宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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チェンバロ作戦1

宇宙世紀0079.12月24日。地球連邦軍【チェンバロ作戦】開始。今ここに地球連邦軍とジオン公国軍の熾烈な戦いが幕を開けるのだった。

 

遂に地球連邦軍の宇宙での反撃が開始される。俺達はティアンム中将率いる第2連合艦隊と共にサイド1の残骸に潜んでいた。そして今回対要塞兵器として【ソーラー・システム】を使用する。これは太陽光を一点に集中させて焼き尽くす代物らしい。

地球連邦軍第三艦隊もサイド4の残骸に隠れつつソロモンに出来るだけ接近。間も無く陽動作戦が開始される。

 

「アーク、実際の宇宙での乗り心地はどうだ?」

 

『何とかなってるよ。お前の教導のお陰だよ』

 

「まあ、俺は元々宇宙軍だからな。宇宙での機動は慣れてるからな」

 

俺達ラングリッジ小隊はソーラー・システムの防衛に廻るよう命令が来た。現在はアーヴィント艦長指揮のサラミス級ロイヤルにワイヤーで固定されつつ運搬されてる。更に他の小隊でジム2機とボール6機を搭載していた。

 

『それにしても無重力って何か不思議よね。この暗い宇宙を見てると吸い込まれそうだもの』

 

「そうですね。自分は時々この宇宙が怖いと感じる時は有りますが」

 

『うーん、俺は特に何も感じないな。ただ、この宇宙の中に放り出されたらヤバイよな』

 

「あ、俺一回撃墜されて漂流仕掛けた事有るから。あの時は絶望と諦めしか無かったよ」

 

確かルウムでの戦いの時だったかな。あの時は本当にどうしようも無かったからな。

 

『良く生きて帰って来たな』

 

「まあな。その時にザクを確保して操縦したしな。よくよく考えるとかなり運が良かったな」

 

『なら、その幸運にあやかろうかね?』

 

そう言ってアークは拝み始める。

 

「拝むなよ。俺は神でも仏でも無いんだからな」

 

『確かにシュウは運が良いわよね。ねね、後で頭触らせてよ』

 

「だから俺は仏像じゃ無いから!」

 

間も無くサイド1に到着するだろう。周辺警戒をしつつ味方艦隊とモビルスーツ部隊を見る。RGM-79ジムは良いとして、ボール型のモビルスーツ?は色々無理があるだろう。

 

「アレにだけは乗りたく無いな。確か【RB-79ボール】でしたっけ?」

 

別名【丸い棺桶】と言われてるがな。

 

『そうだよな。アレに乗って敵と戦うと思うと逃げたいぜ』

 

『でも、あの形可愛いわよね。ああいうの好きだな』

 

『俺今日からボール乗りになるわ』

 

レイナ中尉の可愛いと言う言葉に反応してボール乗りになると言い出すアーク。今迄の訓練を無駄にする気かこの野郎。

 

「馬鹿な事言うなよ。本当にボールが配備されたらどうすんだよ」

 

流石にボールに搭乗して突撃しろと言われたら勘弁して下さいと言って土下座する。しかし、そんなRB-79ボールだが配備数はジムより多い。見た限りボールは殆どの小隊に組み込まれてる。

 

『皆さん、間も無く戦闘エリアに到着します。ラングリッジ小隊は周辺警戒の為、指定エリアまで移動をして下さい』

 

『ガルム1了解。さあ、そろそろ無駄話は終わりよ』

 

『ようやくか。ジオン共に目に物見せてやるぜ』

 

「戦場か。気を引き締めないとな」

 

そして遂に出撃命令が出る。

 

『モビルスーツ隊出撃。各機、各艦との連絡を密にせよ』

 

『モビルスーツ隊出撃命令出ました』

 

『ガルム1了解よ。全機行くわよ』

 

「ガルム2了解。行きます」

 

『ガルム3、俺も行くぜ』

 

俺達はサイド1の残骸の中に突入する。ガルム1の武装は90㎜ガトリングガン、俺とガルム3はビールスプレーガンとモビルスーツ隊の出撃命令と同時に第3艦隊がソロモンに対して攻撃を開始する。囮として15分間の攻撃を行う第3艦隊。しかし第2連合艦隊のソーラー・システムの準備に予定時間より掛かってしまう。

 

宇宙世紀0079.12月24日18:50ソロモン要塞に向けてソーラー・システムを照射。目標ソロモン第6ゲート。

 

第2連合艦隊旗艦マゼラン級 タイタン

 

「ソーラー・システムが照射可能です。ソロモン要塞に照準を合わせます」

 

「ソーラー・システム照射開始」

 

ティアンム中将は遂にソーラー・システムを使用する。この瞬間ソロモン要塞から第2連合艦隊の居場所が発見された。ドズル中将はすぐさま衛星ミサイルを発射。更に攻撃艦隊を用意する様命令を降す。しかし、全てが遅過ぎた。

 

「5、4、3、2、1、照準入ります」

 

その瞬間、ソロモン要塞が光輝いた。

 

『な、なんだ!うわっ!?』

 

『光が!た、退避し!?』

 

『うわあああーーー!!!』

 

『第6ゲート消失!敵の新兵器か!?』

 

『第8ブロック被害甚大!救援を!』

 

『此方アハト艦隊被害多数、僚艦も沈んだ。航行不能』

 

『第24、28、34メガ粒子砲台沈黙。防衛網に穴が空きます!』

 

ソーラー・システムによりソロモン要塞の被害は甚大な物になる。

 

「あ、あれがソーラー・システム。何だよあの威力は」

 

『凄い。これなら勝てるわ。いえ、圧勝よ!』

 

『ザマァ見ろジオンのクソッタレ共め!気分爽快だぜ!』

 

他の部隊の人達もソーラー・システムにより士気は最高潮に達していた。

 

「人は…此処まで残酷になれるのかよ」

 

あの光によって何千人のジオン兵が死んだ。正直恐ろしさしか無かった。しかし連邦軍の攻勢は止まらない。

 

『司令部より攻撃命令が来ました。各機、各艦は攻撃を開始して下さい』

 

ルイス軍曹の言葉に我に帰る。悩むのは後だ。今は戦いに集中しないと。

 

『了解よ。ラングリッジ小隊行くわよ!』

 

「ガルム2了解」

 

『ガルム3了解!よっしゃあ、やってやるぜ!』

 

戦闘艇パプリグとセイバーフィッシュ部隊が突撃開始する。それに続きモビルスーツ部隊も突撃開始する。

しかしジオン軍の対応も早い。すぐさま残存艦隊を集結させ連邦軍に対して中央突破を仕掛ける。しかしソーラー・システムの第2射が発射される。

そして俺達の方にも敵が迎撃に来る。俺はシールドを構えてブースターを全開にして突撃する。

 

「此方ガルム2、これより突撃します!援護願います!」

 

返事を待たずに一気に前に出る。

 

『ガルム2を援護!絶対に死なせないでよ!』

 

『ほう!中々骨の図太い奴が居るな。パニエル小隊援護するぞ!』

 

『狙撃は任せな。ボールだってやれるんだよ!』

 

味方の援護を受けながら突撃する。ザク3機がザクマシンガンを撃ってくる。更にムサイ級、チベ級からも艦砲が僅かに来る。パプリグ戦闘艇のビーム撹乱幕が効いてる様だ。

 

「俺の十八番の機動戦に付いて来れるか?」

 

変則的な動きをしながら弾幕を掻い潜る。しかし視界はブラックアウトはしない。だから敵をしっかりと補足する。RX-78-2ガンダムの戦闘データがアップデートされたRGM-79ジム。更にジェネレーターはRX-78-2ガンダムとほぼ同じ物。これで負ける要素を見つける方が難しい。そして極め付けはビームスプレーガンの威力向上に機動力向上。

 

「動きが遅いぞ。それじゃあ宇宙はお前達の味方になら無いぞ」

 

ビームスプレーガンを撃つ。ビームはザクのコクピットや腕、手足に当たる。1機撃破と2機中破させて他の敵に向かう。接近警報アラームが鳴る。ドムやガトル戦闘機が上方より接近。バズーカやミサイルを撃ち込んで来る。

 

「ほらよっとな!」

 

AMBAC機動をしてからの急停止。そのままビームスプレーガンでガトル戦闘機を撃ち抜く。

 

『貴様!エースとでも言うのか!』

 

ジャイアントバズーカを撃ち切りヒートソードを抜き接近してくるドム。此方も接近する。

 

「馬鹿正直に戦うと思うなよ」

 

途中まで接近してドムから離れる様に機動を取る。

 

『逃げるか!臆病もっ!?しまっ!うがあああ!!!』

 

直後圧倒的弾幕がドムを襲い爆散。流石レイナ中尉だ。よく分かってる。

 

「これより敵艦に向かいます。さて、行くぞ!」

 

『あのジムに続け!ソロモンに取り付けば後はこっちの物だ!』

 

『へへ、あのジムが囮になってくれて助かっぐあああ!?』

 

『左から敵モビルスーツ12機接近!畜生、やってやらあ!』

 

味方モビルスーツ部隊、そして艦隊も更なる攻撃を開始する。

 

『衛星ミサイル準備出来次第発射!敵の侵攻を止めるんだ!』

 

『此方B14エリア!弾薬残り僅か!弾を持って来い!』

 

『連邦風情が。調子に乗りやがって!』

 

『動きは素人そのものだ。まだやれるぞ!』

 

『連邦の侵攻をこれ以上許すな!』

 

俺もハイパーバズーカを装備する。対艦戦の始まりだ。

 

『敵モビルスーツ接近!この速度は、速い…まさか、白い悪魔なのか!』

 

『敵は只のジムだ!白い悪魔では無い!迎撃開始!撃ち落とせ!』

 

ムサイ級とチベ級の艦砲、ミサイル群が来る。更に接近すれば護衛のザクとガトル戦闘機にチベ級からの対空砲が火を噴く。それらを全て回避して行く。

 

「くうううーーー!下部さえ取れればこっちのもんだ!」

 

決して機動を緩める訳には行かない。緩めた時は死あるのみ。敵は俺に釣られてムサイ級やチベ級の下部に一部が移動する。

 

『各砲座敵艦に照準合いました。何時でも行けます!』

 

『シュウ少尉の稼いだ時間を無駄にするな。砲撃開始!撃てえええーーー!!!』

 

サラミス級ロイヤルを筆頭に他のサラミス級から敵艦隊に向け砲撃が開始される。敵艦隊とモビルスーツ部隊も応戦する。だが、俺はまだ生きてるぞ?

 

「エンジンがガラ空きだぜ?」

 

ムサイ級のエンジン部にハイパーバズーカを撃つ。ムサイ級は慌てた様子でエンジン部分を切り捨てるが、もう手遅れだ。動きが遅くなったムサイ級を味方艦隊砲撃。次々に着弾して爆沈。

 

『僚艦マミヤ、アラサマ、轟沈!アイザスも被弾してます!』

 

『後続の援護は何をやっている!このままでは敵を抑えられんぞ!』

 

『下方よりモビルスーツ接近!う、うわあああ!!!』

 

『これが連邦のモビルスーツなのか…』

 

彼等が最後に見た光景は艦橋に向けてハイパーバズーカを向ける02と書かれたジムだった。

 








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