人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「リゾートねぇ。ま、俺の出番はねぇかな?幸運ねぇしな」

「聴くがよい。召喚は汝の縁を指し示した」

「マジかよお前」

「人理の台、縁を結ぶか――通るがよい」

「マジかよお前」

「・・・そこに落ちていた、血塗れの整理券があった。当りと書かれているが、返却しよう」

「通るがよい」

「そうか」


召喚――三騎士編・ランサーの巻

「待たせたな者共!!いや待っていたのは我だが!本命ガチャ、三騎士である!」

 

 

バァンと立ち上がる器。まるでテンションが違う……どれだけ楽しみだったんだ……

 

 

「ギル、やる気だね!」

 

「無論だ!三騎士とはもっともセイバーが生息されるクラス!我のコレクター!三回召喚!これで全滅は有り得まい!爆死を期待する部員どもよ!精々ワインを腐らせよ!勝つぞマスター!この戦い我等の勝利だ!」

 

 

「もちろん!いぇーい!!」

 

――アーチャーにもセイバーっているの!?アーサー何者!?

 

 

「まぁ、無事を祈ってるよ……」

「来るかしら……あのときあった、冷たい騎士王が来たら私、平静でいられる自信がないわ……」

 

「ま、まぁ、貴重な戦力なのは間違いないですから!」

 

「銅鑼をならせ、開幕といこう!――さぁ、召喚せよ!」

 

声に呼応し、召喚サークルが放たれる。回転し、広がり、光が満たす

 

 

「ランサーとはどのようなクラスか、だと?とかく地味だ!華がない!それと槍が当たらぬ!以上だ!我の所感はそんなものよ!」

 

 

「あと、ものすごく恵まれないイメージが……聖杯戦争で招かれた際にはいつも自害してるって言うし……」

 

「ランサーが死ぬの!?」

「まるで人でなしです!」

 

「ふはははは!大体合っているぞ!――さぁこい!」

 

光が収まり、現れたのは

 

 

「サーヴァント!ランサー!!真名、レオニダス!!ここに見参ッ!!」

 

「筋肉、だとッ――!」

 

「スパルタの王、レオニダス一世!脳筋の国、スパルタ教育の語源となった国の王か!300人のスパルタ兵で何万ものペルシャ兵を食い止めたテルモピュライの戦いはあまりにも有名だ!」

 

 

――スパルタ教育……聞いたことがある。厳しい教育方針をそういうとか

 

「――ま、まぁ良いわ。守勢に長けた、という点では上々だ。マシュ!」

 

「は、はい!」

 

「こやつから守勢を学べ。必ず貴様の血肉になろうよ」

 

「――はい!宜しくお願いいたします!レオニダス王!」

 

「いやはや、ご丁寧に。こちらこそ、盾のよしみで宜しくお願いいたします」

 

「――時に貴方は英雄王とお見受けいたします!私レオニダスは、この頭脳を生かしこのカルデアの経理を担当すべきだと思うのですが、如何に!?」

 

「良かろう。その知識と頭脳を、存分に生かすがよい」

 

「ははっ!――あぁ、スパルタを誤解することなく、知識を評価してくださるとは。貴方はまこと、よき王だ」

 

「貴様らの脳筋と呼ばれる所以は結果のみだ。そこに至るまでの思考と試行錯誤は計算され抜かれたもの。でなければ貴様の偉業は有り得まい。劣勢と苦境を前に冴え渡るその頭脳、今のカルデアの状況に最適であろうよ」

 

「――惜しみ無い称賛、有り難く。期待には必ずや答えましょう!マスター!!宜しくお願いします」

 

「あいあむスパルタ!」

 

「先輩!?」

 

「次!次だ!回れサークル、エアの如く!」

 

 

ぱちんと指をならし、召喚サークルが回りだす

 

 

「いやぁ華やかになってきたなぁカルデアも!また建築とかするのかい?王様?」

 

「不満と不便の声が沸いたらな。我自らは概ね納得している。あとは外部の声だろうよ」

 

 

「また広がるの!?楽しみ!」

 

「マリーめは言ってくるであろうか……そら来るぞ!」

 

光が収まり、現れたのは――

 

「よう!サーヴァント・クー・フーリン、召喚に応「猟犬貴様――――――――!!!!」

 

「うぉっ――!?」

 

 

器が持っていた容器を力のかぎりクー・フーリンにむけて叩きつける

 

――何を!?乱心か英雄王!?

 

「何しやがるテメェ!!」

 

「どの面を!どの面を下げて今更姿を晒したのだ戌めが!!肝心な時に居留守を決め込みおって!!貴様が、貴様がおらぬせいで我がどのような責め苦を受けたと思うのだこの戌畜生が――!!」

 

「なんの話しだテメェ!!つかお前がここの元締めかよ!!」

 

「貴様さえ――貴様さえいてくれたのならば――我はあんな、あのような責め苦を(麻婆的な意味で)……――この世総ての辛味(ルチフェロなりしサタン風味的な意味で)を味わうこともなかったのだ――!!」

 

「・・・お、おう・・・なんつーか、その。・・・悪かったわ・・・」

 

涙を流しているのは、残った辛味ゆえだと思いたい

 

「その謝罪、忘れるなよ!!貴様の器用さは知っている!存分に我等の役に立て!よいな、貴様はカルデアから離れるのは許さん!最後の最期まで残れ!よいな!よいな!?」

 

「――お前さんが俺に期待とはね。見ない間に随分と雰囲気が柔らかくなったじゃねぇか」

 

 

「当然だ!貴様には期待している!!(身代わり的な意味で)」

「任せとけ!赤枝の騎士に恥じねぇ活躍を見せてやるよ!(戦力的な意味で)」

 

 

――なんだか、致命的にすれ違っているような気がするのは気のせいだろうか……

 

 

「青タイツニキ!青タイツニキだ!ランサーはタイツなんだね!」

 

「それが貴様のマスターだ。挨拶くらいはしておけ」

 

「ん、おう!宜しくな嬢ちゃん!ほいっと」

 

「うひゃ!?」

 

「んー、やっぱガキだな、ハハハハ!」

 

「せ、セクハラはダメですクー・フーリンさん!」

 

「悪い悪い、随分とご機嫌な事があったもんでよ!ま、ヨロシク頼むわ!」

 

「あ、あと贋作者もいるぞ」

 

「ウッソだろお前」

 

「次!ラストだ!精々愉しませよ!」

 

「レオニダスにクー・フーリン!こんな面子を越えてくるランサーなんてそういないさ!ウイニングランだね!大勝利だ!」

 

「たわけ!我の本命は未だ影すら見せておらぬわ!」

 

――ランサーでセイバーを期待するという王の思考に、ネームレススピリットは理解が追い付きませんぞ王よ……

 

「誰が来るかな!誰が来るかな!?」

 

「さぁ現れよ!精々並英霊であろうがな!」

 

現れたのは――

 

「サーヴァント・ランサー。真名、カルナという。宜しく頼む」

 

暗中に輝けし黄金のような輝きを称えた、青年のランサーが顕現していた

 

「カルナだって――――!?押しも押されぬインド神話の大英雄だ!凄いぞ、もうランサーは完成しちゃったんじゃないかな!?」

 

「こんにちは!私、リッカです!」

 

「カルナだ。気を遣わなくていい――気軽に接してくれ」

 

「うん!」

 

「よもや別の太陽を目の当たりにするとはな。施しの英雄よ。相も変わらず貧相よな」

 

「英雄王――――そうか。今の貴方は、仕えるに値するようだ」

 

まっすぐ向けられる視線。――この英雄には、あらゆる欺瞞や虚飾が通じない――そんな確信があった

 

「無論だ、励めよカルナ。喋る肉塊に教授された言を努忘れるな」

 

「あぁ。俺に貴方の庇護は無用だが――俺は貴方を信頼しよう。そして、このマスターたちもだ」

 

「それでよい。――ランサーの首尾は上々だ!次に往くぞ!次はアーチャーだ!!」

 

 

「アーチャー……か」

 

 

「どうしたの?マリー」

 

「ううん。――私には、思い入れのあるクラスだから」

 

そういって笑うオルガマリーの視線は

 

「……今は、ゴージャスだけれどね」

 

英雄王に、向けられていた

 

 




「儂の出番は――まだ先か。いいなーバカ弟子いいなー」


「座して待て、年長者の務めなり」

「ぐぬ――――!!む、無遠慮な物言いを――!」

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