宇宙世紀と言う激動の中で。   作:吹雪型

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重複投稿失礼しました。続きになります。


オデッサ作戦 前哨戦2

宇宙世紀0079.10月30日。AM11:00

 

俺達ラングリッジ小隊とバンブル小隊は待ち伏せを続くけて3日が過ぎた。そして遂にジオン補給部隊を確認した。トラックと軽車両の車列が多数並んでいる。更に旧ザク2機、ザク4機。マゼラ・アイン戦車、マゼラ・アタック戦車も多数居る。

 

『目標の敵補給部隊を確認しました。全機、出撃して下さい』

 

『了解よ。ラングリッジ小隊出撃よ!』

 

「了解です。さて、行きますか」

 

『全く、この僕をコクピット内に座らせ続けるとは。身体が軋むよ』

 

「アーヴィント少尉、我慢して下さい」

 

ラングリッジ小隊はガルム3を残して前進する。

 

『バンブル小隊、予定ポイントに移動する。精々生き延びてこっちに来いよ。野郎共!行くぞ!』

 

『『『『『了解!』』』』』

 

バンブル小隊の61式戦車5型とガルム3の量産型ガンタンクは移動開始する。

今回俺のジムの武装は90㎜マシンガンとビームスプレーガンだ。レイナ少尉は90㎜ガトリングガンを装備している。

ジムのブースターを使いながら素早く移動する。もう直ぐ敵と接触する。操縦レバーを握り締めながらモニターとレーダーを確認するのだった。

 

……

 

ジオン補給部隊 一般兵

 

俺達は元々武器、弾薬集積所に居た。戦力もマゼラ・アイン戦車とワッパ位だった。しかし昨日、突然司令部から無茶な命令が来た。

 

【欧州方面の各戦力は直ちにオデッサに集結せよ。また弾薬集積所の補給物資は全てオデッサに集結させよ】

 

オデッサ。それは一兵士である俺でも分かる。ジオン地上軍にとって重要な場所だと言う事だ。それから撤収作業に入り移動する。それと同時に他の部隊との合流したのだ。

 

「なあ、やっぱり連邦はオデッサに来るのかな?」

 

「あ?はっ!そうだとしても撃退出来るさ。考えて見ろよ。今まで俺達は勝ち続けて来ている。そして此れからもそれは変わらねえよ。何が【ジオンに兵無し】だよ。あの髭オヤジめ」

 

そう言うと隣の奴はタバコを吹かしながら言う。確かに俺達ジオンは今迄勝ち続けて来た。だが、この戦争はとてもでは無いがクリスマス迄には終わりそうに無い。

 

「安心しろよ。連邦が俺達に勝てる訳が無い。何故なら俺達はスペースノイド独立の為に戦ってるからな。連邦の横暴を止めれるのは俺達だけだ」

 

「そうだよな。俺達はスペースノイドの為に戦ってるもんな」

 

「そうさ。正義は俺達に有る。連邦は負けて、それで終戦になるさ」

 

そうだよな、と言おうとした時だった。前方のトラックが爆発する。それと同時に他の車両も爆発して行く。

 

「一体何だよ!?何処からの攻撃だ!?」

 

俺は車両の床に伏せながら吼える。そして旧ザクとザクが銃撃を開始する。その方向に目を向けると…。

 

「ま、まさか…連邦のモビルスーツか!噂は本当だったんだ」

 

連邦のモビルスーツは小高い丘の上から稜線を挟んで攻撃していたのだった。

 

……

 

「敵は慌ててる様ですね」

 

『そうね。このまま撃ちまくるわよ!』

 

90㎜マシンガンと90㎜ガトリングガンの弾幕が次々と敵の車両に当たって行く。

 

『モビルスーツ隊は補給部隊を守れ!敵を引き離すんだ!補給部隊は全速前進しろ!モビルスーツ隊の邪魔になる!』

 

ザク3機が此方に来る。旧ザク2機とザク1機はどうやら補給部隊を守る様だ。

 

『おい!連邦のモビルスーツは破壊して良いのか?まあ、捕獲しろと言われても無理だがな』

 

『破壊して構わん。我々の任務はオデッサに向かう事だ。捕獲に関しては別の部隊がやってるさ』

 

『了解。なら潰れろ!連邦のモビルスーツが!?』

 

ザク3機はザクマシンガンとザクバズーカを撃ちながら、ブースターを使い跳んで接近して来る。

 

『ガルム2、距離を取りながら予定通り後退よ』

 

「了解。後退します」

 

此方もブースターを使い跳んで後退する。勿論90㎜マシンガンを撃ちながら敵を引き寄せる。

 

『隊長!連中は逃げて行きます!連邦のモビルスーツは見掛け倒しですよ!』

 

『待て、罠の可能性も有る。慎重に行くんだ』

 

『しかし相手は2機だけです。仮に罠だとしても今直ぐに目の前のモビルスーツは破壊すべきです。自分もロッテル2に続きます』

 

『ロッテル3、話が分かるじゃないか。なら行くぞ!』

 

ザク2機が突っ込んで来る。

 

『待つんだ!ロッテル2、3!陣形を整えるんだ!』

 

もう1機のザクも後に続いて来る。

 

『このー!さっきから撃ち過ぎなのよ!』

 

レイナ少尉は90㎜ガトリングガンで反撃する。そっちの方が撃ち過ぎだと思います。

 

「ガルム1下がって。カバーします」

 

此方もシールドを構えながら90㎜マシンガンで応戦する。そうすると俺の被弾率が上がる訳だが。

 

『ガルム2、カバーするわ。あんまり無茶はしないで』

 

「無茶はしてませんよ!相手の火力が高いだけっ!?シールドが持つのかよ!?」

 

この時俺は知らなかったが、このシールドは所謂ガンダムシールドと同規格品だったのだ。恐らくRX計画の流用品が流れて来たのだろう。よって耐弾性は恐ろしく良いのだ。

 

『もう直ぐよ!後一回のブーストで行けるわ!ルイス伍長、《獲物が狩場に》よ』

 

『了解です。総員間も無くです』

 

そしてもう一度ブースターを全開にして丘を越える様に跳ぶ。

 

『敵が逃げるぞ!追え追えー!倒せば昇進間違い無しだ!』

 

『俺がお前の獲物を取っても恨むなよ!』

 

『周囲を警戒しつつ跳ぶぞ。ロッテル2、3続け!』

 

『『了解!』』

 

ザク3機も俺達を追って一斉に跳ぶ。俺達は丘の谷間に着地してシールドを構えて迎撃態勢を取る。ザク3機はザクマシンガンを撃ちながら降りて来る。

 

『スモーク散布!ジムを隠せ!』

 

俺達の後ろに居る61式戦車からスモークが放たれる。

 

『ぬっ!小賢しい真似を。ロッテル3、バズーカで吹き飛ばせ!』

 

『了解!』

 

ザク3機が一瞬止まる。そして遂に反撃が始まる。

 

『1〜4号車はバズ持ちをやれ。5〜8号車は右の奴をだ。残りは人型擬きがやってくれるさ!外すんじゃねえぞ!撃てええーーー!!!』

 

ザク3機の周りには61式戦車を配置していたのだ。ザクの正面に4輌、背後に4輌。つまり敵はモビルスーツの弱点とも言える背中を61式戦車に曝け出していたのだ。

61式戦車から155㎜の砲弾が次々と突き刺さる。更に量産型ガンタンクも擬態越しに120㎜の砲弾を撃つ。ザク2機は火花を出した瞬間爆散する。

 

『ゴハッ…は、嵌められたのか。おのれ…貴様等だけでも!!!』

 

ザク1機がザクマシンガンを撃ちながら走って来る。だがジムからの90㎜弾の弾幕が襲う。ザクは多数被弾してゆっくりと倒れる。爆発しなかったのが不思議な位の被弾だった。

 

『良し!作戦成功ね。このまま一気に敵補給部隊を叩くわよ!残ってるのは旧ザク2機とザク1機だけど気は緩めちゃ駄目よ。ガルム3も付いて来なさい』

 

『了解したよ。この量産型ガンタンクの真の力を見せてやろうじゃないか!』スカァ

 

『バンブル小隊も行くぞ。このまま一気に潰すぞ!』

 

俺達は再度前進する。今度はガルム3とバンブル小隊と共に前進する。そして武装をビームスプレーガンに切り替える。

 

「さて、第2ラウンド開始と行きますか」

 

敵も待ち構えてるのは間違い無い。そして此方も被害が出るのも覚悟した方が良いだろう。それでも少しでも敵の気を引ければ良いんだがな。そう考えながらジムのリミッターを解除するのだった。

 


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