人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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グドーシの家

『けものフレンズ』

カーマ「ほんとの愛はここにあるだなんて、私に対する宣戦布告と見ました。しっかりと見て判断してあげますから。大言壮語で無い事を祈りますよ?まぁあの人達以外のの人間なんかにほんとの愛なんて表現できるわけ・・・」


半日後

「ららららー♪ららららー♪うぇるかむとぅーざじゃぱりぱー♪あ、もしもしカルナさんですか?一緒にアニメ見ません?けものフレンズっていう愛の女神推薦アニメなんですけど」


数時間後

カルナ「象のフレンズは出るのだろうか(正座視聴中)」

「えーと確か・・・あ、うぇるかむとぅーざじゃぱりぱー」

カルナ「じゃぱりぱ」

「あつまれともーだちー」

カルナ「はい、はい(合いの手)」

「このかばんちゃんがですね、良くできた子でして・・・」


部屋に行こう

「よし、全ての準備は整った・・・!後は渡すだけだ、渡すことに全力を注ぐだけだ!やってやる!やってやるぞ・・・!」

 

ホワイトデーにて浮き立つ楽園の一幕。それはサーヴァントやマスターだけの事象ではない。一般スタッフ・・・といっても代行者や封印指定執行者クラスしかいない・・・である者達も同様である。彼等もまた、愉悦と娯楽にて人生を彩る作業を怠らず欠かさない。シミュレーション前にてとある娘を待っている眼鏡の青年、ジングル・アベル・ムニエルもまた例に逸れず、ホワイトデーにて三倍返しを用意している人物であった

 

彼が待ち受けている子、それはケルトの新星にしてかの光の御子の息子たりしコンラちゃんである。弱冠六歳にして父を越える才能と資質を発揮しながらも、ゲッシュと運命の悪戯にて早すぎる生の幕引きをすることとなった悲運の子。今は光の神たる祖父の手により母の面影を色濃く残した少女として楽園に招かれているサーヴァントであり、絶賛鍛練中なのだ。そして彼女はマシュとのユニット『マシュ☆コン』のボーカルの片割れでもある。ムニエルは彼女の大ファンでもあり、同時に理想の少女として彼女を個人的オススメサーヴァントの三人の内に入れているほどなのだ

 

「いつもはイエスロリータ、ノータッチたる紳士な俺だが今日は別だ、男として彼女にしっかりとお返ししてみせるぞ・・・!」

 

そう、彼はホワイトデーのお返しとして受け取ったチョコの返礼を用意してきたのだ。彼女はムニエルにチョコを渡してくれたサーヴァントの一人、それを意味することをあまり理解はしていなかろうが、文字通りムニエルを幸福の絶頂に導いたのである

 

「まさか俺にまでチョコをくれるとか、天使か女神か・・・そんな君の心に、俺は心から敬意を評するからねコンちゃん!」

 

『いつも応援、ありがとうございます!コンラは皆様の事をとても大好きに思っています!これをどーぞ!』

 

そう言って渡してくれたチョコの三倍返し、それは眼鏡、ダ・ヴィンチちゃんに頼んで作ってもらったオーダーメイド式眼鏡である。彼女がもっと愛らしく、可愛くなれますようにと願いを込めたムニエル渾身のデザインであるのだ。その為にボーナスを注ぎ込んだがムニエルは一顧していない。むしろ完成の際には幸福が身を包んだ程だ。

 

コンラ。クー・フーリンを知るものならその悲劇をも知らぬものはいないであろう悲劇の子。実力を持ちながら父にそれを示せたのは父との殺し合いの刹那のみ。自らがあなたの息子だと明かせたのは末期の間際のみ。父に抱かれたのは事切れる僅かな間のみ。彼女はただただ運命に翻弄され、早すぎる生を無念に駆け抜けてしまった流星がごとき英雄なのだ。ムニエルは彼女を知り、神話を調べて男泣きにて部屋の布団をダメにした程である。駆け寄って抱きしめてあげたかったが六歳の姿たる彼女に対して完全に事案なので携帯用サンドバッグをボコボコにすることで事なきを得たものである。

 

そんな彼女が──父や師匠に仇なす復讐者や、無念と嘆きを撒き散らす狂戦士ではない事に、彼はとてつもない奇跡を見た。楽園にて彼女が選んだ側面は、師に鍛えられ、父と競った弓兵であり。そして誰もが夢見た大英雄の息子の理想たる絶世の美女なりし槍兵であった。彼女に相応しいクラスはそれであり、彼女はそれを良しとして召喚に応じてくれたのである。こんな美しい話があるだろうか。神話ならではの美徳、世代ならではの高潔さに満ち溢れている事実だと信じて疑わない。ムニエルは事あるごとにスタッフたちに熱く語り一様にドン引きされているのだ。

 

「君が笑顔でいるだけで、楽園でできた新たな友達とはしゃいでいるだけでどれだけ幸せか君は解るまい・・・!お兄さんは、お兄さんは感動で胸がいっぱいになるんだ!」

 

ナーサリー達の中で毅然としたリーダーであろうと胸を張っている君や、ケルトの皆に可愛がられて日々を過ごす君。スカサハに対してババ様と言える唯一無二の君。何より、父と楽しげに笑い合いながら楽園で第二の生を謳歌している君を見ているだけで、君に惹かれた自分はどれ程満たされていることか。姫様が唱えし尊重の意味を、自分はコンラに対して見出だしているのだと力説するムニエルである。そう、彼女こそは奇跡の存在。サーヴァントの中でも極めてエモい存在なのだと最低三時間は語るのでスタッフ間でコンラの話題をムニエルに振るのは禁止されている。かなりの時間拘束されるからだ。速やかにキアラさんかカルナさんを呼ぶべしである

 

「笑っていてくれ、辛いときは泣いたっていい!俺はただ、君が笑顔でいてくれるなら幸せなんだ・・・!」

 

自分がマスターであったなら速やかに受肉させる為に聖杯をあげるつもりであったが、コンラの意思を無視して再び生を与えるのはそれはそれで考えものなので自重するとして。とにかく自分は彼女に知ってほしいのだ。君が君であることに、どれだけ救われた者がいるのかを。そのオッドアイを彩るアクセサリーとして、眼鏡を選んだのも御告げにしたがった故である。ザビ・・・眼鏡を渡すザビ・・・月よりあなたに語りかけていますのん的なお告げがサブリミナル的に浸透してきたのである

 

「行くぞ、行くぞ、行くぞ・・・!コンちゃん、汗をかいてしっとりした所に脂ぎった男が待っていても君なら笑顔でいてくれると信じてる!いや割と蔑まれてもご褒美めいてよし!」

 

コンラは毎日鍛練し、己の技をマスターに求められた際に振るえるように自己を鍛えている。何てがんばり屋さんなのだろうか。その後はエミヤ厨房に直行し特製お子さまランチを頬張るのが日課であるのだ。たまに女王メイヴがコンラのお気に入りの席にてお気に入りのランチを食べ仲良く死闘を繰り広げていたりするのはそれはそれ。つまるところ、ここにいれば渡せるのだコンラに、大切な三倍返しを・・・

 

「──!」

 

来た、来た。シミュレーションが停止し、誰かが出てくる気配がある。コンラだ!間違いない!今こそ勇気を振り絞れ!コンラファンクラブ会員No.1、プラチナカードムニエルの勇気を示すのだ!頬を何度も叩き、意を決し・・・

 

「──突然ごめん!でも、どうしても渡したいんだ!君から俺に!どうか受け取ってほしい!」

 

出てきた人影に、素早くお辞儀をしてそのままラッピングしたプレゼントを渡す。コンラに対し、受け取りやすいような態勢で。迷惑だろうか?黒いクー・フーリン兄貴に殺されないだろうか?そんな彼の気持ちは、報われる事になる。とびきりの──

 

「──おお。なるほど、お前から俺にか」

 

「・・・は?『俺』?」

 

ちょっと待って、なんかコンラちゃん声イケメンになってない?何て言うか、伝説の極道みたいな声になってない?なんというか、オジキが如くみたいな・・・

 

「そうか、あぁそうか、そういうことか・・・はははは。まさかこのように直接とは。男らしい、男らしいなぁ。なるほどなぁ・・・」

 

猛烈な脂汗と寒気に堪えながら、なんか上から響いてくるイケボの持ち主をムニエルが確かめると・・・

 

そういうことなら応えるしかあるまいな!はは、俺は気前のいい男だ!このフェルグス・マック・ロイ!おまえを拒みはせん!」

 

「フェルグスのオジキ──!!!?」

 

楽園たってのいい男、勇士の中の勇士、堂々たる男フェルグス。馬鹿な!何故コンラちゃんの訓練の時間に!?

 

・・・考えても見れば単純な話である。コンラの特訓に付き合ったフェルグスが、『もう少し特訓していきます!』と頑張るコンラを邪魔すまいとそっと退出しただけの話だと言うことを──

 

「はっはっは。丁度身体も火照っていたところだ。今の俺に声をかけるとは・・・臨戦♂態勢♂ということで・・・いいんだな?」

 

「違います待ってください俺はまだ童貞で理想は大人コンラちゃんと生涯一生を前提とした婚儀の初夜で」

 

「かつてはアルスターの王でもあった俺の包容力・・・オトナの男からの返礼ってものを魅せて♂やる・・・いやぁ、しかしロイグが言うオタクのお前がなぁ!そうかそうかぁ!」

 

飢えたフェルグスに声をかける。そんな特大の欲求を叶えてしまったムニエルはむんずと万力が如くにひっつかまえられ・・・

 

「任せておけ!今のお前たちはケルトの戦士に劣らぬ勇士!それに負けぬ俺の逞しさを魅せてやろう!はっはっは!女は大好きだが!俺は男も拒みはせん!!

 

「拒んでぇえぇぇえぇ!!!コンラちゃん!これからもどうか幸せにぃいぃいぃいぃ!!」

 

特訓上がりのフェルグスに、ムニエルは連行されていった。濃密で逞しきホワイト♂デーに、彼は招かれるのである。最低でも、特訓の熱が覚めるまで説得しなくては彼は美味しくいただかれてしまうやもしれない。ムニエルのコミュ力が試されるのである。

 

──彼は後に新たな扉『男性の肉体美』の魅力に気付くのだが、それはまた別の話である──




タニキ「・・・あ?」

『ムニエルが落としたコンラの眼鏡』

「・・・・・・」



コンラ「わはーい!ムニエルさんからのお返しですか!やったぁ!ありがとうございます!お父様、ムニエルさんはいまどこに?御礼が言いたいのです!」

タニキ「知らん」

クー・フーリン「おーおー、愛されてまぁ幸せな事で。オレも負けちゃいられねぇ、リッカに重すぎず軽すぎずなお返しを渡すとしますか!」


ロイグ(秋葉原に特異点とか出来ないだろうか・・・是非ショップ巡りとかしたい)

クー・フーリン「あ、全然違う事考えてんなこいつ。つーかフェルディアどこいった?」

ロイグ「アイツならメイヴにお返しを渡しに行ったぞ。自分をな」

「は?」

~メイヴ自室

「あら!大きな包み!何が入っているのかしら!」

フェルディア「オレです!!メイヴちゃん!!」

「まぁ!素敵なナニの勇士が入っていたわ!」

「フェルディア抱き枕(真)!!巌のような温もりを貴女に!!これがオレのお返しだメイヴちゃん!!愛してる!!愛してるんだメイヴちゃん!!!」

「まぁ素敵!じゃあ・・・『お尻の方』も逞しいのかしら?括約筋責めとか、イケちゃう?」

「あ、そっちはまだ絶賛鍛練中で!待って!待ってメイヴちゃんゲイボルクとコインヘンで抉られた傷がアッーーーーー!!!!

メイヴ「ソレで抉られて平気だなんて・・・す、凄いのねフェルディア・・・」

「ありがとうメイヴちゃん・・・!悔い無し・・・ガクッ・・・」



コンラ「マシュさんマシュさん!見てください見てください!おそろい!おそろいですよ!」

マシュ「わぁ!早速写真を!写真を撮りましょう!」

クー・フーリン「・・・何度も言うけどよ。良かったな、コンラ」

タニキ「フン、精々覚めないようにするんだな」

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