きのこのインタビューは中々興味深いものでした。人理修復がAチームに出来るのかどうか、と。その答えは、キリシュタリア、デイビッド、ロストベルトアナスタシアがいるカドックならば可能という回答。
キリシュタリアは流石の評価。原作で異星の神が指名しただけあり、流石の評価の高さ。この楽園時空でも、リッカやはくのんを相手取る強敵であってくれればな、と。オルガマリーもいますしね!
デイビッドも可能ですが、修復した瞬間詰むとの事。どういう事なんでしょうね?クリプターであるが故に駄目とはいったい?
カドックはいいとこまで行くけど運命力が足りないとの事。ですがロストベルトアナスタシアでなくてはダメという辺り、どれだけ大事な運命なのかが伺い知れます。楽園時空では、カドックとアナスタシアの関係は珍妙なものが故になにかが出来たらいいな、となったり
後はダメなようで。オフェリア、ぺぺ、ベリルは要因があるとは思いますが・・・
ぐっちゃんは無理ですねはい。彼女に人類の命運を託す方が間違いです。滅びましょう。ゲーティアだって困るでしょう。
皆一人一人の旅路を思い浮かべ、想いを馳せるのも素敵な事ですね。どんな苦難があるのか、どんな出逢いがあるのか・・・
そんな中で、この楽園の旅路を思い返してくれるくらい、皆様の心にギルとエア、リッカや皆の輝きが残ってくださっていたら幸せです!
どうか皆様、この旅路の終わりまでよろしくお願いいたします!それでは、叙事詩の今日の一ページをお届けいたします!
楽園のマスターあれこれ──カドック編──
人理焼却という未曾有の危機に襲われしカルデア・・・。その人類滅亡クラスの危機に晒された組織は、内部に潜んでいた魔神の存在により壊滅寸前にまで追い詰められた。その際に用意されていた数多のマスター達は凍結処理をされるほどの危篤となり、未来を救うマスターは人類にてたった一人という絶望的な状況だったと記録されている。
「998、999・・・」
だが、その絶望は楽園、人類最古の英雄王と人類最新の英雄姫を召喚したマスターと鍛え抜かれた職員達により完膚なきまでに覆され、その未来は再び取り戻された。唯一のマスターという極限状態は解消され、カルデアには優秀かつ多彩なマスターが再び集いつつある。藤丸リッカという、人類の危機が鍛え上げた規格外の他に、最高峰のマスターが揃いつつあるのだ。カルデアに招かれた時点で資格あり、まさしく至上の名誉であるのだが・・・その威光を獲得してなお、己をストイックに鍛え続けるマスターの一人が此処にいる。
「1000・・・よし。基礎体力の獲得メニューノルマはこんなところか」
トレーニングウェアを着込み、部屋にてひたすら鍛練を行うくすんだ銀髪の少年。血色は良く隈は取れ、鋭い目付きの狼めいた雰囲気の少年がスポーツドリンクを飲み干す。彼の名はカドック。カドック・ゼムルプス。かつて前所長に選ばれた精鋭の一人、Aチームのマスター。リッカの先輩に当たる存在・・・だが彼はそんな肩書きにもう用は微塵もなかった。
楽園には魔術や肉体の研鑽を行える施設が最高水準にて揃えられており、バーテンダー業に精を出す傍らもっぱら特訓に明け暮れていた。ただひたすらに、己を高めるためである。彼はダヴィンチやオルガマリーに提唱してもらったメニューを、愚直にこなしていた。職員に躊躇わず頭を下げ、協力も取り付けた。ある種貪欲とも言える勤勉さは、職員の間で話題となるほどだ。
「さてと、次は・・・」
「筋肉の休息がてらの座学よ、カドック。夜中だと言うのに頑張るのね」
カドックにタオルを渡すのは、何故かジャージに身を包み髪を纏めた白き美少女、アナスタシアだ。キャスターでありリッカのサーヴァントの彼女は、よくカドックの様子を拝見がてらサポートとからかいを織り混ぜたコミュニケーションを取ってくる。
「ありがとう。やることをやったら寝るさ。君も夜更かしはよくないぞ。深夜徘徊は廊下にいる赤ジャージと着物のナイフ持ちに追い回される」
「あなたの苦労を見ないと眠れないもの。さぁ、もっと頑張る姿を見せなさい。アナスタシアはー、あなたの奮闘みてみたいー」
割りと自由なアナスタシアの言動は突っ込むだけ無駄なので、カドックは楽園の軌跡、旅の記録を読み込む。そこに記されている痛快な旅路を読むことは、凝り固まった魔術師の常識を捨てるにちょうどいい程の荒唐無稽が広がっている。神話か創作かと誤解する、輝かしい旅路。リッカが突き進んだ、彼女だけの旅路だ。
「凄いな・・・」
見る度に飛び出すのは、究極に至ったが故の陳腐な感嘆だ。行われた期間はなんと半年。残った職員の誰の犠牲もなく、特異点にて出された犠牲も五本の指で足りる。誰が真似しようとも出来ない、理想すら憚れる至高の旅路。Aチーム全員分の人数より短いその日にちにて詰まった活躍に、彼は素直に頷く事が出来るようになった。卑屈ではなく、心から正しくこの偉業を素晴らしいと受け止めたのだ。
「リッカ、オルガマリー、マシュ。君達は・・・本当に。素晴らしい旅をしたんだな」
昔の自分ですら黙るだろう。口が裂けても言えはしない。『僕らはよりうまくできた』などと比べることすら烏滸がましい旅の記録。想定された日数も、犠牲も、全てが完璧に達成されている黄金の軌跡。笑ってしまうほどに、彼女への呆れ混じりの称賛しか出てこなかった。
「悔しいかしら、カドック。あなたたちの活躍を、完全に奪った形になったのだけど」
アナスタシアの問いに、静かにカドックは首を振った。確かに自分達が成せる事はなにもなかった。鍛練や苦難は水泡に帰した。少し前なら卑屈にネジ曲がった屈辱を感じていたかもしれない。──だが、今は不思議と穏やかだった。
「いや、きっとこれで良かったんだろう。リッカは、残された責務や背負わされた責任から逃げず、僕らの悲願を達成してくれた。・・・大事なのは『誰がやった』かじゃなくて、『それが出来たか』じゃないかな」
そう。受け入れられる価値観が生まれた。自分は何もできなかったが、その無念を達成に繋げてくれた者がいてくれた。レフは致命的な見落としを行った。自分達は囮になり、人類の反撃の鍵を護った。そんな事すら考えられるようになっていた。それもやはり、直接リッカや楽園の皆と触れ合い、誰もが善き人々だから至れた感慨であり、自分を当たり前のように受け入れてくれた人たちだからこそ浮かんだ感想なんだろう。負け惜しみではなく、称賛として。『君達がやってくれてよかった』と言える程には心に余裕が出来たのだ。
「立派ね、カドック」
「何がだよ。・・・まぁ、そう思えたのは・・・」
君がいたこの歴史が、無くならなくて良かった。そう思っている自分がいるのも否定は出来ない。自由だが、真摯に自分の世話を焼く彼女がいてくれたからこそ、あの不思議な特異点を乗り越えたからこそ。自分は一皮剥けたのかも知れないなと。思っているのは事実である。
過去は過ぎ、世界は救われた。ならば自分は、救われた世界で何を証明すべきか。そんなものは決まっている。『僕も、皆と世界を救える』という実証のみだ。いつか必ず訪れる人類の危機に、今度こそ何にも恥じない自分で挑んで見せる。そして・・・
「・・・まぁ、その。君やリッカにばかり任せてたら、男の立場が無いからな。意地だよ、意地」
今度こそ、僕らが背負わせてしまった重荷を少しでも引き受けてやれるような自分を目指す。そして、サーヴァントとして君が君でいられる世界と歴史を護る。そんな償いと恩返しを、自分の力でやってみせたい。そんな男の戦いを、自分は挑んでいるのだから。
「そう、意地。リッカみたいな事を言うのね、あなたは。ふふっ」
「リッカに伝えてくれ。ずっと後ろだけど、君の背中を追い掛けるヤツはいる。うかうかしてると追い付くぞ、ってね」
それがどれだけ果てしなく大それているかは理解している。背中どころか、姿さえ見えない遠くに世界を救ったマスターはいる。だが、それでいい。そうでなくては。
「高い目標ほど・・・挑み甲斐があるってものだしな」
自分が生涯かけて挑むに相応しい相手であり、いつか共に戦う仲間として並び立つ相手として、自分を奮い立たせてくれる。そんなヤツを、自分は必死に追いかけ続けるのだ。
「ふふっ。精々頑張りなさい。私のマスターは強いわよ。あらゆる意味でね」
それが、アナスタシアの・・・彼女の歴史を護り、救い。自分達の代わりを立派に務め、自分だけの道を走り続けている彼女への感謝であり、挑戦だと信じ。
「もちろんだ。僕も、アイツに負けない自分の戦いを見つけてやり遂げる。自分はアイツの引き立て役で終わらないと、証明してやるさ!」
誇り高き狼は、自分を磨き続ける。それが不器用な彼の、彼女へのメッセージ。
『君は僕から未来を奪ったんじゃない。新たな目標をくれたんだ』という・・・貰った希望への、彼なりの感謝の想いなのだ。そしてそれが、彼が楽園にいるに相応しき崇高なる彼の輝きなのである──
アナスタシア「ふふっ。じゃあ、少し意地悪を問いましょうか」
カドック「君が意地悪じゃないことなんてあったか?」
「シャラップ。・・・もし、あなたがリッカの立場、人類最後のマスターだとして・・・」
「・・・」
「あなたは世界を救えるかしら?」
「・・・どうだろうな。極限も極限の状況だし、キリシュタリアやデイビッドは大丈夫だろうね。オフェリアは繊細すぎて、ペペロンチーノは今思えば考え方が諦めに似た達観に寄ってる。ベリルは悪いけど、軋轢が避けられなくてヒナコは・・・ヒナコは・・・うん」
アナスタシア「うん」
「・・・犠牲は出る。間違いなく負担や苦難はこのカルデアより遥かに多くなるだろうし、なんとなく・・・最後の最後で下手を打つかもしれない。なんというか、リッカみたいにキラキラした運命めいた力が無いかもだしな、僕」
「・・・じゃあ、出来ないの?」
「いいや、違う。『やる』。僕はやるよ。絶対に逃げない。逃げずに挑む。そうすれば、必ず・・・君は力を貸してくれるだろ?アナスタシア」
アナスタシア「──そうね。あなただけじゃ、頼りないもの」
「君がいてくれれば、いいところまで行く筈さ。行けるところまで行って、その後は・・・結果が全てを教えてくれる」
「ふふ、そうね。あなたの旅路はきっと、泥臭くて哀しいものかもしれないけれど・・・きっと」
そう、それはきっと・・・
「素晴らしい旅路になると、信じているわ。あなたはきっと、為すべき事を為す人だもの」
カドック「・・・頼むから、ここの旅路とは比べないでくれよ」
彼だけの、哀しくも美しい旅路になるだろう。そんな有り得た未来を夢想し、アナスタシアは楽しげに微笑んだ──
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