宇宙世紀と言う激動の中で。   作:吹雪型
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今回はあの機体に搭乗します。
え?あの機体て何か?アレですよアレ。

と言う訳でどうぞ。


ベルファスト基地

地球連邦軍ベルファスト基地

 

「司令、レーダーに反応があります。上空から味方の大気圏突入カプセルが降りてきます」

 

「何?報告は聞いてないが?」

 

「自分も聞いてはおりません」

 

ベルファスト基地司令は眉を潜める。だが、無視する訳には行かないだろうと判断する。

 

「哨戒機を警戒に当たらせろ。それから歩兵部隊を展開させろ。積荷が何か確認するんだ」

 

ベルファスト基地から一部の部隊が出撃して確認に赴くのだった。

 

……

 

「う……あ、此処は。そうか、地球に降りたのか。やっぱり身体が重たいね」

 

俺は宇宙の無重力が結構好きだ。ザクを起動させカプセルから出る。そして近くに居るだろう連邦軍に通信を試みる。

 

「此方、地球連邦宇宙軍ルナツー第2艦隊第207戦闘機隊所属シュウ・コートニー軍曹。応答願います」

 

『此方ベルファスト基地の航空部隊だ。この基地に大気圏突入カプセルが来る予定は無かったが?』

 

「本来ならジャブローで降りる予定でした。しかし宇宙でジオン軍から襲撃を受けました。味方艦隊は自分を残して…」

 

『そうか、すまなかったな。それで積荷は何だ?必要ならトレーラーを用意するが』

 

「大丈夫です。歩行の練習も有りますので其方に直接向かいます」

 

『直接?一体何を持って…っ!司令部!敵だ!ザクが居るぞ!?』

 

通信からとんでもない情報が伝えられる。て、ちょっと待て。このままだと味方に殺されてしまう。この後何とか説得してベルファスト基地に入る事が出来た。

 

「両手を挙げて出て来い!」

 

「畜生、またこのパターンかよ。今から降りるから撃つなよ!」

 

この後、基地司令に連行される。確かに敵兵器であるザクを操縦していたが、味方と分かってくれたなら優しく扱って貰いたい物である。

 

「それで、シュウ・コートニー軍曹。君はV作戦とやらの為に態々地球に降りてきたと?」

 

「はい。後は宇宙での戦闘データと敵パイロットが所持していたメモ帳を提出します」

 

「成る程な。それで、君はこれからどうするのかね?本来とは違う場所に降りてきた訳だが」

 

基地司令が意地悪な質問をしてくる。

 

「出来ればザクを運んで貰いたいです。無理なら…自力で行きます。それが、俺を地球に降下させてくれた彼等に出来る唯一の葬いですから」

 

例え力を貸さなくても構わない。

 

「無謀だな。海はどうやって渡る?ジャブローまでの道程は楽では無いぞ?」

 

「無謀なのは百も承知です。ですが、止まる訳には行きません」

 

自分の掌を見つめる。何も出来なかった。大局を見据えて行動するのは難しく、とても辛い。

 

「はあ、気概だけで任務達成出来れば苦労はせんよ。幸いな事に一週間後にジャブローから補給部隊のミデア輸送機が来る。その時、ミデアに乗せて貰うと良い」

 

「司令…」

 

「君の気概は充分分かった。それに、友軍を見捨てる地球連邦軍兵士は居ない」

 

「ありがとうございます。あ、あの一つお願いが有ります」

 

「ん?何かね?」

 

「戦闘機を1機貸して下さい。ミディア輸送機の護衛をしたいので」

 

この時、ベルファスト基地司令はシュウを見捨てるつもりは無かった。基地司令もV作戦については多少聞き及んでいた。そして、シュウを助ければルナツーとレビル将軍に大きな借りが出来るのだ。つまり、シュウを助けるメリットは大きい。

 

「良かろう。フライアロー制空戦闘機を与えよう。操縦は出来るのかな?」

 

「セイバーフィッシュは操縦してました。ですので少しの転換訓練で大丈夫かと」

 

この後直ぐにフライアローの操縦を覚えるように命令が下る。そして一週間後、ジャブローから来た補給部隊のミデア輸送機が到着する。しかし、損傷機が多数居た。然もミデア輸送機は2機が撃墜されたらしい。一応ガンシップ仕様のミデアも居るからマシな損耗率なんだろう。

 

「では、ザクの輸送を頼んだぞ。レビル将軍に宜しく伝えておいてくれ」

 

「了解しました。ジャブローまでザクを運びます。それから護衛機の方ですが」

 

「途中までなら可能だ。それから1機のみジャブローまで護衛を継続してくれる」

 

「1機だけですか。了解しました。直ちにザクの搬入を開始します」

 

それからミデア輸送機隊は積荷を降ろした後、ザクを搬入して補給を済ませる。

 

「今回ジャブローまで護衛するシュウ・コートニー軍曹です。宜しくお願い致します」

 

「ああ、君が最後まで護衛をしてくれる人か。君の戦果は聞いてるよ。セイバーフィッシュでザク1機撃破したのだろう?心強いよ。私はミディア輸送隊の機長のルリス・カリアス中尉だ」

 

俺はルリス・カリアス中尉と握手する。

 

「しかし、よくザクを鹵獲したな」

 

「運が良かったんです。それと、ジャブローまでの道程の途中で空中補給は出来ますか?」

 

「ああ、ミデアのガンシップ仕様には通常のミデアより燃料が多く搭載されてる。其処から補給が可能だ」

 

「了解しました。それでは道中は宜しくお願いします」

 

「此方こそな。君の腕前には期待してるよ」

 

それから一時間後に補給が完了したミディア輸送隊は護衛機と共に発進準備に入る。

 

『此方、ミデア1番機から各機に通達。これよりジャブローに帰投する。我々は飛行ルートを遠回りで行く事になった。だが、敵との接敵の可能性は高い。全機、周辺警戒は常に厳とせよ』

 

そして、ミディア輸送隊はジャブローに向けて飛んで行く。そしてベルファスト所属の護衛機も後に続く。

 

『管制塔よりガルム12。滑走路に移動して下さい』

 

「ガルム12了解」

 

フライアローにを滑走路に移動させる。

 

『進路クリア、発進どうぞ』

 

「了解。ガルム12行きます!」

 

フライアローのアフターバーナーを全開にする。そして俺は地球の空を飛ぶのだった。

 

『よお、お前がザクに乗ってた奴か?』

 

「そうです。それが何か?」

 

『へ、お前が何者かは知らねえがジオンだったら容赦無く撃ち殺すからな。覚悟しとけよ』

 

そう言って通信は切れる。

 

「ザクを動かしただけで裏切り者扱いか。ジオンに対する憎しみは留まる所が無いな」

 

宇宙での大敗北、そしてコロニー落としによる被害。更に二次被害による犠牲者は未だに出ている。此れだけ見ればジオンを憎むなと言うのは無理がある。

 

「俺だって味方の艦隊や部隊を失った。恨む気持ちはあるしな」

 

ジオン軍に対して容赦をするつもりは無い。だが、俺はジオン軍の様に無抵抗の民間人や降伏する敵兵を殺すつもりは無いぞ。

それから暫くすると敵の偵察機を発見する。

 

『バルス1よりガルム12、敵偵察機を撃墜せよ。ザクを撃破の腕前を見せて貰おうか』

 

「ガルム12了解」

 

フライアローを全開で飛ばして行く。偵察機も此方に気付いて回避機動を取る。それと同時に機銃で攻撃をして来る。

 

「やっぱりジオンの戦闘機は好きになれんな」

 

なんか形が気に入らんのだ。偵察機を30㎜バルカン砲の射程に入れる。そして、トリガーを引く。30㎜弾は偵察機に吸い込まれる様に当たる。そして、爆散。

 

「此方ガルム12。敵機を撃墜」

 

『ほう、中々やるじゃ無いか。良し、編隊に戻れ』

『へっ、アレぐらいなら俺なら三秒で片付けれるぜ』

『何言ってやがる。逆に三秒で撃墜されるの間違いだろ?』

『それは皮肉としては笑えるぜ!』

『んだとゴラァ!お前ら後で覚えてろよ!』

 

どうやら漸く味方として迎えてくれそうだ。

 

『無駄話は此処までだ。偵察機を撃墜したとなれば次は敵戦闘機部隊が来る筈だ。警戒を厳とせよ』

 

『『『『『了解!』』』』』

 

そして、予想通り敵戦闘機ドップ隊が接近して来る。

 

『全機、戦闘態勢!ミサイル発射と同時に散開して敵を撃破せよ!』

 

『バルス3了解』

『バルス5了解!待ちくたびれたぜ』

『トマホーク1了解。全機行くぞ!』

 

「ガルム12了解。ミサイルロック…発射!」

 

各機からミサイルが発射される。それと同時に敵戦闘機ドップからも反撃のミサイルが来る。

 

『全機散開!此処の空は俺達のホームグランドだ!堕とされるなよ!』

 

ドップとフライ・マンタが入り混じる。序でに俺のフライアローも。と言うかフライアローは俺しか乗ってない悲しさ。

 

「て、無駄な事考えてる暇は無い。行くぞ!」

 

俺もドップと交戦を開始する。敵も味方も次々と堕ちていく。そんな中、ミデア輸送機に突撃して行くドップが3機いた。

 

「やらせるかよ。それに、俺達を無視して行くとはね」

 

フライアローは直ぐにドップに食い付く。

 

『敵に食いつかれた!畜生!』

 

敵は焦ったのだろう。フレアを射出する。だが、俺は冷静に30㎜バルカン砲を撃つ。

 

「次はお前だ」

 

今度はミサイルを撃つ。フレアを射出して回避する。その隙にもう1機に攻撃を仕掛ける。

 

『うわあああ!?死にたく』

 

ドップは30㎜弾が直撃して爆散する。

 

『よくも仲間を!貴様だけは仕留める!』

 

「来るか。格闘戦は得意だぜ」

 

お互い格闘戦入る。それは多大なGによる負荷が身体に押し掛かる。

 

『くっ…こ、これ以上は』

 

ドップは俺との格闘戦から離脱する。その隙に背後を取る。

 

「……すまんな」

 

最早抵抗の意思は無いだろう。だが、見逃す訳には行かない。何故なら、逃したらまた誰かを殺すだろうから。ミサイルをロックして発射。ミサイルはドップに直撃して爆散したのだった。

 

……

 

『我々はこれより離脱します。御武運を』

 

『其方もな』

 

ベルファスト所属の戦闘機隊は離脱して行く。

 

『コートニー軍曹、君の腕前は中々の物だった。ミデアを宜しく頼む』

 

「了解しました」

 

『頼んだぞ。そして死ぬんじゃ無いぞ』

 

そう言って戦闘機隊はベルファスト基地に帰還して行ったのだった。

 

「さて、此方ガルム12。燃料補給を頼めるか?」

 

『此方ミデア7号機了解した。後ろに来てくれ』

 

それから空中給油を行う。

 

『補給完了した。もはやガルム12だけが頼りだからな。しっかり護衛を頼むよ』

 

「最善は尽くします。ただ、敵の大群が来たら逃げて下さいよ。守りきるのは厳しいですから」

 

『分かってるさ。ただ、此方もガンシップだ。多少の援護は可能だからな』

 

フライアローが1機、ガンシップの数は3機、ミデア輸送機は4機。敵と接敵しない事を祈るしか無いな。

不安を抱きつつもミデア輸送機隊はジャブローに向かって行くのだった。

 




フライ・マンタでは無くフライアローでした。

でも、フライ・マンタよりフライアローの方が好きです。後、今回搭乗したフライアローは単座式です。





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