人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「子供達よ集まれー!私が本を読んでやるぞー!」


「わーい!」

「嬉しいわ嬉しいわ!」 

「ゴールデンなやつを頼むぜ、姉御!」 

「任せて・・・ん?」


開戦だなっ!

レイシフトを終え、目を開ける

 

 

 

 

 

広がる空、大地の匂い。感じる、生命の息吹

 

 

 

 

確かにそこに在る世界に、再び自分は挑んでいる――

 

「フッ、二度めならば流石に目新しさは減るものよな。マシュ、マスター。いるな」

 

「もちろん!」

 

「はい、ここに」

 

二人からの返答を背中に受けながら、空を見上げる

 

 

「――何処にあっても、目障りな帯よな」

 

 

見上げる空に流れる、光の帯

 

 

⬛⬛⬛を焼き払い、その⬛を束ねた⬛⬛⬛の⬛⬛

 

――いまだに肉体の知る情報に魂は及ばない。アレを、理解できる日が来るのだろうか

 

 

「なんなんだろね、アレ」

 

「わかりません・……ものすごく膨大な何か、とは思うのですが……」

 

『こちらでも全力で解析中なんだけど……全く正体を掴めない。どうなってるんだアレは』

 

「――さてな。今確かな事は、アレは捨て置くしかない、という話よ」

 

そうだ。解らないことは、今は置いておこう

 

アレは人理焼却に関係していることには間違いない。必ずいつか解明できる日がくる

 

「そだね。解らないことは後にとっとこう!」

 

『そうしてくれると助かるよ!えぇと、そこはローマの都市、じゃないよね?』

 

辺りを見渡す。……なだらかな丘だ。建物などない。都市もない

 

「羊がいてほしいくらいの丘陵地です」

 

「なんらかの要因が働き、位置座標がズレたか。全く、ほとほとままならぬものよ。まぁよい。旅にハプニングは付き物だ」

 

ハプニングの数だけ、出会いや驚きがある。前向きに受けとればそれは困難ではないのだ

 

 

――そういえば。マスターに伝えておきたいことがあった

 

「マスター。先の召喚により、大幅に英雄どもと契約を結び、戦力を増やしたな」

 

「うん!皆と全員話したよ!」

 

「よし。此度の旅は、奴等を積極的に使い、マスターとして更なる経験を積め」

 

「マスターとして?」

 

「そうだ。相手を見定め、どのサーヴァントを使役するのか、誰を召喚するのか。貴様が見定め、戦況を操れ。マシュはいつもの如く貴様の守護を。我は特異点の元凶と大将首への詰みをしてやる」

 

――今回は、きっと沢山の将軍や幹部と刃を交える事になるだろう。ローマという相手ならば。そしてそれらは間違いなくサーヴァントなはずだ

 

なら、これからの旅路にてずっと行われる……サーヴァント戦の経験を積むに最適だろう。自分も含めて、修行に最適なはずだ

 

 

「元々我は露払いなど向かぬからな。我は最後の一手として、後方で構えている方が性に合っている」

 

――無論、戦いの際に気は抜かないが

「雑用を上手く使い、露払いをさせよ。それが勝利の一手にもなろう。よいな?」

 

「解った!自分で考えろ、って事だね!頑張る!」

 

「私もサポートします、先輩!」

 

「ハッ、解ってきたな!それでよい、では早速ツーリングを――」

 

『まったまった!そこからすぐ近くで戦闘が行われている!その時代、都市の近くで戦闘が行われたなんて話は聞かない!』

 

――ありえない話がある、という事は

 

「フン、今回は話が速いな。マシュ、マスター!行くぞ!物見遊山といこうではないか!」

 

「イエッサー!」

 

「はい!」

 

――紛れもない異常事態だ。恐れず参じなくては……!

 

 

 

走りはじめて間もない平野にて、戦闘を繰り広げている二つの軍を見定める

 

 

どちらも『真紅と黄金の意匠』きらびやかに輝く大群と、それを食い止めし、総てを上回る輝きを放ち剣を振るう美女

 

――あの姿、あの顔は――

 

『余ではないか!余がいるぞ!!』

 

突如響き渡るネロの声音

 

 

「いきなり大声を挙げるな!いたのか貴様!」

 

『もちろんいるよ♪それより見よ!あそこで薔薇のように美しく!獅子のように雄々しく戦う者こそ!』

 

「確かに、よくみれば……!」

 

 

『彼女こそ――真なるローマ皇帝!ネロ・クラウディウスである!!つまり余だ!褒めてよいぞ?よいのだぞ?』

 

――今更だが、ネロって女の人だったんだ。アーサーといい。意外と適当だな、歴史家

 

「なるほど。衣装は違うが――いや、違うのは貴様の方か、花嫁擬き」

 

『擬きではない!花嫁である!それより見よ!数に押されている!救援せねば!』

 

「で、でも……彼女が敵であるという可能性は……」

 

『そんな筈はない!余こそローマ!ローマこそ余!余がローマにあだなす筈があるものかッ!』

 

『確かに、彼女からサーヴァント反応はない!正真正銘、かのネロはそちらの人間だ!』

 

「だ、そうだ。どうするマスター?」

 

――自分も彼女は助けたい。だが自分達の情報はあくまで判断材料だ。最後の決め手は――

 

「――ネロを助けよう!ローマはネロ!ネロはローマ!」

 

『そうだマスター!余は嬉しい!!』

 

マスターの決断だ!

 

「ジャンヌに輪をかけて倫理に欠けるオペレーターよな。――よし、ならば蹴散らすぞ!魔力を回せ!貴様らはアレを援護せよ!雑兵はこちらが蹴散らす!」

 

――財を選別する。剣、槍、弓を装填する

 

「解った!前に出番が無かったから、二人にフォローさせるね!」

 

右手を掲げ、カルデアに接続する

 

 

「来て!『エミヤ』『クー・フーリン』!」

 

青き閃光が起こり、赤き弓兵と、青き槍兵が召喚される

 

「――まさか、貴方達と肩を並べる日がこようとはな」

 

「抜かせアーチャー。こっちの台詞だぜ」

 

「よいぞ、いい判断だマスター。諸とも背中から串刺しても良心が痛まぬ!」

 

「抜かせ金ぴか!下手な真似したらテメェから穿ってやんよ!」

 

「ハッ、貴様は当たらないランサーであろうがたわけめ。――なら、勝負するか?敵を屠ったその数でな!」

 

「上等だ。後で吠え面かくんじゃねえぞ!」

 

「――マスター。後で話がある」

 

「更に!『ジャンヌ・ダルク・オルタ』!」

 

「却下かッ――!」

 

 

「ハッ、だから貴様は贋作者なのだ!」

 

――なんだろう。この二人を相手にしている器は、生き生きしている気がする

 

 

 

エミヤの抗議をさらりと流したマスターの右手が再び輝き、黒き聖女が姿を現す

 

「――私でいいの?」

 

復讐者、ジャンヌ・ダルク・オルタ。ファーをたなびかせ、マスターに向き直る

 

「貴女がいいの!」

 

「――そう……なら、やるわよ!全員焼いてやるわ!」

 

――装填完了。まずは――十門!

 

 

「じゃあ後でな!一番槍は貰ってくぜ!」

 

「やれやれ。呼ばれたからには期待に応えるとしよう!」

 

「開幕だ!ゴージャスなりしローマ蹂躙記はこれより始まる!――そちらは任せるぞ!マシュ!マスター!そしてオルタ!」

 

赤、青、そして自分が大軍に飛び込んでいく

 

――始めよう。未来を救う戦いを!

 

 

「気を付けてね!さぁいくよ!二人とも!」

 

 

「はい!」

「焼き付くす、総て――!」

 

 

『行けー!カルデアのローマ市民達よ~!』

 

「「「誰がローマ市民だ(か)!」」」

 

 

――カルデアの戦いが、今始まる!

 

 

 

 

 

「そなたたちは――!」

 

「初めまして皇帝陛下!私は藤丸リッカ!」

 

 

「くっ!」 

マシュが防ぎ

 

「くらえっ!」

 

ジャンヌ・オルタが焼き払う!

 

「――人類最後のマスターです!」




「土方さんも見ましょうよアニメ!面白いですよ!『ガン×ソード』とかお勧めですよ!」


「なんだそりゃ・・・ほう、いい面構えしてんじゃねぇか」 

「でしょー?声もそっくりなんですよ!」

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