人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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「やばい、やばいわ・・・あの馬鹿な私を放っておいたらカルデアが麻婆まみれになる!」


「居心地いいし、なんでもあるし、責任問題で追い出されたくないわ!まだマスターに何も返せてないのに!どうしたら・・・ん?」


『誰でも作れる、ふわあまスイーツの作り方』

「――これよ!!」


初めまして、女神です

「いい風を捕まえた!ご機嫌な船旅であったな!」

 

 

 

ご機嫌な声をあげるネロ

 

――乗った兵士が誰一人として出てこない辺り、評価はお察しだろう。南無

 

 

 

「凄かったー!ペガサス凄かった!」

 

「ありがとうございます、メドゥーサさん」

 

 

 

「いえよいのですそれでは私はこれで」

 

「待て。マスターを護れといったであろうが。少なくともこの島を出るまで退去は許さん」

 

「~~~~英雄王・・・!」

 

 

「ふはは、そんな熱い目線で見るな、照れるではないか!さて、本題といこう。ロマン。神を名乗る汚物は何処だ?」

 

 

――見たところ普通の島だ。怪物がいるとか魔獣がいるとかの反応は見受けられない

 

『神ですか・・・主を信ずる宗教は唯一神を据えたもの。後世キリスト教とは違う神の系列なのでしょうね』

 

ジャンヌが声をあげる

 

『余もみたい!モニターを大きくせよ!せまい!神祖ロムルスであったなら座に帰ってしまうかもだがな!衝撃で!』

 

『解ったから暴れないで!――来たぞ!サーヴァント反応だ!』

 

サーヴァント反応。聞いて身構える一同

 

――だが、ソレは現れた

 

「――あら、懐かしい雰囲気に誘われて来てみれば。可愛らしい勇者さまですのね?」

 

 

――現れしは少女の具現。小さく、愛らしく、捧げられる事を宿命とせし女神

 

 

「――上、姉さま・・・」

 

「――久しぶりね、不器用な妹(メドゥーサ)。こんな出逢い、私は予想していなかったわ」

 

美しく笑う女神。真っ青になるメドゥーサ

 

「あれ?知り合い?」

 

「――えぇ。私は女神、名をステンノ。そこにいる愚鈍で雄々しい駄妹の姉に当たります。ねぇ?無駄飯くらいの私のメドゥーサ?」

 

「――・・・はい。上姉さ・・・ステンノ様は、ギリシャの神々の一柱であり、この私の姉に当たります」

 

「声が小さいのね。口が高くて聞こえないのかしら。発声ばかりは小さくしても無駄な抵抗と言うものよ、雄々しいメドゥーサ」

 

「・・・はい・・・」

 

――あれが女神の愛情表現か。たおやかに毒を吐き、青くなるメドゥーサ

 

――好きの反対は無関心という。今間違いなくかの女神はメドゥーサを愛でているのだろう

 

「ギル!神様はいないんじゃなかったっけ!?」

 

「何事も例外があろう。紡ぐ神は例外を息を吐くように増やす。見たところ、そこな汚物に戦う力はない。こやつは戦力には数えられぬ。求められたものが絶対者としての神ではなく、捧げられし偶像としての在り方なのだろうさ。」

 

――なるほど。強いから呼べたのではなく、弱いから存在できた、か

 

 

 

「えぇ、お詳しいのね。黄金の王様――けれど、今」

 

たおやかな笑顔に――僅かな敵意

 

 

「女神を称する言葉に、あまりにも不釣り合いな単語が聞こえたのは――」

 

「気のせいでは無いぞ、汚物。誰もが貴様を持て囃すなど思わぬことだ。我が貴様らに捧げるは、侮蔑の唾のみよ」

 

――感じる嫌悪と侮蔑。この器は、自らが滅ぼした裁定をすり抜けし彼女が気に食わないのか

 

「寂れた島で息巻いているのみ故、見逃してやろう。精々野蛮な魔なる畜生どもに、娼婦の如く媚びているのだな。淫売(アバズレ)めが」

 

魔女ジャンヌに入れた煽りを彷彿とさせる凄まじい口撃だ・・・そんなにも相容れぬ存在なのか。自らが彼女を害する意思がないため攻撃はないが、その分、罵倒は容赦を微塵と感じさせぬ勢いである

 

『ストップストップ!君が神様嫌いなのは知ってるけど事を荒立てちゃダメだって!』

 

「メドゥーサ、あなたは本当に見る目がないのね、こんな野蛮で恐ろしい男とつるんでいるだなんて。目まで節穴になったのかしら?」

 

「邪神の貴様よりメドゥーサは何倍も聡明だ。人理を救う旅に加担し力を振るうことを決めた怪物。このような小島で美を誇る塵屑のような尊厳を必死に護るさもしい貴様よりな」

 

「あ、あの二人とも、どうか、落ち着いて・・・」

 

「黙りなさい駄メドゥーサ。――えぇ、えぇ。良いでしょう。そこまで言うのなら、女神の力を見せてあげる――」

 

沸き上がる魔力。沸き上がる魅力

 

「貴方は私の眼に映っている。――骨の髄まで私の虜にしてあげましょう・・・!」

 

 

『宝具!?不味いぞ英雄王!彼女は君を――』

 

 

「いけません英雄王!上姉さまの宝具は強制魅了堕落宝具!男性に魅了防御ダウン、そして即死、ダメージ無しというイマイチ使いどころのない――!」

 

 

「覚悟はよろしいかしら――『女神の微笑』――」

 

「――――」

 

向けられる、微笑み

 

向けられる、絶対なる愛嬌

 

『うわぁあ英雄王が魅了されるー!!女神の手先に落ちる英雄王なんて最悪だ!ラスボスより怖いじゃないか!』

 

「ギル!?ギル!?大丈夫!?」

 

「なんと愛くるしい!余、ちょっときゅんと来てしまった!」

 

「英雄王!」

 

「無事ですか、英雄王――!」

 

 

 

――――

 

――問題ない。大丈夫だ

 

「・・・なんだ、ソレで終わりか?ただの一瞥が宝具とは酔狂も極まったわ」

 

英雄王、不動也。がっしりと腕を組み、女神を睨みかえす

 

「――・・・無粋な人ね」

 

忌々しげに、英雄王を見やるステンノ

 

「そ、んな・・・男性に魅了が効かないなんて・・・それでは上姉さまのアイデンティティーが・・・!」

 

「メドゥーサ、後で貴方はたっぷり可愛がってあげるわね。たっぷりと」

 

「ヒイッ」

 

『なんで大丈夫なんだい君!?』

 

 

――恐らく、英雄王としての在り方だろう。この王が絶対と定めしは自分のみ。あらゆる価値観、意見、思想に染まることは無い、唯一無二の絶対者

 

「ハッ、我はかつてウルクの女総てを抱いた男。陶酔と寵愛を受けんとすがる眼差しなど受け飽きている」

 

――色仕掛けなどで、この王は崩せない。ソレだけの話だ

 

「我を染めたければ強制五感ハック三流チャンネルでも流すのだな。上手く行けば我の財を無利子無担保で永久に貸してやるぞ?そら、さもしく浅ましく乞うてみせよ。男をたぶらかす邪神、いや。駄、女、神、よ?ふはははははははははははははは!!!」

 

 

――それと、もう一つ有利に働くとするならば。自分の存在だろう

 

 

自分はこの意志と魂以外の総てをそぎおとされている。劣情、欲情といった情も、恐らくは自分に残ってはいないのだ。だから、彼女を見ていても、眩しいや輝かしい以上の感情は湧いてこない

 

 

――だから。自分が美しいと感じるものがあるならば、それは『魂の在り方』だ。魂の輝きこそ、自分が美しいと感じることが出来る基準

 

――そして、美しいものならいくつか見てきている

 

 

ジャンヌの総てを懸けた殉教

 

 

マリーの星のような慈愛

 

そして、滅びに立ち向かうと誓った、あのグランドオーダー発動の誓い。マスターを初めとする皆の奮闘

 

 

その美しさに比べてしまっては――如何な女神とはいえ、分が悪いと言うものだろう

 

 

「――解りましたわ。今は、私の負けと受けとります」

 

溜め息をつくステンノ。驚愕を浮かべるメドゥーサ

 

 

「女神を打ち負かした褒美として、洞窟の奥地に財宝を用意いたしました。そちらをお持ちくださいな、皆様」

 

「財宝!?」

 

「――フン。しおらしいではないか」

 

 

「上姉さま!いけません!こと財で英雄王に詐――」

 

「女神の財、そそる響きではないか!よし!向かってみよう!きっと凄いぞ!女神の財だからな!」

 

「お宝お宝!」

 

「先輩・・・」

 

「メドゥーサは預からせていただきますわ。この屈辱、この胸の痛みで。たっぷり・・・可愛がってあげたいものね?」

 

 

「――お気を、つけて、ください・・・」

 

 

げっそりとするメドゥーサ。うん、姉妹水入らず、仲良くしてほしい

 

『じゃあ洞窟に出発だ!・・・どうしたんだい英雄王?テンション低いね?』

 

「――なぁに。あの女神に対する誅罰を考えていたのでな」

 

女神の財宝――英雄王は気に入るだろうか

 

 




「時にジャンヌ。貴様何をした?部員ネットが阿鼻叫喚だが」

『皆様に料理を振る舞ってみました!皆様いい人ばかりで・・・私、英霊になれて本当に良かった!』

――料理を振る舞われた反応なのか、これが?皆悲壮きわまりない覚悟を決めているように見えるが

『私、もっと自分を磨きます!これからジムにいってそのあとアニメを見てきます!それでは!』

「――成る程・・・大儀であったな。部員共よ」
――ミルク、用意しなきゃ
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