けたり引っ張られちゃダメだよ?」

 

──はい!ありがとうエル!どんな事になってもワタシは王を支えます。例え核地雷を踏んで王が大爆死したとしても、必ず!

 

《うむ、介護先と奮起の起爆剤には事欠かぬが其処はもう少しオブラートに包んでもよいのだぞ、エア?まだ核地雷程ではない、重陽子爆弾ではないか?》

 

──どちらも間違いなく致命傷では・・・?

 

「うん、どの道死んでるよね。まぁ仕方ないか。ギルはセイバーガチャでいつものように爆散してる・・・敗北王だもんね」

 

「何ィ!?敗北王・・・!取り消さぬかエルキドゥ!今の言葉は我に効くのだぞ!」

 

「ギルガメギルガメ敗北王♪セイバー引けず敗北王♪セイバー引けねばガチャる価値なし♪ギルのガチャ運ガチャる価値なし♪」

 

「貴様ァ!いい感じのラップで我を煽るとは何事か!さては貴様ライブラリで動画でも拝見したな!」

 

(オマエが爆死するのは勝手だ。だがその場合誰が美味しいワインを飲むと思う?ボクと悪友たちだ。だけどいつかお前がセイバーを引いたとき、悪友はよってたかってお前を責める。オマエは爆死するしか無いんだよ。何を落ち込んでる!オマエは御機嫌王として皆に愉悦とハッピーエンドを届けるんじゃ無かったのか!楽園にて財を磨くんじゃなかったのか!それとも全部嘘だったのか!)

 

「おのれ貴様らァ!なんだその息の合いっぷりは、ステレオで我を罵倒するでないわ!!えぇい行くぞエア!爆死や敗北に対する覚悟など、とうの昔に出来ているわ!」

 

──そ、それでは二人とも!行って参ります、どうか王の精神を攻撃するのは程ほどにお願い致します!

 

そんな気心の置けぬ辛辣極まりないやり取りを行いつつ、二人は改築へと向かう。そう、王や姫は決して、明日の楽園は投げ出せないのだから──

 

 

 

蘭陵王 絢爛な屋敷&馬舎

 

「屋敷だけでなく、専用の馬世話のできる場所まで・・・ありがとうございます、王よ。この御恩、決して忘れはしませぬ。全身全霊にて返す所存」

 

「たわけ、大袈裟に捉えずともよい。我等は楽園を担うものとして当然の義務と業務をこなしているのみ、それが結果的に貴様らの幸福に繋がっていると心得よ」

 

「ははっ!・・・ではその、バクシ、とやらの傷心を癒すがてら・・・馬に触れていきますか?幾ばくかの癒しにはなるかと思われます」

 

──素敵な気遣いです・・・!この方は良い人ですね!仮面も被っております!ラマッス仮面のように、仮面を被る者は崇高な使命と決意を懐くものと決まっているのですね!

 

《マスターが言うに、機動戦士ものでは大抵が面倒臭いか最後の敵であるからしいのだが・・・まぁ良い。此処ではね除けぬが御機嫌王よ。たまには畜生と戯れるのも・・・いや、フォウと常に戯れていたな・・・》

 

 

李書文 生前の家族の家

 

「感謝しよう。此ならば罷り間違っても此処で暴れようとは思わん。手合わせ、組手の機会が多いのだ、自室でくらいは大人しく安寧を享受せねばな」

 

「意外と言えば意外よな。道すがら敵を叩き殺した若き日の貴様が老成すればこうも穏やかになるとは。やはり道理を弁えれば人は変わるものか」

 

「そうさな。若き日に喚ばれれば躍起になって武を競い、老いた日に喚ばれれば研いた武を仕えし者に振るう。人とは年月を重ねる者。刻んだ日時と研鑽は失われはせんよ」

 

──賢王と英雄王の違いも然り、といった所でしょうか?やはり御老体は大切に労らなくてはなりませんものね!

 

《後進の妨げになる老害はその限りではないがな。医療の進歩も良し悪しというヤツよ。だがまぁ・・・此処で言及する事でもない。どれ、茶でも飲んでいくか?》

 

──はい!休息も決して忘れてはいけないもの。過労死を迎えないよう、気を付けて参りましょう!

 

 

 

秦良玉 皆で食べられる野菜栽培畑

 

 

「ありがとうございます。武以外に平和に貢献するなら、やっぱり農業が一番だと思いましたので」

 

「成る程、趣味や個人の嗜好で農業を行うとは効率的で良い。厨房に話はつけておこう。存分に汗を流すがいい」

 

「はい!是非とも収穫の際には、マスターと御一緒に御越しください。リッカ様にも知っていただきたいのです。労働と農業の得難さ、楽しさや収穫の喜びを」

 

「フッ、無欲にして忠義・・・か。時の皇帝がお前に文を贈ったとされる逸話、偽りは無いようだな」

 

──早速種を撒きますか?また此処に来たときに、一杯の実が成っていますように!

 

「ふはは、馬の世話、茶を飲み労働に勤しむ。今回の改築は随分と素朴なものであるな。ま、爆死の慰安には丁度良かろうさ──」

 

 

紅閻魔 質素で小さな迷い宿

 

「あちきに贅沢は無用でち。休める場所、のんびりできる場所・・・羽根を伸ばせる場所。それだけあれば充分なのでち」

 

「フッ、ますますもって此度は労力がかからぬ改築よ。──まぁそれはよい。肝要なのは・・・」

 

「解っているでち。・・・ジャンヌ・ダルク。あちきが彼女を受け持つでちから、成果を心待ちにしておくでちよ」

 

──お願い致します。本当に、切実に・・・!お願い致します!魂や味覚をお救いください!王と、ついでにワタシの!

 

「ヘルズキッチンも定期開催の予定でちから、参加者を募集しているでちよ。ごきげんおー、これから一緒にチラシを作るでち!」

 

「ふはは、全く以て低カロリーな改築よな!だがよい、たまには薄味あっさりも一興と言うものよな!」

 

 

項羽 平穏なる大樹と草原

 

「感謝を告げる。この光景こそ、私が願って止まぬもの。あらゆる争いの兆し無く、泰平が訪れし世・・・その在り方を再現して貰えた事、礼に堪えぬ」

 

「兵器とは稼働する限り、動乱と争乱が付き物だ。貴様の望みとは・・・全てを終え、眠りにつく事なのだな」

 

「然り。動乱の兆しあればそれを滅し、争乱の兆しあればそれを滅ぼす。──だが、我が演算の全てを駆使し、未来を予測したとして・・・」

 

──・・・?

 

「──この楽園に、動乱と争乱の兆しは見えぬ。故にこそ、我が駆体の待機が叶う。それは・・・私が望んだ未来であり、夢見たもの。それが一部でも形となる・・・それは、紛れもなく私の本懐だ」

 

 

「──フッ、そうか。だが、貴様が完全に停止し、物言わぬ体となる事は赦されぬぞ」

 

「・・・──然り。其処から先の言葉は、口にすること無く、予測する事も無用。何故なら・・・」

 

「項羽様!」

 

「──此処には、ただ一人・・・愛した妻がいるのだから」

 

──はい!どうかいつまでも、ずっとずっと一緒におられますように!

 

「・・・ああ──やっと、やっとお会いできました。人類を守護する英霊の座は、項羽様、貴方にこそ相応しい。私は時の果つるまで、ここでお待ちする覚悟でおりました・・・」

 

「・・・妻よ」

 

ぐっちゃん 草原に建つ追憶の宮殿




《ふっ、最早彼処に我等の居場所はない。長居するほど空気が読めぬ男でもないのだ、さっさと退散するのが道理であろうよ》

──不老不死の旅路、それにて巡り会えた二人。この楽園が、どうか時の果てにたどり着いたあの二人の・・・安寧の場所になりますように・・・

《うむ、これで確かに仲介料の代わりにはなったであろうよ。さて・・・ではこちらも、縁の清算に移るとするか》

──?清算・・・?

《うむ、とびきりの意味不明な・・・何処で拾い上げたのかすら不明瞭な縁よ》


謎のヒロインXX 面接会場

『銀河警察より転職希望です!ウルティメイトフォースゼロの同僚より教えられました!労働環境のホワイトさと福利厚生の磐石さを気に入り、就職を希望した次第です!邪神、セイバーの掃討ならお任せください!』

──この、フルアーマーな御方は・・・?

《さてな・・・再臨は終わっている筈だが、謁見が終わっておらに故我にも解らん。いつこの鎧姿の下が拝める日が来るのやら・・・》

『嫌いなものはセイバーです!お任せください、さっくりこのツインミニアドで!』

《──随分、アルトリアめと似通った言動だが・・・何かしらの縁者か?》

──案外、アルトリアさんの成長した姿・・・?

《・・・いや、まさか。それはあるまい》

『フォーリナー!』

《──全クラスコンプリートに・・・王手をかけるか、アルトリア・・・!》

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