「シヴァの司る属性、ご存知です?荒ぶる神、舞踏の神。そして他ならぬ・・・破壊の神。そう、破壊神なんです。知ってますよね、私をみれば分かりますよね。破壊されてますもん」
「では何故、破壊神と呼ばれているのか?それはですね、なんと『口喧嘩』なんです。それでは見ていきましょう。退屈ですか?シヴァの前で同じ言葉を吐いてみてください。一緒に灰になりましょう?」
~
とある日、世界の運行の神ブラフマー、そして舞踏の神シヴァは議論していました。ブラフマーは顔が五つ有ります。いいですか、五つです
「ワシが空を作り、天を造り、海を造り、星を造った。お前がリンガより産まれた世界はワシが手掛けたのだ。わかるかシヴァ、ワシこそが万物の創造者なのじゃ」
ちなみにブラフマー、インドではそんなに人気が無いです。ヴィシュヌ、シヴァは積極的に外界に関わり人を救い導き、ヴィシュヌは平民に、シヴァは貴族、苦行者方面に信仰を集めています。戦隊モノに照らし合わせれば、戦隊チームが二人でブラフマーは指令ポジションですから、人気が出るはずが無いんです
シヴァ【・・・】
シヴァ、理論武装と理詰めでマウントを取るブラフマーに段々とイラついてきました。掲示板でいません?人の話を聞かず捲し立てて勝利宣言する輩。それだとシヴァは感じていました
【──良く解った。貴様が総てを造りしものであると】
「せやろ?だからワシこそが──」
【ならば我は、貴様と貴様が造り出した総てを破壊することにより万物を担おう】
「はっ──?」
イラつきがピークになったシヴァ、なんと五つあったブラフマーの頭を斬り飛ばし、創造者たるブラフマーを害することにより万物の創造者を上回る存在であると主張したのです
【新たなる世界の礎として此は戴いていく。我が破壊を司る事、その無様な傷にて思い出せ】
「ワシの首ぃ~!」
こうして『秩序のブラフマー』【破壊のシヴァ】として、二人は語られることになったのでしたー
~
「・・・とりあえず困ったら暴力、だなんて最低だ?そんな理屈、神には通用しませんよ。神にとっては暴力が悪ではなく、我を通す事が出来ない弱者こそが悪なのです」
「それでは今日はここまで。また明日お会いしましょう。合言葉は、『これだからインドは』ですよ」
「改めて、哀しみの子。トリスタン、ここに。・・・あなたは、もしやマスターですか?・・・このセラフに、まともなマスターが存在するとは」
トリスタン。悲劇多き円卓の騎士にして群を抜くほどの悲嘆と嘆きを司る弓琴のトリスタン。イゾルデを巡る愛の物語にて欠かすことの出来ない優しくも繊細で、そして何処ぞの世界では居眠り豚との称号を欲しいままにする一流サーヴァントだ。騎士王が言うには、彼は第六においては反転の祝福を受けたため冷酷無情に成り果てていたが、本来は思い遣りのある慈悲深き騎士であったという。そして騎士王は寝ているか起きているか解らなかったので彼が苦手であったという
『ちなみに有名な『騎士王は 人の心が 解らない』という爆弾発言の出所もこのトリスタン。本人は死ぬほど後悔している模様』
『へー。マスター、言ってあげたら良いじゃないですか。やーい、あなたの捨て台詞で王ガン曇りー。って』
【止めたげて!哀しみで胸が張り裂けるが直喩になっちゃうから!】
ごくりと唾を飲み込む藤丸一行と、余裕と泰然さを見失わない三人組。どちらが優れているかではなく、単に性質の違いである。苦難を苦難として挑む藤丸、苦難を愉悦の為に蹴散らすリッカ達。心の在り方が異なるだけなのだ。カーマは後者の方が辛気臭くないのでリッカ側で笑っているのである
「・・・他にマスターはいない、ってことなのか」
「その通り。だからこそ私は悲しい。出逢いに出会ったサーヴァント、実に七騎。その悉くが狂乱の淵にあり、その悉くを処断してきました。悲しみに胸を裂きながら。その果てに出逢えたマスターですら、そのような毒婦と共に行動している」
まさに地獄。セラフはこの世の地獄であるとトリスタンは切り捨てる。彼が敵視しているのは・・・アルターエゴ、メルトリリス。いかなる理由か、彼は彼女をただ警戒し怒りに震えているのだ
「ガウェイン卿、そして名も知らぬマスター。私はその毒婦を処断しなくてはいけません。どうか離れてはいただけませんか?」
「・・・おいおい、ガウェインさんよ。おたくのお仲間さん随分と殺気だってますが。いや気持ちは分かりますけどね?殺しますから離れてどうぞとか尋常じゃねーですよ?分かります?殺すのは確定って事ですぜ?」
油断なく弓を構えるロビンが提言する通り、トリスタンの言葉は穏やかなれど断言に他ならなかった。見逃してやるから離れろ、邪魔だと受け取っても相違ない物言いだ。ある種で意思疏通すら放棄しているトリスタンの言葉は続いて紡がれる
「そうしていただければあなた方に攻撃は致しません。・・・魂が奈落に堕ちていく様な深淵の鎧を纏うサーヴァント、そして淫靡に笑う童女のサーヴァントも見逃しましょう。私の怒りの矛先はその毒婦にのみ向けられます」
「へぇ・・・ほざきますね。高々孤島出身の田舎騎士が、私はともかくこのクリシュナに勝てるとか本気で思ってるんですか?」
【・・・GAOー】
『余計な威嚇とかしなくていいです、空気を和ませないでください』
【ヒィン、脇腹をドスドスしてくるぅ】
『サーヴァント隠蔽は順調で何より。レガリアでのサポートは異常無し』
バチバチと威嚇と牽制が飛び交うなか、選択肢を渡された藤丸は静かに息を呑んでいる。サーヴァントに凄まれ平然をたもてる人間はそうはいない。それが敵意、殺気なら直の事だ。重圧に気圧される藤丸に、ガウェインが助言を添える
(・・・立香。状況は分かりませんがトリスタン卿は本気のようです。彼の弓は視界にあるものを容赦なく切断する妖弦の弓。戦いになれば貴方の安全は保証できません)
ガウェインがここまで言うほどの実力を備えていることを、立香は嫌というほど知っている。かつての第六特異点にて目の当たりにしたからだ。彼の弓の残虐性を、切れ味を、恐ろしさを・・・
(それを承知して、返答していただきたい。レディ・・・メルトリリスから離れるか否かを)
「・・・・・・・・・それは・・・」
「それは?」
藤丸の言に、全員が注目する。是か否か、見捨てるか否か。どのような選択を取るか、一行が注視したのだ。そして、その言の迷いは、『多くはなかった』のである。即断即決ではなくとも、迷いの時間は些細であった
「できない。オレはメルトリリスに助けられてここまで来た。その恩を、無かった事にはできない。せめて最後まで一緒にいるって決めたから」
「・・・・・・」
「それに、あなたはここを地獄だといった。なら、だからこそ・・・信じたい仲間を切り捨てるなんて真似、したくないんだ。全てが狂ってる場所で、自分に力を貸してくれる人達を信じないで何を信じるんだ」
「──善き答えです。あぁ、だからこそ私は悲しい」
短く頷き、その善性を認めながらも。・・・哀しみの子は、琴に添える指を下ろしはしなかった
「相手が何者であれ信頼しようとする心。このセラフで最も必要であり、欠点となるもの。貴方はその純真さ故に此処で命を落とすのです。その愚かさが私にはとても哀しい──」
【──それは違う】
有り得ぬ場所から呟かれた言葉に、一同は振り返った。クリシュナ・・・アヴェンジャーが、今はっきりと否定したのだ。トリスタンの言葉を
「く、クリシュナ・・・?」
「えぇ、クリシュナ殿の言う通りです。今の貴方の言葉に何一つ落ち度は無いのですから」
ガウェインもそれに同調した。その返答に、一切の淀みはないと
「・・・なんですと?正気ですかガウェイン卿。そこの黒き怪物と共に、貴方も狂乱の淵に?」
「さて、この澄んだ言霊を発した英雄を怪物とし、正気を失ったものにとれば正気にあるものこそ狂気と言うなら確かに。レディ・メルトリリスの禍々しさは認めましょう。隙あらば私の首を切り落とそうとしているのも事実です」
『胸を盛大に切り捨ててるから当たり前なんだよなぁ。ザビ、それを残当と言う』
「そ、そこまでは思ってません!ちょっと小突きたいくらいです!」
『マジでか。失恋は乙女を強くする。まぁ振ったの私だけど』
【もー、鋼の乙女はそういうことするー】
「しかし、この通り、誇りある戦士であることは間違いありません。同じ目的があり、同じマスターを戴き、共に戦いに挑まんとする。我等にとって彼女は頼もしい協力者。そんな彼女を立香が自ら見限るなど、とても」
「ガウェイン・・・」
『バスターゴリラ・・・』
【マッシュポテト礼讚教祖・・・】
ガウェインの高潔さに感じ入る一同。そして──ならば言葉は不要と、自らの弓にトリスタンは手をかける
「ならば、御覚悟を。あなた方が何を言おうと私はアルターエゴを許しません」
「来る・・・!皆、戦闘準備だ!メルトリリス、行くぞ!ガウェインは前に、ロビンは援護!クリシュナはカーマを護ってくれ!」
「えぇ、いいわ。あの細目、驚愕に見開かせてあげる!」
「承知!円卓の騎士とは言え、意見が合わねば戦うまで!」
「アーチャーとしては実力差は一目瞭然だが、しょうがねぇ。受けた信頼分は働かせてもらいますよっと!」
それぞれの了承、絆を胸に。──一同は怒りに震えるトリスタンとの戦いを開始する──!!
はくのん『うんうん、世界を救うマスターはそうでなくっちゃ。こういう言葉で人を引き寄せるとこ、リッカにそっくり。やっぱり藤丸はいい子の名字・・・ん?』
カーマ「・・・・・・・・・・・・・・・(ビキィ)」
『カーマ、カーマや。幼女がしちゃいけない顔してる。staystay』
『・・・あ、すみません。苛立ちで我を忘れていました。いいですよねー、ああ言うの。キラキラした人がキラキラした事言えば皆がチヤホヤしてくれる。ホント、ヘドが出るほどに可愛いです』
『藤丸くんアンチ?』
『当たり前じゃないですか。愛されるべく愛される人が愛される様なんて虫酸が走ります。パールヴァティーを思い出させます。嫌いは嫌いでも嫌悪になります。否定はしませんが胸焼けがするので、私はノーコメントを貫いていたんです』
『荒みきってる・・・どうするリッカ、このやさぐれ幼女・・・はっ』
【エモい・・・──藤丸くんエモい・・・こんなん力貸すよ、うっかり口走っちゃったけど止められなかったよ・・・歪まず真っ直ぐ育ったからの純真さが眩しすぎるよ・・・藤丸くん、エモいよ・・・】
『骨抜きになってる』
『──一応言っておきますね、マスター』
【?】
『【それに比べて私は】とか、【私なんかとは大違い】なんて私の前で口走ったら本気で怒りますからね。殴りますよ。グーです、グー』
【おぐふっ!?も、もう殴ってる!バイオレンス!バイオレンスカーマ!?】
『愛は痛いものです。忘れないでください、マスターには──』
藤丸「──クリシュナ!」
【!、・・・・・・なんでしょう】
カーマ(キャラ付け!)
ザビ(リッカクリシュナ情緒不安定すぎて笑う)
「さっきは・・・ありがとう。オレ、クリシュナを怖がらないで信じてみようと思う!カーマを頼む!」
カーマ「・・・ですって。頼まれてあげますね、クリシュ」
【ぐわぁあぁああぁあぁあ──!!(ビキビキしながら鎧にヒビが入る音)】
カーマ「なぁ──!?」
『このドラゴン眩しい信頼や感情に弱すぎる・・・』
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