人理を照らす、開闢の星

もしも楽園職員の一日に密着したら

ムニエル「どうも、楽園のアヴェンジャー・パラノイアことムニエルです。本日はよろしくお願いいたします」

職員から見たカルデア、ということで密着させていただく形となります。

「まぁ、ね。僕ほど濃い職員はいないと自負していますしね(笑)望むところ、ドンとこい！といった感じでいかせてもらいますよ！」

ロマンとシバにゃんの結婚については？

「もうね、遅い！の一言です。僕はね、ずっと待ってたんですよ。誤解されがちなんですけど、僕は祝福したい人間なんです。結ばれた人の幸せそうな顔を見るのが好きなんです。ロマンとシバにゃんの幸せそうな顔を･･･最高でしたね」

度々仰有れる、クソァという掛け声について

「あれはね、僕も人間なのでね。幸せそうな顔を見るのは同時に、僕には縁がないからなぁ、と理解してしまう瞬間であって･･･」

モテなかったと

「皆ラグビー部に持ってかれてましたよ！！クソァ！！」

良縁を祈っております。

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「職員にとって、栄光や栄誉は富や名声ではない。『楽園に貢献できる』という事実そのものですよ」

楽園カルデア･･･御機嫌王が手掛けた世界を救う為に天文台をゴージャス改装し尽くした地上最南端のエデン、ユートピア、シャングリ・ラ。どれを名称としても当てはまりし王の玉座。数多の英雄、マスターが集いしその究極の地には、この世の全てが揃っている。

「えぇ、働くことは苦ではないですね。どちらかといえば本当に恐ろしいのは、『明日を自分の手で掴めなくなる』と言うことでしょうか」

数多の施設、数多の要望を全て叶えてきた王、とは言えど王のみで楽園を運用している訳ではない。そこには数多の人員があり、顔を付き合わせ力を合わせている『職員』がいるのだ。上の二つは楽園名物、不幸への復讐者、コードネーム『パラノイア』こと、ジングル・アベル・ムニエルである。

「働け、なんて言われる必要は無いんですよ。適切な環境、適切な重用、適切な報酬があれば、人は『勝手に』働くんです。自らの意識で上を目指す。そう･･･シンギュラリティ。技術的特異点は、人にも起こりうる。それを、楽園職員全員知っています。意識して働いている。誰に言われるでなく、自分の意思で」

かつては不安に満ちていた労働も、今では赦されるなら総ての休日を返上して働きたい。離職率転職率Zero%の楽園職員の一日に、今日は密着していきたいと思う。

「カリスマ？この人の下でなら一生を捧げられる。戦国武将についていくバンザイ・スピリットの意味が解りますね。楽園っていうのは、そういう所です(笑)」

それでは、ジングル・アベル・ムニエル･･･楽園のアヴェンジャー・パラノイアにカメラを回して行こう･･･

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「まず職員はね、顔を合わせて８時から９時まで朝食を取ります。やっぱり横の繋がりは円滑に、スムーズな人間関係が大事ですから。」

本格的な職務は９時半から、その為ムニエルは６時に起床する。１１時の就寝からリズムを崩さぬアラームにて、僅か五分で支度を完了させる。すると通信端末に今日一日の就業スケジュールが送られてくるので確認し、まずは管制室へと向かう。

「おはようございます。これを言うことでね、始まった、って気がしますね。一日がね」

所長、オルガマリー・アニムスフィアに挨拶を行い、食堂へとムニエルは向かう。モーニングメニューは職員一人一人の体調を医療班が確認して作り上げた専用メニュー。それを職員達の席にて顔を合わせながらいただく。

「食事中に仕事の話はしませんね。ただ目の前の食事に集中する。他愛の無い世間話や、ゆるいトーク。カルデア芸術部の奏でる演奏をバックミュージックにして食べる朝御飯は最高です」

そして全員で食べ終わった後は速やかに職員訓練室に集合する。其処にはシミュレーションで設定された一人一人の為に王と姫が組み上げたメニューがあり、それらをこなすのが職員達の一日の仕事である。

「自信があるやつは長所を伸ばす、苦手なところがあるなら克服する。今日はこれをやりたいなぁ、と思った事が寸分違わず用意されている。それが嬉しいんですよね。『あぁ、個人として見てもらえてるんだ』って」

フィジカル強化ならばウルクを再現した環境にてトレーニング、メンタルを育てたいならば日本の和室や寺にて瞑想、あるいは禅。チームワークを鍛えたいならばレクリエーションとしてサバイバルゲームまたは運動会。それぞれに適したレベルと環境がスイと御出しされるためやりがいに満ちているのだとムニエルは語る。

「そこで重要なのが、『ランキング』というのは無いんですよ。あるのは昨日の自分のステータスノルマ。僕は思うんです、これは王からのメッセージだって」

『他者と比べた成果など気休めにもならん。貴様らが越えるのは、いつであろうと昨日の貴様の限界よ』。そう、一日前の自分よりノルマを伸ばす。それが僅かでもいい、一日を無為に過ごさない。職員達が懸命に挑む理由は、此処にあるのだという。

「楽をしようと思えばいくらでも出来るんです。誤魔化そうと思えばいくらでも記録は誤魔化せるし、サボれる。でも僕は、楽園になってからそれをしたヤツは見たこと無いですね。だって此処までしてくださるトップには、報いたくなるのが人道ってやつなんじゃないでしょうか」

期待があり、自分が強くなる道が示されている。比べるな、見違えた自分になれ。それこそが、職員が果敢にトレーニングに挑む理由なのだとムニエルは分析する。

「楽園全員で行う業務っていうのは、午前中で終わります。朝タイムカード切って、昼にタイムカード切って退社、みたいな感じですかね。昼からは自由時間なんですよ、楽園は」

成果を提出した後は、自由な時間だという。昼を食べたら遊ぶもよし、自主トレもよし、寝るもよし、コミュニケーション取るもよし。職員達の自由にしていいといった取り決めがある。

「この『自由』っていうのが大切なんです。誰も『やれ』なんて言われてやる気になるような人はいない筈。何をするにしても『やらされるか』『自分でやるか』という意識の違いで効率は凄く変わる。上手いなぁ、と唸らされましたね」

遊ぶにしろ、更なる課題に挑むにしろ、そこには自分の意志と決断を伴わせる。自らの意志を尊重させ、傀儡や指示待ち人間を作らない。己の判断力と決断力は常に問われており、財たる自覚を育てているのだとムニエルは分析する。

「遊ぶことを選んだヤツは思い切り遊びます。それが自分の決断だから。自主トレを選んだヤツは必ず苦手を克服してきます。それが自分の決断だから。上下関係や圧力、指示の無い時にどう過ごすか。どういった成果を残すか。王に僕達は常に査定されているんだと思いますね」

そして夕方頃になれば食堂に全員が集まり食事を取る。やや早い集会の理由は、やはり職員達の連帯感を高める為だという。

「報告し合うんですよ。今日は何があった、何が起きた。これはこうだったから明日はこうしよう。そしてレポートに纏めて、所長に提出する。やっぱり文面に書いて残すのは効きますね。所感は曖昧ですから。そして主観に偏った物言いをしない。大事です」

今日の訓練はどうだったか、今日はどんな事をして明日はどうしたいか。些細な事でも伝わればなにかが生まれる。得意な者が苦手な者を助ける、更に発展した事に挑む。体調不良ならば即座にフォローする。職員達の繋がりは、日々強固になっていく。

「夜の食堂でご飯食べて、大銭湯やスパ、健康ランド複合施設で汗を流したら、夜は大抵一人の時間ですね。プライベートも遵守してもらえて、至れり尽くせりですよ」

消灯時間の22時50分までは部屋で悠々自適の時間だという。端末で連絡を取り合うもよし、ゲームするもよし、早く寝るも勿論良し。そして･･･

「夜に届くんですよ。所長、王様の所感と評価。そして姫様のお手製スタンプがポンと押されたカードが。似顔絵までデフォルメで描いてくださってて･･･」

今日は奮闘したな、そして改善点は此処に纏めておいた。明日は重点的にやってみせるがいい。いつもありがとう、よくできました･･･

「人間、やっぱり誉められると嬉しいんですよ。今日は頑張ったね、なんて子供かなんて思うかもしれません。でも、大人になればなるほど『出来て当たり前』なんて認識になるじゃないですか。でも此処では『働いて当たり前』という意志はない。『今日もありがとう、明日も頑張ろうね』って毎日言ってくれるんです。泣いちゃいましたよ、こんなに大切にしてもらっていいのかなって。個人的には、夜に届くこれが一日を頑張り抜く秘訣です(笑)」

ムニエルは貰った評価やスタンプカードを大切にしまっているという。そして、明日の自分を、今日より立派になった自分を見てもらいたい。そうした想いの下、ベッドに入るのだ。

「働けてよかったな、明日も頑張りたいな。そんな子供の頃の純粋な感情を評価し尊重してもらえる。楽園はそんな職場です。給料は振り込まれていますが、僕としては終身雇用通知の方が嬉しいかもしれません(笑)働くことが喜び、働けることを報酬に出来る。そんな職場ですよ、楽園という場所は」

そう語るムニエルの顔は晴れ晴れとしていた。出来るなら、楽園に死ぬまで貢献したいと告げる彼の瞳は、社会に必要な自立と責任感に溢れていたという。彼に礼を告げ、インタビューは幕を閉じた──

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おまけ

ムニエル「やっぱりね、美女が多い！男としてこれは外せませんよ！楽園シークレットキャラのギルガシャナ姫、ネフェルタリ氏、真祖アルクェイド氏、式ちゃん氏、マリー氏を筆頭にね！所長も可愛い、リッカも可愛い、マシュも可愛いシバにゃんも可愛い！最高かと！」

ﾎﾜｧｱｧｱｧ！

ﾜﾀｼﾊｰ？

「サーヴァントの皆もまぁ可愛い！私の推しのコンラくんちゃん、デオンくんちゃん、アストルフォきゅん！えぇ、まず何から語っていきたいかと言いますと、やはり両性のアンバランスさの魅力や、子供ならではの感情表現のストレートさをこそ──」

(以下20000文字におけるインタビューになった為割愛)