宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
<< 前の話 次の話 >>

38 / 80
遂にアレが来ます。


ジャブロー攻防戦3

レイナ中尉達がゴックとの戦いに勝利を収めた時、シュウ少尉はズゴックとの戦いを強いられていた。

 

「此奴、かなり強い」

 

『中々やるな。それなりの修羅場を潜って来たと見た』

 

お互い睨み合う。そして同時に動きビームを撃つ。それでも外してまた撃つ。

 

(やっぱりジムの機動性がかなり良くなってる。前までなら間違い無く後退してたな)

 

『小癪な。何時迄も貴様に構ってる暇は無いのだ!』

 

しかし、敵は新しい手を出す。此方に突っ込むのと同時にロケット弾を一気に撃ち出す。流石に避けるのは無理と判断してシールドで防ぐ。だが、敵はそれを待っていた。

 

『甘いな。貰ったぞ!』

 

シールドに向けてズゴック特有のアイアン・ネイルを振るう。シールドは耐える事が出来ず貫通する。

 

「くっ。だが、この距離に来たなら」

 

シールドを手放しビームサーベルを抜く。しかし相手は右腕に刺さったシールドを退かし左腕のビーム砲を此方に向ける。そしてビーム砲を向ける。

 

「そいつは予想出来たぞ!」

 

『何!近付くのか!』

 

一気に接近してズゴックの左腕を足で蹴り上げる。ビームは在らぬ方へ飛んで行く。そのままの勢いのままビームサーベルを振り下ろす。だが、ズゴックも刺さったままのシールドを盾にして防ぐ。

 

「此奴!」『やるな!』

 

お互い再度距離を取る。

 

『ええい、シールドが抜けん。これでは右腕のビームが使えんか』

 

ズゴックのパイロットが右のアイアン・ネイルに刺さったままのシールドを見ながら呟く。しかし、この戦いはあっさりと終わる事になる。

突如レーダー反応する機影を両者が確認する。それは高い機動性を持って此方に接近していた。

 

『新手か!』

 

ズゴックは咄嗟に後退しつつ左腕のビーム砲を向ける。だが、逆に高出力のビームに貫かれズゴックは爆散する。

 

「何だ!あ、あの機体は?」

 

白、赤、青のトリコロールカラーの機体はズゴックを撃破した後、直ぐに別の場所に跳んで移動しながらビームライフルを撃つ。そしてまた爆発が起きる。レーダーには味方の識別が出ておりRX-78-2と出ていた。

 

「アレがガンダムか。初めて見たな。アレの戦闘データがジムにアップロードされてるのか。そりゃ、強くなる訳だな」

 

さっきまでの高揚感はすっかり無くなってしまった。ジムの性能だけで無く戦争に酔ってた自分が居たのは確かだ。だが、あんな奴が居ると思うと馬鹿馬鹿しく思ってしまう。寧ろ酔いが一瞬で醒めてしまった事に感謝してるぐらいだ。

 

「あのガンダム1機だけで良いんじゃ無いかな?」

 

そう思える位強い奴だと理解してしまう。あの機動の中、的確にビームをズゴックのコクピットに直撃させるパイロットの技量の高さ。一瞬だけしかスレ違わなかったが技量の差が大きいと理解してしまった。いや、理解せざるを得なかったのだ。

俺は暫くガンダムが消えて行った方へ視線を向ける事しか出来なかったのであった。

 

……

 

ジャブローでの戦いは意外にも直ぐに終息に向かう。ズゴックとの戦いの後、レイナ中尉達と合流を果たした。その直後司令部から命令が下る。

 

【地上に降りた敵モビルスーツを排除、及び追撃せよ】

 

空を見上げればガウ攻撃空母は居ない。恐らく殆どが轟沈したのだろう。ガウ攻撃空母が無ければ敵は撤退する事が難しくなる。この戦いは間違い無く地球連邦軍の勝利で終わるだろう。

レイナ中尉の機体損傷が激しい為、追撃は俺とアーヴィント中尉だけとなる。だが、量産型ガンタンクでこのジャングルを移動するのは少々厳しい。

 

『ガルム2、また引っかかった。押してくれ』

 

「ガルム3、追撃やめません?俺帰りたい」

 

『何を言うか!敵を追い詰めなくてどうする!』

 

その前に俺達がジャングルの厳しい自然に追い詰められそうだよ。量産型ガンタンクのキャタピラも大分壊れ掛けてるし。然も量産型ガンタンクを押すたびに泥がジムに付きまくるし。格納庫に戻ったら掃除してやるからな。

 

「これ以上は量産型ガンタンクのキャタピラが持ちませんよ。それに泥とかも色々詰まってますし」

 

『ええい!此処は気合で乗り切れば良かろう!』

 

(あんたそんな気合とか言うキャラじゃ無いでしょうに)

 

結局量産型ガンタンクのキャタピラが壊れてラングリッジ小隊の追撃戦は断念する事になったのである。

 

……

 

「これで終わりですね。いやー、長かったな」

 

『まさか、またこの機体に乗る事になるなんて』

 

レイナ中尉のジムとアーヴィント中尉の量産型ガンタンクを運ぶ為に、整備兵達と協力してトレーラーに載せていく。そしてレイナ中尉は懐かしき機体RRf-06ザニーに搭乗していた。

 

「久々のザニーの乗り心地はどうです?」

 

『ちょっと懐かしくて感動してるわ。この機体から良くジムを生産出来たと思うと感心してるわ』

 

「確かに。だけどザニーのノウハウが無かったら、モビルスーツの生産や操縦訓練は遅れてたでしょうね」

 

『そうよね。それでもまたザニーに乗るとは思わなかったけどね』

 

しかしザニーを改めて見るが、何処と無くザクの印象も有るからな。正に連邦軍の最初期の機体だからだろう。

 

「俺達がザニーで訓練出来たのは結構希だと思いますけどね。モンド軍曹が言うにはザニーは徐々に破棄、解体されてるみたいです」

 

RGM-79ジムの量産が本格化された時点でザニーの御役目は御免になった訳だ。これからは通常のジムやジム・トレーナーが訓練機となるだろう。これも技術の進歩故の宿命だろう。

 

『そうなの?なら今の内に写真とか撮っちゃおうかな〜』

 

「相変わらずのレイナ中尉で安心しますよ」

 

この後は機体を格納庫に移動させる。そして漸く一息付けたのだった。コクピットから降りたら丁度技術士官の方が俺を呼んでいた。恐らくジム・ライトアーマーの件だろう。

 

「コートニー少尉ですね。防衛戦お疲れ様です。自分はダムナ技術中尉です」

 

「お疲れ様です。シュウ・コートニー少尉です」

 

「実は、少尉の新しい機体なんですが…その」

 

おっ!遂にこの時が来た様だな。

 

「用意出来たんですね!いやー、何かちょっと感動しますね。まさか自分に新型機を配備して貰えるなんて」

 

俺がダムナ技術中尉と話してると皆が寄って来た。

 

「何々、もしかして新しい機体がくるの?ならさ、最初にシートに乗らせてよ」

 

「嫌です。俺の機体なんですから絶対に譲りません」

 

「落ち着きたまえ。しかし遂に君にも新型機が来るのか。まあ、君なら直ぐに使いこなせるだろう」

 

「シュウ少尉は凄いですね。もう私達ラングリッジ小隊のエースですね」

 

他にも整備兵達からも色々褒められる。嬉しい事言ってくれるじゃ無いか。しかし、ダムナ技術中尉の様子が少し可笑しい。

 

「あのー、この状況で大変言い難いんですけど…。その、少尉の機体は」

 

その時、一台のトレーラーが走って来る。トレーラーの上には破壊されたジムが乗っていた。しかし、色合いは白とオレンジで通常のジムとは少々違う印象が有った。

 

「先程通って行ったのが少尉の機体になる予定でした」

 

「……ん?」

 

「「「「「「「???」」」」」」」

 

俺も含めて全員がクエスチョンマークが出て来る。

 

「ですから、そのー…先程のジオン軍の襲撃により輸送中だった少尉の機体が破壊されまして」

 

この瞬間、俺の目の前が真っ暗になった。

 

「な、なん…だと…。つまり、新型機の配備は?」

 

「その、無かった事でお願いします」

 

沈黙が場を支配する。気不味い空気なってしまい、誰も声を出す事が出来なかった。

 

「べ、別に良いし。ジムも良い機体だし。新型機とか興味無いし」

 

「シュウ、強がらなくて良いのよ?」

 

「強がって無いし!全然強がって無いし!」

 

しかし皆から慰められてしまう。

 

「少尉、機体の整備はお任せ下さい。今迄以上に動ける機体に仕上げますよ」

 

「モ、モンド軍曹まで」

 

この後色々元気付けられて何とか持ち直しました。

 

「えーっと、宜しいですか?」

 

「あ、ダムナ技術中尉。どうしました?自分は今迄のジムで大丈夫ですよ」

 

「ジム・ライトアーマーの代わりと言ってはアレですが、RX計画で作られた高出力ジェネレーターを用意しました。今有る物で高品質の部品で作られた物に成ります。此方が資料になります」

 

ダムナ技術中尉から資料を受け取り読む。其処にはRX計画で作られた高出力ジェネレーターで、出力でジムより上で1350Kwを叩き出す物だ。

 

「このジェネレーターを組み込む事でビーム兵器を使用し続けても継戦能力は高くなります。ただ、専用のビームライフルは用意出来ませんでした。代わりにビームスプレーガンとビームサーベルの強化作業を行えば威力の向上は見込まれます」

 

「成る程、今迄の威力でも充分高いと思いますけどね」

 

「それからパワーの方も上がります。ですので一旦少尉の機体の補強と再調整は必要になります」

 

しかしRX計画で作られた高出力ジェネレーターか。つまり、RX-78-2ガンダムと同じな訳だ。それに資料によると今迄のジムでもRX-78-2ガンダムより機動力は上だそうだ。つまり、より更に機動力が向上する訳だ。

 

(つまり、俺はまだジムを完全に扱いきれて無かった訳だな。ならこの処置は逆に有難いな)

 

こうして俺のジムのジェネレーターの載せ換えと強化作業に入るのだった。

 

宇宙世紀0079.11月30日。ジオン公国軍は地球攻撃部隊の撤退を正式に発表。

宇宙世紀0079.12月3日。MS特務部隊第27小隊も次の移動命令が降る。場所は地球連邦宇宙軍の最前線基地ルナツーである。

 




残念、新しいジェネレーターでした。でもパワーアップしてるから大丈夫さ。

ジム「俺の出番はまだまだ続くぜ」

ジム・ライトアーマー「解せぬ」







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。