マシュ「(呆然)」
オルガマリー「(愕然)」
はくのん「いらっしゃい」
はくのんに迎えられ、驚きと共に言葉を失う。結婚会場たる月へと足を運び見た其処には──
「レガリアとゴージャスの合わせ技。遥か上に続く天空エレベーターの上にある──」
突き抜ける晴天。空中へ、天空を貫くエレベーター。雲の上に浮く数多無数の島々にて作られし・・・神殿型結婚式場。総ての信仰と宗教に囚われない、究極の式場。一度足を踏み入れれば決して忘れられない・・・
「映像がこちら」
ギルガメッシュ『ようやく参じたか!遅きにすぎるが全て赦す!さぁ各員集っているぞ、エレベーターに乗るかワープするかはお好みで選ぶがいい!』
「こ、この上に式場があるのですか・・・!?」
『然り!さぁ赴くがいい、我等が手掛けし無二の式場!!生涯唯一の婚姻に相応しき──』
各数十浮遊島に分けられたブロックに、500メートルを越える大聖堂、大社、神殿、寺院、無数極まるホールなどを天空にて再現し超弩級式場──
『天空複合式場・エルサレムへとな!!来賓は集っている!立食レセプションも万全よ!式が始まるまで楽しんでおくのだな!ふふはははははははははははは──!!!』
「うぇるかむ」
ひたすらに目を白黒させるしかないリッカに、とある通知が一つ届く
「・・・マーリン?」
『私と君で、たくさん盛り上げてあげようじゃないか♪』
その言葉と共に告げられた提案に、リッカは若干血の気を引かせながら頷き、そしていよいよ式場へと向かう──
~式場天空神殿・エルサレム部
式「お、来たか。遅いぞ。罰としてまずは私の料理を食え」
アルク「リッカ~!待ってたわ!え!なんでタキシードなの~!?」
騎士王「ドレスの方が、似合うのでは?」
リッカ「い、いえその・・・生傷や古傷が堪えないカラダでして、はい・・・」
マシュ(凄いです先輩!fateのグランドヒロイン達が真っ先に向かえてくれました!)
リッカ(わ、私が並ぶには眩しすぎる!マシュ!貴女こそがこのメンバーに相応しい!後は任せた!)
「せ、先輩!?先輩ー!?」
アルク「あ!なんで逃げるの!?待ってー!?」
式「・・・難しい年頃なんだな」
騎士王「後でドレスを着させましょう(確信)」
マシュ「す、すみません!ですがこのマシュ・キリエライトが推薦するナンバーワンマスターは、リッカ先輩ただ一人なので──!」
「それでは、多種多様なレセプションに興じる皆様。本日最高のメインイベントを開催致しましょう。どうぞ、心から祝福し、そして厳粛なる心持ちでお願いいたします。今回司祭を勤めさせていただく、ナイアにございます。どうぞよろしくお願いいたします」
天空式場・エルサレム。数多のブロックに分けられた超絶巨大式場にて行われしレセプションの最中、いよいよ開幕が告げられる。一生に一度たる、最高の婚姻の儀。誓いを交わすフッパ(天幕)ブロックにて、司祭の服を着用し肌の色をやや調整したナイアがアナウンスにて開幕を告げる。モニターにて共有される始まりに、今一歓声が起きた後に荘厳な静寂が満ちる。
(ナイちゃん肌の色も弄れるんだ!ちょっと濃ゆい!)
(本当に全世界で活動できる様な技術持ちなのね・・・)
リッカとオルガマリーが驚愕するなか、いよいよ主役が登場する旨が告げられる。それは遥か神代の訣別から気の遠くなる時間の果てに再会した、二人の入場。
「皆様、万雷の拍手でお迎えください。──新郎新婦の、入場でございます!」
琴を鳴らし、二人をエスコートするはダビデ。その後ろに手を繋ぎながら現れし新郎服のロマン、そして褐色に映える白きウェディングドレスに身を包んだシバの女王が現れた時、天空も裂けんばかりの大歓声と拍手が祝福と共に降り注いだ。ダビデが提げている鞄には、聖杯が収められている。二人は偉大なるダビデ王の琴の音に導かれ、確かな足取りで虹の軌跡を踏み締め歩む。
「おめでとう!ドクター!おめでとう!シバにゃん!」
「待ってましたよこの時を!おめでとうございます!!」
「ありがとう・・・二人にたくさんのありがとう・・・!」
莫大な祝福を受け取りながら歩み、遂に天幕へと辿り付いたロマン、シバ、ダビデ。するとダビデの琴のメロディーが変化する。それは、今までの旅路の『色彩』を音にしたような優しく、儚く、そして美しき曲。それらが天空式場へと響き渡り、そしてラバイたるナイアが祝福の祈りたる言葉を、メロディーに合わせ詩のように紡ぐ。
「──祈りの空より来たりて。切なる願いを胸に。我等は明日への道を拓く」
それはかの邪神が娘に教えた祝福の言葉。かつて苦渋を飲まされた無垢なる刃が告げた、祈りの言葉の本当の意味。多種多様な存在がいる楽園にて、儀式に則りながらも個性を出すのは忘れない。
「あやつ・・・邪神め。既に教えておったか」
「いいじゃねぇか。めでたい日に野暮はいいっこなしだ」
そして、もう一つの祝福の言葉を告げる。それは彼の、彼等の旅路が世界を救うために導き出した、至尊の祈り。
「──至尊を謳う。縁は出逢い、紡がれ、歴史を織り上げ死を越える」
「これは・・・!」
マシュが声を上げる。忘れるはずもない、ゲーティアに、総ての結末を完全無欠に変えるため、満を持して降臨した英雄姫が冠位と共に獣への手向けとした祝辞。比類なき、尊重と遥かなる愉悦の願い。
「人生とは、世界に生まれ。死と断絶を越え、愛と希望を懐き。──尊き生命を、謳う旅なり」
その肯定と希望に満ちた言葉に、ロマンは涙が溢れるのをグッと堪え、シバの手を握る。本当なら、自分があそこでゲーティアの全能を自壊させるために取らなければならなかった選択を、かの姫が全能を投げ捨ててでも変えてくれた。比類なき座も、並ぶもののない究極の頂点すらも自分には不要と。奪うのではなく、彼等の答えに確かなる意味があったのだと告げる星の輝きと共に捧げた、総てを尊重する姫の辿り着いた答え
《これ以上なき祝辞よな、エア。この叙事詩の祝詞に相応しき答えよ》
──ゲーティアに告げた答えが、巡り巡ってソロモン王に辿り着いた。畏れ多くもありますが、胸を張って告げましょう。
これこそが、ワタシの得た答えだと。そして、あなたたちを祝福するために告げられた事への限りない感謝と共に。王と姫は厳粛に祝福を受け止める。やがて祝福のメロディーが終わり、新郎新婦・・・そして成人男性十人への酒の回しのみが始まる。ワインではない、王秘蔵の天空神の美酒である。
「それでは、歓びを分かち合う美酒の共有を」
英雄王ギルガメッシュから騎士王アーサーへと始まり、太陽王オジマンティアス、征服王イスカンダル、神祖ロムルス、ヘラクレス、モーセ、将門公、クー・フーリン、カルナ・・・それぞれに酒が回し飲みされ、儀式が行われる。
(豪華面子過ぎてクラクラするな・・・こんな豪華な式、歴史にないだろ・・・)
(負けていられないわカドック。あなたがやるときは惑星婚よ)
(アキレウスが悔しがっていたな。じゃんけんで負けたと)
そして総てが終わりし時、いよいよ以て新郎新婦への誓いの義へと移る。誓いの言葉は自由であり、これらも皆で考えた楽園だけの誓いの言葉である。
「新郎、ロマニ・アーキマン。貴方は辛いときも、苦しいときも哀しいときも逃げず、目を背けず、精一杯頑張って困難に挑み、伴侶たるシバと共に。瞬きのような人生を手を取り合って駆け抜ける事を誓いますか?」
「はい!誓います!」
「新婦、シバ。貴女は程ほどに浪費や無駄遣いを赦し、必要経費に目をつぶり、家族の財布を護りつつも守銭奴にならず。充実した生を送ることを誓いますか?」
「誓います。女王ではなく、一人の女として。ロマン様を支えますわ」
誓いは交わされ、厳粛な雰囲気なままに結婚誓約書が渡される。其処には、離婚した場合の分配額もかかれているが、『たわけ!縁起でもないわ!』と書き込みが記されている。ゴージャス権限で消されたのだ。
「それでは、指輪の交換を」
そうして、ダ・ヴィンチの手により指輪が運ばれてくる。それらは彼が手ずから作り上げ設計した、エルサレム神殿を模した刻印とディテールが刻まれている。そして、所長としてダ・ヴィンチの傍に付き添ったオルガマリーが、向かい合った新郎新婦のブーケをそっと受け取る。
(・・・うっ、ぐすっ・・・良かった。本当に良かったです・・・)
(マシュ?まだ泣かないの。婚約者に相応しいエンディングはまだこれからだよ)
総ての参加者が見守る中、ロマンが指輪を受け取り、イスラエル式に則り新婦の人差し指に指輪がはめられ、そっとシバの薬指に転移する。粒子になり移動する優れものだ。
「おめでとう、ロマニ・アーキマン。幸せになるんだぜ?」
「ありがとう、レオナルド。君がいてくれてどれだけ助かったか解らないよ」
そして、新婦が新郎に指輪を同じように指輪をはめ──最後の義へと移る。
「それでは、聖杯にシバの女王の受肉の誓願を」
浮かび上がる聖杯。世界の仮初めの顧客ではなく、確かな一個の生命として根を下ろす為の願いを聖杯に汲み取らせるのだ。本当の意味での転生、この瞬間の為に、シバは魔力で編んだ服ではなく本当のウェディングドレスを着ているのだ。
(ロマンチックな聖杯の使い方ですね。奪う気にはなりません)
(貴様なら誰かと結婚すれば聖杯を貰えるなどと言い出すかと思ったが・・・)
(ははは、女性の尊厳を踏みにじった世界に救いを宣う価値はありませんよ)
「──聖杯よ。私は願います。この世への誕生、生命としての受肉を。愛する彼を、支える為に」
聖杯が願いを受け取り、輝きがフッパに満ちる。シバは魔力の塊ではなく、本当の血肉を持った生命へと変わる。今こそ本当の意味で──
「・・・ロマン様。本当に、この瞬間を御待ちしておりました──」
「シバ・・・!」
最早エーテルではない、肉体を持った生命として新生したシバに感極まるロマン。同時に、聖杯がガラスのグラスとなり、ロマンの手に移る。
「さぁユダヤ式のフィニッシュと行こうか息子よ。その聖杯グラス、思いっきり踏み割るといい!」
「よ、よーし・・・!見ていてくれシバ、皆!やるぞー・・・!」
ロマンの足許にそっとグラスを置き・・・
「・・・えぇいっ!!」
渾身の力で踏み抜く──!・・・が。
「あれっ!?割れない!?」
「しっかりしなよ息子。ほら二回、三回!」
「こ、ここまで来てしくじれるもんかぁ!」
二回、三回・・・五回くらい踏んだところでようやく割れる聖杯グラス。同時に、儀式の総てが完了した事を──
「それでは二人、誓いのキスを──」
「・・・ロマン様」
「シバ・・・──」
二人の誓いのキスにて、華やかに告げられる。今一度、凄まじい迄の大歓声が拍手と共に降り注ぎ。天空の式場へと響き渡った──
マシュ「おめでとうございます!おめでとうございます!!二人とも!本当に──!」
ムニエル「クソァ・・・」
「ムニエルが死んだ!」
「いつもの事だ!」
ナイア『皆様、厳粛な式への協力ありがとうございました。これより披露宴となります。ゴージャスプロデュースのもと、この世総ての悦楽を存分に・・・おや?』
マシュ「あ、あれ?先輩?先輩は何処に?」
マーリン『やぁ突然のマーリンだよ!そして皆!本当におめでとう、幸せな気持ちで胸焼けしたのははじめてだ!いやぁめでたいなぁ!』
フォウ(なにっ!?グランドクズ!?)
『本当にめでたい、めでたいからこそ私も何かをしてあげたくなってね。儀式は終わった様だし、王の許可も取っていってみよう!』
ロマン「なんだい!?何をする気なんだ君は!?」
『君が一番よくわかってるだろう?さぁ、お出座しだ──!』
ファブニール『ワイバァアァアァアァアァン!!』
ケツァル・コアトル『ワイバーーーーーン!!!!!』
ニーズヘグ『ワイバーン!!(迫真)』
ヤマタノオロチ『ワイバーン!!!×8』
エキドナ『ワイバーン・・・?ワイバーーーン!!』
ミラボレアス『ジャリュ、ワイバァアン!!』
ゴルドルフ「なんか白いドラゴンがやってきたんだけど!?ネクタイしてリボンつけてる!可愛いアピールなのかね!?」
ギルガメッシュ「ふふはははははははははははは!!!ロマニ・アーキマンといえばやはりこれしかあるまい!そう、鉄板ネタとして伝わるアレだ!!」
リッカ「みんな~~~~!!!」
オルガマリー「リッカ・・・!ミラボレアスの頭にいつの間に・・・!」
「これ、叩けば叩くほど元気になるようになってるから!思いっきりやってねー!!」
マーリン『厳粛な式は終わり、これからは賑やかな披露宴パーティーと行こう。言葉は勿論解るよね?』
オルガマリー「あぁ・・・(察し)」
ムニエル「言うしか無さそうですよね、所長・・・」
「・・・行くわよ、皆!」
『英霊の皆は存分に暴れてほしい!さぁ行こう、せーの!!』
『『『『『『話の途中だが、ワイバーンだ!!!!』』』』』』
ロマン「別にそれ、僕の代名詞でもないからね──!?」
ギルガメッシュ「ふふはははははははははははは!!さぁ謳え!!厳粛さだけではない愉悦に満ちた顛末を思い知れ──!!!」
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