人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

840 / 2536
カーマ『お疲れ様です、リッカさん。毎日毎日気が休まりませんね・・・カーマ特製、レモネードなんてどうです?カロリー、栄養抜群!毎日ハチャメチャなリッカさんの為にカーマがスペシャルにブレンドした逸品です♪あ、副作用とかないので御心配なく。あなたに飲んで欲しいが為に作りましたから♪劇や徹夜の前後にどうぞ!』

リッカ「ありがとカーマ!好き!」

『うっ!!(愛され特効により即死)』

グドーシ『飲んでみるでこざるよリッカ殿。飲んだ拙者などこの通り奈良大仏状態でござりゅ』

「わぁあぁあぁあぁ生前グドーシになってるぅうぅ!!?」

『ナイスカロリぃでごじゃる』

ジーク『体型はこちらに任せろリッカ。肩に重機を乗せてみせる!ちなみにリッカはダンベル何キロ持てるんだ?』

「ベンチプレスなら160キロくらいは余裕だよ!」

『レベルが違った・・・』

カーマ『はぁ~?リッカさんが肥るとか私がいる限りありえないんですが~?グドーシさんはブッダリスペクトです♪』

リッカ「よーし!今夜はアホほど運動するぞー!!」


五日目 夜明け

「それでは、お手々を合わせて」

 

「「「いただきまーす!!」」」

 

新しい朝、希望の朝。5日目の夜明けを無事迎えられた事を祝い、ナイアが音頭を取りご飯をいただくカルデアメンバーズ。駄犬の躾を終え、そのままシャワーを浴びついでに朝ごはんの準備まで終えたナイアの敏腕ぶりに一同は舌を巻いた。そしてその料理もまた、一つ一つがお手製の手作りである。

 

「クトゥルフウィンナーにリンゴウサギ、サンドイッチにポトフにパンケーキ!いやぁ女子力と家事力の化身!ナイちゃん本当に何でもできるね!素晴らしい!」

 

「お褒めの言葉、痛み入ります。いつかできる友達に振る舞おうとずっと練習していたので。こうして振るえる機会に恵まれたのは幸運でした。──えぇ、本当に」

 

一心不乱に食べるXX、涙ぐみながら食べるラヴィニアからも味は明白だった。一口食べれば、美味しくなれと作られた丁寧な味わいが広がる。家事、炊事スキルは90に磨き上げたと豪語するナイア。探索系はイマイチであるというがこれほど出来れば十分以上だろう。彼女の優しさを噛み締めながら、一同は食事に没頭した。

 

『だがそなたが食べねば意味はないのではないか?信仰熱心なのはよいが、神も恐らくそう言う筈であろう』

 

「申し訳ありません。日課ですので、それに・・・あと、皆様といられる日も三日を切りましたから」

 

宝石箱の前に聖書を置き、祈りを捧げるナイア。人の皮と凝固した血液にて書かれた節、冒涜的な言葉を綴ったニャルラトホテプを称える聖書である。生命を与えてくださりし父なるたまに母なる神よ、アンチスレ一兆突破おめでとうございますとナイアは父に教えられし原初の神の言葉にて告げる。

 

「えっ!?なんで三日しかいられないの!?」

 

その言葉に何よりも驚いたのはリッカだった。こんな褐色美女エロピュアシスターがゲストキャラ!?嘘だと言ってよ参戦してよとばかりに身を乗り出す。そのあまりの剣幕にナイアはキョトンとしてしまう。

 

「は、はい。だって皆様とは7日間のサポートという付き合い。それ以上私が傍にいては御迷惑でございましょう・・・?」

 

ナイアは不思議そうに首を傾げた。そういう契約なのだから、友達『期間』は7日で終わり。皆様の安全を確保したら、想い出という報酬をいただき自分は狩人に戻る。闇の面倒ごとに巻き込まない、安心安全、後腐れなくさようならするのが友達と思っていたと。その言葉に、真っ先に異を唱える皆である。

 

「ちっがーう!友達っていうのは、一度なったら終わりじゃなくて!毎日毎日一緒に生きて強く深く結びつけるものなの!」

 

「父の触手の様に・・・?」

 

「その例え止めません?銀河警察ならいざ知らず、今や私とあなたはプライベートな付き合いです。ツテとコネ紹介で楽園を紹介して上げなくもないですよ?フリーランスより一般正社員雇用で身を固めた方が将来絶対安定します!これは実体験ですよ!」

 

「XX・・・しかし、でも。御迷惑を・・・」

 

「と、友達というのは互いを困らせたり、喧嘩したりが当たり前よ。本当に大切なら、相手の悪いところもきちんと見つめて、受け入れてあげるもの、よ」

 

各々の言葉がナイアの心に染み渡るなか、アル=アジフが告げる。かの邪神と戦い続ける者なればこそ、その娘がいたことに驚いていた彼女ではあるが。その人格と献身を欺く色眼鏡はとうに外れていた。

 

『もう、流浪と孤高の狩人の看板は下ろしてもよかろう、ナイア。不理解と拒絶を糧に自らを繋ぎ止める必要はない。親が邪神であろうと、この場にいる者は気になどすまい。そして、そなたを阻む楽園ではあるまい。のう?』

 

「ナイちゃんは私に持っていないものをスーパーレベルで所持しているので!是非楽園の皆と一緒に私を鍛えてほしいなって!」

 

「楽園で悠々自適なセレブライフを過ごしましょうナイア!心配ありません、月3平均で現れる世界の危機を救うだけの簡単な御仕事です!」

 

「・・・そ、その。私は、皆様とずっとお友達でいてもよろしい、ということ、なので、しょうか?」

 

緊張のあまり口がぱくぱくしているナイアを見てサムズアップを返すリッカ。話す度にたぷたぷ揺れるお胸がおっスゴイしてたらアルにしばかれたので悶絶していると、ラヴィニアが笑顔・・・不馴れなため怪しい営業スマイルめいた・・・を浮かべ、ナイアに頷きかける

 

「あなたも、アビーと同じ・・・光と祝福の中で生きる人なのだと思うわ。だって、こんなにも敬虔で、神を敬っているのだもの」

 

シスターとしての業務は村の誰もが認める敏腕ぶりであり、逐一親身に、そして根気強く優しく悩みを、懺悔を受け入れるナイアの活動は劇とはまた別のアプローチにて村人達を救っていたのだ。誰かを陥れよう、欺こうとする前にそんな自分を懺悔する。そんな村の人々を、ナイアは自らの信仰心にて救ってきたのである。例え信じているのが邪神であろうと・・・その信じる心は、紛れもなく彼女自身が自ら積み重ねてきた『徳』であるのだから。

 

「だからナイちゃん!楽園においでよ!そう──私は!!貴女が欲しいッ!!!」

 

「───ぁ、はい!その、あの・・・」

 

力強くナイアを指名するリッカの言葉に、耳までクトゥルフ(タコの意)のように赤くするナイア。頭から何やら湯気を出し、やがてこくこくと頷き、そして──

 

「その、それは私を永続指名・・・生涯雇用契約という事で・・・よろしい、ですね・・・?」

 

「うんッ!任せてよ、私がいる限りぜーったい寂しい想いはさせないから!そう!私のものになれ、狩人よ!」

 

「は、はい!でしたら、その、あの・・・り」

 

「『り?』」

 

「履歴書を書くので・・・しばし、お待ちいただければ・・・後、指環とウェディングドレスと一等立地6LDKと印鑑通帳を御持ちいたしますので・・・」

 

「重い!重いですよナイア、軽い!軽い付き合いからでいいのです!貴様セイバーだな!え?バーサーカー?お隣いいですかみたいな感じです!」

 

「な、成る程!しかしそれではXXが職場の先輩となるのですね。よろしくお願いいたします、XX先輩!」

 

(素直!あの邪神、ここまで真っ当に子育てが出来たのですね!)

 

「・・・虹は空だけではない。胸にも高らかに掛かる・・・」

 

「?それは・・・」

 

「父が言っておりました。頭partyにして見に行った映画にて感銘を受けた台詞だそうです。何事もエンジョイしなければもったいない、人生は一回だからと。・・・なら、私も思うままに」

 

意を決し立ち上がり、深々と頭を下げる狩人、ナイア。あらためて、消え去る筈と思っていた縁に感謝を告げる

 

「リッカ様、並びにXX先輩、そしてラヴィニア様、アル様。これよりナイア、続く縁と友情に一層報いたいと思います。ふつつかものですが、何卒ナイアをよろしくお願いいたします・・・」

 

「勿論!よーし、後今日も入れて三日!皆!頑張ってこー!!」

 

「「「『おー!!』」」」

 

(・・・我が父よ。我が神よ。もしかしたらこんな展開も折り込み済みだったのでしょうか。──ありがとうございます。ナイアは漸く、貴方に心配をかけさせない生き方が出来そうです・・・!)

 

【友や仲間を嗤うのは、それに飢えている憐れさの証だ。大抵それらは早死にする。友情や絆を力に変えられる人間になれ。そんな人間が、■の大好きな番狂わせを起こすタイプの人間だからな。お前は切り拓く側でいるんだぞ?お前には手間暇をかけたんでな。消失したら立ち直れないからな】

 

かつて冗談混じりに言われた、父からのそんな言葉。今なら意味がわかる。本当の意味で護りたいものがある、いまならば

 

(・・・そして、リッカ様や皆様になら。貴方に託された最後の鍵を、託す事が出来そうです・・・)

 

胸を抑えるナイア。最後の日、父より自らに託された力を友の為に託す事を、光を垣間見た狩人は深く決意するのだった──




ラヴィニア(な、ナイアさんも楽園に行く決意をしたみたい。あとは、アビーね。アビー・・・一体どんな決意を)

アビー「ラヴィ!おはよう、聞いてくださる!?」

ラヴィニア「お、おはよう」

(なんとかして、彼女を楽園に・・・)

「私、劇団に入りたいわ!その為にラヴィ、あなたにおじさまにに会って欲しいの!」

「・・・ま、まさかの・・・(展開が)跳躍・・・?」

【いあ!いあ!】

ナイア「あ、すみません着信です。LINEですね」

XX「怖くないですか着信音」

【ニャルラトホテプ ボッチ脱却おめでとー(^o^)/でも友情って案外軽い一言で崩れるから親しき中にも礼儀ありって忘れるなよ(。-∀-)お前は■に辛辣だからなぁ】

『ナイア それは貴方と狩られる者達にだけです』

【辛辣wwwだがまぁ、頑張れよd=(^o^)=b。近いうち会いに行くわ。じゃねノシ】

「・・・会いに?」

【PS この特異点で散りばめられた謎何個だったっけ?】

『自分でカウントしてください』

【辛辣ww】

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。