(ノ・ω・)ノ⌒~【地球連邦軍本部ジャブロー】
|)彡 サッ 【地球連邦軍本部ジャブロー】
宇宙世紀0079.11月14日AM9:00
MS特務部隊第27小隊であるラングリッジ小隊はミディア輸送機に修理したジム、量産型ガンタンク、ホバートラック等を搭載させて行く。
「欧州とも暫くお別れだな。そう言えばレイナ少尉、アーヴィント少尉は次の配属場所は知ってますか?」
何気にこの二人の親は地球連邦軍の上層部と繋がりが有る。其処から何かしらの情報を知ってるかもだし。
「んー、私は分から無いわね。アーヴィントは如何なの?」
「流石に僕でも分からないさ。だが、暫くは実戦には参加し無いだろう。何せ地球連邦軍の本部ジャブローに行くのだからな」
如何やら二人は知ら無いらしい。だがアーヴィント少尉の言う通りだろう。オデッサ攻防戦に於いて地球連邦軍の勝利により、地球でのミリタリーバランスは地球連邦軍に傾いた。
これによりジオン公国軍はアフリカ、東南アジア、ユーラシア等に撤退せざるを得なかった。
「それにしてもミデア輸送機に乗るのか。護衛機は付くんですかね?」
「はい、勿論です。オデッサでは私達地球連邦軍が勝利しましたが、ジオン勢力が無くなった訳では有りませんから」
「そうか。なら少しはマシになるか」.
護衛として随行した事が有るが、何機も撃墜されてたからな。それにミデア輸送機自体も特別頑丈では無いし。それにジオン公国軍自体は未だに健在だ。
「さて、そろそろ時間よ。全員搭乗するわよ」
レイナ少尉の一言でミデア輸送機に乗り込む。そして機長と軽く挨拶をする。
「それと、此方を持ってて下さい」
機長達から渡されたのは携帯型対空ミサイルだった。
「それから此処にミサイルが有りますので。道中お願いします」
「「…………」」
「だろな。さて、確り見張りをやりますか。ルイス伍長もレーダーでの警戒をお願いします」
「了解です」
レイナ少尉とアーヴィント少尉は顰めっ面になりながら携帯型対空ミサイルを見つめていた。安全な空路だと思ってたんだろう。しかし現実は非情な物であった。
ミデア輸送機隊は数機の護衛機フライ・マンタと共に離陸する。俺達は安全では無い空路を飛行して行く。しかし、ジャブローに向かうには行くしか無い。不安を胸に抱えながら。
……
『各機に次ぐ。4時方向に偵察機ルッグンだ。ミデア輸送機隊は低空飛行に入る。護衛機は迎撃せよ』
ジャブローまでの道程が半分程来た所にジオンの偵察機を見つけた。フライ・マンタが迎撃に向かう。しかしルッグンの機動性は高く、フライ・マンタは中々ルッグンを捉える事が出来無い。
「此れは一戦やるな。ルイス伍長、警戒を厳にお願いします」
『了解しました』
機内に居る全員が警戒する。そしてジオン公国軍の戦闘機ドップが接近する。
『6時の方向から来るわよ!』
『ミデア各機は密集陣形を取れ!敵の数は多くないぞ!』
『俺達に任せな。全機行くぞ!』
護衛機隊のフライ・マンタは戦闘機ドップに攻撃を仕掛ける。それと同時に思ったのは敵の戦力が少なかった事だ。やはりオデッサ攻防戦にてジオン公国軍はかなりの戦力を損失したのだろう。無論地球連邦軍の損失は有るが余力は充分に有る。
結局、俺達の出番は無く戦闘は終わった。この後は順調にジャブローに向かう。夜になり警戒はするが、今はジャブロー上空に居る。この辺りになれば大分安心は出来るだろう。
そして、俺達は再び地球連邦軍本部ジャブローに戻ったのだった。
……
宇宙世紀0079.11月15日。
ジャブロー本部到着した俺達は何故かゴップ大将に呼ばれた。そしてゴップ大将の執務室まで出向いていた。
「失礼します。MS特務部隊第27小隊、只今参りました」
「うむ、入ってくれたまえ」
レイナ少尉から順に執務室に入って行く。其処には中々肥えたおっさんと美人秘書官が居た。
(あの人がゴップ大将か。大将だからもっとキリッとした人だと思ってけどな)
「先ずはオデッサ作戦於いての貢献ご苦労であった。君達モビルスーツ部隊の活躍が有ったからこそ第4軍の全滅は免れただろう」
因みにオデッサ作戦に於ける61式戦車の被害は8割を超えたそうだ。第4軍の主力は61式戦車だったから、かなりの損害が出てた筈だ。
「また、君達の戦闘データは非常に価値ある物だ。よって此れ迄の功績を鑑みてMS特務部隊第27小隊全員の階級を1つ上げる事を決定した。これからの更なる奮戦に期待する」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
遂に俺も少尉になった。だが素直に喜ぶ事は出来なかった。この階級も両軍の大量の血が流れた結果だと思っているからだ。
「さて、ラングリッジ中尉にアーヴィント中尉。私的な話になるが、君達はまだ軍に残り続けるのかね?君達のお父上は非常に心配しておられたよ」
「あはは〜、ゴップ大将申し訳有りません」
「両親のお恥ずかしい所をお見せしてしまって申し訳有りません」
「何、別に責めてる訳では無い。唯の確認だ。軍に残るか残らないか」
少しだけ沈黙にする。
「私は残ります。この戦いを一刻も早く終わらせたいですから」
「僕も残ります。レイナを守れるのは僕だけですからね」
「そうか。なら、私からはこれ以上は言うまい。では次の話を進めよう。シュウ・コートニー少尉」
「は、はい!」
いきなり呼ばれて少し吃驚した。特に呼ばれる事をした覚えは無い筈だけど。
「君はRGM-79ジムに対して不満はあるかね?」
「いえ、優秀な機体であると思います」
「私としては現場の素直な言葉が欲しいのだ。特に君は元戦闘機乗りだ。色々不満は有るのでは無いかね?」
不満か有るか無いかと言われれば有る。
「でしたら機動性とブースターの出力不足に不満が有ります」
「やはりな。君の様な戦闘機乗りは皆一様に同じ事を言っていた。ならこの機体なら如何かね?」
美人秘書官は俺にある機体のスペックデータを渡す。其処にはこう書かれていた。
【RGM-79Lジム・ライトアーマー】
装甲を極力薄くし各部の装甲もオミットした。また60㎜バルカン砲も廃止し徹底的な軽量化に成功した。これにより機動性が向上、一撃離脱戦法が非常に効果的である。また威力は高いが使用制限が有る専用のビームスプレーガンを装備。
しかし軽量化の結果、装甲が薄くなり各部の装甲もオミットした結果2〜3発の被弾により深刻なダメージを受ける結果となった。
「中々…極端な機体ですね」
しかし、そんな機体を扱える自信は正直無い。何故なら俺自身も良く被弾してる。シールドが無ければ死んでいた状況は沢山あった訳だし。
「安心したまえ。君の戦闘データによればジム・ライトアーマーとの相性は非常に良い。最初は不安が有るかも知れんが乗れば直ぐに分かる」
「分かりました。本機の受領をお願いします」
「うむ。だが、まだ機体は用意は出来ていない。元戦闘機乗り達からの要望が多くてね。だが直に用意出来るだろう」
改めてスペック表を見る。これが俺の新しい機体に成るのか。エース級のパイロットが扱う機体と言っても過言では無いジム・ライトアーマー。不安も有るが期待の方が高かったのは仕方無い事だった。