人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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謎の男「この叙事詩によれば、御機嫌王ゴージャス☆ギルガメッシュは推したるセイバー、アルトリア・ペンドラゴンを求め召喚に挑む運命が待っていた。何度目かも分からぬこの戦いの最中、オーマジオウライドウォッチが消失する寸前に示した楽園に我が魔王と家臣達が脚を踏み入れ・・・」

「おっと、先まで読みすぎました。紹介はこの様なもので宜しいでしょうか、始皇帝?」

「うむ御苦労!朕はオケアノスの大活劇を読み解くに忙しい故な!助かった、誉めて遣わす!」

「光栄です。数多の王が集う楽園に、クォーツァーを下した我が魔王はなにを学ぶのか・・・」

「御期待ください。皆様と出逢う日を、心待ちにしております」


召喚編~届かずとも、人は星に手を伸ばす~
召喚編! ギリシャはクオリティは抜群


楽園カルデア・・・今や邪神とその娘すらも有し、この星狭しと活躍する人類最後にして無敵の人類絶対救う集い。『ビースト?孵化してないならまだ派遣ははやいっすねグランド』などと宣うガイアや【世界を救うアットホームで笑顔の絶えない職場です!人類を救えるのはただ一人、君だ!】などと勧誘してくるアラヤたる抑止力を鼻で笑う痛快無比な活躍を行う王の王による王の為の第二のウルク。人類史上唯一無二たる楽園を築きし、叙事詩にすらいなかった英雄姫たる至宝を有せし台詞の二割が高笑いな天上天下泰平御機嫌王。今回は皆様割と待ちに待っていたであろう──

 

「──我が声を聞けッ!全職員ッ!集合ッッ!!」

 

諸事情から絞り出すように放たれる号令が、楽園カルデアに響き渡る!そう、今回は陣痛的な避けて通れぬ最大の苦難を覚悟しなくてはならない召喚タイム。ワインが手放せない博愛愉悦提供タイムなのである──!

 

かくごはいい? みるくがうまいぞ けものかな

 

 

【召喚の結果が非常に楽しみですね爆死王!!】

 

第一声にキラキラと本音を叩き付けた新入職員ニャルに王怒りの聖杯グラスが投げつけられる。だが漆黒の神は鼻唄混じりに混沌ゲートを開き、さらりとエアに器を返却する反則技にてやり過ごす。

 

「魂胆を隠す気が微塵もないのはいっそ清々しいわ邪神!態度か歯に衣を着せておくがいい!」

 

【すみません楽しい事大好きなものでw楽園が唯一の常勝無敗の代償たる召喚の義、この目で見させていただきますねw】

 

愉快げに笑うニャル。だが職員の皆にパンケーキや軽いおやつ、飲み物を配っていたナイアは首を傾げた。

 

「何故、邪神の力を使役できているのですかお父さん。神格は置いてきたのでは・・・?」

 

【神格は捨てたが、力はそのままだ。何せ私の力とは、私の存在そのものだからな。なんのとりとめのない職員として秘し、特殊部隊や素性を隠し暗殺を目論むような輩に対処するには必要な力として待機しよう。それに、私がいないとリッカ君のビヨンドナイアーは作動しないからな】

 

クラスカードに力を込めておき、権能と神格を捨てる代わりに人間でありながらトップクラスサーヴァントの力を振るう。正しく疑似サーヴァントなる振る舞いにて離別をパスし力を確保したその手腕に、存在規模で違う悪辣さを垣間見たオルガマリーは眉を抑えるしかなかった。

 

「・・・私や教授が可愛く見えるやりたい放題な邪悪ぶりね・・・」

 

「すみません、すみません!我がお父さんはその、気心知れた相手には遠慮がなく・・・!」

 

「トリックスターにも程がある。人間臭い邪神は質が悪すぎるな・・・で、それはともかく。今日はアイリさんと僕にサーヴァントを見繕ってくれると聞いたんだが、王様?」

 

然り、と王は頷き口直しにエアの作ったバターケーキを頬張った。口に出すのも憚られるアレを呼ぶ前に、楽園の戦力を拡張するのは当然の義務とも言える。

 

「リッカ、オルガマリーを人類最高峰の戦士、魔術師として大成させたケイローンの手腕は最早疑うべくもない。特に拘りが無いのならば世界で広く知られた英雄を教師に付けるのは善き判断だ。故に、治癒に長けたマスターを育成し同時に狩りに長けた逞しきマスターを輩出しようと結論に至った」

 

それぞれ専用講義者として、芸能と武力、狩りに長けたギリシャの名手を呼び寄せる。その為にも、召喚の手筈は整っていると王は告げた。

 

「縁など作る。当ての無いガチャなど我は回さぬ。さぁ現れるがいい。召喚の開幕だ。──エア!」

 

──はい!こちらをどうぞ!

 

そうして魂に問いを投げ、うごごと波紋を開くエアにより紅き液体が詰められた小瓶が取り出された。同時に左手の指を鳴らした瞬間、王の魔力がカルデアのシステムを全自動で駆動させる。観戦に徹していた王、姫の監修にて整体、真心こもったウルク料理は王の霊基を最善絶好調に高めきっていたのだ。エルキドゥ&フォウチームと行ったギルエアコンビのチーム戦腹ごなしも、健全な精神状態に一役買っている。

 

「その瓶、血かい?一体──、いや、待って。血って、ギリシャの血ってまさか・・・!」

 

「察しがいいなドクター。さぁ触媒にて現れよ。かつて冥府の神を無価値にした者、比類なき医の神よ!」

 

ギル的に神は気に食わないが、それはそれとして財の研磨に役立つならば躊躇わない。拘りを最善の選択のために捨てられることこそ強さである御機嫌王が選別せしは『ゴルゴーンの血』。当然現れるのは・・・

 

「──指名に応えてやりに来たぞ。楽園に招かれたキャスター、アスクレピオスだ。ある意味医者など、最も不要だとは思うんだが」

 

黒き衣服に身を包んだ美青年、医神とまで謳われたギリシャの誇るアスクレピオスが楽園へと訪れる。彼は不死の薬や死者の蘇生にまで医術を昇華させ、冥界の神にどうか手心を加えて説得してくれないかとハデスに依頼されたゼウスが雷にて撃ち殺した過去がある。神々が危惧するほどまでに神業を振るう医者の祖が現れたのだ。

 

「縁など無いのにどう呼ぶかと思えば・・・まさかゴルゴーンの血を持っているとはな。そこの叔母さん臭いマスター経由で頼んだのか?」

 

「叔母さん臭い!?あ、え、アルテミスの事!?」

 

「誰がいるんだ他に」

 

「ハッ、我が神に頭を下げるものか。単純な連想よ。不死薬は比類なき財、当然我が蔵に収まっている。ならばそれを作った材料があるのは当然の帰結であろう?」

 

「・・・英雄王の名に偽り無しか。ならば僕を何故呼んだ?」

 

「決まっていよう。貴様に最先端の未知や苦難にて負う負傷を見せてやる。そして真なる不死の薬の探究もさせてやろう。その代償として、貴様の神代の医術をそやつに伝授してやれ」

 

破格の待遇に目を見開いているアスクレピオスに、白きマスター、アイリスフィールが手を上げる。彼女を助手、弟子として大成させろとの言葉に、アスクレピオスは意外にも即答の態度を見せた。

 

「いいだろう。ではこのゴルゴーンの血は貰っていく。僕のリクエスト通りの医務室を宜しく頼むぞ。それじゃ」

 

「あなたには受け入れがたいかもしれな・・・え、そんなにあっさりでいいのかしら・・・!?」

 

「何を驚く。僕がサーヴァントになってから望む全てをやらせてくれるという。断る程僕の頭は手遅れじゃない。その為なら弟子や助手の一人や二人、いくらでもモノにしてやるさ」

 

彼にとって目指すは医術の探究と真なる蘇生薬の再現。そして医師として治療を行える最高峰の環境を用意されるならば、断る方が愚かだと言った。気難しげな彼を速攻で説き伏せた事による快諾に、マスター達は顔を見合わせる

 

「何をグズグズしている。これから早速医術の講義だ。最低でも致命傷を完治させられる程度にはなってもらう。ついてこい。アイリスフィール」

 

「え、えぇ!解ったわ!」

 

「・・・ククッ、フフフフ・・・望んでいたモノが即座に手に入った。冥府の神よ、すぐにお前達の役目を終わらせてやる・・・!」

 

ほくそ笑むアスクレピオスに、皆にウインクを残し去るアイリスフィール。交渉にて、彼に敵うものはない。何故か?用意できない対価は無いからだ。

 

「これでアイリもギリシャ医術ゲットできるのかぁー!後でナイチンゲールにも声かけよっと!」

 

「・・・楽園で退去するサーヴァントがいないわけだ・・・」

 

「何を呆けているかカドック。貴様にはただ生き抜く単純な生存力を高めるサーヴァントを取り繕う。覚悟するがいい」

 

アナスタシアはカドックを構うが、リッカのサーヴァントというスタンスは一貫して崩さないためカドックとは未契約である。その為、彼のサーヴァントとして招かれたのが・・・

 

「・・・アタランテだ。こちらは魔猪の皮を利用したやや狂暴なバーサーカーとしてのクラスだが・・・お前が私のマスターだな」

 

「そ、そうなる。・・・アタランテ。ギリシャの狩人・・・」

 

「アーチャーの私は気難しいだろうから、私がお前を育ててやろう。より強く、より速く、お前を高める。泣き言は聞かんから覚悟しておけ」

 

生き抜く術に特化したアタランテ・オルタを専属サーヴァントとして、想定される多種多様の環境適応のパートナーとして選抜された彼女の言葉に・・・

 

「解った。じゃあまずは、食べられる食料に星の方角の見方とかを教えてもらおうじゃないか」

 

「カドック・・・!」

 

「僕はお前を支えると決めた。もしものサバイバルができる程度には、頼もしくなってやるさ」

 

劣等感とコンプレックスを乗り越えた少年は獰猛に笑い、リッカの肩を叩く。その前向きさに、オルガマリーは静かに微笑み・・・

 

「・・・お父さん」

 

【我慢なさい。下手なサーヴァントよりお前が戦った方が強いんだから】

 

「しょんぼり・・・」

 

親子のやりとりに、カルデア職員は微笑ましい気持ちになった。

 

 




NG召喚・オーマジオウ

リッカ「オーマジオウから贈り物が来たって!?」

『各仮面ライダーのDVDボックス』

マシュ「これは!?クウガからビルドまでのBlu-rayディスク!みんなで見ろとのお達しでしょうか!?」

オーマジオウ【平成の時代を生きる者達よ。お前達に、行ってもらいたい事がある】

リッカ「オーマジオじいちゃん!」

オルガマリー「やってもらいたいこと・・・?」

【私が集めたライドウォッチを再現したコンプリート玩具・・・その一句一句を、拝聴してもらおう】

マシュ「暇だったのですか、オーマジオウ様!」

リッカ「言い方ッ!」

【我ながら最高最善の収録であった・・・我が家臣は忠実すぎて祝えしか宣わんので感想が欲しい】

ロマン(隠居して悠々自適な隠居生活してるおじいちゃんみが・・・)

【お前達若き世代にも分かりやすく行ったつもりだ。まずはこれだ】

『ポッピーライドウォッチ』

「あ!ポッピーだ!ポッピーピポパポ!」

ナイア「ポッピーピポパポ」

マシュ「ポッピーピポパポ」

オルガマリー「ポッピーピポパポ」

【音声はこれだ】

『ピプペポパワーで戦うマスコットライダーは・・・』

「「「!?」」」

チッチッチッ、ボーン

『ポッピー↑だぁ!』

オーマジオウ【(最高最善をやりきった顔)】

リッカ「・・・あのお爺ちゃん。他のは・・・」

【更に自信作は、これだ】

『エボルライドウォッチ』

『火星からの侵略者!』

「違う!?違うよお爺ちゃん火星被害者!」

ナイア「火星は悪の本拠地でしたか・・・」

オーマジオウ【似たようなモノでは無いか?】

オルガマリー「意味合いが大分異なります・・・!これは全て吟味する必要がありそうね、マシュ、リッカ!やるわよ!」

リッカ「おー!あ、ナイちゃん後で前部見ようねライダー!」

「は、はい!喜んで!」


~クジゴジ堂楽園拠点~

オーマジオウ【ライダーの像など不要。今在る者達が語り継げばそれでよい】

ギルガメッシュ「フッ、楽園にて隠匿を楽しむがよいぞ、最善の魔王よ」

【フハハハハ・・・ライダー大好きおじいちゃんとして、後進に道を譲る日が来るとはな】

──あ、あの。オーマジオウ様

【ん?】

──リッカちゃんが大好きな、平成ライダーの歴史を護ってくださり、本当にありがとうございました!誇り高き、最高にして最善の仮面ライダー様!

オーマジオウ【──姫よ。忘れるな。孤独など独り善がりであり、お前が傍にいる以上の献身はその王には無いと言うことを】

──はい!ずっと、ギルのお傍に侍る覚悟です!

「面映ゆい事を・・・。そういうそなたはどうなのだ?その覇道に、追従できる女傑はいなかったと?」

【いや、1人いた。後にも先にも、私に並び立つ女性は彼女だけだっただろう】

フォウ(誰!?それ誰!?)

【・・・──マンホールにて、彼女は君臨していた】

──??????

(マン・・・ホール・・・・・・?)

【彼女の名前は思い出せんが・・・私はセーラー服が似合うとセーラさんと呼んでいた・・・そう、初恋だった。彼女は生身でマンホールを振るい、私に傘になれと・・・】

《・・・まるで繋がらんのだが・・・逢魔の王の見初めた女とは何者だったのだ・・・?》

──マンホールって・・・道路の、あの・・・?

(エンジンブレードより重いんだよ、アレ・・・?)



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