ナイア「今更ですが・・・私は気付きました。夜更かしは乙女の大敵だと言うことに。リッカ様もラヴィニア様もXXも、ここらでぐっすり眠らなくては。はい、こちらヘッドホンです」
アル『ニトクリスの鏡と、角度なき真球のみとは・・・勝算はあるのだな?』
「勿論。戦闘や荒事はやや苦手ですが・・・」
XX「は?」
「拷問や調教、尋問は父にバッチリ仕込まれておりますので。お任せください♪それでは皆様、よい夢を・・・──」
~
ボイス【やぁ皆!ニャルラトお兄さんだよ!今日は安眠BGMCDを使用してくれてありがとう!君達を深淵より深い眠りへと誘おう、じゃあまずはこれ!『旧支配者のキャロル』、ニャルラトお兄さんの裏声コーラスで行ってみよう!】
リッカ(なんだろうこれ・・・)
ニャルラトお兄さんの寝れる!正気喪失安眠BGMCD 特製ヘッドホン付き 15000円(初回特典 シャイニングトラペゾヘドロン)総時間~宇宙創成からビッグバンまで~
ナイア「──さて」
「──千を越える罪状があります」
全員を別室に待機させ、一人残ったナイア。静まり帰った部屋に、キラキラと輝く鏡の破片が舞い散る。リッカにアルが精製した『ニトクリスの鏡』を、ティンダロスの猟犬を誘き寄せる為に叩き割った為、辺りには泥の保護が満ちていながらも角度が生まれた事となる。絶好の獲物となり、標的となる事は目に見えているが・・・──それはナイアにとって望む所であった。
【■■■■■──!?】
喰らいつこうと姿を晒した瞬間、本能的に自らが『死地』へと踏み込んでしまった事に思い至るティンダロスの猟犬。そこにいた淑女が手にしていたモノ、それは自らが最も忌避し、避けるものであると気付いた頃には遅きに失した。
「我が大切な友人に牙を剥き、あまつさえ鎧に唾を吐き噛み付いた。私には友達はいませんでしたが、友達が出来たなら何よりも、誰よりも大切にしようと密かに誓いを立てていたのです。そして、それらを害するゲスやクズは私が迅速に、徹底的に駆除しようと──」
『角度なき真球』が展開した真なる円の空間。角度など何処にも存在しない・・・否。そこに展開した瞬間角度を消し去るという秘宝を使用した事によりティンダロスは離脱が不可能となった。ならば最早眼前の相手を狩る他ない。素早く身を走らせ爪を振るい──
「──ただでは返しません。ブチ殺して差し上げます」
狩りが、始まった。超絶なる反射にてティンダロスの動きを見切り、振り上げられた爪を、魔界金属と一体化させた片腕にて受け止め掴み返し、そのまま力を込めた握撃により握り潰した。ぐちゃり、と肉が引き裂け骨が砕けた不協和音が響き渡る。
【!!!──!!!】
その激痛に絶叫しながらも舌を伸ばし生命力と時を吸収しようと試みるが、ナイアは素早く伸ばされた舌を掴みとり、力の限りに引っ張り舌を引きずり出す。そのままティンダロスの首に舌を巻き付け首輪代わりに締め上げる。ティンダロス対策たるアイテム、角度なき真球。この場に入った者を固定させ実体化させる効果により、ティンダロスは圧殺もかくやの剛力の首絞めにより声なき声を上げる。
「これはたった先ほどできた友達を害された私の分」
背部に展開した魔剣精製ユニット『ルシフェル』の針がティンダロスに突き刺さり、体内部に無数の剣を送り込み精製する。ナノマイクロレベルの剣を精製する事により細胞レベル、筋繊維レベルでの裁断を行い、周囲の肉を丹念にミンチ以下の物体へと変貌させる。筋繊維一つ一つにカミソリを仕込まれる痛みなどすら温い地獄の苦しみに、首を締め付けられながら断末魔の絶叫を上げるティンダロスの猟犬。
「そしてこれは、神聖なリッカ様らの拠点、ラヴィニア様の居住を荒らされた私の分」
パチリ、と指を鳴らすと精製した剣の全てが爆発を起こしティンダロスの身体を吹き飛ばした。ルシフェルの精製した剣は遠隔爆破も可能であり突き刺した相手に連鎖爆発にてダメージを与えるタイプの武装である。身を裂くから身を吹き飛ばされるという激痛にティンダロスは耳を切り裂くような慟哭を張り上げた。そしてナイアの断罪はまだ終わらない。
「そしてこれはリッカ様に薄汚い牙を向け噛みついた駄犬への躾を兼ねた私の分」
首に巻き付けた舌を一旦解放し、開いた口にアタッシュケース型武装『パンドラ』のマシンガンモードを解放し、全弾を一気に叩き込む。体内にエネルギー弾を直接叩き込まれ、一瞬で水風船のように肥え太るティンダロス。そしてそのままナイアの左拳が駄犬の腹に叩き込まれた。溜めに溜められたエネルギーを、滝の放射のように無理やり吐き出させられる猟犬を無感情に見つめ、そのまま舌を振り回す要領で回転させ、ティンダロスを床に凄まじい勢いで叩き付ける。
【■■■・・・・・・、・・・・・・──】
「いけません、重要な骨をいくつか折ってしまいました。まだまだ後で折るつもりでしたのに。尺骨とか肋骨とか・・・」
残念そうに言いながら、舌を軽く引きちぎりスタスタと歩んでいくナイア。その常軌を逸した苦痛と激痛に心身を打ちのめされ、先程の狡猾さが見る影もなくなった猟犬は痙攣を繰り返していた。そして思い至る。この女は獲物ではない。この悪辣さ、残虐さは間違いなく【こちら】側の存在。もしや己は、けして触れてはならぬ存在に唾を吐いてしまったのでは、と。
「それでは、私の父が成長する私の身体に合わせて変化するよう見繕ってくださった大切でお気に入りなシスター服を台無しにしてくださった報いを・・・ん?」
【・・・──・・・・・・、・・・・・・──】
恐怖と絶望、憔悴しきった眼で命乞いをするかの様に見上げるティンダロスの猟犬。その眼差しの意図する所を読み取ったナイアは静かに肩を落とし、ティンダロスを蹴り上げ五体を入念に踏み砕いた上で喉を掴み上げる。
「どうやら苦しそうなので、私のお仕置きはここまでに致します。此に懲りたら、二度とリッカ様に近付かぬ様に」
金輪際姿を見せない、二度と関わらない。そう告げるかの様に頷き続けるティンダロス。・・・詮無き事ではあるが、彼は知る由も無かった。彼女がパーフェクトグレードを作ろうと思い至った程度の気紛れとはいえ、かの邪神が心血を注ぎ込み自らの技術や感情を惜しみ無く分け与え自らの邪魔物を排除するために生きる力を仕込み鍛えた狩人にして娘たる存在・・・狂気を駆り怪物を狩る。狂気の世界に在りながら決して理性と正気を手放さない
「それでは後は、我が神にお任せします。私は朝のご飯の用意がございますので」
そうしてティンダロスの真後ろに漆黒に深紅の十字が刻まれた棺が現れ、バカリと乱雑に開け放たれる。その光を総て吸い込むような漆黒の虛が手の形を成し、ティンダロスを掴み少しずつ引き込んでいく。
「【
闇が手招きし、生け贄を待っている。逃れられない死以上のおぞましき結末が、自分を待ち望んでいる。自らがこれから辿るであろう、家畜や玩具とすら呼べない永劫の責め苦を理解した猟犬の自我は即座に崩壊し、発狂の断末魔を上げた。そんな砕け散る理性と正気の中、最後に見えたものは──
「それでは。世界の終わりまでご機嫌よう──」
褐色にて絶世の美貌を持つ真紅の眼の美女の、余りにも無邪気かつ無垢な笑顔。──吐き気を催す様な雑じり気のない笑顔を浮かべながら、ナイアは棺の中へティンダロスを蹴り飛ばし、棺の中より無数の手が伸び猟犬を掴み、虫の四肢をもぐかのように五体を微塵に解体し──
「───結局私の分しか断罪していません。まだ三割程しか満足しておりませんのに・・・」
バタン、と棺を閉じ、艶々の肌となりしナイアが残念そうに呟くのであった──
・・・先程までの喧騒は鳴りを潜め、静かな朝焼けが家を包み、そして・・・
「あいたっ」
ナイアの頭に落ちてきた『金星の模型』を戦利品として。
人でありながら、深淵に触れたいと好奇心を暴走させ、取り返しのつかない過ちを人が犯した時に『それ』は現れる。
深淵に潜みながら、光輝く世界に現れし魔の前に【それ】は現れる。
魔なるものを語るもおぞましき様々な手段で駆逐し、破滅させ、弄び、やがて総てを狩り尽くす。
ナイア「ただいま戻りました~・・・おや」
リッカ「すぅ・・・」
ラヴィ「・・・」
XX「セイバーを、殺す・・・」
「フフッ、お休みなさいませ。皆様」
魔なるものを決して赦さず、人に決して相容れない。美貌に無垢なる笑顔を浮かべながら外なるものを狩り尽くす『それ』は、修道女のような姿にて闇から闇へとやってくる。
それに会ったものはいない。誰もその存在がなんなのか知らない。ただ噂ばかりが流れてくる。【絶世の美女にして血迷った狂人が魔を狩り人を殺めている】。──幸運にも、或いは不運にもそれに命を助けられ、発狂する瞬間に発した言葉が記されている。
「私の、大切な友なる皆様方──」
その存在が浮かべたもの。それは吐き気を催す程に清廉で、無邪気な『笑顔』であったと。凄惨極まる虐殺を行った存在が浮かべるにはあまりにも清らかな笑みが余りにも乖離していたが故に、それを間近で見た者は、永遠の狂気に苛まれた。
・・・──目的も、素性も不明なるこの存在を、我々は第一種危険生物として設定した。
くれぐれも遭遇したならば離脱を優先せよ。かの存在には、あらゆる常識が存在しない。
その不定なる存在、まるで判明しない行動理念を、かの最低最悪の邪神に準えこう呼称する。
──【相互不理解の狩人・ナイア】と。
・・・銀河警察上級機密より、抜粋
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