人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

72 / 2529
「げ・・・当たっちまったよ。運試しに引いたらあたっちまいましたよ・・・あー英雄だらけの場所とか考えたくもねー。リゾートに興味はあっけどやめやめ!知らんぷり決めてマントで隠れてやりすご――」

「働け」

「マントが――!!はいはい解りました行きます行きます!」

「当たりだ!通してくれ!私は子供を守る!」

「通るがよい」

「当たったんだ。じいさん、悪いがいいかい?」

「通るがよい」

「あぁ・・・いきたくねぇ・・・」

「働け」

「解りました!解りましたよ!」


召喚――三騎士編・アーチャーの巻

「アーチャー!そのクラスの偉容などもはや語るまでもあるまい!最も強く、最も気高く、最も輝く最高のクラス!それこそがアーチャー!我が名乗っていたクラスだ!」

 

 

熱弁する英雄王。――アーチャーか、懐かしいな。英雄王がアーチャーたる所以に大変な衝撃を受けたのを覚えている。財をやたらめったら投げまくるからアーチャーとは、なんともアバウトな取り決めもあったものだ

 

「よーくしってる!でも今のギルはゴージャスだよね?」

 

「そうとも。ゴージャスになるにはまずアーチャーにならねばならん!アーチャーになれるもののみがゴージャスとなる資格を得る!つまり我しかゴージャスになれんということだ!世界は不平等よな!ふはは!」

 

「ゴージャス……本当にクラスに登録とかされるのかなぁ?永久欠番になりそう……」

 

「流石ゴージャス!カッコいい!」

 

「であろう、であろう!どうしたマリー、熱のこもった目で見つめおって!」

 

「いえ。アーチャー、好きですから」

 

「だろうな!ふはは!では往くぞ!召喚の時間だ!」

 

召喚サークルを回し、光が満たされる

 

 

――さて、どんなアーチャー(弓矢ではない)が出たものか。確信した。弓矢を使うアーチャーは邪道なのだと

 

「強いアーチャーはギルがいたし、ゴージャスだし……素朴なアーチャーとかみたいなぁ」

 

呟くと同時に、光が収まる

 

現れたのは

 

「へいへい、呼ばれたからには働きますよっと」

 

緑色のマントで身を隠した青年のアーチャーだった

 

「緑アーチャー!緑茶!?」

 

「緑茶はねーでしょ緑茶は……ロビン・フッド。以後お見知りおきを。しがないアーチャーですが今後とも……って、げ!」

 

驚愕に目を見張るロビン・フッド。……ロビン・フッド。確か、弾圧に立ち上がった義賊、だったか

 

「なんだ、ネズミではないか。このカルデアにとうとうネズミが迷いこむとは。全く……貴様のような品格を落としかねんネズミをアーチャーと呼ぶのは大いに憚られるが……」

やれやれ、と頬に手をつく器

 

「オタク、マジで王様やってたのかよ・・・面白半分で召喚に応じるんじゃなかったぜまったく……」

 

「まぁ良かろう。特に許す。減らず口も健在で何よりだ。ここは貴様が粋がる環境も虚勢を張る必要もない。腹の奥底に抱えた願いの下、皐月の王として陳腐な弓を振るうがいい」

 

「――努力はさせてもらいますよっと。そんじゃ、なに?噂のリゾートっての、確かめさせてもらっていいかい?」

 

「好きにしろ。召喚は続く、疾く消えるが良かろう」

 

「よろしくね!正義の義賊さん!私がマスターになっちゃうけど!」

「へいへい、よろしくよろしく。んじゃまた、後でな」

 

ふらふらと手をあげ、ロビン・フッドは立ち去っていった

 

「暗雲立ち込めてきたな……アレか。我に釣り合いを取らせる為のガチャの抑止力か?」

 

「単純に引きがアレだっただけじゃない?」

 

「まぁいい。ネズミ取りを後で設置せねば。次だ!招け!」

 

 

英雄の召喚は続く。光が満たされ、弾け、スパークし、やがて収まる

 

 

「今度はそれなりに品格のある者に出会いたいものだな。いや、我に比べたら有象無象だが。せめてみなりが整っていなくては話しにならん。最低限のマナーであろう」

 

「君の審美眼に叶うのって本当に限られるんじゃないかな。高嶺の華しか見ないタイプ?」

 

「当然だ。野に咲く華は幼少の我が好もうがな」

 

現れたのは――

 

 

「汝がマスターか?宜しく頼む」

 

緑色の衣装、生えた耳、弓を握る麗しのアーチャーが現れた

 

「ほう。同じ緑でもこうも違うか。流石は美の追求には一家言あるギリシャ。それなりに見れるではないか」

 

「あ!キャットにボコられた人!」

 

「何を――く!頭が……!獣、犬とか猫とか……グッモーニン……ああっ!」

 

「大丈夫!?」

 

 

「体調が優れぬようだ。キャットに看させよ」

 

「呼んだかゴージャス」

 

「なっ!まて、よせ!その獣を私に近づけるな!」

 

「おぉ、麗しのアタランテ、肩を並べるキャットはうれしい。往くぞ、キャットとマントのおもてなしが食堂で始まっているのだナ」

 

「連れていけ」

 

「止めろぉおおぉ――!!」

 

ずるずると、ケモノにアタランテは連れられていった

 

「アタランテさーん……」

 

「子守りが趣味であったな。本と怨霊の目附をさせておくか。――可もなく不可もなく、だな。ラストだ」

 

パチン、と指をならす。呼応して、召喚サークルが回される

 

「せめてあと一人は格の保ったアーチャーを見たいものよな……」

 

呆れながら頬杖をつく器

 

……おもうのだが、並の英雄、とは矛盾してないだろうか。英雄になったなら、等しく素晴らしい筈では……?英雄の基準とは難しい

 

「私は、どんなアーチャーでも好きよ」

 

「マリー寛容!」

 

「もう、常識とかは忘れることにしたわ」

 

光が満たされる、やがて収まる

 

現れたのは

 

「東方の大英雄、アーラシュとは俺の事だ!ま、よろしくな」

 

赤い弓、浅黒い肌をした快活な、アーラシュと名乗る男だった

 

「あんたが英雄王かい?三流サーヴァントで申し訳無いが、戦列に加えさせてくれや」

 

「構わぬ、許すぞ勇者。だが貴様の宝具は禁ずる。霊基の確保が叶うまではな」

 

 

――宝具を禁ずる?それでどうやって勝敗を決するというのか?

 

アーラシュ……聞いたことない名前だ……

 

「あいよ。気を遣わせちまって悪いな。さて、俺のマスターは……」

 

「は、はい!」

 

「そう身構えなさんな。俺はお前についてくぜ。お前の魂が気に入った。俺がきっちり護ってやるよ」

 

「――カッコいい……よく知らないけど……」

 

「リッカ!」

 

「はは、まぁ無理もねぇさ。ゆっくり調べてくれ」

 

「――アーラシュ・カマンガー……スゴい、スゴい人が来たなぁ……!」

 

「じゃ、俺もカルデア回ってくるわ。用があったら呼んでくれ。またな、王様と一行さん」

 

ニカッと笑いながら部屋をあとにしていくアーラシュなのであった

 

「――英雄王」

 

オルガマリーが顔をあげる

 

「うむ――舞台は整った!」

 

玉座から勢いよく立ち上がる

 

「セイバーの召喚を懸けた戦い――此を決戦という!!」

 

英雄王の覚悟が場を震わす

 

「力を貸せ、マリー!お前の呼符も動員する!」

 

「解りました!お使いください!」

 

黄金の波紋に手を伸ばし、虹色の符を二枚取り出す

 

「では往くぞ――召喚最終戦!クラスセイバー!開催をここに宣言する!!」

 

――王の嫁(了承なし)を迎える戦いが、火蓋をきる――!




「ワシは!?第六天魔王がいないとかカルデアマジか!?うっそじゃろお前うっそじゃろ!?え?イベント配布だから無理?こんなペースでいつぐだぐだイベントまでこぎ着けるつもりじゃうつけめ――――!!!」

「『イシュタルは未来永劫参入を禁ずる』・・・あの金ぴか――――!!いつか絶対行ってやるんだからね――!!」

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。