バルディッシュ『
アルトリア「ハイレグで空を飛び回り瞬間で敵を切り裂く・・・新機軸なセイバーです・・・」
アイリ「エッチなのね、魔法少女って・・・」
はやて(あかーん!!フェイトちゃん!初手本気はあかんて!?言い訳できんほどに痴女や!変態や!)
ロマン『録画しておこう』
なのは『あれ!?なんで二人いるの!?』
はやて「どこ行ってたんや自分!?」
『えっと、魔法少女の原点に立ち返るためにライブラリを・・・待って待って、いまいく!』
「あかーん!自覚ないかもしれんけど、うちらもう魔法少女というにはキツいんや──!」
ビッキー『うわっ、凄い威力!カルデアってそんなにハードな特訓してるの!?』
リッカ【美味しいご飯(五ツ星シェフも顔負け)に適度な運動(ギリシャ大英雄付きっきり)!やってるのはそれだけだよ!】
クリス「嘘こけ!そんなんで強くなれ・・・なれ・・・」
~
飯食って映画見て寝る!鍛練なんぞそれだけで充分だ!
~
「・・・なれそうだな、いやなれるな・・・なれるか!」
ビッキー『負けてられない!行くよクリスちゃん!私達も!』
「触発されやがったなお前!闘志の伝播がネズミ花火だ!あぁもう、付き合ってやるから遅れるなよ!」
「『イグナイトモジュール!抜剣!!』」
ぐっちゃん(苦労してるのね、あの赤いの・・・)
エレナ「・・・?」
亡霊『──!、──!』
「あなた・・・?」
「あーもう!イリヤを揺さぶるの止めてもらえるかしら!あの子一回うじうじしたらスゴいんだから、逆に!」
テスタメントとファースト・レディ。二人の最高クラスの魔法少女をクロが懸命に捌く。目の前の相手に比べ、動けないミユに動揺に震えるイリヤ。状況は最悪と言っていいものであった。彼女は一度決めたならば凄まじいが、それ故に一度つまづいてしまうと途端に尻込みしてしまう性質であることをよく理解していたのだから
「せ、責任だなんて・・・だって、だって・・・私、始まりはほとんど詐欺みたいに魔法少女にされて、そのまま成り行きでどんどん巻き込まれて・・・世界への代償とか、責任とか、そんなの・・・全然・・・」
「──あちゃぁ・・・!」
想定していた最悪の精神状態に移行しているイリヤに頭を抱えるクロ。これに陥ってしまえば立ち上がるのに物凄く時間がかかってしまうのだ。下手をすればもう起き上がれないかもしれないくらいにドツボにはまり悩みに悩む。お尻を蹴っ飛ばすしかないほどにうじうじしてしまっているが故、今すぐそうしたいのは山々なのだが・・・
『ほら、一緒に行きましょう?待っているわ、私達を求める救われない人達が』
【永遠に煌めき、輝くだけでいいのよ?それの何が不満なの?】
「くぅっ・・・!」
場を保たせ、負けない様にするのが今は精々。とてもひっぱたくような時間はない。自分で起き上がってくれるのを待つしか無いのだが、それをするにはあまりにも希望が見えなさすぎる。どうすれば打開が叶うのか、思考を巡らせている中
「都合のいい時には力を振るい、都合の悪いときには目を瞑るんですね。まぁ人間らしいといえばらしいです。現実を直視できない弱い人間しか幻想にはすがらないのですから」
ギルくんはイリヤに歩み寄り、静かに見下ろしている。見上げるイリヤの瞳は動揺と、これから待つ無限の奉仕と酷使への恐怖に揺れている。何処までもおめでたいものですね、と目線を合わせ告げる
「希望にすがり、奇跡を起こす。それが君たち魔法少女。僕はそんな君達がとても気に入らない。何故叶わないものを叶わないまま、届かないものを届かないままと受け入れる事が出来ないんですか?」
「あ、ぅ・・・う、っ・・・」
「道理を曲げて、摂理に逆らい己の我を通す。それは良いことです。ですが・・・『それを何故自らの力でやらないのか』、僕にはそれが解らない」
奇跡を起こしたいのなら、自分で困難に挑めばいい。摂理に逆らうのなら己の力でやればいい。何故其処で胡散臭い奇跡に手を伸ばす?あるかも解らない幻想を求める?その願いは、誰かに叶えてもらい満足できるものなのか?
「敬意を払うならいいでしょう。力に甘えず自らを磨くのならばそれは己の研鑽です。全て覚悟の上なら絶望など残すはずがない。全て自ら決めたのなら呪いなど残す筈がない。それなのに君たち魔法少女は必ず魔女となり害を残す。呪いを残す。そしてそれを見た少女たちが、また幻想を夢見て同じ道を辿る。・・・人が堕落するのも分かりますね。多様性の弊害でしょうか」
願いを誰かに預け、それを叶えてもらいながら絶望は嫌だと言う。そんな我が儘を容認するから絶望の連鎖は終わらないのだとギルくんは告げる。故にこそ、この場で払わせるのだ。世界に散らばる希望と奇跡の代償を。そして──
「此処で果てておくのをお勧めしますよ。丁度いい改革の時です。ミユさんもクロさんもまとめて、奉仕の戦いに身を投じれば辛くないと思いますから」
最後の一押しにて、イリヤは揺れる。世界を救うために戦う。ミユとクロが一緒にいる。それならばなんとかやっていけるのではないだろうか。それならば、終わりの見えない戦いにも、ずっと頑張れるのではないだろうか
「そ、そうだよね、そうだよね・・・責任は取らなくちゃ、私は魔法少女なんだから、救わなくちゃ、助けなくちゃ・・・」
『あわわわ!イリヤさん!ダメです!ブラック企業の契約書に判子を押してはー!?』
世界を救わなくてはならない。友達を救ったのだから、その後は総ての世界の友達を救いたいと願う人達の力にならなくてはならない。そんな強迫と使命感に囚われたイリヤが、力なくギルくんに手を伸ばす
「よろしい。ようやく魔法少女から大人に・・・【魔女】になれましたね──」
成長の証、そして世界への歯車としての使命を受け入れんとし、さしのべたギルくんの手に手を伸ばした時──
『──ふふははははははは!!!幼少の我の手練手管を拝見してみればまっこと小賢しい!乙女に正論と現実を見せ付け心を折るなど無粋にして興醒めにも程があるわ、たわけめ!!』
「ッ、!」
放たれる黄金の哄笑。瞬時に飛び去るギルくん。黄金の輝きを放つ無敵のマスコット、ギルガメくんが厳かに降臨し辺りの絶望を吹き飛ばす。マスコットでありながら誰よりも輝くその有り様に、一同は等しく度肝を抜かれるしかなかった。そして漸くの邂逅であり、ギルくんが待ち望んだ──
「漸くですか。遅いですね全く。本当に待ちわび──」
『ふはは、暫し大人しくしていろ。まずはこの手間のかかる娘に激を入れねばならんのだからな』
ギルくんは一先ず後。此処まで来てへこたれし面倒な性質のイリヤに向けて、ギルガメくんは向き直る。同時に・・・
──いいんです。イリヤちゃん。我が儘で、道理が通らなくても。あなたは、魔法少女はそれでいいんですよ
「ほぇっ・・・?」
頭に直接響く、暖かく柔らかく肯定に満ちた声音。誰のものかは解らないけれど、その声が自分を励まし、後押ししてくれていることは瞬時に理解できた。言葉は紡ぐ。魔法少女としてのその在り方を、柔らかに後押しする
──少女の夢や、幻想や想い。それらは決して否定されずに輝くべきもの。どんなものを夢見てもいい、どんな幻想を懐いてもいい。それらは総て夢見るに相応しいものだから
(で、でも・・・私だけが、魔法少女だけがそんなにいい想いをしたら不平等で・・・)
救われるもの、救われないもの。その差を産み出す魔法少女は間違っている。そう告げられたが故にイリヤは迷う。だが・・・──
──いいえ、不平等を、不公平を恐れる必要はありません。イリヤちゃん。魔法少女が出来ること。魔法少女がずっとしていた事が、あなたを此処に導いた想いと行為があったでしょう?ほら、顔を上げて──
イリヤの目の前に広がる風景、それは──
「──皆・・・!」
そう、懸命に戦う魔法少女達の姿だ。己の身を省みず、自分達の道を切り拓いてくれた魔法少女達。待ち受ける結末は自分で掴むと決意した者達。絶望など無縁であると奮い起つ、リッカら魔法少女達の奮闘であった
──魔法少女になれるかなれないか。確かにそれは不平等で不公平であるかもしれない。でも、ワタシは信じている。希望と願いを諦めず、それでも誰かの為に戦うことを誓った魔法少女達の尊き願いを、心を信じている
だからこそ、その声は告げる。魔法少女が成すべき事、果たすべきものはたった一つ。絶望を吹き飛ばし、そして望む未来を掴む希望の第一歩
──手を伸ばして、救われない・・・救われたいと願う人達へ告げる言葉を、
不公平を、不平等を、絶望を吹き飛ばす最初の一歩。願いを果たすために、願いを叶えるために。大切な事は一つだけ
──諦めないで。『一緒に行こう』──
「──一緒に、行こう・・・」
その言葉と共に差し出される白金に輝く何者かの手を握る。その言葉が、イリヤの魂の曇りを吹き晴らす
──忘れないで。少女や少年、子供の夢は未来の現実である事を。夢見る事を、飛び立つことを諦めないで。信じている。見ている、その笑顔と羽ばたきに、心から楽しませて貰っている誰かがいることを忘れないで
「──はい・・・!」
──さぁ、もう・・・大丈夫だよね?
「はい!もう大丈夫・・・!どんなに子供っぽくても、どんなに道理が通らなくても!私はもう、『何も諦めない』と誓ったんだから・・・!!」
謎の柔らかな声に、優しく背中を押されたイリヤの魂に、最早迷いはない
なんの事はない。力を手にいれたものは、力なき者や願いを代わりに叶える必要なんて無いのだ。ただ『一緒に行こう』と。一人じゃない、傍にいると。一緒に挑もう、乗り越えようと告げる事が出来ればいいのだ
その一歩一歩が、繋がれた輪が拡がっていつか皆が救われる。いつか、自分達を自分達の力で救う事が出来る。願いを肩代わりする必要はない、願いを叶えてあげる必要はない。足りないならば力を合わせて、届かないなら手を繋いで届かせればいい
そんな、笑っちゃうような願いを夢見るのが女の子の特権なのだから。そんな大人が笑い飛ばすような夢を見るのが少女だから。・・・──きっと、誰よりもカッコいいあの魔法少女なら言う筈だ、絶対に言う筈だ
【こちとら乙女!夢を夢見て何が悪い!】って──!
だから、一緒に行こう。諦めないから、一緒だから。世界に告げる魔法少女の真理に触れたイリヤが、今度こそ迷いを振り切り翼を開く──!
イリヤ「──確かに不平等とか、不公平とか。難しいこと、いっぱいあるかもしれない。だけど・・・!」
ファースト・レディ『・・・!この力、魔法少女の魂達がイリヤに集まっている・・・!?』
それは希望を目指し、魔法少女の真理を体現した誇り高き魂達。誰かを助け、また誰かを助けようと願う魔法少女達の意志。亡霊も、魂も。グラシャラボラスの願いを受け継いだ魔法少女達が、イリヤに力を託す
【男達の夢のような穢れたものではない・・・死してなお、後輩の為に戦うというの?】
そうしてきたから、今そうすることに躊躇いはない。だってずっと、そうやってきたのだから
願いのためだけに戦ってきたのではない。幻想をだ夢見たのではない。自分達の戦いが、誰かの夢に繋がると、明日を救うと信じて悔いなく燃え尽きたのだ。そんな自分達の戦いを、絶望の一言で切り捨てられるなんて許せないと──意地を張った魂達が集う
クロ「──やれるのよね、イリヤ!」
イリヤ「うん!テスタメントをお願い!私は、ファースト・レディをまずはやっつける!!」
ギルくん「・・・──ふふっ、あはははっ!それでこそです!では、こちらも始めましょうか!魔法少女の行き着く先は希望か、絶望か・・・裁定の時間ですね!」
『フン、付き合ってやろうではないか。まずはマスコットたる我を越えてみせよ!』
──ギルくん・・・
イリヤ『行くよ皆!私に、友達も魔法少女も救える力を貸して!』
羽ばたく虹色の翼。ツヴァイフォームとなった魔法少女の希望が、絶望の魔法少女へと挑む──!
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