ぐっちゃん「何よ、どうしたの?トラブル解決キャンペーンでパーティーするんでしょ?」
「そうなんだけど・・・マシュ、どこいったんだろ」
「あぁ、『更なる鍛練に励みます!私の分は皆さんでどうぞ!』って言ってたわよ」
「・・・マメだなぁ。よし、マシュのはとっとこ。一緒に・・・」
ぐっちゃん「ふーん、一緒に?」
「あっ・・・!──内緒ね!」
ぐっちゃん「はいはい。素直じゃないって面倒なのね」
アルク「・・・(スチャ)」
ぐっちゃん「・・・何よそれ」
「鏡よ、かーがーみ!」
「どういう意味よ!?項羽様に言い付けるわよ──!」
「マシュ殿!!ホワイトデーたる今日はどの様な日か!御存じでございましょうか!!そう!ホワイトデーなのですマシュ殿!!」
「はい!先輩の故郷では御返しを三倍返し!はい、つまり御返しを返す儀式であるという認識が広まっております!要するにホワイトデーなのですねレオニダスさん!はい!ホワイトデーです!」
本の騒動を終え、一同に御返しのリソースが返却された事により再開されたホワイトデー。そんな白き日に紅蓮の情熱を燃やすスパルタな問いと返答を返す筋肉質の王に別ベクトルで油の乗った少女がハキハキと応える。いかなイベントであろうとも、己の在り方を決して歪めず理性的に情熱的な一人の男性が、努めて冷静にマシュに語りかける。冷静にである
「失礼、我が敬虔なる生徒の活躍につい冷静さを欠いてしまいました。やや、ほんの少しではありますが。しかしこれは喜ばしい事です。ゥ余りにも!!喜ばしい!!失敬」
真っ赤な焔をたぎらせ、マシュの躍進を喜びしは我等がスパルタ王、誇り高き冷静にして計算を使いこなす唯一無二の王・・・マシュの守護の師匠、レオニダスである。
今回の騒動にて、レオニダスは極めて冷静に対処していた。スパルタ式野菜畑をいじっていたため全く気付いていなかったからである。故に彼は動揺も混乱も無縁の存在であった。何故なら気付いていなかったからである。気付かなければ慌てない。極めて理性的な帰結だ。スパルタ王は、知性と理性の王であるのだから
「はい!私も渾身かつ最高のタイミングで皆様を守護することが叶いました!適切な計算、適切なタイミング!全てが緻密に計算されたもので、やはり守護は計算であることを再認識致しました!」
マシュ、このレオニダス王をこよなく敬愛している。何故敬愛しているかを論理的かつ計算的に導きだした結果は、リスペクトなのである
彼に、どんな態勢でもどんな状況でも全力の防護を行う教えを受けているが故に、彼女は心から彼を信頼している。今の彼女が成長し続けられるのは、数多いる師匠の一人であるレオニダスが優しく、そして計算し尽くされた特訓を行ってくれたお陰であるのだ
故に、彼女はチョコレートを彼にも渡したのである。師匠の一人であり、最も共にいる彼に渡すのは、カロリー摂取観念的にも相応しいと言えるとマシュは論理的に、極めて冷静に。感謝の形を現したのである
「これよりも、決してめげず、諦めず。マスターを支え続けるのです。言葉にて決して、初志を忘れぬように。マスターは、マシュ殿の事を!!・・・好いております。私の計算に!間違いは、ありません」
「はい!私もこれからもより一層、皆様の教えを胸に頑張ります!」
「よろしい!・・・それとマシュ殿。戴いたチョコレート、美味しく!いただきました」
「美味しくいただいていただけたなら、何よりです!」
実に有意義な栄養、何より親愛と信頼に満ちた贈り物に、躍動する筋肉と同時に笑顔が
「ですが、王として受け取ってばかりでは示しがつかないというもの。王は正しく施しを与えてこそ、信頼と信義に報いるが故に王なのです。──ですので!!」
「は、はい!」
「我が鍛練、決して無駄ではなかったと示してくださったマシュ殿の誠意と熱意と想い、我が盾で受け止めた事の証としてぇ!!」
暫く御待ちください!!と猛烈に熱い感銘をたぎらせ、鍛練室の後方へと引っ込んでいくレオニダス
「ホワイトデーならではの、マシュ殿に託す御返しとプレゼントを御用意しております!暫く御待ちください!」
少しだけ御時間を!!と暑く熱く語るレオニダスに、御構い無くという言葉を思わず飲み込んでしまうマシュ。暫くレオニダスを待ち、腹筋とスクワットを十数分繰り返すマシュの前に、やがて──
「マシュ殿ォ!御待たせいたしました。成長し続ける貴女の更なる御健勝を願い!我等!スパルタからのプレゼントにございます!!」
興奮も露にマシュに渡すは、マシュの為に作り上げたチョコレート・・・ではない。マシュマロだ。マシュをイメージした、レオニダスのチョイスでありスイーツじゃんぬにて監修したものであるのだ。これを、御返しとしてレオニダスが用意したものなのである
「マシュマロ・・・!本当に良いのですか!?スパルタがお菓子を!?」
「えぇ。甘味は頭に良いので愛用しているのです。此度は御返しと言うことで自ら!手掛けてみたのです!」
大量に詰まったマシュマロは、大切な教え子にして弟子たるマシュに、ありったけの想いを詰め込んだ。具体的には300個である
「レオニダスさん・・・!わ、私の為に御用意してくださったなんて・・・!大変恐縮で、大変光栄です!大切に味わわせていただきますね!」
マシュからしてみれば感涙ものである。憧れの盾持ち英雄たるレオニダスからのプレゼント。それは彼女にとって何よりも代えがたい勲章であり、誉れであり栄誉であるのだ
彼女が彼女であるかぎり、その想いが決してかき消える事は無いだろう。窮地にも、絶望にも不屈にて、諦めなかったその高潔の在り方こそが、彼女が焔の王を尊敬し続ける源泉であるのだから
「これよりもよろしくお願いいたします、マシュ殿。私達が護り、歩んだ軌跡を確かに歩む者として、私はあなた方にあらゆる全てを教え、伝え、導きましょう」
「はい!これからも御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします!炎門の守護者・・・誇り高きスパルタの王・・・レオニダスさん!」
自分達の歴史は、沢山の想いと熱意で支えられている。それを改めて痛感し、誇り高き気持ちにて受けとるマシュであった──
レオニダス「それでは早速こちらを!・・・──おっと失礼、一個落ちました」
マシュ「あ、受け止めま──はうっ!?」
ポロリと落ちたマシュマロを受け止めようとしたマシュの身体が、大いに傾く。強烈な『重量』につんのめった為だ
「こ、これは・・・一体・・・!?」
レオニダス「マシュ殿!さぁこの『アイアン・マシュマロ』で更なる高みに参りましょう!なんと!一個一個が鋼鉄なのです!」
それは菓子の概念を覆すスパルタ的新発明!なんと鍛練にも使用可能な、スパルタの技術と理念を総結集した逸品なのだ!
マシュ「鍛練にも使える新マシュマロ!流石はスパルタ!流石はレオニダスさん!ですがこれは食べられるのでしょうか!」
レオニダス「ははははは!!鉄ですからな!食べられません!!」
マシュ「成る程!流石はスパルタです!!」
食べられないからこそ、消えない絆と鍛練の証として。当人以外には疑問符しか浮かばない御返しのマシュマロを鷲掴み、更なる鍛練に励むのであった──
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