宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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欧州前線基地 帰還

ルイス伍長達と合流すると、やはり被害が出ていた。あの時のザクキャノンの砲撃は量産型ガンタンクを狙った物だった。整備兵が5名戦死、重軽傷10名以上も居る状況だった。

 

『お二人共ご無事で良かったです!』

 

『レイナ、生きて戻って来ると信じてたよ。これで僕と君の父上に無事を報告出来るよ』

 

『ルイス伍長達も無事で本当に良かったわ。アーヴィントは撤収準備を手伝いなさい。全く』

 

トレーラーにレイナ少尉のジムを乗せる。俺のジムもこれ以上の戦闘は困難の為、トレーラーに乗せる。俺は漸くジムのコクピット内で力を抜いた。

 

「生きて帰って来れて良かった」

 

仲間に死者が出てしまったのは残念だ。もっと上手く出来たのでは無いかと思う。だが、今更それを考えても遅いのだ。死んだ人間は生き返る事は無い。

 

「考えたら俺も恨まれてる立場なんだよな」

 

戦争は殺し殺されの繰り返し。こうやって憎しみの連鎖が大きくなる訳だ。そして俺もその片棒を担いでるのも事実な訳である。

トレーラーが動き出す。それでも暫くジムのコクピット内で考え込みながら身体を休めるのだった。

 

……

 

「あら?シュウ曹長は?」

 

「まだジムの中に入るみたいですね」

 

「そう。どうせ、また柄にも無い事かんがえてるんでしょう」

 

レイナ少尉はシュウ曹長の行動を予想する。

 

「しかし今は一人にさせて上げた方が良いかと。シュウ曹長も色々考えたい時もあるでしょうし」

 

「ダメよダメ。彼奴はそんなキャラじゃ無いのよ。それに、考えても仕方無い事よ。戦争に参加してる時点でね」

 

そのままレイナ少尉は表に出ようとする。

 

「レイナ少尉?何方に?」

 

「彼奴をジムから出して来る。せめてベットで横にさせて上げないとね」

 

そう言ってレイナ少尉はシュウ曹長のジムに向かう。

 

「あ、私も行きます。二人で行けば確実に出てきますから」

 

ルイス伍長もシュウ曹長をジムから出す為に着いて行く。こうしてシュウ曹長は二人から強制的にジムから出されて、考える事を中断したのだった。

 

……

 

宇宙世紀0079.10月8日。無事に欧州前線基地まで撤退出来た。しかし、俺達ラングリッジ小隊は直ぐに次の命令が下される。

 

「君達はモビルスーツの修理が完了次第、この前線基地防衛に着いて貰う。近々ドーヴァー海峡から来る大部隊の護衛の役割もある。以上だ」

 

基地司令は俺達に命令を降すと次の書類に目を通した。意外とやる事が多そうで大変そうだ。

 

「大部隊か。確かにこの前線基地にも戦力が集まってきてるよな」

 

「そうね。それに私達以外のモビルスーツ部隊も結構集められてるわね」

 

初めてこの基地に来た時より61式戦車やフライ・マンタ、ファンファンが増えてる。更に連邦製のモビルスーツも配備も増えていた。

 

「あのモビルスーツもジムなのかな?何か俺のジムより頑丈そうだけど」

 

「あのモビルスーツもジムですね。確か【陸戦型ジム】でしたね」

 

ルイス伍長が陸戦型ジムについて教えてくれた。

 

RGM-79[G]陸戦型ジム。RGM-79ジムよりも早くに先行量産されたのが陸戦型ジムだ。但し、V作戦のRX計画の技術が反映されて無い為RGM-79ジムとは事実上別の機体となる。機体のジェネレーターはRGM-79ジムより低いが装甲はルナチタニウム合金を採用。チタン合金のRGM-79ジムより生存率は高くなっている。

但し、機体の製造コストは高く量産性には向かない。つまり高級なジムである。

 

「そうやって聞くとちょっと羨ましいかも」

 

「それに上位機体のRX-79[G]陸戦型ガンダムも少数ですが生産されてますから」

 

陸戦型ガンダムか。ジムよりも間違い無く高性能だろう。俺達のジムの元の機体になってるRX-78ガンダムも超高性能だと聞いてるし。唯、高性能だからこそ気になる所がある。

 

「でも、お高いんでしょう?」

 

「ええ…まあ。ジムよりも高価なのは確かですね」

 

若干苦笑いになるルイス伍長。改めて陸戦型ジムを見る。こうして見ると連邦軍もモビルスーツを着々と配備して行ってるんだなと感慨深い物がある。この戦争が始まって十ヶ月余りが過ぎた。その間に戦術や兵器の見直しを余儀無くされた地球連邦軍。だが、漸く同じ土俵に立て始めて来た。

 

「これから先が正念場だな」

 

味方の陸戦型ジムを見ながら呟くのだった。

この後自身のジムを確認しに行く。先の戦いでかなりの無茶をしてしまったからだ。案の定俺のジムには複数の整備兵達が群がっていた。

 

「そっちの関節部は如何だ?」

「ダメです。こっちも交換です」

「ジェネレーターも結構やられてますね。交換します?」

「交換だ。このまま出したら爆発しちまうよ」

「しっかし、こんだけ交換するなら新しいジム用意した方が早いよな?」

 

整備兵の皆さん御免なさい。そしてモンド伍長と話をする。

 

「曹長のジムの部品は殆ど交換ですね」

 

「面目無い。上手く扱いきれないのが歯痒いです」

 

しかしモンド伍長は首を振るう。

 

「何方かと言うと、ジムが曹長の動きに対応出来て無いですな。まあ、今回の戦闘データは結構貴重な物ですよ。重力下に於けるジムの機動戦に於ける耐久性が解った訳ですからね」

 

「そう言う問題ですか?」

 

「仕方無いさ。まだ連邦軍はモビルスーツの運用については素人も良い所だ。取り敢えず曹長のジムの関節部は改修しておきますよ。その分少し硬くなりますから、慣らしはお願いします」

 

「了解しました」

 

レイナ少尉のジムも修理中だ。破損した部分を外して新しい部品を取り付けてる作業中だ。レイナ少尉のジムは今日中には修理が完了するだろう。

俺は暫くRGM-79ジムを見る。特に不満は無いが、せめてジェネレーター関係は何とかして欲しいと思ったのだった。

 








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