人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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コナハト☆メイヴ「やったみたいねリッカ!流石は私の永遠のライバルよ!私を倒したのだもの、そうでなくっちゃ!」

リッカ「メイヴちゃん!?もしかして、復活したの!?」

エレナ「そのようね、あの光・・・どうやら魔法少女のあたし達に告げたみたい。『未来を自分で選ぶためにも、もう一度魔法少女として立ち上がって』ってね」

ナーサリー「皆一緒よ。これで素敵な御茶会ができるわね!」

イアソンくん『そんなのほほんな事をしている場合ではないんだなこれが!魔法少女の特異点の在り方がいまここにいるオレ達の奮闘で決まる!滅ぶか、栄えるかはオレ達の手に委ねられているんだぞ!悠長にしていられるか!何せ全てが自己責任なのだから!いつものことだ!ええい働けメディア!』

メディア「はい、イアソンさま!あと二百万近くあるプラモデルを消化してから・・・!」

アル『どうやら課題は山積みなようだ、しかし諦めるつもりは無いだろう、婦人?』

「・・・あんなものを見せられちゃ、ね」




グラシャラボラスの思念『──感謝する、顔も知らぬ何者かよ。この宝石を正しく礎とした貴女に、心からの敬服を』

──グラシャラボラス・・・

『魔法少女よ。自由であれ、自在であれ。──その無限の未来を、心から願っている』

──はい。また・・・さようなら。誰よりも魔法少女の未来を案じた、本当の紳士たる魔神・・・──


・・・──そして、数日後・・・


エピローグ ~結成!魔法少女軍団!~

希望を示された魔法少女達の墓標にして固有結界。魔法少女達が流れ着く最後の場所であったこの場所は、一人の姫、魔神の命題を受け取った者によってその在り方を変えた。其処は、魔法少女達の魂を迎え入れ安らぎの地とし、また望む声があるならば世界を越えて駆けつける魔法少女達の集う座と変化を遂げたのだ。戦い抜いた魔法少女達は此処へ流れ着き、運命に選ばれてしまった巻き込まれ系列の魔法少女のサポートへ向かい召喚へ応じる事となる

 

その代わり、流石にいきなりの魔法少女のデリバリーは怖くない?という魔法少女達の相談により、世界の終焉ともなるような状況を除き、彼女達は『使い魔』としてのサポートを選択した。動物の形を取り、右も左も解らない魔法少女達のパートナーとして派遣される。そうすることで魔法少女達の戦いを支え、見守り、そして平和を掴んだ魔法少女が日常へ戻る事を望むならその力を預かり代わりに自分達が戦うことを選ぶ。使い魔として、主たる魔法少女が日常へ滞りなく帰れるサポートを行うのだ。自分達が選べなかった平穏の願いを、今度こそ後輩たちが選択できるように

 

戦うことを選んだ魔法少女達は、そのまま座へと導かれる。この場所で、何処かで生まれる魔法少女の後輩たちを見守り、支え、経験を受け継がせる為にこの場所にて待機するのだ。魔法少女の在り方を歪ませないために、必要ならば助け、必要ならば魔女の介錯を行う。魔法少女という概念を支え、戦う者達の集い。真なる意味での『魔法少女軍団』として、魂達は英霊に近しい者へと昇華された。それは魔法少女達の選んだ在り方であったのだ

 

同時に、疲れ果てた魂の安らぎの地、揺りかごとしての役割も必要であるとエレナ・・・魔法少女マハトマ☆エレナは提案した。現実に打ちのめされ、傷ついてしまった魂の庇護もまた、大事で大切な側面であると。活力ばかりではなく、安寧も肝要であると聡明なマハトマ☆エレナは告げたのだ。だからこそ、魔女と呼ばれ討ち果たされた者も差別なく受け入れようと、魔法少女達は決議し、会議し、自らの在り方を皆で話し合って決めたのだ

 

頭領、魔法少女の四賢者として選抜されたナーサリー、メディア、そして気合いで蘇ったコナハト☆メイヴ(!?)そしてマハトマ☆エレナが、グラシャラボラスが精製した魔法少女に捧げし宝石にて固有結界、魔法少女の座を守護する柱となる。柱と言っても単なる宝石を所持している便宜上なものであり、人柱という意味ではない。それぞれの国境と国を再建し、交流や発展、お祭りなどを運営し平行世界の魔法少女を見守る目と頭脳としての役割を果たすのだ。上下関係は介在しない、それぞれがそれぞれの手を取り合って。魔法少女は皆仲良し。それこそが、全員が定めた魔法少女の在り方だから

 

『使命ばかりでは味気無かろう。良質な労働は万全なる支援にて実現するものだ。抑止力とは一味違うゴージャスアットホームというものを見せてくれる!』

 

そして同時に、魔法少女として戦い抜いた者達の代償として過ごせなかった日常、勉学の義務と責務。そして穏やかなる安寧も保証するべきと大人達は決議した。姫をサポートする妖精王必殺、マジカル☆王の財にて瞬く間に魔法少女達が望む施設を建築し、魔法少女と化し勉学や遊ぶことが疎かになっていた者達への学校、自宅、ショッピングモールや運動場などの遊楽施設を全額負担で提供し、ついでに特異点の所有権利を獲得し個人の所有物とした。そうすることで魔法少女達の人権と尊厳を認め、他者に利用されることない公平なる組織運用を実現するためである。まぁ買い取ったら買い取ったで運営は他者に丸投げしている。王が治めしは楽園であるという不文律であるが故に

 

「平行世界関連の勉強書類の提供は任せとき!未来の有望な人材を取りのがしたりは出来へんからな!」

 

「では、勉学の為の教導プログラムは此方が担当しよう。そういったものを作るのに相応しいやつが沢山いるんでな」

 

はやて、風鳴司令の協力もあり、魔法少女達の学門の場の充実ぶりは更に磐石であった。あらゆる財を納めた英雄王ではあるが、人材となると多少手間がかかるところを二人の厚意にて支援が叶い万全の体勢が実現する

 

「戦い抜いた戦士達の安らぎの場所・・・同じ戦士として、敬意は払わなくちゃならんだろうからな」

 

「せやせや、それに誰も彼もがベテランやろ?持ちつ持たれつで行こうやないの!」

 

そんな訳で、産み出された魔法少女達の活動拠点。名称は全員の意見が錯綜しまだ決まっていないので『秘密の場所』とだけ銘打たれた内緒の場所。魔法少女達が集い、遊び、安らぎ、そしてまた戦いに赴く場所が皆の尽力にて出来上がったのである

 

そして、楽園の魔法少女達、奏者達や教官、執務官などこの秘密の場所を勝ち取る為に戦った魔法少女達は『希望の魔法少女』として秘密の場所の学校にて名前を遺す事になった。楽園の皆は辞退こそしたものの、その在り方を魔法少女達は心に刻み残したいと強く主張し、それを聞き届けた英雄王、ギルくんが個人財産を使用し碑を作り上げたのである

 

「どうです?どうせなら像でも作りますか?」

 

「流石に其処まではしなくて大丈夫だから!」

 

その魔法少女達の楽園、秘密の場所を立ち上げる為に誰よりも率先して協力し前線に立ったのは誰であろうギルくんであった。自分の目論見でそれなりの迷惑をかけちゃいましたから、と一転して復興と魔法少女の利権の復帰に全力を尽くしたのである。・・・実際のところ、荒療治を誰かが担わなくてはならなかったのだ。魔法少女達の行き着く先であると治めるだけならそこに発展はなく、不要と断じるだけなら滅ぼすだけでいい。どちらが欠けていても、この魔法少女達が笑い合う秘密の場所に至ることは出来なかったであろう

 

ただ治めるだけなら人でよく、脅かすだけなら神でいい。王たる自分が関わる以上、最適かつ最善を選ばなくては意味がない。そんな想いを胸に、ギルくんは自らを倒されるべき対象とした一芝居を打ったのである。──姫が、必ずそれを果たしてくれると確信を以て

 

「そんな訳で、ごめんなさいです三人とも。ちょっぴり酷いことをしてしまいましたね」

 

「ちょっぴり!?物凄くノリノリで苛められたような気がするんですけど!?」

 

「・・・結局、こうして皆無事だったから・・・」

 

「んー、これが厄介なのよねー。やらかしよりもたらす益が+に傾きすぎてて。-100+1000みたいな?」

 

「あはは、反省しているのは本当ですよ。僕と一緒に謝ってくれる人にかけて、過ちや偽りはありえません。こうして大人の僕と協力しているところからも汲み取っていただければ」

 

なんだかんだで、最後まで責任を持つギルくん。この特異点の最高管理者を名乗り出、暫くはこの場所の管理にこもりきりになるという。楽園に行くことも、帰る事もしない。それが自分の罰の一環だと言うのだ

 

「というわけで、お疲れ様でした。・・・と言いたいところですが、もう少しだけ付き合ってあげてほしい人達がいます」

 

「ほえっ?」

 

「誰よ、それ。付き合ってあげてほしい・・・?」

 

「決まっているじゃないですか。ファースト・レディ、そしてその身を案じ続けた、一人の亡霊に・・・ですよ」

 

・・・そんなこんなで、魔法少女の在り方を定めたこの特異点は新生し、魔法少女達の存在は、世界をまたに翔ける魔法少女軍団へと生まれ変わった

 

・・・そんな魔法少女達の間で、まことしやかに噂されているものがある。それはこの世界そのものを変え、願いを聞き届けてくれた『伝説の魔法少女』が何処かにいることを

 

誰も姿を知らない、どんな存在かも解らない。ただ、叶えるばかりだった自分達を助けてくれた・・・魔法少女に『魔法』を見せてくれた誰かの事を、魔法少女達の間のもちきりの噂として広まっている

 

・・・誰も、どんな魔法少女もそれを知らない。あの場所にいた、王とその財達を除いて。幼き王は、その噂を聞きながら今日も贖罪に奔走する──




イリヤ「付き合ってあげてほしい相手って、一体・・・?」

ギルくん「あ、みんな集まっているようですね。では、僕はエアさんを待たせているので失礼します。謝罪巡りは、まだ終わってませんからね」

クロ「行っちゃった。・・・物凄く嬉しそうねあの子」

ミユ「彼は・・・目的を果たしたから」


亡霊『──!』

イリヤ「ひゃっ!?」

クロ「ちょ、何この亡霊!?」

レディ『・・・・・・』

ミユ「ファースト・レディも・・・?」

エレナ「この亡霊、平行世界の彼女達に救援を送った亡霊よ。全てが終わったあと、レディの傍にいたから拾ってきたの。──レディに、何か言いたげに浮遊していたから」

クロ「レディに・・・?」

エレナ「──きっと、レディに心当たりがある相手よ。亡霊のままの姿を取っている彼女は、きっと・・・」

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