人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「まずはチョコレートケーキ、モンブラン、クリームパフェを作ってみたわ。感想を教えなさい。アンケートとして次の作品の参考にするわ。美味しいなら理由を、不味いなら改善点をきちんと書きなさい。生の声が、一番の参考になるのだからね、めんどくさがらないこと!はいアンケート用紙!」


「甘いな――気遣いと情熱を感じる、よい菓子だ。オレには勿体無い程のな」

「あぁ――君の努力が見てとれる。美味しい。――気の効いた事を言えず、すまない」 

「姉に似て、生真面目だねぇ。味見役の役得だなこいつは」

「甘い、美味しい、役得・・・ちょっと抽象的過ぎないかしら。まぁいいわ・・・アレンジは必要ないわね。トッピングの量や甘味を抑えたりして変化を出してみるアプローチで行きましょうか・・・」


助けるぞ!

連合ローマの首都を割り出し、兵を集め、進撃する正当ローマ兵軍――

 

 

 

単独部隊や、魔術の兵を蹴散らし、ひたすらに進軍していく――!!

 

 

 

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛――!!!」

 

 

大地と大気を震わし咆哮する、凄まじい巨駆のバーサーカー!!

 

 

「辺りに残骸を侍らせているようだな。マスター、マシュ、ネロ。本命を死力を尽くして蹴散らすがよい」

 

 

「うん!」

「はい!」

「任せよ!」

 

 

巨大なバーサーカー目掛けて三人が突撃する!

 

――ならばこちらは、バーサーカーの辺りを固める兵士を蹴散らすとしよう

 

「さて・・・」

 

 

――どうやら敵は不死の兵、要するにアンデッド系列なようだ。まるで生命の息吹を感じない

 

 

「さて、決戦と定めた以上、我も準備運動をしておかねばな」

 

――財を選別する。対象はアンデッド兵、数、一万近く

 

財、洗礼、聖印、対魔、悪魔祓いを行った武器の原典を選別する

 

 

砲門設定――上空、一帯を一掃するように展開

 

総数――500門

 

 

「では、聖人の真似事といこうではないか」

 

パチン、と号令の指をならす

 

 

「『王の――財宝』」

 

降り注ぐ無数の財――現れし不死の兵団を蹂躙し、蹴散らし、土へと還していく

 

 

「ふむ、財のノリは悪くはない。雑魚散らしも悪くはないな」

 

ちらりとマスターを見れば、二人を礼装でサポートを行い、マシュがバーサーカーの嵐のごとき攻撃を防ぎ、いなし、ネロが反撃にて的確にダメージを与えていく。長い間いたのもあり、抜群のコンビネーションを発揮している

 

「随分と手慣れたものよ。叩けば鳴り、磨けば光る素材は愛でようがある」

 

 

――こちらも射出にバリエーションを持たせてみよう。兵の位置を正確に掴み、一人一人に砲門を振り分け囲うように設置する

 

 

無駄に射出する量が減り、かつ的確に倒せるようになるはずだ。足下、頭上、視界の死角など、設置場所に気を配る

 

 

――急所を穿てるようになれば、放つ財を節約できるようになるだろう。幸い相手は不死の兵、倒してもなんら問題はない筈だ

 

 

「我ながら細かく気を配ったモノよ。まぁ油断も慢心も捨てるといった手前、手は抜かんがな」

 

パチン、と射出する砲門を首、頭蓋、心臓などの部位に定める

 

放つ財は的確に抉り、数分もしないうちに一万の騎兵はほぼ全滅の憂き目にあう

 

財の個人指定射出――覚えていて損はないだろう

 

 

「さて」

 

 

残った兵を全滅させた後にマスター達をみやる

 

 

 

 

「苦悶を溢せ『妄想心音』――」

 

 

巨大な右腕にて心臓の鏡像を造り上げたハサンが、それを握り潰す

 

 

「⬛⬛⬛⬛⬛――」

 

心臓を潰された衝撃で、総ての活動が停止するバーサーカー

 

 

「余が決めよう!!はぁあぁあぁぁあっ!!!」

 

駆け抜け、バーサーカーを一閃するネロ

 

 

「止め!!『ゴールデン』!」

 

カルデアに接続し、快男児ゴールデンを呼び出し――

 

「任せな!必殺!!」

 

――だめ押しに、止めを刺す!

 

 

「『黄金衝撃』――――!!!!!」

 

 

――豪腕の一撃を叩きつけられたバーサーカーは、ついに倒れ伏した――

 

 

『凄いぞ三人とも!サーヴァント戦はすっかりお手のものだね!』

 

 

「今や我等の勢いは流星すら越える!このまま首都まで押し入るぞ!」

 

「おーっ!!」

 

 

「フッ、騒がしいことよ」

 

――彼女たちも、確実に経験を積み、成長しているようだ

 

ならば、自分もますます励まなければなるまい。もっともっと、付け入る隙を少なくしなければ

 

 

「よぉし!我等は今や破竹の大進撃!ローマの平定はすぐそこである!!」

 

 

輝く笑顔を振り撒くネロ。――しかし、一つ気になる事がある

 

――あまりにも上手くいきすぎているのではないか?首都に敵が迫るというのにレフも首魁も姿を見せない。まるで対抗する意思を見受けられないのだ。バーサーカーを倒した今も、大きな動きは見られない

 

――何か、他に目論見があるのか?迎撃する以外の、目論見が

 

「――そう上手くはいかぬようだぞ?」

 

呟く器と、伝令が報せを送るは同時であった

 

 

 

「報告します!後方により待機していたスパルタクス、呂布の両名が敵軍を追い戦線を離脱!更に敵の別動隊により、将ブーディカが虜囚となった模様!」

 

 

「何っ!?」

 

「なるほど、二正面作戦ときたか。バーサーカーを削ぎ戦力を減らし、ブーディカめを捕らえ、行動を制限する――敵にはそれなりの軍師がいるようだな」

 

頷く器。――捕らえられたのか、ブーディカが敵に・・・!

 

「ブーディカを捕らえた部隊は何処か!」

 

「最寄の砦にて駐留!移動する気配はありません!」

 

『どういうことだ?バーサーカーを消さず切り離し、ブーディカを首都に連れ込まず砦にて待機・・・?』

 

あまりに一致しない敵の行動に困惑する。敵の目論見が見えてこない・・・何がしたいんだ?

 

 

「――バーサーカー二人は今は信じるしかない。必ず彼等は帰還しよう。だから今は、余はブーディカめを救助したい!」

 

ネロが声を上げる

 

「客将一人を餌にした釣りであろうが、それでも赴くのだな?」

 

「無論だ!余は、自らを信じた者を見捨てはせぬぞ!」

 

「・・・だ、そうだ」

 

――自分としてはネロに賛成だ。ここで大切な人理を護る同胞を失うわけにはいかない

 

だが、自分はサーヴァント。決断は、マスターに委ねられて然るべきだ

 

「もちろんいこう!罠?踏み潰せばいいんだよ!」

 

「先輩!思考がバーサーカーじみています!」

 

「我も異論はない。アレは貴様の将だ。煮るも焼くも救うも貴様の自由だ」

 

「感謝するぞ、皆!よし!早馬をだせ!ブーディカを救うぞ!!」

 

 

「了解!」

 

「史実の扱いになっておらぬ事を祈るばかりだがな。ヤツも二度の凌辱は堪えよう」

 

 

――一行は、砦へと向かう!

 

 

 

 

 

 

 

「ブーディカ!どこだ!返事をせぬか!!」

 

 

訪れた小さな砦、ブーディカが捕らえられた場所にて声を上げるネロ

 

「返事してー!!」

 

「ブーディカさん!!」

 

 

必死に探索を続ける一同

 

――そこに

 

 

「彼女なら大丈夫。ぐっすり寝てるよ」

 

現れしは、赤髪の美少年

 

「――貴様・・・よもや、征服王か」

 

驚愕に眼を見開く器。征服王?

 

 

「あぁ、それは未来の僕だ。イスカンダル――未来はそうなんだよね」

 

「――ふん、随分と艶やかな姿なものよ。神の祝福はよほど貴様の在り方を変えたようだな」

 

 

「あはは、よく言われる。――こんにちは、英雄王。僕はアレキサンダーとよんでほしい」

 

ぺこり、と頭を下げる美少年

 

「英雄王。あなたとも話をしてみたいのだけど、今はネロにしか興味が無いんだ」

 

「・・・?」

 

「ほう、我は眼中に無いときたか。未来の覇王だけあって、恐れを知らぬ言いぐさよ」

 

――征服王という単語を放つ度、器に高揚が浮かぶのを感じる。どうやらただの有象無象以上の想いがあるようだ

 

「ごめんね。貴方には僕より・・・」

 

「貴様には私の用事に付き合ってもらう」

 

現れしは黒き長髪の、長駆の男性、ローマに似遣わぬスーツ姿の男性だ

 

 

「――何だ貴様、我と何処かで逢ったか?」

 

「知らぬのも無理はない――あの時私は、無力な子供だった」

 

 

「ギル、知り合い?」

 

「さて、な。どこぞの時空で蹂躙した小物であろうよ。一々雑種など覚えておらん」

 

――油断なく財を選別する

 

――彼の雰囲気、確実にこちらを敵視している――!

 

 

「任せていいんだね、先生?」

 

「あぁ。貴方は貴方の願いを果たすがいい。私は今――」

 

 

「――ほう、王に刃向かうか、雑種めが」

 

「――我が王が挑みし果てに、挑ませてもらう――!!」

 

覚悟と意地が、襲い掛かる――!!




「どうやら私が、料理を作っているみたいです!」


「負けていられません!もっと信仰を、もっと祈りを!もっと愛を!大丈夫、それがあれば料理は美味しくなるのですから!早速調理に取りかかりましょう!」

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