「・・・まだ終わらないのが悪夢です。それではどうぞ、パールヴァティーです。アレには、優しいだけではない顔がいくつかあるのです。それを紹介します」
~
インドの神々は太古の昔から悪鬼(魔神)たちに苦しめられてきました。そこで悪鬼たちの親玉とされるシヴァのような神が紀元前後から台頭してきたわけなんですけど、戦いは数と言わんばかりに悪鬼たちは降って湧くように登場してきます
アスラ(魔神)の主であるマヒシャが手下を引き連れ暴れたときも神々は苦戦しました。それはそれは厄介かつ手強くて、インドラをはじめとする古い権威的な神々が天界から追われるような事態となってしまい、彼らはシヴァやヴィシュヌといった新興の神たちに援助を求めたんです。神様が神様にですよ?全知全能な神様なんて、本当はいないんです。
要請を受けてやってきたシヴァやヴィシュヌでありましたが、アスラの軍団は非常に手ごわくどうにもなりません。
そこでシヴァやヴィシュヌといった神々がそれぞれ光を放ち、それらの力を合体させることによって一つの美しい女神を生み出しました。それがドゥルガー、パールヴァティーの戦いの側面です。
神々は女神に対して数多くの武器を与えました。シヴァの三叉槍、クリシュナの円盤、ヴァルナの法螺貝(ほらがい)などですね。さらにヒマヴァットというヒマラヤの神は、乗り物として女神にライオンを与えたんです(インドのいたるところにライオンがいた時代がありまして、今も西の果てに少し生息しているらしいです。探してみてはどうでしょう)。はいはい、贔屓贔屓
こうして最強の神となったドゥルガーは、次々とアスラ(魔神)たちを殺戮して、最後はシヴァの三叉戟でマヒシャを串刺しにしました。情け容赦なく、ですよ
ドゥルガーはさらに山中奥深く、デカン高原のヴィンディヤ山脈までアスラたちを追いかけ、アスラの王を殺戮しました。この王の名前がじつはドゥルガーであり、女神はこの名前を自分のものとして、このときからドゥルガーを名乗ることになったといいます
女は怒らせたら怖い、といいますが典型ですね。・・・ですが彼女には、もっともっと恐ろしい側面があるのです。それは──
~
「うっ・・・(腹痛)」
「・・・ま、また、お会いしましょう・・・(トイレへダッシュ)」
【ただいまー】
リップを連れ、教会へと帰ってきたリッカ達。そのキャラ付けを完全に忘れた第一声をカーマにわき腹つつきで諌められながらも、無事に帰還報告を完了する
「クリシュナ、戻りましたか!・・・どうやら、無事に騎士の本懐を果たされたようですね。喜ばしいことです」
ガウェインの爽やかな笑顔がリッカらを出迎える。・・・──正直意外であったのと、ホッとした感覚がある。キアラと離れざるを得なかったこのタイミングで、彼が無事に生きていてくれたことが。かのキアラがなにもしなかった、という事実が中々に不気味ではあるが・・・
『どうせ禁欲プレイ中なのだと納得するしかない。彼女の頭は決して読めない読んではいけない』
『ゼパなんとかさんみたいになりたくないですしねー。まぁ、それより。そんなことよりも・・・』
チラリ、とカーマの視線の先には、。パッションリップが一同に暖かく迎えられている光景が繰り広げられている。キアラ・・・マーブルはあえて文句を言うことは諦めたのか控えているのか。四歩ほど距離を取って首を振っている
『キャラのロールプレイが大変ですねー。禁欲や苦行好きなように見えて、自分が気持ちよければいいという人なんですよね。分かりにくいのか、分かりやすいのか』
『分かってはいけない』
『納得です』
「良かった、えと・・・パッション、リップだよね?オレは藤丸立香。宜しくね」
「はいっ。あの・・・リッ、こほん。クリシュナさんから聞きました。私を助けたいと願ってくれたのは、あなた・・・なんですね」
クリシュナとカーマが助けると奮闘したのは、一重に藤丸の決意と願いに応えたからだ。今はサーヴァントである身、けっして主人の領分を越えた行為は行わない。判断と決断を尊重した結果なのだから、御礼と感謝は彼が受け取るべき。そうクリシュナに背中を押され、リップは藤丸に頭を下げた。感謝と喜びを其処に表しながら
「ありがとうございます。その・・・怖くは、ないですか?腕とか、爪とか・・・」
「いや、すごいと思った!」
「す、すごい・・・?」
「えぇ。少女よ、どうか自分を卑下することなく誇ってほしい。貴女のその規格外の大きさ、スケールは間違いなく唯一無二。こうして共に戦い、笑い合えるという事実は我々の胸を満たすのです。えぇ、胸を」
「・・・いいこと言ってるはずなのになんだか妙に他意が見え隠れしているようなのは気のせいなんですかね?まぁとにかく、無事で良かったな、お嬢ちゃ」
「ええっ・・・!?ロビンさんもいたんですか!?ち、近付かないでください!虐めるなら、正当な権利を主張してキューブにしますよ!」
「やたらと嫌われてませんかねオレ!?」
「無事で良かったわ、リップ。こんなに早く貴女を解放できたのは大きなアドバンテージね。」
「メルト・・・!うん、良かった・・・!これから、私も一生懸命頑張ります!皆さん、宜しくお願いします!」
無事に受け入れられ、決意を新たにしているリップを遠くから見守り、カーマが空気を読んでくれて差し出した手にハイタッチを返しているリッカ。無事に助けられて良かった・・・そんな細やかな喜びを分かち合っている彼女らの前に・・・
「あ、あなた凄いのね・・・!あのアルターエゴをなんとかしちゃうなんて!サーヴァントが成す術もなく潰されちゃったあのアルターエゴを!凄いわ、本当に!」
【──】
マーブル・マッキントッシュ。キアラが利用しているセラフィックス職員。つまりこれはキアラがこちらに接触してきたと言うことだ。リッカの鎧の下の顔が強張り、カーマが無言ながらも表情を険しく歪め、キアラにちらりと視線を送る
「インド神話はノーマークだったけれど、これから勉強しちゃう!インドってスケール、ホントに凄いのね!」
【──そちらも、無事で】
『笑顔の交錯する微笑ましいコミュニケーション』
『牙を剥き出しにして威嚇している、の間違いじゃないんですか?』
会話を仕掛けてきた意図は理解できねど、ここで警戒を露にしては『お前の正体を知っている』と明言しているようなものだ。向こうが正体を知っているかどうかはともかく・・・ここは【仲間】であることを強調しながら笑顔で対応するリッカ
「あなたがいれば、私達も安心ね!で、その・・・ブレストバレー、管制室に繋がっているじゃない?」
【・・・?】
「アーノルド、いなかった?簡単に死ぬようなタイプじゃないのよ、彼。憎まれっ子・・・って言うじゃない?立ち寄ってなかったならいいんだけど・・・どうだった?」
ここでアーノルドの心配を・・・?マーブルのロールプレイの徹底か、それとも全く他の意図なのか。変わらず読めず、一体何を考えているのか読めないキアラではあるが、此処は素直に伝えられる訳もなし・・・
【・・・興味は、無い。故に気にかけていない】
『会わなかった』とも『保護した』とも言わない、しかし其処にはいたかもしれないといったニュアンスで返答を返す。彼女はその返答で何を思ったのか。ふむふむ、と頷くマーブル。そして笑顔を見せる
「そっかぁ・・・ううん、知らないならいいの!ただ『見捨てられてたなら可哀想だなぁ』なんて思っただけなの。あの人、そりゃあ好かれる立場じゃないけど。だからといって死んでいい・・・って訳じゃないでしょ?」
【・・・確かに】
「だから、隠れてるなら・・・助けを求めてこなかったなら別にいいの。きっとしぶとく生き残ってるでしょうし、全部終わったら迎えに行ってあげればいいの。それまで、頑張ってもらいましょう?」
『──悶え苦しんでるの想像してると股ぐらが熱くなるとかそういうアレ』
『白々しいという言葉がこれほど似合う相手もいませんね。虫けらを気にかけるほど慈悲深くないくせに』
『マーブルとして』心配する素振りを見せ、信頼を勝ち取る作戦であるのか。それともはくのんがいう通り、苦難に喘ぐ人間を思い耽り楽しんでいるのか
【──全ては彼次第】
「えぇ、勿論。だから御互い頑張りましょう?『一人になったら、何が起こるか分からないんだから』」
じゃあね!とマーブルは駆け離れていく。最後まで、彼女は何を真意としているか掴み取れず・・・
「解りました?今の言葉の意味」
【──多分】
否、確かに意味を残していた。残していたのだ。彼女は確かに、静かに牽制を行ってきたのである
『藤丸立香を一人にするな』。・・・恐らく『何か』に喰らわれ消えてしまうから、と。他ならぬクリシュナを名乗るリッカに告げてきたのだ
【──はくのん】
『どうやら私達の活動は掌の内かもしれない。・・・多分、今のままじゃ彼女を倒す事は出来ても屈させる事は出来ないかもしれない』
こちらの思惑に気付いているのか、そうでないのか。楽しんでいるのか警戒しているのか。彼女を誰よりも警戒している月の新王は、そのキアラの言葉に・・・深く息を吐き、決意を固める
『上等。──ゴルディオンハンマーで足りないなら、それより上を用意するまで』
【え、ガオガイガー知ってるのはくのん】
『マルドゥークニキに『聖書』としてオススメされた。スケール凄いから参考にって』
「・・・なんだかただじゃ済まなそうですね。彼女も、セラフも。無事に帰れるんでしょうか、向こうの藤丸さん・・・」
水面下で行われた邂逅。──それを皮切りに、セラフをめぐる戦いは更なる混迷を極める事となる──
メルトリリス「・・・どうやら管制室には何も無かったようね。となると・・・天体室に行くルートは、『裏』を経由して行くしかないわね」
藤丸「裏?」
「そうよ。このセラフは人体を模したもの・・・今の私達は表側にいる。なら当然背中側、背後があるのは当然でしょう?」
ガウェイン「なるほど・・・表側に天体室とやらに行くルートがないのなら裏側に渡り、そして裏側の『表側の天体室に重なる座標』にて表側に渡れば・・・」
トリスタン「直接赴くことが出来る、と。・・・なるほど、理には敵っていますね」
メルトリリス「敵っている、というかそれしか無いのよ。否応なくね。理解していただけたかしら、哀しみの騎士さま?」
「・・・どうやら滑らかなアルターエゴは敵な事は変わりないようですね」
「今更よ」
藤丸「まぁまぁまぁ、まぁまぁ!・・・カーマ、クリシュナもそれでいいかな?」
カーマ「好きにすればいいじゃないですか?どうでもいいし、なんでもいいです」
【b】
「うん、解った。・・・それと、二人とも」
「【?】」
「リップを助けてくれて、ありがとう」
「・・・・・・どういたしまして」
【b】
リップ「──はい!それでは、円陣を組みましょう!えい、えい、おーです!」
一同(((ススス)))
「な、なんで距離を取るんですか!?」
メルトリリス「手よ、手。全くもう、相変わらずどんくさいんだから──」
?『──へー。たのしそーじゃん。アタシも混ぜてくんない?冥土の土産に、メアドくらいは交換したげるし!』
藤丸「!?マーブルさん!!」
マーブル「えっ──」
瞬間、教会を突き破り、剣を閃かせた何者かが割り入り──
マーブル「──うそ、なん、で──」
リッカ【──スズカ・・・!?】
カーマ「あっ」
ザビ『・・・何故そう、軽々と私達の予測を越えていくのか・・・』
マーブル・マッキントッシュ・・・即ち、キアラを。センチネルたる鈴鹿御前が真っ二つに切り裂いたのだ──
ザビ『グッジョブ』
カーマ『お手柄です♪』
【え!?黒幕、えぇ!?】
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