> 突然のリクエスト消化だ! <
 ̄YYYYYYYYYYYYYYYY ̄
というわけで、募集したリクエストを消化するお時間とさせていただきます。酒に酔ったキャラクター達の世迷い言、といった体でお楽しみください。
数個消化したところで、いつもの本筋へと戻りますのでどうぞご安心を、それではどうぞ!
(本編では酒に酔ったりご飯食べたりワイバーンと戯れたりしています)
エフチューバー・ヘラクレス編~
「はい、皆さんこんにちは。試練踏破系エフチューバー、ヘラクレスです。皆、ギリシャの神々にはあんまり近寄らない事を御兄さんと約束してほしい」
毎週日曜日に、最大手動画投稿サイトにて活動しているエフチューバー、ヘラクレスが投稿している『ヘラクレスの、週一に増えていく栄光チャンネル』。一週間毎に視聴者の皆様からリクエストされた魔獣、怪物、果ては神と戦い踏破するというヘラクレスの設立したチャンネルは、登録者数100万人を突破した大人気コーナーである。ヘラクレスとイアソンの二人で、愉快に楽しく神話の生き物たちと触れ合う(死闘)心暖まるチャンネルでもあるともっぱらの噂であり、投稿した記念すべき初再生リスト『ヘラクレスが行く!十二の試練編』は合計一億再生を突破した。世界中、全宇宙で愛されるチャンネルなのである。しかしヘラクレスのこだわりとして、ギリシャの神々をフォローはしないという媚びない姿が喝采を呼んでいる。
「はい、今日も早速行ってみましょう。こんなに沢山の御便りを戴いております。早速選んでいきましょう。毎週一回でごめんなさいね、ほら、不死身のストックが回復するまで待たないと・・・あ、今日の挑戦するお題はこちら」
デン、とテロップを飛び出させペリッと剥がす。其処に書かれていたのは・・・
「はい、というわけで今回は『フェンリル』。やっつけていきたいと思います。ちょっと北欧にいるね、大きくなりすぎたワンちゃん・・・狼?ワンちゃんかな。はい、リクエストをいただいたのでね。脚をね、伸ばして行こうと思います」
北欧神話、フェンリル。ロキの息子であり、上顎が天空に、下顎が大地に付く程の巨大な狼である。彼は不可能素材(猫の足音)などを使った縄、グレイプニルを使い封印されており、神々の黄昏ラグナロクにて蘇り、太陽を呑み込み主神を殺す神話の生き物である。
『ヘラクレスがフェンリルを倒すところを見たいです!』というリクエスト。全神話の中からランダムに選ばれるので、ヘラクレスは前もって知識と下準備を終えている。約一週間の期間である。
「んー、これは強そうですね。オーディンも手を焼く相手・・・十二の試練でも中々無いくらいかな(笑)でもまぁ、自慢じゃないですが私ほど無茶ぶりに耐性があるのも中々いないんじゃないでしょうか。それでは現場のラグナロク真っ只中に突撃した勇気しかないイアソン君に中継を繋いでみます。イアソン君~?」
そして中継に繋がる。イアソン君、それは『ヘラクレスにできるなら俺も出来るに決まっているだろう!』と言って現場に突撃取材を試みる体当たり系エフチューバー。ヘラクレスの相棒である。彼は今・・・
~
「うぉおぉおぉお世界が!世界が終わる!!もうダメだ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬいきるダメだ死ぬぅうぅう!!」
『現場のイアソン君ー。そちらの状況はどうかな?フェンリルいた?』
「いままさに!今まさに俺の前でフェンリルがオーディンを喰らったぞ!!次は私だ!死ぬ!死ぬぞこれは死ぬぅ!!ちくしょうヘラクレス!なんでついてこなかったんだ!!」
『いやお前が先行したんじゃん(怒)』
「いやダメだ今回ばかりは本当にダメだ!いいか!光景が見えない!フェンリルが口を広げたら景色が見えない!上顎が!上顎が攻めてくるぅう!!!ヘラクレス!!助けろぉおぉ!!」
中継がダウンする。どうやらラグナロクの現場にて機材が壊れてしまったようだ。ヘラクレスは立ち上がり、いそいそとフル武装を行う。
「はい、いつもの事ですがイアソン君が大ピンチです。本当にいつもの事なんでね、皆様も安心感を感じてくれているのかも知れないんでね。じゃあ行きましょう。神々の黄昏・・・ギリシャの神々に起きて皆滅びねーかな」
あ、今のはオフレコでお願いしますね。そうやって自分の武装を紹介した後に、よっこいせと立ち上がりアルゴー号へと乗り込むヘラクレス。
「じゃあ今日の試練に挑みましょう。皆様、どうぞ大スペクタクルを見逃さないでくださいね。今からスッゴく身体張りますんでね。よろしくお願いいたします」
ぎーこぎーことオールを使い、北欧に向けて出発するヘラクレス。時代は、北欧で絶賛終末中の黄昏へ───
~
_人人人人人人人人人人人人人人人人_
> 大英雄移動中 <
 ̄YYYYYYYYYYYYYYYY ̄
~
【アォオォオォオォオォオォオォオ!!!!】
「吠えてますねー。鈍色の空に血塗れの大地。現在進行形で消えていく神性。北欧神話は最終的に神すらも滅びてしまうのが無情なところです。なんと潔い。ヘラ辺りは見習ってほしいですね。あちらにて吠えてるのがフェンリル・・・あ、今太陽を呑み込みました。見えますか?見えてますか視聴者様。これが一つの世界の終焉です」
カメラを回し、実況を続けるヘラクレス。フェンリルの姿は最早口の中の深淵しか見えず、咆哮が天の雷を数億束ねたような戦慄の怒号をあげている。そして・・・
「上顎が迫っていますね。どうやら世界の全てを飲み込もうとしているようです。このままではイアソン君が死んでしまいます。大丈夫でしょうか、イアソン君にコンタクトを取ってみます」
「うわぁあぁあぁもうだめだぁあぁあぁ!!」
頭を抱えてうずくまるイアソンに、ズンガズンガと歩んでいくヘラクレス。天そのものが迫り来る程の迫力にてやってくるフェンリルの上顎を見上げ・・・
「────ふんっ!!!」
両手を上げ、がっしりと受け止めるヘラクレス。そう、このエフチューバー、北欧の武闘派神々にも全く退けを取らないくらいに戦い慣れしているので、これくらい可愛いワンちゃんなようなものである。そもそも巨人族の戦いに駆り出されたり、世界を支える巨人と会ったりしているので耐性もある。問題ないのである。
「お、おぉヘラクレス!来てくれたんだなヘラクレス!」
「イアソン君、よく頑張った。後は任せろ」
「いや任せろって、どうやって──」
そこからのヘラクレスの行動は速かった。全身の筋肉に力を込め、上顎を支える両手の筋力を爆発させ・・・
「───ふんっ!!!」
上顎を、跳ね返す形で跳ね上げる。ヘラクレス的には、どれだけ巨大であろうとも、噛み砕くには顎を閉じなければならないので、瞬間に受け止めればよいという理屈であり
「そぉい!!」
がら空きの口から、心臓目掛けてたっぷりと塗られたヒュドラ毒の弓矢を放つ。口の中から致死毒を放り込まれたフェンリルは、大地を揺るがすような苦悶にのたうち回る中、ヘラクレスはささっとイアソンを回収し素早くアルゴー号へと離脱する。
「はい、皆様も覚えておきましょう。『巨大な存在には、必ず弱者を見下す為に付け入る隙がある』。皆様も巨人や巨大な狼に挑む際には、勇気を奮い立たせて挑みましょう。今日はこの辺で。好評価、チャンネル登録、お邪魔じゃなければベルマーク通知登録をお願いします。ほら、イアソンもなんか言え」
「ちくしょう!もう試練なんて懲り懲りだーー!!!」
「はい、試練踏破系エフチューバー、ヘラクレス・イアソンコンビでした。皆、ギリシャの神々はヘスティアとハデスしか信じちゃダメだぞ?」
ぎーこ、ぎーことアルゴー号を漕ぎ、北欧から離脱するヘラクレス、そしてイアソン。来週のヘラクレスは、どんな試練に挑むのだろうか。
──ヘラクレスの栄光を彩るのは、モニターの前のあなたである。──
おまけ動画
『ヨルムンガンドと戯れてみた』
ヘラクレス「世界と同じくらいの全長を持つヨルムンガンド。怖いですね、恐ろしいですね」
対抗策は?
「絞め殺しましょう。蛇はね、必ず噛む為に頭をもたげてきますからね。そこを・・・むんっ!!!」
ヨルムンガンド【!!!??】
「ぬんっ!!ふんっ!!このように!脇に抱え込むように!!そう!手を緩めず!!暴れまわるのにもめげず!肉体を信じろ!!」
~6時間の後、無事に締め落とした模様~
おまけその2
【世界全てを焼き付くそうと暴走した巨人を打ち倒した】
「オォオ ーーー !!!」
ヘラクレス「皆様、日本の剣技を知っていますか?真剣白羽取り。両腕で、剣を受け止める神業。かの燃え盛る剣を・・・こうっ!!」
「!!?」
「そして!!この様に没収し投げつける!!」
「ガハッ───」
「ね?簡単でしょう?はい、こうして巨人は倒す、でした。イアソン?」
(脱水症状で瀕死)
「・・・それでは、また来週」
どのキャラのイラストを見たい?
-
コンラ
-
桃太郎(髀)
-
温羅(異聞帯)
-
坂上田村麻呂
-
オーディン
-
アマノザコ
-
ビリィ・ヘリント
-
ルゥ・アンセス
-
アイリーン・アドラー
-
崇徳上皇(和御魂)
-
平将門公
-
シモ・ヘイヘ
-
ロジェロ
-
パパポポ
-
リリス(汎人類史)