人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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リヨぐだ子時空

オルガマリー「主人公!ハーメルンで面白いFGO小説を見つけたわ!」

リヨぐだ子【またスコッパーやってたんですか所長。自分の小説青バーだからって】

「それは関係無いでしょ!?ほら、私が生き残ってるだけで素晴らしいと思わない?」

【タグからして地雷臭スゴいんですが】

マシュ「更新速度が最大で1日六件ですよ先輩!」

【一年間で500話とかこんなクソゲーの何が作者を駆り立てるの?】

「いいから騙されたと思って読んでみなさい!」

【仕方無いなぁ・・・】



【ギルガメッシュがやたらと機嫌いいな・・・】



【無垢なのは今だけだよ。どうせ無銘もまたの縁をと言いながら限定ガチャで実装だよ。綺麗事は売り上げの前に折れるんだよ】



『・・・・・・配布がいい?皆の場所に必ず行けるから?』

『・・・・・・・・・姫か・・・・・・』

~一週間後

オルガマリー「主人公が部屋から出てこなくなったわ!きっと感想欄でボロクソに扱き下ろしているのよ!」

マシュ「いけません!先輩は人気小説であればあるほど粗捜しして叩きまくる辛口読者!作者さんの精神が破壊されてしまいます!」

オルガマリー「阻止するのよマシュ!この物語は、この物語だけはエタってほしくないのよ!!」

マシュ(所長が夢見ていた理想が詰まっているから・・・)

リヨぐだ子「所長!マシュ!!」

マシュ「先輩!」

リヨぐだ子『楽園ガチャピックアップの為に石を貯めよう!噛み砕いてエア姫宝具5周回するんだ!』

マシュ「先輩!?」



リヨぐだ子「初期は地の文ダメダメだな作者」

マシュ(リッカさんと先輩・・・タッグをもし組んだら・・・)

オルガマリー(そうよ・・・これよ・・・私が目指していたのはこんな私・・・!)

皆で読み耽った。

ダ・ヴィンチ「完璧だ!主人公の代わりになる人材は、彼女しかいない!」

やらかした。




輝く旅路も、一歩から!

「──はっ!?」

 

あり得た未来、ヘンテコな夢。先輩の専売特許だと信じきっていたレム睡眠からの特異点レイシフトを体験し、無事生還したマシュが目を覚ます。先の荒廃しきったカルデアの寒々とした部屋ではない。大理石や超高級家具にて舗装され、シャンデリア輝くキングサイズベッドのオフトゥンである。

 

「帰って、帰ってきました・・・!楽園に、──ぁ・・・」

 

「◼️◼️◼️◼️・・・」

 

傍にて暖かい唸り声が聞こえ、目をやれば其処にはリンゴをウサギに剥いている黒き鎧の騎士、マシュが知りうる限り最高の騎士たる存在・・・ランスロットが傍らに座っていた。タオルと水を汲んだ桶は、うなされていた自分の汗を拭いていてくれたのだと理解するのに時間はかからなかった。

 

「ランスロ──、お父さん・・・傍にいてくださったのですね。ずっと」

 

「◼️◼️」

 

何も言わなくていい、戻って来てくれたのなら。そっとマシュの手を引き、リンゴを渡し立ち上がる。肩にかけていたエプロンを取り歩き出す。

 

「えっ、朝ごはん・・・グリーンハーブカレー!?ありがとうございます!いただきます!」

 

「◼️◼️◼️」

 

エプロンを巻き、皿によそったカレーを差し出すランスロットにお礼を言い、食べるマシュ。失われた水分とうなされていた心の不安が、染み入るような優しい辛さに癒されていく。

 

「美味しい・・・。本当に、帰ってきたんですね。楽園に・・・私達のカルデアに・・・」

 

「◼️◼️◼️」

 

大袈裟な。だが、そう思うくらい怖い夢を見たのだろう。涙ぐむマシュの頭を、黒騎士はそっと撫でた。彼女の無事の帰還を信じ作っていた料理は、そんな彼女の悪夢めいた恐怖を吹き晴らすのに大幅に貢献した。パクパクと食欲を取り戻し、朝方となった時間にて食事を終えたマシュはやがて思い至る。

 

「先輩!先輩はおりますか!?可愛いよりカッコいいが先に出る、リッカ系女子の開祖を名乗る我等の先輩は!?」

 

「◼️◼️◼️」

 

君ならきっとそう言うと思っていたよ。そう告げるかのように起動させるワープシステム。行き先はもちろん、カルデア最強最悪のマスターの部屋前。

 

「ありがとうございます!お父さん!行ってきますっ!カレー、うさちゃんリンゴ!本当にありがとうございました!」

 

御礼を告げ、慌ただしく飛び出していく娘息子なマシュを、穏やかに見守る黒騎士ランスロット。やはり自立といっても、親愛は揺るがないものか。それでいい、愛とは理屈では縛れないのだから。

 

「~◼️◼️◼️」

 

元気になったならそれでよし。鼻唄混じりにランスロットは娘との相部屋の掃除に勤しむのでありましたとさ。ちなみに、剣の方のランスロットは基本的に出禁である。マシュの顔を見に来た癖に、女性からのプレゼントを両手一杯に遊びに来たためそれはそれはバサスロットにボコボコにされたとさ。

 

「私にとってのランスロット卿はたった一人です。股間魔剣節操なしさんなんて知りません」

 

ときっぱり拒絶するマシュを立派になって・・・しつつも、己の不徳に恥じ入るばかりのバサスロットでありましたとさ。

 

 

「先輩っ!!」

 

「うわっ!?どったのマシュ扉ぶち破って。もー、修理大変なんだから・・・わぶっ!?」

 

入室、否突撃レベルの飛びかかりを敢行し、白き屋敷のキングサイズソファにマスター・・・其処にいるべき存在を押し倒す。あまこーの顔と肉球模様の特注パジャマを着ていた彼女は不意を突かれ、彼女を抱き留めながら押し倒された。

 

「ああっ、この最高級筋肉から来る身体の柔らかさ!それでいて衝撃を感じた瞬間鋼のように硬くなる肉体!お腹は!あぁ贅肉ひとつありません!お胸は!はい、適度よりやや大きめ!ウェスト!美しいくびれです!二頭身ではありません!八頭身間近な健康体!」

 

「なんか後輩が私の身体を査定してくる・・・!」

 

「眼を!眼を見せてください!──金色に裂けた瞳孔!複雑な人類悪の紋様!間違いありません!私の、私のマスター!藤丸龍華ですーっ!」

 

せんぱーい!と胸に顔を埋めてくるいつにもましてハイテンションな後輩に、苦笑しながらも頭をポンポンと叩く。意味は解らなくとも、意味は分からないからこそ。後輩を拒絶したりはしない。

 

「なぁに?どったのマシュ?怖い夢でも見た?」

 

「先輩の、先輩の匂い・・・はっ!そうでした!私は先輩に告げなくてはならないのでした!」

 

優しく抱き寄せてくれた先輩の魅力に撃沈しかけながらも、マシュはリッカを抑え込みマウント(物理)を取りながら宣誓を告げた。リッカは寝起きネグリジェなマシュのマシュマロに夢中だった。

 

「おっ、スゴいっ」

 

「先輩!安心してください!どんなに先輩が道を踏み外そうと、いき、イキり?イキりマスターになろうとも!」

 

先輩はそんなものにはならない。そんな信頼はあれど、それではきっとなった時に自分勝手な失望を懐いてしまうから。例え、闇に呑まれそうになったとしても・・・

 

「その時は、例え先輩と敵対してでも!殴り合ってでも!私の総てを掛けて──」

 

「お、おぉっ・・・?」

 

「私が!先輩を取り戻してみせますっ!それが楽園の私、マシュ・キリエライトの意志ですっ!」

 

あの夢にて見た、先輩の成れの果て。あれはきっと、自分が先輩を諌めることが出来なかったから至った可能性でもあるのだ。もっと自分が彼の在り方を制していれば、もっともっと、自分が自己主張出来ていたならば。自分は今は弱くても、いつか必ず強くなるのだと吼える事が出来たなら。あんな未来は、回避できたのかもしれない。だから──

 

「覚悟してください、先輩!私は後輩だけではなく・・・先輩のライバルでもあるのですっ!私がいる限り、絶対に貴女を見失ったりはしませんから!」

 

ムフー、ムフーと鼻息荒く主張し、両手を抑えられている形で上からなんか言ってくる後輩。彼女は拭かれた汗の跡や声音、テンションなどから『自分がいなくなるような夢でも見たんだろうな』と納得し、同時に『マシュはそんな自分を取り戻すために夢でも戦ってたんだよね』と思考を倫理的に纏め上げ。

 

「マシュ」

 

「!はいっ先輩!アグレッシブ後輩を目の当たりにし、ぐうの音も出なくなりましたか!これは最早メインサーヴァントと共にメインヒロインの──」

 

たった一言・・・

 

「ありがとう。信じてるから」

 

彼女の意志と決意を、全肯定し受け止めた。まぁ、マシュになら・・・殺されてもいいかなと。静かに受け入れた笑みを浮かべながら。

 

「───・・・・・・」

 

勢いに任せたなすびムーヴを噛ましていたマシュ、リッカのリッカムーヴに全ての気勢を削がれ、ゼロ距離リッカスマイルを受け真っ赤になり馬乗りのまま口をパクパクしてフリーズしてしまう。

 

「──なすびの癖に私にマウント取ろうとか二万年早いっ!」

 

瞬間、ヘラクレス譲りの剛力でマシュを弾き飛ばし、うつ伏せに叩き伏せ無力化し、マシュの背中に鎮座したリッカがマシュのほっぺをむにむにと引っ張り抜く。

 

「うりうりー!イキりなすびの反抗期だとは予想してなかったぞー!頼もしくなったなすびはこのなすびかー!」

 

「せんひゃい!わたひは、わたひはほんきれふ!いつひゃっへ、わたひはせんひゃいのものれふ!」

 

「嬉しい事言ってくれるじゃないの!立派になったねマシュ!あぁ、次はケツドラムだ・・・」

 

「あっ!せんひゃい!あっ!あっ!せんひゃい──!」

 

・・・あの最悪な未来を見て、藤丸の成れの果てを見て。それでも、いや、だからこそ。

 

「だいひゅきれひゅ!せんひゃい!まひゅはずっといっしょれふよ!」

 

「私も好きー!貴女ほどやわやわなヒロインはいなァい・・・!君は最高のイキりなすびだァ!」

 

こんな触れ合いを、こんな当たり前の時間を護り抜いてみせる。かの不思議空間の事は後で告げることにして・・・

 

「◼️◼️◼️・・・」

 

【んー?オタクなにしてんのー?・・・あー、私と娘さんがイチャついてんのね】

 

「ソワカですなぁ・・・」

 

「知っているぞ。エモみが深いと言うんだな、これは」

 

その様子を、色んな人が見ていたのであった。・・・楽園の一日は、また始まっていく──

 

 

 




そうです。リヨぐだ子さんが教えてくれた事は、原作とか、二次創作とか。そんな事は大した問題ではないと言うこと。

コンラ「マシュさん!おはようございます!ランスロット卿から話を聞いてとてもとても心配でした・・・!大丈夫ですか?治癒のルーンを書き書きしましょうか?」

「大丈夫ですよ、コンちゃん!さぁ、ボイスレッスンを始めましょう!」

二次創作には、二次創作にしか無い魅力がたくさんあって・・・

リッカ「おはよー皆ー!」

将門公『善き挨拶なり。今日も健やかに在れ、ますたぁ』

あまこー「ワッフ!」

「ほわぁあぁあぁー!やっぱこれだねー!!」

原作が大好きだから、もっともっと描きたくなる!そこには沢山の『もしも』や『こうしたい』が形になって・・・

ニャル【お、FGOのガールミーツガールコンビの登場だ。おはよう、二人とも】

ナイア「今日もお元気な様で何よりです!これはもう、大安吉日と言っていいのでは?」

それらを、沢山の誰かと共有出来る!

オルガマリー「ありがとう、ありがとう。美味しくなってね、美味しくなってね。ゴルドルフ副所長の為に美味しくなって。ありがとう、ありがとう」

ゴッフ「なんか物凄く気合い入ってない?私にもコーヒーくれるって言っただけでインスタントでも良かったんだよ?」

ロマン「しっ・・・あれは生けるサムライ、ヒロシ=フジオカの珈琲の淹れ方なんだ。マリーはその淹れ方を究めているんだよ。あれをしてくれたマリーの珈琲はとても美味しいんだ・・・」

シバ「ひわわ~・・・後ろにダンディズムが見えますぅ~・・・」

そしてそれが、かけがえのない物語として形になる!

カドック「さて、今日は通信オペレーションの訓練でもするかな」

ぐっちゃん「は?私はこれからマスター訓練よ?付き合いなさいよ」

「・・・自爆しないならな」

私達の旅路が価値があるかどうか、どんなものかは。見てくださる皆が決める事・・・

リッカ「おはよー皆ー!藤丸リッカ、マシュと起床したてでやってきましたー!」

マシュ「イキりなすびマシュことキリエライト!これより楽園の過ごす1日に全力を尽くします!」

私達は、ただ走り抜けるのみなのです!その背中に、一人でも続きたいと思ってもらえるように!

ギルガメッシュ「ふふはははははは!!目覚めた様だな財ども!モーニング我の高笑いを受けられた事!光栄に思い日々を過ごすがよい!」

──皆様、どうぞ!こちらウルクのバターケーキです!

だって、私達の旅路を見て。感じてくださった心の何かは、紛れもない本物なのですから!

「はい!マシュ・キリエライト!楽園所属のシールダーとして頑張ります!」

リッカ「よーし!今日も女子力メリメリ上げるぞー!」

「亀さんよりは速くなりましょうね、先輩!」

「なすびぃ!!」

どうか皆様──

これからも紡がれ続ける物語を、どうかよろしくお願いいたします!


~小説で解るFGO・第一部、完~

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『アルトリアだらけ』

ギルガメッシュ「おのれおのれおのれおのれおのれおのれぇええ!!!」

リッカ「凄い!オールスキルマレベルMAXだらけ!」

完!!

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