『くすんだ令呪』
「なんか見るからに不吉だし・・・夜、大丈夫かなぁ・・・」
『不安を懐くのはいいが、それに呑まれ過ぎるな。仲間との絆は、隠されただけでは喪われぬ。信じ抜くのだ!』
リッカ「う、うん!・・・うん?誰?」
(ふふふ、それはもうすぐ解る!無垢なる刃、そして翼の披露も然り!)
~
『よう!久し振りじゃねぇか、カルデアで元気にやってるか?』
ヒロインXX「えぇ、問題なくエースですよ!」
『そいつは何よりだ!で、邪神の案件に首突っ込んでるってマジか?』
「はい、もしかしたら君の力が必要になるかもしれません。宇宙服ないと宇宙にはいけないノリで!」
『そうか、よし解った!ヒカリに頼んで、あんたに託す!リッカもカルデアも、知らない奴等じゃないからな。なんなら直接行ってもいいぜ?』
「そうですね、手が足りなくなったなら!それでは、よろしくお願いいたします!」
~
ナイア「万が一など、有り得ないとは思いますが・・・」
【漆黒のクラスカード】
「もしもの時は、託すことを躊躇うな。・・・その言葉に、嘘は無いと信じております。我が神よ」
「リッカ様、それに並びヒロインXX。それでは此よりセイレム、夜のフェイズ・・・外なる怪物ども、並びに我々の行動の是非、与える影響の説明を果たしたいと思います。御手洗いと心の準備は済ませましたでしょうか」
ラヴィニア・ウェイトリー宅前、全にして一、一にして全の者の鍵を製作する儀式。擬似的に開かれ、招かれざるおぞましき者からラヴィニアを護るために配置されたリッカ、ヒロインXX、並びにナイア。友好度が充分に高まったナイアの口から、開示される情報が語られる。
「このセイレムは我が神、ニャルラトホテプが造り出したもの。故にこそ、【未知なる狂気】もっと言えば【よくわからないなにか】といった初見殺しの側面は抑えられており、物理的な脅威に重きが置かれております。成り立たないゲームは二流、ゲームを楽しませる気のないゲームキーパーは三流。それがかの神の口癖でしたので」
「つまり、見ただけで発狂したり味方や仲間が入れ替えられる・・・といった小細工は無いと?」
「はい。一様に皆セイレムに住む人々を、同時にラヴィニア・ウェイトリーを狙い行動してくるでしょう。我々は、村と人々、ラヴィニアにアビゲイルを護る。助け合い、護り合い、力を合わせる事により。そしてその結果は、明日の人々の心に影響をもたらします」
村に侵入されるまで村人は気付かず、そして同時に夜の時間を夢として体験するという。村にさえ入られなければただの夢で終わるが、万が一侵入をされたり、殺されたりすればそれは鮮明なる悪夢として体験する事となる。次の日にそれは持ち越される痛みとなるのだと。
「殺されたり、脅威を感じた者は声高に叫ぶでしょう。悪夢を見せている存在がいる、魔女が我々を見詰めている、などといった、一時的な正気を喪失する言動を繰り返すのです。それらが増えに増え、限界を越えた場合・・・」
「狂気に走った人々が魔女裁判・・・いえ、狂気のままに【魔女狩り】を行うと?」
ナイアは頷く。外なる者は直接的に理性を削り正気を奪う。其処に取り繕う理性はなく、裁判などは起こらない。・・・一夜にして魔女狩りにて村人は互いを喰らい合うと、それこそが今回の特異点における敗北条件だと、かの神からの神託を受けていたという。
「となると、リッカ君やカルデアが選んだ劇と言うのはファインプレーでしたね!人々の心を奮い立たせることで、狂気を打ち破る!」
「まさしく。一日目の様な素晴らしき劇にて人の心を、正気を護る。それは良き選択でした。劇が上手くいけばいくほど、狂気に呑まれる者や時間は少なくなっていくでしょう。──心の拠り所があれば、人は何度でも立ち上がれるのです。そして此方で大物を狩れば狩るほど、我が神は乗り越えた暁の報奨を上乗せさせていただく、と神託にて仰有っていました」
致命的な一線を越えない限り、人々の心は壊れない。今日のように鮮烈な劇こそが、虚構の恐怖を打ち砕く鍵なのだと。武力だけでは、心に潜む魔女を倒す事は出来ない。疑惑と誘惑は、歴史に刻まれし輝かしき光が払うのだ。過去の英雄達の生こそが、語られぬ恐怖を打ち砕く無二の手段なのである。そういった意味で、この特異点はカルデアでなくては決して解決できないものである。──外なる神ですら、舞台を整えただけの観客にすぎないのだ。介入は、娘を案内役として送り込んだのみである。
「一応聞きますが、嘘だとか騙したりとかしてないですよね?」
「騙し方や嘘のつき方は、我が神は教えてくれませんでした」
「結構!あなたは嘘だと聞かれたら『はい、嘘です』って言いますからね!信じてあげようじゃないですか!ね、リッカ君!」
「あ、うん!大丈夫、任せて!んー、通信の様子が良くないのかなぁ・・・」
先程から、リッカとカルデア間の通信が安定しない。右腕に刻まれた令呪も何処か色がくすみ、いつもの頼もしいサポートが聞こえてこないと言う不可解な状況に、リッカは首を傾げる。
「おや、カルデアと連絡が取れないのですか?どういう事です、ナイア?」
「恐らく、この世界の魔術体系そのものが崩れているのかと思われます。朝と昼は光ある時間なので召喚は問題はなくとも、夕方を境に深淵に包まれていく、完全なる夜では恐らく、大抵の魔術は封殺されてしまっているのでしょう。法則が違う者らの時間、特異点であるが故に。・・・魔術の王たる方がおられるカルデアならば、恐らく近い内に万全に建て直しは可能であると推測致します。プレイヤーに過度な縛りを設けるゲームキーパリングは好まない、全力を尽くしてどうにもならない絶望こそが最良というのが方針らしいですし」
「性格が良いのか悪いのか全く解りませんね、これだから銀河最低最悪の愉快犯は・・・」
「だからこそ、なのでしょうか。かの神は人間の美徳や素敵なところを私に常に見せてくれていました。・・・最初から狂気や悪徳、歴史の汚濁を見せていれば、もっと邪神に近付いていた筈ですのに」
「意外と子煩悩だったりしたのかな?千の顔を持つなら、娘大好きなパパの顔だって持ってるよ、きっと!」
「・・・今度、パパと呼んで見る事にします」
邪神の意外な一面に想いを馳せる中、正気が満ちる時間は静かに、そして鮮烈に終わりを告げる
「──来たようです。二人とも、窓を御覧ください」
ナイアがゆっくりと立ち上がり、窓を指差す。其処にいたのは──不浄と汚濁を撒き散らす、死者を喰らい死体を漁る不潔なる種族──
「窓に見られますは、死体を喰らい漁る浅ましき闇の低級種族・・・──【
・・・七日に渡る、混沌の邪神が計画した正気と狂気のシーソーゲーム。それらの開幕を告げる招かれざる客が、ラヴィニア宅を取り囲みセイレムへと殺到する。
その人知れぬ大陸の全てを懸けたゲームの幕が、今此処に幕を開ける。邪神の娘、カルデアに転職した銀河警察。そして、人類最悪のマスターたるリッカ
『うむ、そろそろ妾も姿を顕すとしよう!満を持して、というヤツに他ならぬしな!』
・・・未来は見えねど、刃と鎧、そして翼は既に集い。混沌の賽は投げられた──
グール【【【【】】】】
XX「マスター君!この程度の暴徒の鎮圧などワケはありません、噛まれたりしないように気を付けてくださいね!」
リッカ「やっぱり、仲間にされちゃう・・・!?」
XX「いえ!不潔極まりないので傷が膿んで傷口が身体から腐ります!!」
リッカ「極めて医学的な腐蝕の仕方だった・・・!」
ナイア「XX、リッカ様。私がクリーチャーのマテリアルをお送り致します。対策や生態をご把握ください」
~
ゴムのようなぶよぶよ皮膚を持つ歩く汚物です。二足歩行ではありますが、前屈みで犬のような特徴を持つ怪物でヒヅメ状に割れた足、犬に似た顔、かぎ爪を備えています
『ぐーる、と鳴くグールのイラスト 作ナイア』
その姿は見る者に不潔で不愉快な印象を与え、爪で引き裂いた者を化膿や殺菌で速やかに殺すのです。食料は動物の死骸や排泄物で、人間の死体を求めて活動していることが多いですね。
不潔。とにかく不潔です。初めて倒した時は、三時間御風呂から出られませんでした。いろいろな都市の地下のトンネル網に巣くっていることが多いですね。魔女と結託していて、ときには人間を襲うこともあります。
地下鉄事故を誘発し、大量の食料を得ようとする。このグールの存在を知っている銀河警察とやそれに準じる組織と日夜攻防を繰り返している。
グールは時折人間と交配して醜い胸の悪くなるような子供をなす。また、グールは人間の赤ん坊と自分たちの赤子を入れ替えます。取り替えられてグールに育てられた子供は屍肉を食べて育ち、グールに成長してしまいます。
速やかな駆除対象、倒した後は御風呂に入りましょう。
~
XX「なんですかこのイラスト!?犬ですか!?」
ナイア「グールです。どうか攻撃を受けすぎないように。長生きしたグールは魔術的な障気を宿し、呪いを振り撒く場合があります。ボス格はエルダーグールで・・・リッカ様?」
リッカ「・・・あれ?ちょっと待って?」
ナイア「!・・・リッカ様、もしや・・・」
「・・・私、今までどうやって戦ってたんだっけ・・・?」
ヒロインXX「!──もしやこれは、一時的狂気・・・!?」
ナイア「・・・初回は強制、と言うことですか・・・」
リッカ「・・・思い出せない・・・私は、誰と、どうやって、なにをしたかったんだっけ・・・?」
一時的狂気 健忘症・緊張症(初回強制)
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