宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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ルウム戦役

輸送艦コロンブス級

 

レビル中将率いる第1連合艦隊はサイド5であるルウムに向かっていた。

 

「よう、シュウ。調子は如何だ?」

 

「隊長、一応平気です。ただ、この一週間足らずで何十億人も死んでるなんて信じられません」

 

「そうだな。だが、これ以上の犠牲を出す訳には行かない。なら、俺達がジオンの暴走を止めるしか無い」

 

「そう…ですね」

 

「もう直ぐルウムに着く。その間に色々整理しておけよ」

 

隊長はそう言って他の隊員の所に向かう。隊長はベテランの人だ。現に宇宙に蔓延っている海賊なんかの戦闘機や艦と交戦した事もある人だ。他の隊員も実践経験はあるみたいだしな。俺は未だにシミュレーターの中でしか無いけど。

 

「しかし、連邦軍が敗戦続きなんだよなぁ」

 

ジオン軍には新兵器である人型兵器が有るとか無いとか。だからと言って戦力は連邦軍が圧倒的だ。にも関わらず敗戦続きなのが怖い。だが、人型兵器と聞くと不思議と胸が熱くなるのは気の所為だろうか?

 

「よう!チェリーボーイ?今日チェリー卒業に成るかもな」

 

「バックス軍曹。確かにチェリーボーイですが、このチェリーだけは卒業したく無かったです」

 

このチェリーとは人殺しをしたかどうかだ。無論あっちの方もチェリーだけど…。

 

「おいおい、ジオンと言う宇宙のゴミ掃除をするんだぜ?そんな染みったれな顔すんなよ。それに、ジオンを倒せば階級も上がる。良い事尽くしだぜ」

 

(死んで二階級特進とか笑えないんだけどな)

 

バックス軍曹はお気楽な人だ。いや、自分達が正しいと信じてるからだろう。出なければ簡単に人殺しを肯定なんて出来ない。

 

「自分も軍人です。戦えと言うなら戦うだけです」

 

「おっ?その意気だぜ。まあ、俺の撃墜スコアを奪ったら誤射が来るかも知れんから気を付けろよ?」

 

「笑えない冗談はやめて下さい」

 

本気が冗談か分からないまま、バックス軍曹は自分の機体に向かって行く。俺も自分の機体であるセイバーフィッシュの最終チェックを行う。そして、暫く機体内で待機していると遂に艦内アラートが鳴る。

 

『全戦闘員は直ちに戦闘態勢に移行。セイバーフィッシュ隊は直ちに発進準備に入って下さい』

 

俺達はセイバーフィッシュに火を入れる。

 

『おい、シュウ。聞こえるか?』

 

「バックス軍曹何ですか?」

 

『お前、幾つだったか?』

 

「18ですが、何か?」

 

『俺より若いお前が死ぬんじゃねえぞ。これは上官命令だ』

 

「バックス軍曹…了解です」

 

それから直ぐに隊長から全隊員に通信が来る。

 

『全隊員に通達する。ミノフスキー粒子が戦闘濃度になってる。よって、目視による戦闘が予想される。近接戦闘が行われる可能性が大だ。各員の連携を密にして全周警戒を厳とする!』

 

ミノフスキー粒子。レーダーや誘導兵器を殆ど無力化されてる。特にレーダーが無力化されたのは痛い。常に周囲を警戒しなければならないからだ。

 

『セイバーフィッシュ隊、直ちに発進して下さい。繰り返します、セイバーフィッシュ隊は直ちに発進して下さい』

 

『此方ガルム1了解。全機、発進する!』

 

隊長を始めとして次々と発進して行く。

 

『ガルム12、発進どうぞ』

 

「了解。ガルム12、シュウ・コートニー発進します!」

 

発進と同時に一気にGが身体を襲う。だが、俺は平気だった。特に気持ち悪くも無ければ酔う事も無い。この瞬間だけは、この身体に産んでくれた顔も名前も知らない両親に感謝した。

 

「此方ガルム12、発進完了しました」

 

『よし……れより、ジオン艦隊に対し……を行う』

 

ミノフスキー粒子の影響がこの距離でも出るなんて、距離が少しでも離れたら不味いぞ。その時、右下方に光が一瞬点滅した。その瞬間、マゼランが一隻被弾、そして爆沈した。

 

「隊長!右下方5時方向!敵です!あ、アレは…人型兵器です!ジオンの新型だ!」

 

『全機反転、艦隊を……攻撃開…』

 

ガルム全機は直ちに反転し人型兵器と戦闘を開始。しかし、人型兵器の一機に赤いのが居た。その動きは異常に速い!

 

「クソ!ロック出来ない!」

 

一瞬の判断が遅れた。その間に人型兵器の間合いに入ってしまう。人型兵器が巨大な斧を振り被る。

 

(あ……死んだ)

 

『シュウウウウ!!!』

 

バックス軍曹がバルカンを赤い人型に撃つ。そして、バックス軍曹の声を機にセイバーフィッシュを動かす。巨大な斧がセイバーフィッシュをギリギリを通り過ぎる。

 

「バックス軍曹!助かりま」

 

しかし、後方から爆発が起きたのと同時にバックス軍曹との通信は途絶した。だが、敵の攻撃は留まる事を知らない。

 

『全機………警戒を…うわああッザザザザブッ』

 

隊長との通信も途切れる。そうだ、コロンブスは?俺達の母艦は?コロンブスを見ると人型兵器から攻撃を受けている。

 

「や、やめろおおおお!」

 

セイバーフィッシュのミサイルを一斉に撃つ。勿論1発も当たら無い。だが、敵は此方を見る。

 

「うおおおお!セイバーフィッシュの奥の手を受け取れ!」

 

1機の人型兵器に肉薄する。敵も巨大なマシンガンで此方を撃つ。しかし、距離は充分詰めれた。

 

「対艦ミサイル発射!」

 

至近距離から対艦ミサイルを発射。対艦ミサイルは敵の人型兵器に直撃。そして、爆発。

 

「やったぞ、1機撃破。あっ…コロンブスが!」

 

人型兵器を1機倒した。だが、母艦であるコロンブスが撃沈されていた。更にサラミス級、マゼラン級も多数攻撃を受けて大破、爆沈していた。そう、この地球連邦軍第1連合艦隊の中に敵が大量に侵入していたのだ。勿論、俺達セイバーフィッシュ隊も攻撃をする。だが、セイバーフィッシュのバルカンの攻撃は殆ど効果は無い。しかもミサイルは回避されたり迎撃される始末。

 

「此方ガルム12!敵が食い付いている!赤い奴が!振り切れ無い!?」

 

機体に無理な機動をさせる。普通のパイロットがやったらブラックアウトするか血反吐を吐くだろう。この無理な機動をする事が出来るからこそシミュレーターでも優秀な成績を残せた。だが、此奴は俺の動きを予想している様な機動を取る。

 

「しまっ!?被弾した!被弾した!制御出来無い!?」

 

モニターを見ると右上と右下の第2、4エンジンを被弾。流石にこの状況で意識を持たせるのは無理があった。俺はそのまま意識を失ったのだった。




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