宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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MS特殊部隊第27小隊 初陣

ベルファスト基地に到着してRGM-79ジムと武器を降ろす。其処でもう一人のモビルスーツパイロットを補充した後、海上から前線基地に行く手筈になっていた。

 

「全く、もう一人のパイロットは何処なの?」

 

「見当たりませんね」

 

確かに見当たらない。周りを見渡すと1機の大型の戦車が来る。戦車は俺達の前で止まる。そしてコクピットが開き誰かが出て来る。

 

「ふっ。やあレイナ。久し振りだね」

 

「げっ、何であんたが此処に?…まさか、もう一人のパイロットって」

 

其処には爽やかイケメンが出てきた。輝く様な金髪に少しキツめのツリ目。しかし、甘いマスクがそのキツさを取り除いている。正にイケメンだ。

 

「その通りさ。君の許嫁として心配でね。だから僕もレイナと共に戦う事にしたのさ」

 

「普通は徴兵される筈だけど?」

 

「それは下の者達の役割さ。僕達の様な存在はそんな事はしなくて良いのさ」

 

それから暫く話し合っていたが漸くこっちに来た。

 

「御免ね。待たせちゃったね」

 

「いえ、大丈夫ですよ。それで、其方の方は?」

 

「自分も気になりますね。知り合いと言うか、許嫁とか言ってましたし」

 

「許嫁の部分は忘れて頂戴。此奴は…」

 

「自己紹介は僕がやるさ。アーヴィント・アルドリッジ少尉だ。僕とレイナが君達と共に戦うのは短い期間になるだろうが宜しく頼むよ」

 

何だろう…凄く厄介な人が来たな。この部隊は大丈夫だろうか?

 

「短くないわよ。少なくとも貴方と一緒に抜ける事は無いわ」

 

「やれやれ、君と僕の父上は心配していると言うのに」

 

「ふん、パパは分かるけど貴方の父親に関しては知らないわ」

 

何だかこのままだと話が進まないな。仕方無いか。

 

「取り敢えずモビルスーツを空母に載せましょう。じゃないと先に進みませんし」

 

「それもそうね。所で、アーヴィントの戦車は何?」

 

「ふっ、あれはRX計画で作られたモビルスーツをより高性能にした物さ。本来なら東南アジア方面に配備されるモビルスーツだが、欧州での戦闘データ収集と言う理由で無理言って用意させたのさ」

 

(RX計画か。確かV作戦の肝の部分だったな)

 

「此奴の名前は【RX-75量産型ガンタンク】。本来の【RX-75ガンタンク】を超えた機体さ。正に僕に相応しい機体だよ」

 

フサァと前髪を撫でるアーヴィント少尉。序でにスペック表も見させて貰う。

120㎜低反動キャノン2門、4連装ガンランチャー2門だ。また120㎜低反動キャノンは砲身が延長され本家より射程が上がっている。更にセンサーも強化されており、より遠距離からの砲撃に磨きが掛かっている。

4連装ガンランチャーは別の武装である4連装ボップミサイルも有るみたい。だが、改装作業は必須だ。更にマニピュレーターが無い為近接戦は無理だ。

 

「それにRX-75ガンタンクは2人乗りだが、RX-75量産型ガンタンクは1人乗りに改修している。更に可動範囲も広がってるのさ。正に僕に打って付けの機体さ」

 

アーヴィント少尉は自信満々に言い放つ。本家RX-75は2人乗りらしい。でも61式戦車も2人乗りだから妥当だと思うけどな。戦車での戦闘は色々忙しいと思うし。それにしても量産型ガンタンクか。射撃特化のモビルスーツなのだろう。だが、此奴は……。

 

(何で脚部がキャタピラ何だよ。行軍行動に支障が出て来そうだな)

 

普通にRGM-79ジムを用意して欲しかったと思うのは我儘だろうか?この後モビルスーツをヒマラヤ級空母マルスに搭載させる。と言っても前線基地に渡す弾薬や車両、空母の艦載機も有る為モビルスーツを格納させるスペースは作られて無い。よって航空甲板の上に待機させる。

そして輸送船団の到着を数日間待ち、共に欧州前線基地に向かうのだった。

 

……

 

地球連邦海軍。地球の7割を占める海の王者と言える存在だ。海上戦力の乏しいジオン地球方面軍が地球連邦海軍に勝てる訳が…あった。

宇宙世紀0079.3月27日、ジオン公国軍は水陸両用モビルスーツの生産を開始した。ジオン地球方面軍は水陸両用モビルスーツを実戦に投入。その結果、地球連邦海軍は多大な被害を被る事になったのだった。

 

宇宙世紀0079.1月6日。ヒマラヤ級空母 マルス

 

現在ヒマラヤ級空母マルスを中心に輸送艦と護衛艦が艦隊を形成しながら欧州前線基地に向かっていた。

 

「ようこそ空母マルスへ。私は艦長のダラス・カスペルスキー大佐だ。諸君達を歓迎しよう」

 

「レイナ・ラングリッジ少尉です。宜しくお願いします」

 

「ふっ、アーヴィント・アルドリッジ少尉だ。宜しく」

 

「シュウ・コートニー曹長です。宜しくお願いします」

 

「ルイス・エヴァンス伍長です。宜しくお願いします」

 

この後、欧州前線基地についての説明をされる。俺達MS特殊部隊第27小隊は敵戦力に対する陽動、及び撃破を行う。欧州方面における今後の作戦は前線基地に着いた後に伝えられる手筈だ。

 

「近々欧州にて大規模作戦の為、君達モビルスーツ部隊にはジオンの戦力を少しでも裂く目的で戦闘命令が出ている。詳細については前線基地に着けば自ずと分かる」

 

「了解しました。では、短い航路になりますが宜しくお願いします」

 

最後はレイナ少尉が締めて終わる。空母マルスの甲板に出て海を眺める。しかし、MS特殊部隊か……。

 

「何だか戦争にどっぷり浸かってるな」

 

艦隊を眺めながら考える。結局、この戦争は他人事で終わらせる事なんて出来無い。戦争に参戦した時点でこうなる事は決まってたのかも知れない。

 

「はあ、早く戦争終わらないかなぁ」

 

空を見上げると輸送機が飛んでる。何処の部隊かは知らないが彼等も戦争してるんだよな。

 

「なーに黄昏てるのよ。らしくないわよ」

 

「レイナ少尉。別に黄昏てませんよ」

 

レイナ少尉が隣に来る。

 

「海かぁ。もう全然海に泳ぎに行ってないな」

 

「呑気ですね。今そんな事考えてるのはレイナ少尉ぐらいですよ」

 

「良いじゃない。今の御時世、大多数の人達が同じ事を考えてるわ。そんな中私が違う事考えても大丈夫よ」

 

「なんか無駄に説得力が有るんですけど」

 

「まあ、軍学校でこの言い訳言ったら怒られたけどね〜」

 

チロッと舌を出すレイナ少尉。可愛いから許す。

 

「それは先生がそのユニークな考え方に同意しなかったのは残念でしたね」

 

「でしょう?シュウは同意してくれる?」

 

そうだな……うん、良いんじゃないかな。

 

「面白そうですから同意しますよ」

 

「やった!仲間が増えたわ」

 

暫くレイナ少尉と談笑してるとルイス伍長も来た。

 

「お二人共随分と楽しそうに話してましたが、何を話されてたんですか?」

 

「うーん、普通の会話だな」

 

「普通…ですか?」

 

「そうよ。服とか欲しいし髪型も色々変えてみたいとかね」

 

「俺は車が欲しいかな。特にスポーツカーが良いな」

 

「あ、あはは…二人共肝が大きいんですね」

 

苦笑い気味になるルイス伍長。だが、肝が大きい訳じゃ無いんだよな。

 

「そんな事無いよ。唯の普通の会話だし」

 

「そうそう。今は難しい事は他の人達が率先してやってくれるんだから、私達が日常会話をしても大丈夫よ」

 

「そうでしょうか?」

 

「所でルイス伍長は何か欲しい服とか有るの?私はね」

 

女子トークに突っ込む程野暮な事はしないさ。暫く二人の会話を聞きながら艦隊を眺める。その時、1隻の護衛艦からミサイルが発射される。そして警報が鳴り響く。

 

『総員第一種戦闘配置。戦闘員は即時戦闘配置に着いて下さい。ドン・エスカルゴ隊、ファンファン攻撃隊、モビルスーツ部隊は即時出撃せよ。繰り返す』

 

「シュウ曹長!敵襲よ!急ぐわよ」

 

「了解!ルイス伍長も頼みます」

 

「了解しました!」

 

直ぐにアーヴィント少尉共合流する。そして俺とレイナ少尉はRGM-79ジムに乗り込み起動させる。アーヴィント少尉も量産型ガンタンクを起動させる。

 

「全く、初の実戦が海上とはね。囮にしかならない気がするな」

 

『ボヤかないの。囮なら囮で最善を尽くすだけよ』

 

『ま、僕の腕前を披露するにはこのぐらいのハンデは丁度良いさ』

 

そして、この海上戦がMS特殊部隊第27小隊の初陣になるのだった。

 








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