オルガマリー『はい。カドック、ぐっさん・・・・・・・・・を省みるに、王が下した裁定に、楽園の環境を吟味しどうか再び査定をしていただければと。必ずや、リッカや楽園の皆の助けとなる筈です』
──ぐっさんの所で溜めましたね・・・
フォウ(アレはオモシロ枠だもんね)
「ふはははは!言うではないかオルガマリー!良い、赦す!お前の成すべきと思った事柄だ、我の信を得るに相応しい決断よ!思うがままに挑むがいい!我が信頼、応える力がお前には備わっていよう!」
『──はい!頑張ります!それでは!』
「──Aチームとやらの個性に興味は薄いが、己が判断で決断したオルガマリーめの自主性に免じ様子を見るとするか。ふはは、ますますシドゥリに似てきたではないか。どうだシドゥリ?現代のお前の名代に相応しい有能であろう?」
シドゥリ『畏れ多き称号扱いはお控えなさらないでしょうか。彼女は彼女でございます。あなたの為に尽力する彼女個人を見てあげてください』
──出来る女性って・・・カッコいい~!ワタシもオルガマリーちゃんやシドゥリさんみたいに、ピシッとした女性になれるかなぁ・・・
フォウ(キミは無理だよエア。普段はほわっとふわっとしてるふにゃふにゃ姫様だもん!風船みたいに!)
──うぐぅ!フォウに後ろからテシってされた・・・がくっ
《お前はそれでよいのだ、エア。我がやらかした際に横っ面に拳を叩き込むはシドゥリのみでよい。──問題は、何人が揃うかよな》
(決戦は今年の年末、決戦の猶予は三ヶ月。その三ヶ月の間に我等は世界を七つ救った後に神を滅ぼさねばならん。さて、何処まで愉しめる戦いとなるか・・・)
「期待しているぞ、オルガマリー。お前の奮闘は、お前のみが行える楽園への貢献だ。時間はあるのだ、思うがままに歩むがいい──」
「美味しくなって。オフェリアとペペロンチーノの為に美味しくなって。ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・」
「ふ、不思議な珈琲の淹れ方ね・・・」
「やだ!それアレよね!フジオカ隊長の淹れ方ね!マスターしてたのねアナタ!」
かつての仲間、かつての同僚。魔神王の目論見で一時は袂を別ったAチームメンバーと所長のオルガマリーが、今こうして御茶会に参加し和やかに笑い合う。この日の為に用意したとびきりの豆珈琲を振るまい、世界を放浪していたペペロンチーノは各地のお菓子を、オフェリアは自作のマシュ☆コングッズを互いに提供しながら一時を過ごす。
「へぇ、認識改変魔術なんてものを時計塔全体に・・・時計塔全体に!?あの怪物達をもう無力化してるってこと!?」
「時計塔だけじゃないわ。国連、協会にもよ。カルデアという単語に呪詛をかけたから、話題になれば後はあっという間。所長として、神代魔術は嗜みよ」
「道理でカルデアの事を考えたら思考が簡略化されているような気がしていたの。・・・アニムスフィア家、凄い事になっているわね・・・」
今まで秘匿していた手の内を明かし、そして謝罪を行う。自分が行った事を改めて謝罪してから本題に入るためだ。そこをうやむやにしようとしないのは、オルガマリーの生真面目さと言うものだろう。そして、返答はと言うと。
「構わないわ。こうしてまた一緒に話し合う機会を設けてくれた、あなたの気持ちと気質を信じる」
「右に同じよン♪此処でごねるよりアナタを変えた今のカルデアが凄く気になるじゃない?もっとお話、聞かせてちょうだい?」
あっさりと彼女の気持ちを汲み、受け入れた。意図せず、打算があろうとも彼女は生命を救った側な訳で、そして組織が一番大変な頃に奮闘した人物でもある。その背景を汲めない程、二人は幼稚でも浅ましくも無かったのである。
「──感謝するわ。なら私も、心置きなく本題に入れる」
そんな彼女達(?)を信じ、所長としてオルガマリーは切り込んだ。今回の主題、成し遂げるべきもう一度挑む人類の未来を護る戦いへの再参・・・
「カルデアで、改めて一から仲間としてやっていくつもりは無いかしら。所長として、もう一度アナタ達をスカウトし直すわ。Aチームではなく、一人の対等な関係として。アナタ達とやっていきたいの」
誠実な言葉を告げ、頭を下げるオルガマリー。彼女達程の優秀なマスター達は楽園の外にはそうおらず、そして余裕が出来た今ならば、彼女達がどれ程有能で得難い存在かを理解できる。もう一度、最初からやり直せるならばどんな恥も外観も捨ててみせると、オルガマリーは決めている。その覚悟と共に、頭を下げたのだ。
「・・・お先にどうぞ、オフェリアちゃん?」
「えぇ。此処に来た時点で、答えは決まっているから。──顔を上げて、オルガマリー」
オルガマリーを起こし、オフェリアは静かに・・・、眼帯を外した。それは彼女の持つ魔眼、輝きを見ず、可能性を停滞させる魔眼。その眼を開き、両目で見つめ言葉を送る。
「私でよければ、もう一度カルデアで頑張らせて貰いたいわ。──マシュとコンちゃんからも、お誘いを個人的に受けているしね」
「オフェリア・・・!えっ、あの二人と親交深めていたの・・・!?」
実はそうなのである。カルデアメンバーではなく歌手ユニットとして、プライベートとしてオフェリアに色々話を聞いていた二人なのである。作詞や作曲、ボイスレッスンやトレーニング等といったスキルアップをオフェリアは助力していたのだ。マシュ☆コンの、一番のファンとして。
「改めて・・・よろしくお願いするわ、オルガマリー。──あなた達と過ごす日曜日は、きっと楽しい筈だから」
「えぇ・・・!その魔眼、きっと楽しい事しか映さなくなるわ。きっとね!」
握手を行う二人。マシュとコンラとの親交が、意外な形で実を結ぶ結果となる。オフェリアもまた、元気付けられ勇気付けられたのだろう。自分の道を、人生を確立し懸命に生きるマシュや、そのパートナーたる者達の姿に。
「フフン、オフェリアはペシミストだからしっかり面倒見てあげなさい?──さて、アタシも気持ちはオッケーなんだけどぉ・・・」
「えぇ、アナタはそう簡単には転びませんよね」
解ってるじゃない♪ペペロンチーノは口笛を吹いた。彼女はオルガマリーの父、マリスビリーに招かれたマスターである。直々にスカウトされたフリーのマスターだ。今一度スカウトしたいなら、口説き文句を用意してくれなきゃネ♪みたいなノリでひねくれるのは読めていたのである。
「さて、アナタは私をどんな風に口説くのかしら?女性をエスコートするのだもの。それなりの教養とテクがないと──」
で、そんなペペロンチーノをもう逃がすつもりも諦める事もする気はないオルガマリーは・・・
「お願いします妙蓮寺さん」
「ブーッッッッッッッ!!!」
初手で後頭部をぶん殴りに行った。吹き出された珈琲を華麗にかわしつつ、優雅に珈琲を飲み直す。
「ミョウレンジ・・・?」
「うげっほ!えっほ!えほっ!ちょ、オルガマリーちゃ、えほっ!ステイステイ!なんで!?どうして!?」
そう、それは御茶会をする前の出来事・・・
~
ライン♪
『再スカウトに挑むようだな。いい判断だ。人類最後のマスターに成った邪龍とAチームが力を合わせる未来、オレも興味がある』
デイビッドのラインに本格的に戦慄しながら、彼女はアドバイスを乞うた。ペペロンチーノを口説き落とすにはどうしたらいいか・・・
『簡単な話だ。『親しくなりたい相手は名前で呼ぶ』ものだからな』
「名前・・・」
『彼の本名を教えよう。彼は──』
~
「お願いいたします妙蓮寺。あなたの高い女子力は必要妙蓮寺。とても興味が妙蓮寺。アンダスタン、アロゥ?」
「アッーーー!!(汚い高音)悪辣ね!?ホント悪辣になったのねオルガマリー!?アナタそんなんじゃなかったわよ!?嬉々として人が気にしてる事する子じゃ無かったわよねェ!?」
「アロゥ?」
「止めなさい!ホンット止めなさい!冷やしパスタと呼ばれた方がまだマシよこの鬼畜ゥ!」
そう、ペペロンチーノの本名はミョウレンジ・アロウ。フリーであり日本出身のマスターなのだ。デイビッドの合理的で無慈悲な真名開帳を存分に利用した形となる。まぁ当人は秘密にしていたが交渉の際には相手の弱点を衝くのは鉄則な訳で。サンキューダンディ。
「ミョウレンジ・・・?オルガマリー、何を言っているの?」
「知らなくていいわオフェリア!解ったわ、理解したわ!協力させてちょうだい、だからナイショに!ナイショになさい!噂のリッカちゃんにも言っちゃダメよ!約束!セルフ・ギアス・スクロールある!?」
意味の解る者同士にしか解らない密約と盟約を交わし、そっと頷き合うオルガマリーとペペロン・・・妙蓮寺。きっと仲良く出来るだろう。オルガマリーは仲良しの人間は決して裏切らない。仲良しの人間は、裏切らない。
「はぁ、はぁ・・・デイビッドかキリシュタリアかベリルか・・・思い当たる節が多すぎるわ・・・ま、まぁそれはともかく!」
「え、えっと・・・よく解らないけど。これから一緒になるということは解ったから。よろしくお願いね、オルガマリー。ペペロンチーノ」
「えぇ、こちらこそ。二人の実力、全力でアテにさせてもらうわね」
無事握手を交わす三人。これでオルガマリーはキリシュタリア、カドック、ヒナコ、オフェリア、ペペロンチーノと盟約を結んだ事となる。・・・しかし、楽観視は決して出来ない。
(デイビッドとベリル・・・交渉人にニャルを呼ぼうかしら・・・)
サーヴァントとのコミュニケーションを全く必要とせず、ダ・ヴィンチが『本物の天才にして異才』と称したデイビッド。そして、かつてマシュに何らかの接触を非合法な手段で行おうとしたベリル。
どうやって楽園に居場所を作ればいいのかまるで解らない二人に直接会ったコンタクトを取るのはもう少し後になる。・・・そう、思わずにはいられないオルガマリーでありましたとさ。
ペペロンチーノ「はい、契約は完了ね。あ、でもちょっとカルデアに向かうまでに時間をもらっていいかしら?」
オルガマリー「構わないけど、どうしたの?」
「楽園にスタッフとして招きたい聖職者がいるのよン♪絶対面白いわ!破壊僧にも程があるし、何より肩の力が抜けてたら本物よ、本物!」
「・・・推薦スタッフという事ね。解りました。枠を開けておくわ」
「ありがとう!じゃあアタシ、準備するから行くわね?今日は楽しかったわ、オルガマリー!オフェリア!」
オフェリア「・・・行っちゃったわ。あの、オルガマリー。私もお願いがあるのだけど」
「なにかしら。所長になりたいとか?」
オフェリア「それは無いから(キッパリ)・・・私、家族が北欧出身だから・・・北欧の英雄と、契約できたらと思って・・・」
(北欧・・・そういえばあまりいなかった気がするわね。確か有名どころはワルキューレと・・・)
「もし良かったら、その地域の方と一緒に戦わせてもらえたら嬉しいわ。我が儘だけれど、お願いします」
「えぇ、何とかするわ。任せておいて」
「あ、あと!マスターの他に・・・」
「?」
「──マシュ☆コンのマネージャーに、立候補しても構わないかしら・・・!」
オルガマリー「あ・・・はい、どうぞ・・・」
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