人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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カーマ「早くもネタ切れに苦しんでいます。カーマです。それでは行きましょう。カーマの、インド夫婦ネガティブキャンペーンー」

「シヴァ、いますよねシヴァ。あの忌々しい女の旦那。私を焼いたシヴァです。彼は様々な異名を持っていてそれはそれは慕われています。一例をあげると・・・」


バイラヴァ(畏怖者)
カーラ(時間)
ハラ(破壊者)
ブーテーシャ(悪鬼の王)
ムンダマーラー(髑髏をかける者)
ナタラージャ(舞踏王)
ナテーシャ(舞踊神)
シャンカラ(吉祥なる者)
マヘーシュヴァラ(支配者)
マハーディーヴァ(神の王)
パシュパティ(家畜の王)


カーマ「多いですね、全部シヴァの異名です。・・・そんな彼が司るもの、御存じですか?インドではリンガといいますがとどのつまり・・・」

「アレです。男性のアレです。察してください。それでは生誕の背景を見ていきましょう」




ブラフマー「ワシこそ万物はの創造者だ。」

ヴィシュヌ「ないわー、ほんとないですわー。私です私。いっぱい姿がある私です」

~秩序の神ヴィシュヌ、そしてブラフマーがある日、どちらが偉いかでしょうもない言い争いをしていました

口論になる二人の前に・・・突然巨大な燃え上がるリンガ(男性のアレ)が出現したんです。大丈夫です?ついてきてます?


その先端を見た方が偉大として、ブラフマーは白鳥に変身し天へ
ヴィシュヌは猪に変身し水中に向かうが、果ては見えなかったのです

・・・何してるんでしょうかこの人たち。なぜアレに向かうんでしょうか。地元ながら意味不明です


二人が自分達にも敵わない存在を認め讃歌を捧げると、リンガの中から千手千足三眼のシヴァが出現。

【我等、元より一つ。矮小なる身にて醜悪な争いなど行う必要は無し。厳粛に使命を果たすべし】

……と二人を諫めた。

……こうして三神は、それぞれの役目で世界を治める事になったんですって




「これだからインドは。感想なんてそれだけでいいです。それではまた、明日おあいしましょー」


哀しみのポロロンバード

「物好きな行進、大変お疲れさまでした。酔狂で物好きなマスターさん。ここから先は分岐点、中央管制室があったエリア、『胸部(ブレスト)』。港やヘリポートがあったエリア、『太股(サイ)』となっています。どちらを選んでも面倒なので、覚悟を決めてさっさと選んでください♪」

 

華のような笑顔で毒針の様な棘のある物言いにてカーマはリッカに秘匿で語りかける。一行は言葉通り『人体』・・・もっと言えばセラフと一体化したキアラの身体の上を歩んでいる。そんな中での作戦における現地サポーターの役割を、カーマは面倒そうに、心底嫌そうに気だるげに。しかして手抜きなく誠心誠意全うしているのである

 

【・・・・・・・・・】

 

「・・・マスター、マスター。無視とかダメです、止めてください。無いやる気がますます削がれます。ちゃんと返事してください。怒りますよ」

 

【えっ、あ、私?マスターって藤丸くんの事かと思ってた。ごめんね、カーマ。怒った?】

 

「怒ってないです。あんな『ほっといても愛される』ようなキラキラした人、私がサーヴァントである必要が微塵も無いじゃないですか。どうでもいいです。好きに愛されちゃえばいいです。私が仕え、嫌うべきなのは・・・、あ、いえ。失言でした。忘れてください」

 

『うむ、倦んでる倦んでる。しかしリッカが最初から好感度マイナスとは。私は異世界の海底である意味奇跡を目の当たりにしている』

 

「・・・他人事のように言っていますけれど。あなただって嫌いなんですよ月の王様。あなたもマスターも、ヘドが出るほどに、顔も見たくないほどに疎ましいんです。ちなみに嫌いな度合いではリッカさんが全宇宙No.1です。シヴァやパールヴァティーに割りと匹敵します」

 

『二人目私だった。かなしい』

 

【元気だしてこ!・・・幼女にここまで嫌いって言われるのきついよぅ、助けてあまこー・・・】

 

海底にいない癒しを呟く、献身的なサポートを受ける嫌われ二人組。はくのんは嫌い、リッカは虫酸が走る程に嫌いらしい。心がもう息苦しいリッカにはくのんがあまこーの画像を送信するなど話が脱線している間、藤丸チームが重要な会話を執り行う

 

「このエリアは髪と言うことですが、元はどんな施設だったのです?」

 

「海底ケーブル類をまとめた施設ね。あとはポンプ、動力源エリアが溶け合っているわ。セラフでも安全なエリアよ。センチネルもやってこないから」

 

「あー、確かBBが言ってた管制室はブレストだったか。目指すなら其処がいいんじゃないですかね。胸は心臓があるのが当たり前っしょ?」

 

「ふむ、分かりますとも。胸は重要です。豊満に、自由に育ってほしいものです」

 

「・・・ガウェインは正直だなぁ」

 

「そうよね立香。知ってるわ、コレが割と残念なのは」

 

「む。女性の胸を魅力的に感じて何が悪いと言うのです。男性として極めて健全な反応だと思いますが。」

 

「そう、じゃあ訊きたくないけど訊いてあげる。私の胸についてはどう思っているの?」

 

「ははは、論ずるに値しません。どうか心強く生きてほしい、レディ」

 

「ほら見なさい。これがこいつの正体よ立香。白馬の王子は差別主義なのよ。月なら八つ裂きだったわ」

 

(俺はこんな騎士に憧れた訳じゃ無いんですけどねぇ・・・あんたはどうだったのかね、ダンの旦那)

 

『・・・へぇ。面白い話をしていますよマスター。私達も乗りましょうか。歩いてばかりでは疲れて張り合いも無いでしょう?』

 

その男子トークを聞き及んだカーマがピコンと念話にてリッカらに語りかける。それこそ、愛の女神の本領であると告げるようなテンションで、その言葉尻を掴んだのだ

 

『私、カーマは愛の神。全てに愛を振り撒く神。だから私の姿は自由自在、宇宙に遍在する全ての人間一人一人に合わせた姿になることができるんです』

 

【マジで!?】

 

『すげぇ』

 

『凄いでしょう?(フフン)この姿はてぃーぴーおーに配慮した姿であり、そして同時にキャラかぶりを防いだゆえの姿です。・・・ですからその気になれば、あなた達の望むままの姿になれるんです』

 

神として自由自在、千変万化の変化を司ると豪語するカーマ。すべてを愛するが故にすべてに応える、故に問うのだという。その所望を問い掛けるのだ

 

『参考までに、あなたたちの好みはありますか?死ぬほど軽蔑しますけど、理想の姿を提供させていただきますよ?』

 

『好み』

 

【理想の姿・・・】

 

顔を見合わせ、そして少し悩んだあとに。二人は思い思いの所感を愛の神に告げた。あぁ、どうせこの人達も所詮は・・・とカーマは目を細めたのだが・・・

 

『どんな姿もバッチコイ。私は差別や区別はしない。醜悪だろうと美貌だろうと必ず気にかけてみせる』

 

『・・・ストロング過ぎるんですけどこの王様・・・』

 

ただし眼鏡をつけてくれると嬉しいと付け加え鼻を鳴らすはくのん。王は拘らない。あるがままにあるがままでよいのだ。美徳を見つけるはこちらの格よと愛の神を圧倒する。魂の質に真顔になるカーマに、リッカも告げる

 

【いいよ、私に合わせなくて!カーマはカーマのままで、カーマがいたい姿でいてよ!】

 

『!』

 

【私の前でくらい、自分の好きなようにしちゃいなよ!私、カーマに自分の理想を押し付けたくないからさ。あえていうなら・・・『カーマ』そのものが好き!】

 

『・・・・・・はぁ。・・・これだから、これだからあなたは嫌いです。大嫌いです。『あなたは私に、なにもさせてくれないなんて』・・・』

 

【???】

 

苦々しげに呟くカーマ。その瞳に写るのは嫌悪や侮蔑・・・ではなく。歯を食い縛るような『悔恨』であった。まるで、リッカの何かを見てきたかのように

 

『はいはい、いいですよーだ。じゃあ私の好きな姿で好きなように振る舞わせてもらいますから。後でやっぱり無しとか、思い付いたらとか言わないでください。話だけは聞きますけど』

 

((聞くんだ・・・))

 

「だ、大丈夫か?クリシュナ、カーマ。さっきから一言も喋らないけど・・・」

 

「え?あぁはい。大丈夫です。流石は藤丸さんですね。優等生ムーブ、お利口さんです。でも・・・私達なんかを気にかけていて大丈夫なんですか?」

 

心配を寄せてくれた藤丸に、カーマは微笑み注意を促す。・・・倦怠し嫌々げながら、カーマのサポートに手抜きは一切介在しない。自分の為すべき事を、為すべき様に全うしているのだ。だからこそ、はくのんはカーマをリッカの傍に容認している

 

『悪態つきながら仕事してるOLみを感じる』

 

【あ、既視感それかぁ!】

 

『きーこーえーてーまーすーよー。怒りますよいい加減』

 

【いたいいたい!びしびしスネ蹴ってくる!幼女!幼女怖い!】

 

『うわようじょつよい』

 

そんなクリシュナにヤキを入れている幼女の姿に困惑を現す一同に、カーマがそれをそっと指差す

 

「ほら、そこにいるでしょう?これから戦うべき相手、どうするかをあなたたちが決める相手が。どうなっても正直構わないんですけど、とりあえず臨戦することをお勧めします」

 

その、指摘の先に・・・響き渡る、弓琴の調べ。セラフに現れし、初の自分達以外のエネミーは・・・

 

「──誰かと思えば、貴方でしたか、ガウェイン卿。おぞましい・・・私は、心の底からおぞましい。貴方ほどの騎士がこの戦場に招かれた事。そして・・・貴方ほどの男が、そのような毒婦と仲睦まじく話しているなど」

 

円卓の騎士、トリスタン。リッカにとって第六以来の邂逅に、鎧の下の表情を堅く強張らせる。はくのんもまた然り。トップクラスサーヴァントの出現に、表情を変えず臨戦態勢を取る

 

「くすくす・・・」

 

その邂逅に、カーマは変わらず花のように笑うのだった──




【よし、早速前に出て藤丸くんをまもっ】

カーマ『ダメです、勝手に動いちゃ』

【はうっ!?】

『今のあなたはサーヴァント、指示を待つ立場なんです。勝手に動いたらそもそもあなたは一人でなんとか出来ちゃうんですから、藤丸さんが指示を出し、信頼を寄せるまで待機ですよ、たいき。解ります?この世界の主役は、藤丸さんなんですから』

【そ、そうだね。私はあくまで手助けだもんね。ありがと、カーマ。ついつい先走っちゃうから・・・】

『・・・そもそも、あなたを脇役とか、それほどこの物語に価値があるとは思えないんですけどね、個人的には』

【ふぁ?】

『なんでもないでーす。今は私、カーマのオトモドラゴンなんですから、キチンと私の言葉にしたがってくださいね』

はくのん『ミラボレアスをオトモンにしてハンターを始めるような暴挙にワカメ生える』

リッカ【イャンクックは私にまかせろー!】

『・・・割とシリアス案件なんで、あなたたちの図太さが頼もしいやら頭が痛いやらです。何で私、こんな人達が来てくれるとずっと待っていたんでしょうか・・・』



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