マルドゥーク『hello(●’∇’)♪』
「わぁあ・・・!✨」
『(о´∀`о)』
「わぁあ・・・!!✨」
『( ´∀` )b』
「ふわぁあ・・・!✨✨✨」
シドゥリ『・・・マルドゥーク様の神体に頬擦りするあの少年は一体・・・』
エレシュキガル『御兄様、嬉しそうなのだわ・・・神体に触られて怒りもしないとか、神としての格とスケールが違い過ぎるのだわ・・・』
ティアマト『私の息子ですので・・・ですので・・・✨』
シドゥリ(・・・どうやら、姫を迎え上機嫌なのは、王だけでは無かったようですね✨)
『マシュ、リッカはそこにいるわね?よろしい、当たり前だけれどレイシフトは成功ね、良かった』
『ドクターのお陰で、レイシフトの完遂率は万全なんだ。気にする方が無駄だろう。二人とも、傍にいるな』
マシュが先んじてレイシフトしていた地点にて、リッカが跳躍した事を確認する。自衛隊もかくやといった起床、そして覚醒をささっとこなし、素早く辺りを確認する。
「先輩、ここは北米の森林!航空機と人工衛星が確認されない19世紀以前の環境と考えられます!あるいは似たように構成された特異点の形取った世界かと!監視の目のない森に、先輩と二人!何も起きない筈もなく!」
「具体的には?」
「えっ!?えっと、その・・・キャンプ地点設営といった事柄が!」
そんなちょっと押されたらすぐしおしおになるマシュを瞬時に鎮圧し、リッカは辺りを見渡す。目の前に広がるのは高き木々、生い茂る緑、そして・・・
「──なんかいるね」
『数は9体くらいですね。多分全員リッカさんの敵です。戦闘準備をお勧めします』
『観測より早いとかなんなんだい!?相変わらず悪意探知と直感の精度怖いなぁ!?』
リッカは誠意や善意にはクソザコスペランカートカゲではあるが、悪に対してはそれらを喰らい総括するアジ・ダハーカである。敵意などを見落とす筈もない。同時にマスター・アルトリアの直感の精度は一種の未来予知と言っていいものだ。森に潜む程度の隠蔽などたちどころに見破るのである。
「「「「「ウグルルルルゥア・・・!!」」」」」
「敵エネミー発見!ウェアウルフ・・・でしょうか!」
『あー、ソレたしか精霊に憑りつかれた人間のなれの果てよ。えーとなんだったかしら・・・』
『ウェンディゴ。旅人や部族に憑依し狂わせる精霊、つまりそこにいる者達はもう人間ではないものということね』
『それよオルガマリー!』
ぐっちゃんの儚げでおぼろげな記憶視野に所長がフォローを加え、全員がデータを見つけリッカのタブレットに情報を送る。情報収集、空間把握においても。今のカルデアに抜かりはないのだ。
『早速出番が来たみたいだな。リッカ、解っていると思うが君は特異点攻略の要、君には特異点を産み出した相手、つまりボスとの対戦が待っているんだ』
「ほい」
『だから、そういった雑魚にいちいちか煩っているのは良くない。何でもかんでも君が背負う必要はもうない。大舞台へ上がる前の些事は僕達に任せろ』
そういって、ギルガメタブレットにマスター一覧の項目が浮かび上がる。選択する箇所はマスターに、そのマスターと契約せしサーヴァントだ。
『試しに僕の項目を押してみてくれ。アタランテが君の前の敵を倒し、僕の魔術、五感強化が君に付与される』
「ホント!?マシュ!アタランテと協力して撃破!」
言われるままに画面をタッチし、するとカドックの契約サーヴァント、アタランテが即座に現れ戦闘体勢に入る。当然の事ながら、リッカには何の消費もデメリットも影響することはない。完全なるノーコストのサーヴァント召喚、そして自身の強化が両立されたのだ。
『こうすれば君以外に狙われる脆いマスターはいない。アサシンが相手でも問題ないはずだ。頼む、マシュと協力して突破だアタランテ!』
「了解した。リッカ、何か優先指示があれば都度伝えろ。そちらを優先するように言われている」
「解った!じゃあマシュ、追い払おう!」
「お任せください!マシュっと撃退します!」
リッカが弓を構え、マシュがアタランテをカバーし、アタランテがバーサーカーとしての勇猛を発揮しウェンディゴを叩き潰していく。爪が重なれば相手の指ごと引き裂き、腕が伸ばされれば腕力で握りつぶす。マシュはその円卓にて骨格を軋ませる強く重い打撃をブチ込み、リッカはアルテミスの祝福を受けた弓矢を、母の武にて撃ち放ち肩口などといった急所を外し放っていく。
『傷付いたら私が癒すわ、安心して?』
『クリティカルや、魔力放出を狙いたいなら私にどうぞ。直感やブーストが唸ります』
「子供達を怖がらせる存在、生かしてはおかんッ・・・崇高なるアタランテ精神を魅せてやるぞッ!」
マスター達の援護、絶えずリジェネが受けられる環境。マスター狙いを心配することなきノーリスクかつ自分の指示を介さぬフレンドサーヴァント。その存在にて冷静に援護か、攻撃かが自在に選択できそして自由自在に戦闘を支配できる感覚に、リッカはとてつもない高揚を覚える。
(凄い、一人で戦ってる時より何倍も戦いやすい!)
龍の鎧すらも温存できるレベルの省エネ戦闘。戦闘でありながら余裕と安心を以て挑める効率と進展。これがカルデアが本来想定していた人理修復の形。全員が成すべき事を成すが故に生まれる万全かつ磐石の試合運び。
これならば、戦術は自由自在だろう。マシュを後方に配置しサポートキャスター達を守護させ、バフを自分とカドック達のサーヴァントに与えさせ突撃する事も、逆に今のように攻めを任せガンドや弓矢で援護も自由自在だ。『全てをやらなくてはいけない』タイミングはとうに終わり、『何を、どんな戦法も取れる』といった比類なきアドバンテージを欲しいままに出来るのだ。
「アタランテ!」
『!どうやらリッカは追い払う為に吠えるみたいだ、合わせてくれ!』
「解った。マシュ、耳を塞げ!」
「っ!」
指示と共に素早く耳を塞ぎ、盾を突き刺し壁にして身体を隠す。同時にリッカが息を吸い込み、サブマスター達が喉に強化と治癒魔術を付与し・・・
「「────ガァアァアァアァアァッ!!!!!」」
「「「「「──!!」」」」」
心胆を砕き、魂の緒を断ち切る龍と狩人の絶叫。聴けば畏怖にて膝を折るが必定の叫びが、ウェンディゴ達の本能に有らん限りの警鐘を掻き鳴らす。獅子など及びもつかぬ恐ろしき咆哮の前に、完全に意志を砕かれぬいたウェンディゴが散り散りに逃げ去っていく。──人から変じた精霊憑きは、やがて全てが消え失せた。
「ふうっ・・・根性無しの弱者どもめ。逃げるのならば初めから無謀を犯すなと言うのだ」
「あっ、んんっ!うわ、喉全然痛くない!」
『えぇ、カドックの考案した戦法・・・想像以上に上手くやれそうね』
オルガマリーが嬉しげに珈琲に砂糖をチャポンと入れ、優雅に飲み干す。そんな中、カドックは胸を撫で下ろしていた。なんとか、自分の案は机上の空論から脱却できたからだ。
『こんな感じで、僕らは徹底的に君を盛り立てる。あらゆる方針や戦術、戦法を、君の方針を正しい選択に導いてやる』
『カドック・・・』
『忘れるな、リッカ。選択肢がいくつもある時、君は迷うな。正解か失敗かじゃない。『君の選択を正解にする為』に、僕達後方支援は全力を尽くす』
だから思うまま、君は進みたいように進め。誰かを救うなら救助活動を、蹴散らすのならば殲滅戦を。その舵を取り、行き先を示すのは──
『君はやりたいようにやれ。それが楽園のやり方なら、僕達はそれを全力で支えてみせる。それが僕達の・・・』
『私達の勝利って訳よ。いいリッカ!先輩の私達の為に、キリッキリ働きなさい!あんたの汗と涙が勝利に繋がるの!カルデアで羊羮食べて応援してるから!』
『・・・ヒナコにはあんまり期待しない方がいいかもな』
『どういう意味よ!?』
「──ますますもって、負ける気がしませんね!先輩!」
「うん!ギルはもしかして、こうなるのを解ってて参加しなかったのかもね!」
マスターが増えれば増えるほど、絆が紡がれれば紡がれるほど。ますます攻略の自由度と多彩さが増す。その事実に、胸踊らせるリッカとマシュ。
──財を四六時中見張り、研磨する必要はない。ある程度磨き、愛でれば。それは自ずと光るのだ──
ロマン『話の途中だがウェンディゴだ!懲りないな、応援を呼んだみたいだぞ!』
アタランテ「これが有名な話の途中だが案件か・・・!」
リッカ「無益な殺生御断り!じゃあ何度でも・・・──ファッ?」
第二波に備え身構えた瞬間、リッカらは感知する。森全体を揺るがす、闊歩するような振動。凄まじく巨大な何かが、近付いてくるような・・・
シオン『ちょ、ちょっとなんですかこのでかさ!?巨人!?19世紀以前の神秘ナイ時代に!?ナイナイ!ナイですから!』
ナイア『御呼びでしょうか』
『誰ぇ!?』
それらは一歩、一歩と近づき、そして──
巨人「大丈夫ー?助けてあげるねー」
──その日、ウェンディゴ達は思い出した・・・──
「ギャアァア!!」
「ウギャァア!!」
──彼女にキャン言わされとった恐怖を──
マシュ「で・・・」
アタランテ「・・・で」
──森の中で息を潜めとったその理由を──
リッカ「デカァァアァアァイ説明不要ッッ!!」
ゴルドルフ『いや説明はちゃんとしてね!?』
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