人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「は?サブタイトル、は?嘘じゃろ?セプテムに奴等の出番なんて無いじゃろ?イベント鯖が活躍とか嘘じゃろ?は?」


ぐだぐだ拠点攻略!

女神の島から出て、首都ローマへと続く帰路

 

 

 

「敵襲!敵襲!!」

 

 

 

 

――今日四度目の襲撃を、ネロが迎撃に走る

 

 

 

 

『これで四回目かい?ずいぶんと多いな』

 

 

「沢山攻め込まれてるよね。なんか妙に強い兵だし」

 

「はい。首都ローマは目前であると言うのに、この襲撃頻度は異常です」

 

 

思い思いの所感を告げる一行

 

 

「・・・確かに変だ。我が領地に隣するガリアを落としたというに、襲撃の頻度が落ちておらぬ。どう思う?英雄王」

 

「さて、な。既に少数精鋭の兵でも紛れ込んでいるのではないか?貴様の斥候を無力化するだけの力と速さを持った、な」

 

 

――皇帝の軍を翻弄し、自在に襲撃せしめる兵士・・・余程凄まじい熟練者の兵にちがいない。もしや、サーヴァントか・・・?

 

 

『兵士、少数精鋭・・・――まさか。このような理なき戦いに参ずるはずは無いと信じたいのですが』

 

見れば、いつのまにやらレオニダスが通信に割り込んでいる。ぶつぶつと考えている様子だ

 

 

「心当たりがありそうだな、レオニダス」

 

『いえ、確信は――ぬ!?』

 

 

レオニダスの言葉尻を切り、ロマンが叫ぶ

 

『眼前にサーヴァント反応!似た反応が数百!!』

 

 

「数百だと!?」

 

 

「え、そんなにいっぱい!?」 

 

「先頭に行きましょう!」

 

 

――

 

 

 

「・・・」

 

立ちはだかり、敷き詰められしは無数の兵達。誰も彼もが精強で、ただならぬ雰囲気を感じさせる精鋭

 

その中心に座せしは、仮面を被り、槍と盾を構えし炎の守護者

 

「――節穴め。致命的なまでに運用を違えおって。田舎娘と同等の戦術眼とは笑わせるわ」

 

『聞こえてるわよ金ぴか!!』

 

「聞こえるように言ったのだ、当然であろう」

 

 

「――レオニダス、さん・・・」

 

マシュが驚愕に目を見開く

 

 

「――然り。サーヴァント、ランサー。真名をレオニダス。これより、此処を拠点とし防衛を開始します」

 

号令と共に、ファランクス――最小単位の密集陣形を取る兵士達

 

「レオニダス・・・!噂に名高きスパルタの王か!」

 

「えぇ、相違なく。義なき戦いではあるが、我等の取るべき手段は変わらず。ただ護るのみ。攻撃より強く、防御より尚硬く――!!」

 

 

――スパルタ。炎の門にてたった300人にてペルシャの軍を迎え討ったすさまじき兵士達

 

槍が折れれば盾で、丸腰になれば拳で戦ったとされる、計算と筋肉の化身

 

カルデアにて、経理と鍛練を担当するその頼もしき王が、敵として立ちはだかっている――!

 

 

「ままならぬな。レオニダス。貴様はああして我等の前に敵として立っているぞ?」

 

『遺憾ながら。――畏れながら英雄王、一つ献策を』

 

「ん?良かろう、述べてみよ」

 

 

『――畏れられる事はないでしょう。彼等はこのローマにて最も脆く、与し易い雑兵です』

 

「――ほう?」

 

レオニダスの言葉は耳を疑うようなものであった。脆い?雑兵?

 

『マスター、マシュ殿。恐れることはありません。自らの思いのまま、彼等を蹴散らせばよろしい』

 

「で、ですが・・・レオニダス王の偉大さは私が一番よく知っています。蹴散らす、など・・・」

 

 

『大丈夫、大丈夫ですマシュ殿。――マスター』

 

「なに?どったの?」

 

 

『使役するサーヴァントの推薦を。『シンセングミ』のお二人の力を借りられよ』

 

献策を行っていくレオニダス。何か、考えがあるのだろうか

 

『ネロ殿は構えていられるが宜しい。ささ、マスター』

 

――ここは、彼を信じてみるのがいいかもしれない

 

 

「レオニダスの言は聞いておけ。暑苦しいが、戦術においてヤツの右に出るものはそういまいからな」

 

「解った!来て!『土方さん』『沖田さん』!」

 

 

右手が輝き、誠を掲げた剣士二人が召喚される!

 

 

 

「出番キタ――!!二度目の活躍に沖田さん興奮が抑えきれませんとも!」

 

「まさかスパルタの王様に推薦されるとはな。――良いだろう。ここは新撰組が引き受けた!」

 

 

「む、むむ?また不思議な装いだな」

 

『極東の剣士です。――ま、まさか二人で挑むのかい!?』 

 

 

「いえいえ、私達だけではありませんよ?そう!土方さんと探して見つけたのです!」

 

高々と沖田が、旗を掲げる

 

 

「それは!見つけたのですね、沖田さん!」

 

 

「えぇ!――誠の誓いを此処に!」

 

旗が輝き、囲むように参ずる様に――次々と剣士が現れる

 

 

「きたれ!我等が掲げた理念の下に!今再び!我等は時代を駆け抜けし誠の狼とならん――!!」

 

 

「お、ぉお、ぉお――!」

 

感嘆の声を上げるマスター

 

 

「ほう、やるではないかセイバー擬き。征服王の真似が叶うとは」

 

「そうでしょうそうでしょう!クソステセイバーとは言わせませんとも!――これが!!」

 

 

参ずるは日本にて名を轟かせし人斬り集団。誠の名にかけ時代を駆け抜けた動乱の狼たち――!

 

 

「し――新撰組だ――!!」

 

『英霊達の連続召喚!?凄いぞ!これほど破格な英霊だったのか、沖田さんは!』

 

 

「――スパルタだ?敵が誰だろうが、誰がなんだろうが関係ねぇ」

 

 

すらりと剣を抜き、真っ直ぐにスパルタに突き付ける

 

「俺が有る限り、此処が。新撰組だ――よく見せてやる。あァ――よく見るがいい――!!」

 

呼応するように、剣を抜き放つ隊士達。沖田も朗かな雰囲気を消し、戦闘に殺気をたぎらせる――

 

 

「ここでお待ちください、皆さん。露払いはお任せを」

 

「――沖田さん・・・カッコいい・・・」 

 

『そう、それでいい。それがいい。彼等ならば、かのスパルタを打ち破るに相応しい』

 

 

全隊、構え。――号令が、下される!

 

 

「新撰組!!出るぞ!!!全隊抜刀――」

 

 

戦場の鬼が――吠え猛る!!

 

 

 

「――――皆殺しだぁあぁあぁあぁあ!!!!!」

 

 

「「「「「うぉおぉおぉおぉおぉお!!!」」」」」

 

 

呼応し、土方の気迫を伝播せし新撰組がスパルタに雪崩れこむ!

 

 

「一番隊隊長沖田総司!切り込みます!!」

 

 

沖田がワープダッシュで切り込む!瞬間移動とみまごう剣の冴えが的確に首を跳ねていく!

 

「呑気に血ぃ吐くんじゃねぇぞ沖田ァ!!隊を半数に分け両翼からぶっ潰せ!!かてぇのは前だけだ!正面突破は俺と沖田が引き受けた!!」

 

 

手当たり次第に斬り殺し、撃ち殺し、目潰し、髪を掴み引き倒し踏み潰し、土方が吠え猛る!

 

 

スパルタの防衛、不動なりしファランクス。動かず慌てず不動な構えで迎え打つ

 

突き崩せしは、誠を掲げた剣客集団!

 

「斬れ!進め!!斬れ!進めェ!!!退く腰抜けは俺が斬る!!防衛なんざ――――踏み潰せェ!!!!」

 

 

「ぬっ、ぬぐぐぐぅあ――しぃい――!!」

 

やがて新撰組の気迫に、圧され始めるスパルタたち――!

 

 

「す、凄い・・・これが、新撰組!」

 

『いやいや!おかしくない!?皆当たり前の様にワープとか魔法じみた剣を使ってるけど!?なんか違う!僕の知ってる剣士じゃない!?』

 

「狼とは良く言ったものよ。血に飢え、肉に餓えた浅ましさと死に物狂いさ。血生臭くてかなわぬわ」

 

『それがよいのです。その気迫こそが、かの腑抜けたスパルタを打開するに最適』

 

 

 

 

「退くな!!斬れ!!」

 

スパルタ兵士を斬り殺し、殴り殺し、頭を銃で吹き飛ばし

 

 

「進め!!」

 

盾を砕き、骨を砕き、肉を裂き、鬼が吠える!!

 

 

「斬れェ!!!」

 

やがて、大将たるレオニダスに相対する!

 

 

「俺がァっ!!!」

 

「ぬぅうぅう!!」

 

盾にて、レオニダスが土方の一刀を防ぐ――瞬間!!

 

「――私達が!」

 

土方の背後より、沖田が飛び刃を構える!

 

「――――!」

 

 

「新ッ撰ッ・・・組だァアァアァアァア――――!!!」

「新撰組ですっ!!」

 

二つの剣が、一つの銃口がレオニダスを消し飛ばす――!

 

 

 

「――やはり、か。やはり、護るべきもののない戦いでは――」

 

『――そうです。彼等こそ、スパルタを討つに相応しい』

 

 

レオニダスが頷く

 

『誠を掲げし彼等の気迫――それが』

 

「か、勝ったのか・・・?」

 

 

「新撰組――すごぉーーーい!!」

 

 

「餓えた狼も使いよう、か。やるではないか、極東の島国よ」

――あれが、大和魂・・・あれが、サムライジャパン・・・

 

「終わりか・・・」

 

 

「沖田さん!新撰組大勝利ー!!いぇーい!」

 

「行くぞ。次だ」

 

 

『――護るべきもののないスパルタに、止められる道理は無いのですから』

 

 

 

――激動の矛盾対決は終わり

 

 

ローマへの凱旋を果たす――




「贔屓か作者――!!貴様ァ!!何見せ場つくっとるんじゃ!!沖田なんて適当に麻婆食わせてウケをとる芸人じゃろ!沢庵スペース土方とかここが新撰組botじゃろ!?一話まるまる乗っとるとか作者ァァア!!ワシなんかあれぐらい三千世界でワンパン――」

「首を出せ」

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