宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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ア・バオア・クー攻防戦3

Nフィールドでの戦いはジオン公国軍の優勢になっていた。大型空母ドロスを中心として地球連邦軍に対して有利に進めていたからだ。しかし、この時Sフィールドからホワイトベースを中心に第1大隊の生き残りである25隻の艦隊が突入して来ていた。ジオン公国軍は脇腹を突かれた形になってしまう。

そんな戦闘中に宇宙要塞ア・バオア・クー司令部にてギレン・ザビ総帥には余裕の表情が出ていた。

 

「フフフフ、Nフィールドはドロスの隊で支えきれそうだ」

 

司令部にてギレン・ザビ総帥は勝ちを確信していた。何故なら地球連邦軍の主力部隊を抑え切れているのだ。そして司令部に居る者達も同じ気持ちであった。

 

「結構な事で」

 

「ん?」

 

そんな彼の背後にキシリア・ザビ少将が詰め寄る。

 

「グレート・デキン、父が乗っていた。その上で連邦軍と共に…何故です?」

 

「やむを得んだろう。タイミングずれの和平交渉が何になるか」

 

その言葉を聞いたキシリア・ザビ少将は自らの持つレーザーガンの銃口をギレン・ザビ総帥に向ける。

 

「死なす事は有りませんでしたな。総帥」

 

「ふ、冗談はよせ」

 

この瞬間、ギレン・ザビ総帥は冗談だと言い切った。何故なら今は地球連邦軍との戦闘中。更にSフィールドからも侵攻してると情報が来ていたのだ。しかし、運命は彼の予想を裏切る。

 

「意外と…兄上も甘い様で」

 

戦いは更なる混迷に突入する。それと同時にジオン公国軍に大きな混乱を招く事になる。その混乱は長きに渡る一年戦争の幕を降ろす結果になるとしても。

 

宇宙世紀0079.12月31日9:25。宇宙要塞ア・バオア・クー司令室にてキシリア・ザビ少将がギレン・ザビ総帥を【父殺し】と称して射殺。後に宇宙要塞ア・バオア・クーの指揮はキシリア・ザビ少将が引き継ぐ。

同時刻、Nフィールドでは未だ戦いは続いていた。

 

……

 

2機の機体はお互い一歩の退く事無く戦い続けていた。

 

「この、いい加減落ちろ!」

 

『く、何時迄も貴様に構ってる暇は無いのだ!』

 

試作ジム改と高機動型ザクはビームサーベルとヒートホークをぶつけ合いながらNフィールドを縦横無尽に移動しながら戦い続ける。

 

『敵ムサイ補足しました』

 

『良く狙え!確実に仕留めるんだ!』

 

サラミス級がムサイ級を補足。しかしムサイ級も同じ事。

 

『各砲座照準良し。いつでも行けます』

 

『良し、撃ち方始めええーーー!!!』

 

その瞬間同時にメガ粒子砲が発射される。しかしミノフスキー粒子とビーム撹乱幕が狙いを乱す。

 

『上空より熱源接近!コレは、友軍機と敵機です!』

 

『何?モニターに出せ!』

 

其処にはとんでもない機動で戦い続けてる2機が接近していた。

 

『対空砲!敵機を狙え!』

 

『ミサイル発射用意!ザクを援護しろ!』

 

サラミス級から対空砲、ムサイ級からミサイルが撃ち出される。しかし、そんな攻撃をアッサリ回避する2機。そのまま2隻の陰に隠れながら戦闘を継続する。

 

「これで、落ちろ!」

 

ロング・ライフルを撃ちながら高機動型ザクに接近。相手は最低限の回避で間合いを更に詰めながらザクマシンガンを撃つ。

 

『連邦の奴、中々良い腕だ。だが、これで終わらせる!』

 

お互いに銃弾の応酬をする。しかし、そんな戦闘の中に入ってしまってるサラミス級とムサイ級は堪ったものでは無い。

 

『右舷直撃!各部にも被害が出ています。このままでは戦闘に巻き込まれます!』

 

『回避だ!回避しろ!このままでは此方が沈む!』

 

サラミス級は回避機動を取ろうとする。

 

『敵艦移動してます』

 

『進路そのまま。敵艦の移動予測場所に砲撃開始!』

 

ムサイ級は退く事無く砲撃を開始する。そしてサラミス級の横っ腹にビームが直撃。更に機関部に命中して爆散する。

 

『敵艦やりましっ!あああ!?』

 

その直撃、ビームスプレーガンから放たれたビームが艦橋を直撃。ムサイ級は操縦と指揮が不能になる。

 

『貴様だけは仕留める!』

 

弾切れになったザクマシンガンを放棄してヒートホークを構えて接近する。そんな高機動型ザクにビームスプレーガンを撃つ。しかし命中する事は無い。

 

「くそ、こっちの機体の方が性能は上なんだぞ!」

 

技量の差だとは思いたく無い。しかし、現に高機動型ザクに押されてる。そのままビームサーベルを抜き再び接近戦に入る。

 

「この私相手に此処まで粘るとはな。だか、此処までだ!」

 

僅かに間合いが開く。その隙にビームスプレーガンに切り替えるシュウ。しかし、その隙にブースターを全開にして近づく。

 

『この距離なら当てれる!落ちろ!』

 

ビーム紙一重で避ける。

 

「ザクの肩は飾りじゃ無いのだ!!!」

 

ビームが左肩の棘付きに当たる。だが、そのまま突っ込む。試作ジム改はシールドを構えて防ぐ。

 

「くうう!このっ!?」

 

『終わりだ。沈めええええ!!!』

 

「しまっ!?」

 

シールドの陰からヒートホークを振るう。振るった先は試作ジム改のコクピット部分。しかし幸運の女神はシュウに微笑み掛ける。

 

『シュウ!1人で突っ込むな!』

 

『此奴、シュウから離れなさい!』

 

別方向からビームが高機動型ザクに迫る。しかし、直ぐに回避機動に入る。

 

『大尉、御無事ですか?敵に囲まれつつ有りますよ』

 

『ええい、後一歩の所で。ん?チッ、燃料切れだな。一旦ドロスに戻るぞ』

 

仲間のザクと共に退く高機動型ザク。しかしそんな2機に追撃をするガルム1、3。

 

『この逃がさないわよ!』

 

『俺だって、シュウばかりにカッコ付けさせられっかよ!』

 

高機動型ザクを狙うガルム1。そしてザクに向かってビームスプレーガンを乱射するガルム3。

 

『大尉!早く後退を!敵が追撃してっ!うわあああ!機体が!?』

 

ザクマシンガンで応戦していたザクにビームスプレーガンのビームが直撃。機体は少し動きを止めて爆発する。

 

『ヤークル!貴様等、この事は忘れんぞ!!!』

 

高機動型ザクはそのままドロスに向かい後退する。

 

「た、助かったよ。2人共ありがとう」

 

『へへ、まあな。それより見たか?ザク1機撃墜したぜ!』

 

『ほらほら一旦後退よ。私達も敵の空母に攻撃をしないと味方の艦隊が不味いわ』

 

俺達は再び弾薬と燃料を補給する為に一度コロンブス級に戻るのだった。








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