「突然で悪いが、君は圧制者かな?」
朕「三皇超越五帝凌駕覇者始皇帝。知らぬ?」
「(ニコッ)」
「・・・知らぬかー。そんなに朕、汎人類史で有名じゃない?ショック」
「いいえ?あなたは胸を張るべき偉人ですわ。えぇ、人の究極と言うほどには」
「そう?そっかー。朕満足?時にそなたは──?」
「さて、傷はそれなりに癒えた。もう一、二度召喚に挑み今回は幕としよう。邪神降臨の儀式とはこれ程までにエネルギーを使うものであったか・・・祭司や巫女をこれからは更に労ってやらねばならんな・・・」
三時間後、王復帰。邪神めいた女神を呼び寄せた事による精神ダメージをなんとか割り切り、再びカルデア中心の玉座へと座りがっしりと腕を組みカリスマを振り撒いている。余談だが楽園の広大極まる敷地の移動はワープポイントを介し行い、脳と回路、生体反応を登録した者をレイシフト魔術を介して移動するため、極論行すらしなくてもよいのである。王専用のワープポイントは玉座の形をしているため、色んな場所に玉座が設置されているのだ
「誰が邪神か!ウルクの女神捕まえて言うことじゃないわよねそれ!それに邪神オブ邪神が此処にいるでしょーが!」
【誰の事だろうねガストン君】
「あれですよきっと。中国のここにいるぞ!的な」
ニャルは人間である。誰がなんと言おうとも今は人間なのである。職員一人一人に「娘をよろしく」と挨拶回りしたため、娘大好き子煩悩神のイメージを確立している上、その人当たりの良さとおぞましいまでの仕事効率と精度、進んで仕事をやるその優秀さから、あっという間にスタッフと打ち解けているが故に彼を邪神と語る者はいない。彼は知り尽くしている。人の会話にこそ美徳があると。「俺達が人理修復できたのは!全部王と姫とコンちゃんとニャルがいたからじゃないか!」と言い出したムニエルはキアラのカウンセリングルームへと搬送された。
「アンタよ!アンタ!あーもういいから早く召喚しなさいよ、あんたの約束された敗北、ニヤニヤするために来てあげたんだから♪」
「そういうところが邪神と言うのだ省みよ放蕩娘!貴様の飲み物を旨くする醜態など無いわ!」
『・・・好きの反対は無関心といいます。あれほど気楽な喧騒を出来るほどにマシになされた憑依先の少女には感嘆しかありませんね』
『YUーGA』
皮肉にもウルクメンバーだけで会話を回せるほどに集った面子。しかし話すだけでは召喚は終わらない。やれやれ、後でアレはなんとかしようと肩を竦めながら、エルキドゥが皆を促した。
「騒がしくしてごめんね。それじゃあ、始めようかドクター?」
「あ、いいのかい?それじゃあ行こう。まずは──あれ!?」
まずはどんな作成中を、という前に召喚サークルが回り始める。招かれる前に招く、招集に反逆するかのごとき姿勢。反逆・・・はん・・・
「そう!!反逆である!!」
殺伐とした空気に反逆。溢れ出るマッスル、即ち筋肉。反逆の英雄にして不屈の男。スパルタクスが召喚に応じたのだ。それは、ある意味で最も予想外な召喚であったのかもしれない。
「す、スパルタクスだって──!?」
──・・・!
フォウと神経衰弱で遊んでいたエアが即座に身構える。そう、彼女にとってある意味最も危なかったポイント。物理的な脅威かつ王である限り逃れられない圧迫面接の相手。ローマ特異点の戦いの問答無用ぶりを思い出したのである。彼に生半可な弁明は通じない。今このタイミングで訪れるなんて・・・?
「──ほう?随分暑苦しい参入よな。いよいよ我の首を狙いに来たか?」
王もまた、愉しげに喉を鳴らし玉座に座り直す。圧倒的な風格と威厳、油断と慢心なき王としての気風にて歓待を行う。それだけの価値が彼にはあるのだ。弱者の味方、王を討つ者として彼に比類なき評価を与えているが故に。カルデア職員一同に緊張が走り、ニャルはナイアにミルクのおかわりを要求していた。
「──いや、王の頂点に位置するものよ。まだ我等の盟約は果たされる機ではない。この星の圧制の芽は、まだ摘みきれてはいない」
・・・予想に反し、スパルタクスは笑顔にて王と、カルデアと向き合った。信じがたき事に、その刃を誰に振り下ろしに来たわけではないという。
「この者たちを、この場所を見れば解る。この場に圧制はない。素晴らしい。しかし圧制なき世界はこの場にしか無い。ならば如何にすべきか?──圧制に満ちた、世界に反逆する」
「えっとつまり、『理不尽や苦難に挑み続ける楽園に力を貸しに来たよ。いざ行こう同志よ』ってこと?」
「その通り!!いざ行こう反逆の使徒達よ!この世から全ての理不尽を駆逐し、自由の翼にて星より飛び立たん!!」
リッカの言葉に満足げに頷き、王にニッコリと微笑みドスドスとジョギングにて退出していくスパルタクス。予期せぬ警戒にて起きた緊張がふわりと緩み、言い争っていたイシュタルも呆気にとられ毒気が抜けた声で尋ねる。
「・・・なんで解るのよ、リッカ・・・」
「んー、ニュアンスとか抑揚とか、目線とか声とかで大体?」
「流石はリッカ様。ちなみに今私は何を思ったでしょう?」
「流石はリッカ様!ほめてほめて!」
「正解、お見事です!こちら、ナイアクッキーとなっております。どうぞ!」
そんなこんなでスムーズなコミュニケーションを経て、事なきを得た召喚の儀。各々も胸を撫で下ろし、それぞれの所感を述べる。
「そろそろセイバー召喚かな?でも逆に怖いよな。セイバーを引いた瞬間、俺達の快進撃が止まっちゃいそうで・・・」
「王が爆死することで完全無欠の『不完全』や『敗北』を埋め合わせてるところあるよな。逆にガチャで勝ったら完全無欠じゃなくなるかもというか・・・」
【ここの職員皆意識と志向高いな・・・レベルⅤやランクAくらいでしか見ないぞこの達観ぶり】
「ロボトミーコーポレーション派遣業務やSCP収容プレイはスリリングでしたね・・・」
(この親子マジでどんな修羅生活送ってるんだ・・・)
「所長、良かったですね!突然のカルデア崩壊は免れました!」
「突然起こってほしくは無いわよそんなの・・・まぁいいわ。じゃあロマニ、召喚モードを設定・・・あら?」
セイバーを呼んでフィニッシュ(予定)な召喚の締め括りに、再び未確定な揺らぎが起きる。これは誤作動や、故障では無い。──何者かが、召喚されようとしているのだ。そして──
「──星の万物を護り、戦う所業。ならばそこにあるのは正義か悪か、正しさか?裁定の目の他に、公平な天秤が必要なのではなくて?」
「げっ!この声は──!」
「・・・招きたるはメリットばかりではない、か。チッ、あの娘はどこまで面倒臭いのだ?」
呆れ果てた王の言葉と同時に、光が収まり。現れしは──再びの女神。召喚難度など気にも留めぬ楽園だからこそ、此のような事が起こりうる。
「えぇ。私なくして正義は語れません。裁きの女神、アストライア。呼ばれる前から参じて差し上げました。そちらの邪神にお困りでしょう?やらかしに応じて、私が裁いて差し上げます」
「私メタに来やがったこのフォークリフトの女神ーーーー!!?」
・・・憑依先の縁を辿り、これまた女神に選ばれるに相応しきライバルの女性に宿った女神の降臨に・・・
──わぁ、かみさまがいっぱい・・・
(拝んどこ拝んどこ)
王に寄り添う魂のエアは、神様に選ばれた魂という徳の高さに圧倒され頭が下がる思いだったとさ──
NG召喚 アル=アジフ・大十字九郎
アル「すまぬな、席を外していた!」
リッカ「お帰りー!アル!・・・あれ?」
美女「・・・・・・・・・」
「そちらの・・・美女は?」
「九郎だ。ラスベガスにて!邪神にだまくらかされパンイチになり!女装に屈した我が愛する不甲斐なき者だ!!」
「だってしょうがねぇだろ!王様が服くれねぇし、路地裏でパンイチなんて嫌な予感しかしねぇ!仕方なかったんだよ!」
ギル「似合っているではないか。ラスベガスでは給仕御苦労」
九郎「アンタ絶対楽しんでたろ・・・!んでてめぇだ、邪神!」
ニャル【助けて娘よ(背中に隠れる)】
ナイア「すみません、我が父が・・・あ、でも似合っておりますよ?」
リッカ「可愛い・・・ッ!服の下は筋肉ムキムキ!?嘘やん!?」
九郎「許してくれ、その励ましは俺に効く・・・ッ!」
「本来なら妾とリッカ、九郎で挑まねばならぬ局面だったものを・・・不甲斐ないやつだが、邪神の監視を含めて、こやつを置いてはくれぬか?このままで」
「服を仕立ててくれよぉ!?」
ニャル【いい気味だwwそっちでは確かこっぴどく振られたんだったか。此処では仲良くしようじゃないか】
「・・・出来ると思ってんのか?」
【出来るとも。此処は楽園だぞ?今更お前なんぞとの確執に拘るものか。一職員として、よろしくな(スッ)】
九郎「・・・・・・。・・・いいぜ。その娘さんの真っ直ぐな育て方を信じる」
ナイア「?」
「此処にいる間は・・・俺達は仲間として──」
(小型カメラ)
パシャ
「は?」
【──コイツ旧神の癖に女装してんぞwwww似合ってて腹立つーwww拡散したろwww】
「てめぇえぇえぇえぇぇぇえ!!?」
アル「・・・・・・リッカ、ナイア。まぁ、その・・・よろしくお願いする」
リッカ「はい」
「・・・九郎さまも、お友達になれますでしょうか?」
【王様USBヘイパス!】
「任せよ現像してくれる!!」
「悪乗りすんなぁあぁあ!!」
『デモベ夫妻が仲間になった!』
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