「あぁ良かった!起きましたね土方さん!白眼を剥いて鬼の形相を浮かべ気絶した時にはもうどうしようかと!」
「――なんだ、沖田か。俺が簡単にくたばるわけねぇだろ。なぁ、近藤さん」
「えぇ!信じていますとも――って、はい?土方さん?」
「この野郎、道場ではしゃいでた頃にすっかり調子が戻りやがって。よっぽどここが気に入ったみてぇだな。――悪くねぇもんを見た。あんたや俺が勝てねぇと爆笑してた沖田総司が、ここにいる」
「あの、あの、土方さん?誰と話してるんです?土方さん!?」
「近藤さん。俺はァ最期に――悪くねぇもんをみた。なら俺も、くたばってやってもいい――一句、詠むか。・・・梅の花、一輪咲いても・・・――梅は、梅――」
「何センス/zeroの辞世の句詠んじゃってるんです!?それ黒歴史っていってましたよね!?土方さん!?土方さ――――――ん!!!」
ガリアでの決戦を終え、首都ローマへの帰路へつく一同
そんな折、立ち寄った町や集落などから、気になる話が耳に入る
「小さな島で、旧き神を見た」と――
「これで四件目だぞ?偶然や悪戯にしては偏りすぎではないか?」
ネロの疑問は当然だ。異なる場所の異口同音。妄言や世迷い言で済ませるには憚られる一致ぶりだ
「この辺りは地中海に面してはいる。確かめようと思えばいけないことはないのだが・・・」
『神様、神様か・・・聖杯に関係してるのかもね?』
「しかし、それではカエサルのもたらした情報と一致しません」
『だよねぇ。神様を名乗る酔狂ものが島にいる、みたいなものかな?やっぱり』
――神様、神様か
――思えば、自分の魂を使い、英雄王ギルガメッシュに転生させたあの『声』
あれは、間違いなく『神』なのだろう。そんなことができる人間などいはしまい。消去法の帰結だ
「ねーギル。神様ってホントにいるの?」
マスターが問いかける。――この世界観ではどうなのだろうか?
「『いた』或いは『在った』が正確だ。奴等が思うまま権能を振るっていた神代は閉じて久しく、地上は人間の知覚する物理法則に安定した。貴様らが神、と呼ぶ存在は既に世界の裏に弾き出され、虚ろに世界を眺める亡霊に過ぎん」
――やはり、そうなのか。神、と呼べる存在はもう世界にはいないのか
「神は種類を大別して二つに分けられる。西暦以来の『神』とは宗教を興すためのシステム、偶像に当たる。人が自らを罰するために造り上げた、自己を戒めるシステムだ。これらは信仰を収集するためのモノ故、額面以上の力は持たん。貴様らが参拝を繰り返しても奇蹟や威光を示さぬのはそれが由来よ」
「え、私毎日お参りしてたのに!」
「もう一つは、自然現象や自然そのものに意志が介在し生まれた『神』メソポタミアの神がこれにあたる。自然に人間どもが抱いた信仰や恐怖に寄生し、自己を確立せし神だ。まぁ、こちらは我が人を切り離し滅ぼしてやったがな」
――あの『神』はどちらだったのだろう。自分の慟哭に応えたあの『神』は
「神霊そのものを現界させることは不可能だ。もはや世界と文明は人と共にあり、地上のどこにも神が介入できる場所なぞあるものか。サーヴァントの枠に押し込めたとしても同じであろう。人間どもが、未だ自然現象を手懐けておれぬのと理屈は同じ。いかに軽度な神とはいえ、過ぎたるは及ばざるが如し。もはや指一本さえもこの世界にはいられまいよ。――奴等の時代はとうに終わっているのだ。一万と数千年前、無様に蹂躙され尽くしたその日よりな」
――例えにしては随分と具体的だ。一万と数千年前・・・そこに、何があったのだろうか
「――えぇい!何故我が長々と説明せねばならぬ!解説は貴様の責務であろうが!怠慢かロマン!」
『君が神代の見届け人だからじゃないか!?僕なんかよりよっぽど詳しいだろう!?』
――滅ぼされたはずの神がいる。これは、何を意味するのだろうか
「――よし、決めたぞ!船を調達し、神とやらに会いに行こうではないか!」
ネロが朗らかに声をあげる
「よ、よろしいのですか?」
「よいよい!それほど希少な存在がいるというのなら一目みたいと感じるのが人であろう!案ずるな、余は船の操舵もできる!万能の天才であるゆえな!」
「神に逢うか。一つ言っておくぞ。神の名を冠するものに逢うのなら、幻想と畏敬は残らず捨てておけ。神は一つたりとも、人間が好ましく思うような美点は持っておらぬからな」
――器の言には、嫌悪と侮蔑が多分に含まれている
――神より人を訣別させた王。やはり、神は相容れぬ存在なのだろう。彼がかつて語ったように
「そんな事はない!建築王たる神祖ロムルスは雷に隠れ、新しき神となったのだ!よい神は、確かに在る!」
「フン。我は目の当たりなどしたことはないがな。――まぁよい。たまには汚物を見に行くもよいか。では船を用意するのだな。――あぁ」
ニヤリ、と器が笑う
「マスター。お前は確か大層ペガサスに執心していたな」
「?うん。いいよね!いつか乗ってみたいなぁ・・・」
「――そうか。ならばネロ。船には貴様と軍で乗れ」
「?」
「こやつらには、専用の脚がある」
「やっほ―――!!ペガサスだ――!!」
「す、凄い・・・高いです!」
遥か天空、遥か下に広がる大海
空を駆け抜ける、黄金の船と翼を頂きし天馬
「ありがとうメドゥーサ!私、夢だったんだペガサスに乗るの!」
「あ、ありがとうございます。こんな体験、初めてです・・・!」
「・・・・・・・・・・・・そうですか・・・それは、良かったです・・・」
「どうしたメドゥーサ、覇気がないな。まるでこれから悪鬼や邪神に謁見する生け贄のようではないか」
「・・・・・・・・・・・・貴方は本当に人が悪いですね・・・」
「心外だな。マスターの要望を叶え守り立てるサーヴァントの鑑のようなゴージャスを捕まえての評価がそれか?そら、あの島には何がいるのか解らん。精々しっかり護ってやるがいい。精々、な。ふははははははははは!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・座に、帰りたいです・・・」
――真下では、ドリフトにジャンプ、ターンを繰り返し爆走するネロが操りし船がある
――あちらに乗らなくて良かった・・・心からそう思う
――旧き神がいるという、小さな島
一体、何が待ち受けているのだろうか
皆が幸せであるように祈りを込めて料理を作る
私が作った料理に感想をくれる
そんな細やかな事に、私は幸せを感じるんです
「そこのあなたも、召し上がれ!私が作った、特製麻婆!あなたに祝福がありますように!」
「良かったら・・・残さないで食べてくれたら、嬉しいです!えへへ・・・」
極 辛 麻 婆 顕 現
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