人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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『クラスカード』

エミヤ

クー・フーリン

メドゥーサ

呪腕のハサン

メディア

ヘラクレス(バーサーカー)

イリヤ「やったぁ!私達にも用意してくれるなんて、なんて大盤振る舞い!楽園って、凄い!」

クロ「誂えたように私達が見たことのある構成ね・・・もしかして私達が来ることも予想済みだったりして」

『そんな未来予知みたいな事が出来たら苦労しませんよー。フィーリング、フィーリングの問題でしょう!』

イリヤ「何から何まで、本当に助けてもらっちゃって・・・御礼をするためにも、今は絶対ミユを助けなくちゃ・・・!」

「素直に返してくれればいいんだけど・・・望み薄なのは分かりきってるとしても、ね・・・」




ぐっちゃん「・・・えんまちゃんに声をかけてみるのも考えたけど・・・」

(友達の力だけを目当てにしているって言うのもなんだか違うし・・・それに・・・)

ジャンヌ(どきどき・・・)

紅閻魔(もぐもぐ・・・)

(・・・なんだか、試食が大変そうだし声をかけられる雰囲気じゃ無さそうだしね・・・)



マシュ「コンちゃん!ブーディカさん!是非是非私にお力を──!」

ブーディカ「あはは、私でいいの?もっと強いサーヴァントの方がいいんじゃない?」

コンラ「お任せください!マシュさんも頑張ってください!コンラ、信じてます!」

「はいっ!・・・も?」


レッツゴー!プリズマ☆ガールズ!

「皆、集まってくれたようだね。──それじゃあ、ブリーフィングを始めようか」

 

管制室にて集められたマスター一同、それらに介し、どういうわけかいつも以上に真面目に声をかける者。従来のゆるふわっとした態度からはちょっとかけ離れた威厳を見せるカルデアを代表するもう一人の王。活躍する度に意外そうな顔を向けられしょんぼりする魔術の王たるものが、マスター達に揺るぎない言葉と言霊を届ける。格好もいつもとは違う、久方ぶりのマギ☆マリ応援グッズに身を包んだ正装である。気合いの入りまくった格好と姿を見せる魔術王ソロモン・・・否、ロマニ・アーキマンが強く自分を押し出すのは極めて稀な事象である。そのらしくない態度に、スタッフ一同は顔を見合わせる。悪いものでも食べたのか、と

 

「別にお腹を壊したわけでも頭を打ったわけでもないよ、安心してほしい。──まずはボク個人から、お礼を言わせてほしいんだ」

 

そう言うが早いか、深々とリッカ達に頭を下げるロマン。彼にとって、彼の人生にとって遠くにありて想い、決して届かなかったものを見せてくれた皆に対して、涙すら浮かべながら礼を告げる。冴えないドルオタとして生きてきた人間としての日々。それらの最先端にて桃源郷もかくやとした理想郷の立役者達に、最大級の賛辞を込めた礼賛であり──

 

「ありがとう──夢だったんだ。一度でいい、本物の魔法少女をこの目で見ることが・・・ボクには生きている意味が、生きる喜びがあった──」

 

「そこまで!?」

 

「いい大人が、仮にも魔術の王が何を言っているのよ・・・」

 

心からの御礼と、そのおかしすぎるベクトルの賛辞をどう受けとるべきか分かりかねる一同が慌ててロマンの顔を上げさせる。なんという事に頭を下げているのか。彼に並び立つキャスターは数少なく、仮にも魔術の祖たる彼の奇行をおもんばかるリッカとオルガマリーだが、なんのとロマンは声をあげる

 

「ボクのようなドルオタ、アニオタにとって魔法少女は夢であり遠き理想郷なんだ!画面の向こうにありて届かぬもの、笑顔を振り撒きながら決して届かぬ星のような輝きの少女達・・・!それが今こうしてボクの目の前に・・・!全く神を敬う気持ちはなかったボクだけど、今回は高らかに告げさせてほしい!ありがとう神様!ボクの儚い願いは今ここに報われた!魔法少女万歳!わーい!」

 

年甲斐もなくはしゃぎまくるロマン。目の前に憧れの変身ヒーローが現れた際の子供まんまなリアクションを取り歓喜の声をあげまくる。その姿は、一同にどれ程力を持とうともロマンは変わらずロマンなのだと、安心と生暖かい視線を送り続ける

 

「あ、あのぉ・・・」

 

「そこの残念お兄さん?特異点の説明と私達の目的を説明してほしいんですけど~?」

 

その後ろで困ったように声をあげる白黒の姉妹・・・どちらが姉でどちらが妹かは壮絶な口論が巻き起こったので割愛するとして、イリヤとクロの要請に慌てて襟を正し、威厳ある指揮官としての体を装う

 

「こほん。──今回の君達のミッションは二つ。『特異点の解決』・・・そしてもう一つは、『イリヤちゃんの友達の救出』だ。それで大丈夫だよね、イリヤちゃん?」

 

話題を向けられたイリヤが頷き、告げる。今回の特異点、その何処かに必ず『ミユ』という友達が囚われていると

 

「ミユを見て、ギルく・・・私の知り合いの男の子が言っていたんです。『君は景品にぴったりだね』って。だからきっと、必ず何処かにミユがいるはずなんです!だから私は・・・助けたいんです!大事な友達を!」

 

「今、物凄く聞き覚えのある名前が聞こえなかったでしょうか・・・?常に聞き及ぶ我等が王の名前が・・・」

 

「まだ断定と確定は出来ないの。万が一、億が一無関係だとしたらどんな補填と名誉毀損の慰謝料を要求されるか分かったものじゃないのよね・・・

まず間違いなくラスボスか黒幕ではあると思うけれど」

 

『クロだけに!ですか~?流石クロさん!覇者のセンスを御持ちのようでおすばらしーい!』

 

御機嫌王なら抱腹絶倒間違いなしであるジョークを囃し立てるマジカルルビー。そんな外野の騒ぎが聞こえないほどにイリヤは真剣だ。どれだけ友人を、ミユを想っているかがひとめでわかる真剣ぶりである

 

「カルデアのマスターの皆さん!お願いします!私とクロだけじゃ、ギルくんの企みを覆せるとは思えない・・・!」

 

「言ってしまったね!?オブラートに包んでいた姉の苦労はいいのかなイリヤスフィール君!?」

 

「お願いします!皆さんの力を貸してください!あと、お姉ちゃんは私です!太っちょおじさん!」

 

太っちょおじさん・・・!!未だ三十路にも達していないというのにこの言われよう。やはり老け顔か、老け顔がいけないのか。乙女の魔法、メンタルブレイク☆マインドクラッシュが直撃しがっくりと崩れ落ちるゴルドルフおじさん。無言でムニエルがハンカチを渡す。どんまいおっさんと

 

「ボクとしては──彼女の願いは何より優先すべきだと思う。少女達の儚くも強い絆、引き裂くものがあるだなんて許せない!ボクは強く願う!友達と再会し、輝くようなイリヤちゃんの笑顔が見れれば、魔法少女のハッピーエンドを見られることを!どうかな皆!力を貸してあげてはくれないだろうか!」

 

力強く、精一杯のかっこつけを行うロマン。イリヤの純真な心には自分を力強く応援してくれる優しいお兄さんと映り感激に目を潤ませ、クロは呆れたように肩を竦める。男ってばかね、と

 

「ろ・・・ロマニおにーさん・・・!!」

 

「ロマンでいいよ。──君に、涙は似合わないさ(キリッ)」

 

『『『〈●〉〈●〉』』』

 

「はっ・・・!?ジ、ジン達!?浮気じゃないよ!?紳士だよ!?」

 

「まぁそれはともかく(バッサリ)。仲間や旅の道連れは多ければ多いほど頼もしいじゃない?あの冷酷な王様が絡んでいる以上一筋縄ではいかないだろうし・・・どうかしら、ここは手と手を取り合って協力しない?」

 

「私は賛成よ!この二人の力になってあげたいわ!なんだか体が叫ぶの、魂が震えるのよ!」

 

アイリが二人を抱きしめながら宣誓する。守護すべし、願い聞き届けるべしと。各々のマスターもまた、自らの言葉で協力に是を告げる

 

「楽園には恩があるし・・・たまには酔狂な真似もしてあげようじゃない」

 

「マスターとして、騎士として。全力を尽くします」

 

「私は先輩のお役に立てればOKです!」

 

「一度関わった以上、半端が許される筈もなし。此度の奮闘を、王に捧げると致しましょう」

 

今更断る理由など何処にもない。見てみぬふりをする理由など何処にもない。今までずっとそうしてきた。だから今もそうするまでの事だ。それだけの理屈に、小難しい理論は不要なのである

 

「そう言うこと!それじゃ、行こっか!イリヤちゃん!クロちゃん!友達と世界、どっちも救いに行こうよ!」

 

「は、はいっ!宜しくお願い致します!リッカさん!マスターの皆さん!一緒に、絶対特異点を攻略して・・・ミユを助けましょう!」

 

「私としてはミユはどっちでもいいんだけど・・・まぁでも、絶対こっちの方が楽しいわよね♪勝ち馬に、全力で乗るとしましょうか!」

 

『高まって参りました!昂って参りました!それでは参りましょう!皆様!レッツ!レイシフトターイム!!』

 

頷き合い、コフィンに飛び込むマスター、そしてその仲間達。一度は完全に爪弾きにされた特異点に、今度は頼もしい仲間達と共に挑む

 

「今度こそ、メイヴちゃんを見返してみせる!私達は皆で、魔法少女なんだから──!」

 

「気を付るんだよ、皆!レイシフト、スタート!」

 

巻き起こる時空跳躍。メルヘンと希望と絶望が入り交じる魔法少女達の坩堝へ今、リッカらが挑む──!




特異点、中立地帯

イリヤ「へぶ!?」

ルビー『おーっと!いきなりどじっ子アピールとはあざとい!あざといですねイリヤさん!これはマスターさんたちに可愛さで差をつける作戦か~?』

「そんなんじゃないよぉ・・・いたた、どうして私、頭から地面にキスしてるんだろ・・・」

アイリ「大丈夫?痛くなかった?擦りむいていないかしら?よしよし、大丈夫大丈夫・・・」

イリヤ「ぁ・・・ありがとう、おかあ・・・じゃなくて!アイリさん!」

リッカ「・・・・・・」

マシュ「?どうかしました?先輩?」

「んーん、微笑ましいなって!ここは、私が最初に来た場所・・・」

?『然り。此処は三国の中心、中立にして不可侵地帯なのだろうよ。此処ならば始まりの場に不足はあるまい』

オルガマリー「その声は・・・!もう既に参じていたのですね。流石です、ギ──」

ギルガメくん『ふははは、であろう?だが見知らぬ土地、地図だけでは心許なかろう!故にこの原初の妖精王!『ギルガメくん』が水先案内人を勤めてやろうではないか!案ずるな、我が声帯は偉大なる初代プリキュアのマスコットすらこなしたのだからな!』

リッカ「なんかちっちゃいデフォルメギルがいる──!!?」

マストリア「いないと思ったらそんな所に・・・」

ぐっちゃん「・・・──のほほんとしていられるのはここまでみたいよ。──来るわ」

ぐっちゃんの言う通り、大挙して現れるものが迫る。それは【残骸】。黒く澱み、濁ったヒトガタが魔法少女力を感知しリッカ達に迫ってきているのだ

ギルガメくん『フッ、雑兵め。解っているではないか!さぁ魔法少女どもよ奮起せよ!まずは最初の御約束、変身ノルマを果たすときがやって来たぞ!』

その言葉に思い思いの変身の前動作を構え、迎撃の体勢を取る。これより始まるは、乙女の乙女による乙女の為の輝かしきヒロインタイム──

リッカ「行くよみんな!!」

『イリヤさんらも遅れずに!』

「わ、分かってる!」

「もう、忙しないんだから!」

ロマン『浪漫よ、今此処に!さぁ皆──変身だ!

ギルの号令、ロマンの言葉と共に──


「「「「「「──夢幻召喚(インストール)!!!」」」」」」

輝かしく立ち上る七色の光、禍々しく噴き上がる漆黒の奔流。──魔法少女達の、メイクアップが始まる──!!

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