人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「ライダーの招集か!時は来た!往くぞ、ニトクリス!今こそ太陽の輝きがカルデアとやらに降臨せしときだ!」
「ははっ!ファラオ!ニトクリスめはお側に!」


「ほほう?この世すべての悦楽なんておおぼらを真面目に掲げるやつなんぞあやつしかおるまい!よぅし!ヤツが宝の在りかを示したなら、余は存分に我が王道にて征服するまで!」

「では!往くぞ!」
「往くとするか!」


「「・・・む?」」


召喚――四騎士編・ライダーの巻

「さて、次はライダーか。これが中々に骨のあるクラスでな。『乗る』という解釈が広義かつ曖昧な上に、多彩な宝具を駆るという制約が少ないクラスよ。全く。征服王めも太陽のも好き勝手やりおって……召喚が叶えば、我の負担は大いに減ろうな」

 

 

この器が『王』と呼ぶほどの存在がいるというのか……自分という異物がいない英雄王はまさに傲岸不遜、王とは自分ただ一人というスタンスをとりそうだが

 

 

「僕的には、王様は君だけでいいと思うけどなぁ。王様ってみーんな我が強くてめんどくさいし」

 

「ふむ。まぁ神の声を聞き代行を成していた王ならばともかく、自らの総てを以て民草を動かすのだから当然よな。無欲な王は飾り物にも劣る、とは誰の言葉だったか。いま思えば下らん問答よ。我か、それ以外かの話でしかないのだからな」

 

うんうんと頷く器。……自分は王様同士の会話なんて御免被りたい。気楽に話せる相手との他愛ない会話が一番だ

 

「――あぁ、一騎、誰を召喚するかは決めている。すまんが二騎でやりくりせよ」

 

 

「決めてるの?」

 

「誰かはお楽しみだ。そら回せ、ガチャの時間だ」 

 

召喚サークルを展開する。もう見慣れた、光の展開と収束

 

 

「さて、誰が来るか。外れの少ないクラスではあるが、どうだ?」

 

 

そこに現れたのは……

 

「物好きな方々ですね。生け贄がお望みですか?」

 

アイマスクに、ボンテージスーツを着用し、長い、紫の髪をたなびかせる長身の女性

 

「――ほう。旬を逃さぬといったところか。自らの銀幕の宣伝にでもやってきたか?」

 

「また貴方は訳のわからないことを。少しは同じ立場でものを見たらどうです」

 

「ハッ、聞けぬ相談よな。雑種どもの視点なぞ、あまりに低くどこを眺めているか解らぬからな」

 

「……意外ですね。貴方は見ることも聞くことも語ることも許すような方ではなかったはずですが」

 

「此度の我は特別気分がよくてな。貴様のような怪物とでも言の葉を交わすくらいは赦してやろうともさ」

 

「そうですか。……気まぐれなのですね、貴方は」

 

 

呆れたように首をふる

 

すると

 

「クールビューティー!クールビューティーだよあなた!」

 

「……はい?」

 

「すらりとして、とても綺麗!召喚されてくれてありがとう!私はリッカ!リッカってよんで!」

 

握手を求める、マスターリッカ

 

 

「……」

 

ちらり、とオルガマリーをみやる

 

「?な、なに?」

 

「――いいえ。どうやら、ここは働き甲斐がありそうです」

 

再びリッカを見やり、握手に応じる

 

「宜しく、リッカ。貴女たちは私が助けてあげましょう……」

 

「ほんと!?わぁい!」

 

ぺろり、としたなめずりをしたのを、リッカは気付かなかったが……

 

 

「蛇に縁があるマスターよ。……切りたくなってきたな」

 

「えっ!!?」

 

「嘘だ、泣くな。さぁ実質ラストだ。ランダム召喚は如何に……?」

 

召喚サークルを発動させ、光を立ち上らせる

 

現れたのは……

 

「――私はマルタ、ただのマルタです」

 

 

「「「――――!!!」」」

 

一部スタッフに激震が走った

 

十字架をかかげた、完璧なひと

 

――それは確かに、自分達を導いてくれた……

 

 

「きっと、世界を――」

 

「「「「拳の聖女が降臨なされたぞ――――!!!」」」」

 

 

「ぶはっ――――!!!」

 

盛大に吹き出すマルタ

 

 

「は、ちょ、は!?なんで拳なんて知って……ンン、ご存じなのですか?」

 

「「「「「それが貴女の祈りだからです!」」」」」

 

「意味わかんないっての――!?」

 

 

「聖マルタの気配が!!――――あ、あぁ……――――」

 

ふらふらとマルタに歩みより、がっくりと膝まずくジャンヌ

 

「ちょ、ジャンヌ?ジャンヌよね貴女?一体どうし――」

 

「聖マルタ……――いえ、師匠――!」

 

胸に手を合わせ、マルタに祈りを捧げるジャンヌ

 

「お逢いしとう――ございました……――!!」

 

「え、ちょ、ま……えぇ……!?」

 

「ありがとう、聖マルタ!貴女の教えが、貴女の祈りが……フランスを救ったのです……!」

 

「や、ちょ、まって?あの、話が見えてこないんだけど……」

 

「貴女に出逢えたこの日に感謝を!さぁ皆さん!皆で聖マルタを称えましょう!皆さん、フランスの救世主を胴上げです!」

 

「「「「「はい!!!」」」」」

 

 

「ちょちょ、ま、はぁ――――!!?」

 

「「「「「囲め――――!!」」」」」

 

一瞬でかこまれ

 

「せーの!」

 

「「「「「「ハレルヤー!!主よ、ハレルヤー!!」」」」」」

 

高く、何度も胴上げされるマルタ

 

「ワケわかんないんだけど――――!!!?」

 

「称えましょう!称えましょう!フランスの救世主を称えましょう!ハレルヤー!ハレルヤー!」

 

「「「ハレルヤー!拳の聖女、ハレルヤー!」」」

 

「だからその拳のってやめろって――い、いえお止めになってか下ろしなさいよ――!!」

 

「ハレルヤー!」

 

「マシュ!私達も!」

「はい!先輩!」

 

メンバーたちも、一緒に胴上げをしに向かう

 

 

「――ふん。口喧しい聖女がまた増えおったわ。今回は征服王めも太陽のも参じなかったか」

 

呟き、玉座から立ち上がり召喚サークルに向かう

 

 

契約をマスターに写した上で、召喚サークルを起動する

 

 

放たれる、そして収束する光

 

そして、そこにいたのは

 

「――また逢えましたわね、ゴージャス様?貴重な機会を、私なんかに使ってよろしかったのかしら?」

 

「構わぬ。貴様は我の夜枷に名乗りを挙げた豪胆な女だ。遊ばせておくには惜しい故な」

 

 

――そこには

 

「ありがとう。素敵な王様。そんな貴方が大好きよ?」

 

――無銘が願い、無銘が救った運命が

 

「これから宜しくお願いしますわ?ヴィヴ・ラ・フランス!」

 

確かな形として、結実していた




「私闘は禁ずる。座して天命を待て」 



「・・・フン」
「むぅ、先を越されちまったなぁ。仕方あるまい。まだちぃと待つとするか。あの金ぴかを冷やかしに行きたかったがなぁ・・・」

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