ナーサリー『いいのよ、こうして遊び相手になってくれたなら、それだけで』
グラシャラボラス『・・・我が永遠の友よ。いつか君達の願いと想いを昇華せしめる何者かが現れしとき、これを託すのだ』
『最後の命題』
『これは・・・?』
『君達の願いを、絶望で終わらせる訳にはいかない。その道筋を助けるために私が求めた答えを、君が信じた者に託すのだ』
『黒羊さん・・・』
『私は願う。魔法少女の未来を。どうかその未来を、絶望で終わらせぬと立ち上がる何者かが現れることを、切に願う──』
~
ギルガメくん『・・・確かに受け取った。全てが終わりし時、必ずその命題を実行してやろう』
「えぇ、お願いするわギルガメくん。それが、私の友達が願った最後の誓いと想いだから──」
「お帰りなさい!皆無事だったのね!凄いわ、凄いわ!本当に夢を護り抜く事が出来たなんて!本当に素晴らしい魔法少女だわ!」
おかしなお菓子の国へと帰参せし、カルデアの魔法少女達。友達との約束、彼女との友情を紡いだグラシャラボラスの身柄を運び込み、ナーサリーの下へと帰還するカルデアの魔法少女達。失ったもの、奪われたものを取り返し。少女の夢を夢のままでいさせるために戦い抜いたリッカ達が、その戦いの閉幕を告げる
【魔法紳士はやっつけてきたよ。友達も、こうして・・・連れてきたから】
グラシャラボラス、最早物言わぬ、限界を越えた魔神。戦い抜き、魔法少女に寄り添わんとした魔神は確かにナーサリーの下へと戻ってきた。数多の囚われた魂を救い、確かに約束を護り友の下へと
「うん。・・・お疲れさま、黒羊さん。今はゆっくり御休みなさい。次の夢まで、御休みなさい・・・」
お菓子の身体になった、ナーサリーの友人。その身体に静かに寄り添う彼女。リッカはその姿を見つめ、静かにその宝石を渡す
【これ、二人の大切なものでしょ?大きなダイヤモンド、きっとグラシャラボラスさんが護り抜いたものだから・・・】
「えぇ、それは私の力の源よ。・・・でも、いいわ。御礼としてあげちゃうわ。持っていってくださいな。素敵な魔法少女の皆さん!」
それはあなた達への感謝の気持ちとナーサリーは告げる。これからの道筋に、きっと役に立つものであるからと託す。巨大なダイヤモンドもまた、それを望んでいるかのように煌めいているのだ
「私達は最後までこの国を、遊び場を見ているわ。皆はいつまでも遊んでいられないのでしょう?だから、それを持っていって。いつまでも私達は一緒よ。それが私達を繋いでくれると信じているわ!」
「ぐすっ・・・はい・・・!ナーサリーさん、グラシャラボラスさん・・・確かに受け取らせていただきます・・・!」
涙を流しながら受け取るイリヤに肩をすくませながら、まぁ仕方ないわよねと語ることはしないクロ。茶化してはいけないところくらいは弁えているから。それくらいの空気を読まなくちゃ、魔法紳士と同じになってしまうだろうと一人頷いている
「改めて訪ねさせて貰うけれど・・・此処は魔法少女の最後に流れる土地なのかしら。各世界の魔法少女達の、最後に流れ着く土地だと?」
オルガマリーが尋ねた事、それはこの空間の在り方と魔法少女の存在。情報が不足していては戦えるものも戦えなくなる。考察くらいは担当すべきと思い立った彼女の問いに、ナーサリーは答える
「そうよ。ここは魔法少女の最後の遊び場。戦って、戦って、魔女と呼ばれた皆が最後に来る場所なの。願いのために戦って、もう悔いはないと納得した魂が流れ着く最後の場所なのよ」
魔法少女・・・それは何らかの契約に願いを以て応えた少女達の総称。譲れぬ願いのため、世界すらも相手に立ち向かう者達の名前。魔術を、願いを、勇気と希望を懸けて戦い抜いた少女の魂
そんな生命を燃やし尽くした魂が流れ着く場所がここだという。世界の何処かで役目を果たした少女を魔法少女と呼ぶのだと言う
願いを果たした者、誰かの為に戦ったもの。世界を敵に回したもの。夢を、希望を信じたもの。そしてそれらを護り抜いたもの。そんな者達の最後の行き着く果てが此処であり、誰にも見つからぬ特異点として静かに眠っていたものだと言う
「私の国以外にも、沢山の魔法少女達がいるわ。姿もないふわふわした魂だけど、きっと皆の助けになってくれる筈だと信じているわ。その宝石が、きっと導いてくれる」
この場所以外にも国はあり、魔法少女としての在り方を、安らぎを護るという理念の国があるという。それを巡れば、きっと望みは叶うという。はぐれた友達も、見つかる筈だとナーサリーは告げた
この宝石は必ず必要となるもの。だから持っていって構わないと言う。魔法少女の願いが詰まったその宝物は、あなた達に相応しいと一国の女王たるお菓子の魔法少女、ナーサリー・ライムが太鼓判を押したのだ
「ギルガメさんから、もう少し待っておけと言われたの。全てが終わったらまた遊べるようになるから待っていろって。だから私達は待っているわ。ずっとずっと待っているわ」
そう、本当の安らぎを此処に取り返すと。必ず完全無欠の結末をもたらすと。騒ぎの不始末はつけるとギルガメくんは告げた。だから自分達は『もう少し』待っていると告げる。まだ消えずに、待っていると
『ギルガメくんが船を手配しているみたいだね。次は群島エリア・・・えっと、『大海原と竜の国』だっけ?そこを目指せとのお達しだ。名残惜しいけれど・・・此処はグラシャラボラス、いや。『黒羊さん』に任せて先に進もう』
ロマンの言葉に一同が頷く。此処は自分達のゴールではない。特異点を作り上げた原因、要因の対処、そして何よりイリヤの友達、ミユを取り返すために進まなければならないのだから。此処から先へと、道は続いている。振り返らず、進まなくてはならない。魔法少女とは、脇目も振らず願いを追い求めるものだから
【──グラシャラボラスさん、ナーサリー。・・・諸先輩方、行ってきます!】
リッカが飛び立つ。振り向かず、願いを受け取り言葉は無用と
マシュが涙を堪え、リッカの背中を追う。オルガマリーが静かに黙祷を捧げ、歩み出す。ぐっちゃんはその人間力を見せつけた少女達に敬意を払い、アイリは魔法少女達への祈りを捧げ、マストリアはお菓子の国をとても名残惜しそうに惜しみながら、一同の後に続く
「ほら、行くわよイリヤ。ミユを助けるんでしょ?」
『此処は偉大なる先輩方にカッコ悪い姿を見せられませんよ~?ファイトファイトです!リッカさんらは駆け抜けていますよ!ハリーハリー!』
「解ってる・・・解ってるよぅ・・・ナーサリーさん、グラシャラボラスさん・・・魔法少女の皆さん、本当にありがとうございました!」
別れは笑顔で。涙はいらない。次もまた、きっと会える。だから今は、涙を拭いて告げよう。いつかの時代、いつかの場所で戦い抜いた魂達に誓おう
「必ず、私は皆も、ミユも助けてみせます!だから待っていてください!すぐに、借りている宝石を返しに来ますから!」
「頑張ってね?また一緒に遊んで、疲れたなら御茶会しましょう?」
強く抱きしめあい、再会を祈って。イリヤは振り向かず走り出す。最早此処に来るときは、此処に戻ってくるときは、とびきりの紅茶とお菓子を持って
「イリヤ、行きます!──クロ、ルビー!置いてくよ!」
『ルビーちゃん置いていったら魔法少女を名乗れませんよー!まってくださーい!!』
「はいはい、もう決めたら一直線なんだから。・・・」
・・・魔法少女。自分より誰かを。名も知らない誰かの為に。顔も知らない沢山の人達の為に。その為に自分が傷付く事すら厭わない。裏切られても、それでいいのと笑顔で駆け抜ける
「──どこかの誰かにそっくりね。誰か、なんて言ってあげないけれど」
「?」
「何でもないわ。じゃあね、バイバイ?期待は裏切らず、予想を裏切ってあげちゃうから♪」
投げキッスは、最後のお別れ。走り出していった『姉』の向こうみずな直進を、肩を竦めながら駆け抜け追いかけていくクロ
「・・・皆なら大丈夫。ね、黒羊さん?だって、『魔法少女』なんだもの!」
『────』
その後ろ姿を、一人の魔法少女・・・そして誰よりも愛し、重んじた怪物が見守り、見送る
・・・皆が食べるお菓子として、その身を変化させた魔神柱。その最後の命題を受け継ぐ者達を見つめながら──
船着き場
ギルガメくん『一先ずの別離は果たしてきたようだな。見違えるような顔をしおって、これだから少女と呼ばれる輩は侮れん。少し眼を離せば即座に成長を果たすのだからな』
リッカ【女子三日会わざれば刮目してみよ!って言うじゃん?女子は、一分前の自分より強くなるから!】
オルガマリー「それは螺旋力じゃないかしら・・・まぁそれはともかく・・・」
『ゴージャス☆ギルガメ号ツヴァイ』
イリヤ「なんか凄い立派な船があるー!?」
ギルガメくん『次は海を渡り殴り込まねばならぬ故な、特別に便宜してやったわ。直接の戦闘は任せるが、それ以外のサポートは万全を期すのがゴージャス流よ!さぁ乗り込むがいい!大海原すら我等が踏破する道筋、新たなる魔法少女を拝見と行こうではないか!』
一同「「「「「おーっ!!!」」」」」
イリヤ「ほわぁあ・・・ギルガメくんってすごーい・・・うちのルビーとは大違い・・・!」
『そんな事ないです!・・・無いですよね皆さん?そんな訳で戦いは新たなステージ!近日更新を~、待て!しかして希望しましょう!』
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