人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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風鳴司令『まさか先行したお前たちで片が付くとはな。よくやった、お前達。戻ってこい!』

ビッキー「うぅ、出逢ってすぐにまた御別れだなんて寂しいよー・・・リッカちゃん!私の事忘れないでね!私も帰ったらLINEするから!」

リッカ「大丈夫、忘れたくてもそんなキャラしてないから!アディオス・アミーゴ!」

クリス(なんなんだろうな。こいつらが抱き合ってても色気がビタイチ無いのはさ・・・)

リッカ「クリスちゃんも!LINE送るからね!いつも朝昼晩送ってくれてありがとう!」

クリス「バッカお前、言うなバカ!」

マシュ「あなたも先輩のパートナー志望ですか!では、私を乗り越えていただきましょう!」

クリス「なんなんだお前は!?あぁもう!リッカ!夜更かしするな、朝はちゃんと歯を磨け!昼は抜くなよ太るからな!それから、あーと、えーと・・・」

リッカ&ビッキー((ニヤニヤ))

「──お前はお前のままで行け!自分流を忘れんなッ──!」


はやて「青春やなぁ~。自分等、世界を救ったら行くあてあるん?無いんやったら是非うちに来てや!優秀有能な人材は大歓迎や!あんたらならランクAAA、Sも夢や無いで!」

オルガマリー「ふふっ。進路のプランとして検討させていただきますね」

フェイト「ただし試験は凄く厳しい。私は一浪した」

なのは「何処かにもよるけど、遣り甲斐はあるよ。新人の育成とか!リッカちゃんみたいに自分の生きざまを形に出来たときは、特にね!」

はやて(ビジュアルや力の質的に完全にラスボスなんやけどな・・・)

フェイト「なのはが、引き続きお世話になります。どうか魔法少女は火力特化だけではないと言うことを忘れないでね」

なのは「フェイトちゃんだって格好が際どいよ!」

フェイト「私は正装だから」

はやて「はいはい、変人同士の背比べはみっともないで!それじゃ、元気でな!いつかウチらの世界にも遊びに来てな~!」


アルトリア「・・・あの関西弁の魔法お姉さん・・・」

アイリ「あら、どうしたの?」

「なんだか、凄く聞き覚えのある声だなと」


さよならじゃなく、またねと手を振って

『皆、本当にお疲れ様。その特異点はもう、歴史に何の影響も及ぼさない。是正は完了したと言っていいだろう。ミッションクリアだね、お疲れ様!』

 

ロマンの告げた作戦完了の言葉。それは魔法少女達の戦いの終わり。最早この場に戦う相手も宿命も存在しない。──魔法少女達の戦う時間は終わり、それぞれの世界へと帰還する時がやって来たのだ。一夜の幻想は、朝日の照らす現実へと活躍の場を譲る。縁にて結ばれた希望の魔法少女達も、それぞれの日常へと戻るのである

 

「長いような、あっという間なような・・・所長の椅子に座っているだけじゃ体験できない得難い体験だったわね」

 

「大分酔狂な真似だと我ながら思うわ・・・もうやりたくないわよ、これ・・・」

 

そうは言ったものの、皆と戦うことの感覚はぐっちゃんも初めての事。その感覚は、決して疎ましいものでないことは自他ともに認めているのだ。単に、恥ずかしいのと素直になれないだけである

 

「またやろうね、先輩!」

 

「話聞いてた!?」

 

「嫌よ嫌よも?好きの内と言うじゃないですか?」

 

「くっ、ここぞとばかりに・・・!」

 

「本当にお疲れ様。じゃあ最後の仕上げに入りましょうか。今、あたしの手にはグラシャラボラスが残してくれた宝石がある。これを自分のために使うのではなく、願いを循環させるために使えば全く違う結果を導く事が出来る」

 

「──他人のために使えばいいんだね!」

 

そういう事、とエレナは微笑む。彼女もまた、魔法少女の呪いから脱却できた存在だ。その在り方は、初めてあった時よりずっと柔らかい

 

『ナーサリーちゃん、メディアさんの宝石、そしてメイヴさんの宝石を使用すれば魔力が均等に行き渡り、元の世界に帰れます!』

 

「・・・えっと、それってつまり一人一個ずつ宝石を持って?」

 

「私がミユ、ミユがクロ!クロが私を帰れるように願えばいいってことだね!」

 

「そんな簡単な・・・というか安直すぎるような・・・って言っても、もう楽園の皆が起こした奇跡に比べたら全然大した事無い、よね」

 

レディ、そしてミラーの代わりに魔法少女達を取りまとめ、統治するのみのギルくんに代わり指揮を取る賢者の一人として、その勤めを全うするのだ

 

『後の事は任せておきたまえ。私達に出来る事を、と言うことは残りの全人生を捧げると言うことだ。だからこそ、安心して自らの生へと邁進していくといい』

 

パートナー、アルの言葉通り。これからはそれぞれの道へと戻るとき。それぞれの生を歩むときだ。だが、それは決して永遠の別れではない。だからこそ、涙はいらず、笑顔にて別々の道を歩む。それが、この結末へと辿り着いた者達の取るべき別れである

 

「元気にしていてね?イリヤちゃん、クロちゃん、ミユちゃん。お母さんは大切にするのよ?」

 

「・・・その姿と声で言われると重みが違うわね・・・ま、それはともかく。ありがと、素敵なお姉さん方♪」

 

「はい、色々とお世話になりました。皆さんも・・・助けていただいて、ありがとうございました」

 

「・・・ぐすっ、リッカさん・・・皆さん・・・本当に、本当に・・・お世話に、なりました・・・!」

 

投げキッス、誠実な御辞儀、涙をこらえ手を振るイリヤ。輝く宝石にかき消されてしまわないように、それぞれの言葉と態度にて感謝を示す

 

「お疲れ様、イリヤ!ギルは愉快で楽しいギルもいるってこと、覚えていってね!」

 

「クロ、あまり蠱惑的な態度で翻弄していると罪な女に成長してしまうわよ。程ほどにね」

 

「ミユさん!愛に形は関係無いですよ!頑張ってください!」

 

「・・・子供でいられる時間なんてあっという間よ。子供であるうちに、子供でしか出来ない振る舞いをしておきなさい」

 

「沢山食べて、沢山寝てください。成長するには、それが一番の近道ですから」

 

「頑張るのよ!恋も、魔法も!真っ直ぐ情熱的に、ね!」

 

それぞれのエールを贈る魔法少女達。愉悦と希望の魔法少女、そして未熟ながらも駆け抜ける魔法少女達。別れていても縁は消えないから。必ずまた、異なる形にて再会が叶うと信じているから

 

「・・・リッカさん。その・・・」

 

「?なぁに?」

 

「・・・リッカさんは女の子らしいとか、可愛らしくないとか。気にしてるのかも知れないけれど・・・あの、あくまで!私は、そう思ったと言うだけで、気休めにもならないかも知れないけれど・・・」

 

別れる前に、それだけは。それだけはどうしても伝えておきたくて。どうしても、それだけは別れる前に伝えたいと決心したイリヤが、リッカに向けて告げる

 

「世界も、私達も、笑って、挫けないで負けないで・・・自分を貫いて、貫き通して駆け抜けられるリッカさんは凄く、凄く・・・!」

 

誰にも真似できない在り方で、誰にも真似できない生き方。それを誇りとして貫ける人は、きっと、ううん。絶対──

 

「──素敵で!魅力的な魔法少女だと思いました!だからもっと、自分に自分を誇ってあげてください!」

 

「・・・──、イリヤちゃん・・・」

 

「私、そんな素敵で、カッコいいリッカさんに憧れちゃいました!その!良かったら、是非サインを・・・!」

 

・・・なんだか自分に対抗心を燃やしているような視線が突き刺さっている気がするが、それはまぁ置いておいて。魔法少女力5であった自分が、こうして魔法少女の憧れになる。それはなんだか不思議な感じで、照れ臭くもあるけれど

 

「──イリヤちゃん」

 

「ほ、ほいっ!」

 

そんな彼女に自分が告げられること。そう、自分だから言えること。それだけは言っておかなくちゃ。それだけは伝えておかなくちゃいけない。別れの間際、道を踏み外す事がないように

 

 

「私をそう言ってくれて、ありがとう。だから、私もイリヤちゃんに言わせてもらうね」

 

そう、未来に羽ばたく魔法少女よ。可愛く麗らかで魅力的な少女達よ。どうか忘れないでほしい、どうか、心に刻んでおいてほしい

 

心を伝えるために血飛沫を飛ばしながら殴り合い殺し合う。最大火力を以てお話ししたりとりあえずコマンドーする。ハイレグで空を飛び回ったり物理的に高められた肉体と技を極める自分や、なのはさんやその愉快な同僚に連なる、自分の様な魔法少女の在り方は、決して──

 

「──よい子は、絶対に真似しないでね──!」

 

「えぇえぇえぇ~!?」

 

どうかキラキラとしたハートやスターなエフェクトが似合うままでいてほしい。素敵な変身エフェクトが似合う君でいてほしいから。自分に誇りを持っているのと、それを推奨するのは別の話である

 

『舷梯次元、反射路形成──』

 

『境界回廊 最大展開!通常界へのリンケージ、探索開始です!さぁさぁ、離界いたしますよー!?』

 

「えっ!?リッカさんからの最後の言葉がこれ!?ま、待ってください!私、もっと涙を堪えて抱き合って、消えていくまでふわふわする感じで・・・!」

 

「あ、そうなの?私は拳と拳をコツンとぶつけ合って暁に笑うみたいな感じで・・・」

 

「骨の髄までカッコいい思考!?あぁ身体が透けてる!透けてる!えっとリッカさん!皆さん!妖精王ギルガメくんにも、お姫様にも!ありがとうございましたと伝えてください!それからえっと、えっと・・・!精一杯、頑張りますから!」

 

ジャンプする瞬間、消え去る一瞬──

 

「──どうか、お元気で──!」

 

友達と共に。新たに紡がれた縁と共に。何処かの世界にて王に振り回されたイリヤら一行は無事に自らの世界へと帰還するのであった──




ギルくん「あぁ、彼女達も帰った様ですね。となると──ごめんなさい、お付き合いさせてしまい。エアさんもどうか、楽園にお戻りください。後の事は、僕が全力を尽くしますから」

エア「──もう、いいのですか?」

ギルくん「もう十二分ですよ。こうして最後まで手まで繋いでくださって。申し訳無さと、それ以上に幸せな気持ちにさせていただいた事、ずっと忘れませんから」

エア「手を繋いでいれば、離れないし忘れない。互いを見失う事もない。・・・幸せなのはこちらの方です。心から大好きな王に、こんなに近しく、親しく触れあえる機会をくださって、本当にありがとう。ギルくん。ワタシはあなたに出逢えて・・・本当に、良かったです!」

ギルくん「・・・──あぁ、もう。ダメです、ダメですよエアさん。僕、本気になっちゃうじゃないですか。野に咲くように淑やかで控えめなのに、大輪の華のように輝いて、もう・・・」

「?顔が紅いですが・・・無理をなさっていませんか?少しだけ、休んでいきますか?」

ギルくん「い、いえ。その。離れたくなくなってしまうので。名残惜しさが残る内に本懐を果たさないと。えー、えっと。・・・こほん」

エア「?ギルくん?」

「──僕にしか言えない、僕にしか言葉に出来ないもの、というものがあります。大人になった僕は言っていないでしょうし、ですから、僕が代わりに。──エアさん」

「は、はいっ」

「いつも、英雄王(ぼく)を支えてくださり本当にありがとうございます。──あなたに寄り添ってもらえて、あなたという存在がいてくれて。僕は本当に嬉しい。──あなたが傍にいてくれる大人の僕なら、成長を忌避する気が起きないくらいに、あなたの存在に夢中です」

エア「──」

「どうか、輝くような魅力を失わないでください。どんな事になっても、僕が大好きなあなたでいてください。僕の傍にいてください。例えそれが、僕でない僕だとしても。あなたが寄り添ってくれるという事実が、僕には何にも代えがたい幸せだから」

「──はい。これからもずっと、ずっと。あなたも、賢王も、英雄王も、勿論御機嫌王も。ギルガメッシュという存在が、心の底から大好きです!ワタシの、総てに誓って!」

ギルくん「・・・・・・あぁ」

(──手に入らないからこそ美しい。大人の僕の負け惜しみと思っていたけれど)

「あ、まだ御別れするまでもう少しお時間はありますか?もう一度、一緒にお手手を繋いで施設を一周したいのですが・・・ギルくんと!」

「はい、喜んで!わくわくざぶーん、貸しきりにしましょう!」

(僕にとっての星が、あなただったんですね。──ずっと一緒にいたいけれど、至宝の奪い合いなんて醜いものを見せたくないから。僕は身を退きますね、後はお願いしますよ。御機嫌王──?)




ウルク ジグラット

賢ギル「部員区画より今すぐBlu-rayディスクを寄越せ!エアの活躍を我が編集する!!」

シドゥリ「はい、王よ。それでは一週間分の仕事を夕暮れまでに終わらせましょう」


食堂

エルキドゥ「楽しみだなぁ、お仕置き」

『ルチフェロ麻婆』『サタン麻婆』『ラグナロク麻婆』『激辛麻婆』『激辛麻婆』

「何杯めで冥界に逝くかなぁ~♪」

ギルガメくん『・・・フォウ』

(なんだい)

『遺書を書け』

(うん。マーリンを呼ぼう)




マイルーム

リッカ「魔法少女の特異点・・・一味違う自分になれた気がする・・・!まだまだ使ってないクラスカードもあるし、また是非第二弾とか!まぁとにかく今は休んで~」

ウィーン

ザビ「かたじけなし、へるぷみー」

リッカ「五体投置!?は、はくのん!?」

「キアラ乱心」

「ファッ!?」


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