3機のビグロは地球連邦軍艦隊に向け突撃する。地球連邦軍も慌てて迎撃するが間に合わない。
『先ずは手前からだ!受け取れ!』
ビグロから放たれるビームはサラミス級の船体を真っ二つにする。更に近くに居るサラミス級にミサイルを撃ち込む。ミサイルを迎撃するが間に合わず被弾。更にビグロのクローが船体にダメージを与える。僚機のビグロも次々に連邦軍艦隊に攻撃を仕掛ける。この短い間に4隻のサラミス級が轟沈する。更にジムやボールをも撃破して行く。
『良し。一度離脱するぞ』
地球連邦軍艦隊に対する強襲に成功したビグロ隊は撤退する。しかし、簡単に逃がす程戦場は甘くは無い。
「狙いはバッチリ。喰らいなさい!」
ガルム1からの狙撃がビグロの後部エンジンに直撃する。ビグロのパイロットは何が有ったのか理解出来ず機体諸共爆散する。
『ジャック!隊長、ジャックが!』
『兎に角一度離脱だ。このまま居座れば嬲り殺されるぞ』
艦隊からの追撃を回避しつつ一度母艦であるドロスに戻ろうとする。
『一度態勢を立て直して再度攻撃を仕掛けるぞ』
『了解。クソ、ジャックの奴が…』
空母ドロスに向かう。しかし、この場所はNフィールド激戦区。そして、彼等の上方から高速で接近する機影が居た。
『ロックアラート!回避だ!』
『隊長、上に1機来ます!』
彼等が確認したのは高速で接近して来る機体。
「この距離なら!」
ビームスプレーガンで狙いを付けビグロに撃ち込む。ビームは何発かはビグロに当たる。だが致命傷には至らない。
「なら此奴で!」
『この野郎!来るなら潰してやるぜ!』
1機のビグロが此方に向かって来る。俺はビームスプレーガンを仕舞いビームサーベルを抜く。
『待て!無闇に行動はするな!』
『大尉、直ぐに片付けて戻りますよ!』
ビグロはメガ粒子砲を放ちながらクローを振り翳しながら接近。ビームを回避してビームサーベルを構える。そして、一気に回避機動を取る。
『此奴!何を!?』
「ガルム3、打ちかましてやれ』
『おうさ。受け取れ緑の蟹野郎!』
ガルム3からハイパーバズーカが数発撃ち込まれる。弾頭は真っ直ぐにビグロに向かって行き2発直撃する。
『うわあああ!?ま、まだ動ける!畜生めガッ!?!?』
そして追撃にガルム1からのビームスナイパーライフルが直撃。流石のビグロも耐え切る事が出来ず爆散する。
『ニック!貴様等、唯で済むと思ってるのかあああーーー!!!』
もう1機のビグロも反転してガルム1、3を狙う。その時、ビグロの機体に振動が走る。何事かとモニターで確認しようとすると。
「俺の機動力を把握してなかったのが運の尽きだ」
『なっ!?いつの間に!』
ビグロのパイロットが最後に見た光景はビームサーベルを自身の機体に突き立てられる瞬間だった。
……
ビームサーベルを突き立てると黒煙を上げ始める。そしてある程度ダメージを与えてビグロから離れる。暫くフラフラと飛び続けるが爆発して宇宙に散って行く。
「さて、一旦燃料を補給しないとな。これ以上は無理だな」
『そうね。私の方もエネルギーが大分危ないわ』
『こっちはまだ余裕有りだ。なら先に補給に行けよ。周辺警戒は任せな』
「おう頼むわ。またビグロが強襲して来たら最悪だからな」
俺達は一度母艦に帰還する。その僅かな一時だが休息を取る。
『ガルム1、2着艦して下さい』
『了解よ』
「了解です。ガルム1、レディーファーストでどうぞ」
『あら、ありがとう』パチリ
感謝しつつウィンクするレイナ中尉。ほんの僅かな補給と休息の後は、敵大型空母ドロスに攻撃を仕掛ける。あの空母ドロスが居る限り俺達は前に進めない。
『ガルム2、補給完了しました。いつでも発進可能です』
「了解。シュウ・コートニー、行きます!」
再び宇宙に飛び出す。そして遂に空母ドロスの撃破の為に向かう。
「うげ、次々とモビルスーツが出て来てる」
『それでもやるしか無いわ。でないと味方が前に進めないもの』
『やってやろうぜ!何たって俺達にはラッキー野郎が居るんだからさ。頼むぜ』
「全く、こんな時まで俺を頼んなよ!」
そう言いつつ機体を加速させ前に出す。そして近くでは仲間達が次々と空母ドロスに向かって攻撃を仕掛けて行く。
『あのデカブツさえ倒せば活路は開く!各員奮闘せよ!』
『言われるまでも無いんだよ!馬鹿かよ!』
『誰か!有りっ丈の弾持って来い!大至急だ!』
『畜生!護衛のザクが妙に強い!コッチはジム何だぞ!?』
空母ドロスからの艦砲や弾幕も凄まじいが、搭載機であるモビルスーツ部隊はかなりの手練れだ。更にガトル戦闘機も多数存在しており前線を乱している。
『連邦など恐るるに足らず。各機此処で全て終わらせるぞ』
『我々にはスペースノイドの独立と言う大義があるのだ。貴様等とは土台からして違うのだ!』
『突撃だ!打倒連邦を成して真の独立を勝ち取るのだ!』
地球連邦軍が浮き足立つのを感じてジオン公国軍は勝ちを確信した。地球連邦軍の主力であるNフィールドの防衛が出来ている。この時点で勝ちは決まったような物だと。
『このまま連邦を蹴散らすっ!?な、何だあああ!?!?』
突如前方に居たザクが爆発する。レーダーを確認すれば高速で接近する機体を確認する。
「これ以上仲間をやらせるかよ」
ロング・ライフルで次々と狙いを付けて撃ちまくる試作ジム改。しかし相手は激戦を生き抜いて来た猛者と言っても良い者達。直ぐに態勢を立て直して迎撃に入る。
『唯速いだけの機体だ。間合いに気を付けろ』
『スピード勝負なら俺等に任せな』
ガトル戦闘機隊が試作ジム改に殺到する。しかし、突如横からビームがガトル戦闘機を破壊する。
『貴様等の旧式機なんぞ大した事無いんだよ。トマホーク隊、奴の為に血路を開くぞ!』
「感謝するぞ!」
トマホーク隊の隊長は親指を立てて戦闘に入る。俺は敵モビルスーツ部隊に攻撃を仕掛ける。
『く、追撃は一時中止だ。あの機体から始末するんだ』
大小様々な弾幕が試作ジム改を狙う。だが当たらない。
「くううう!?こんな弾幕初めてだ!だが、引き退る理由には無らんぞ!」
回避機動を取りながら接近。更にロング・ライフルで反撃して行く。
『くそ、何で当たらないんだ!まさかニュータイプだと言うのわあああ!?火があああ!!!』
『ニュータイプが何故連邦に与するか!』
1機のドムがザクマシンガンを撃ちながらヒートサーベルを抜く。此方もシールドを構えながらビームサーベルを抜く。
「格闘戦は得意じゃ無いんだよ!」
更に試作ジム改を加速させる。俺は一撃離脱が得意なんだよ。両機が一瞬重なる。そして試作ジム改はそのままドムの横を通り過ぎる。
『は、速い…、あの速さの、中で!?』
ドムのパイロットはシュウの的確な攻撃に戦慄しながら機体と共に爆発。宇宙の塵になった。
『敵高速機、ドロスに接近!』
『ドロスに張り付かせるなど許さんぞ。各艦、各機は集中攻撃。敵を叩き潰せ!』
一時的に試作ジム改に攻撃が集中する。だが、そのお陰で他の部隊は少しの間だけ態勢を整える事になる。
「覚悟を決めろ!この戦争に参加した時点で逃げれないんだ!なら、前を向いて生き残るんだ!!!」
自身に声を掛けながら機体をランダム機動を取る。普通なら最早どんな風に機動してるかは分からない。だが、シュウ・コートニーはモニターと計器を見ながら操縦して行く。
『ほう、中々の腕前と見た。ならば私の相手をして貰おうか』
突如前方から急接近してくる機体があった。黒、灰色がベースになっておりコクピット部分は赤色で塗装されてる【高機動型ザク】が此方に向かって突っ込んで来た。
「こんな時にエース機かよ。そう言うのは他所に行ってくれ!」
ロング・ライフルで迎撃するがあっさり回避される。そのまま俺達は機動戦に入る。
『ドロス、此奴は俺に任せて貰おう』
『了解した。頼むぞ【黒き閃光】』
『任せておけ。二つ名に恥じぬ戦いを見せてやろう!』
黒い高機動型ザクと試作カラーの試作ジム改は高速機動の中でお互いに銃口を向けるのだった。何方も同じコンセプトの機体である以上、自身の技量だけが頼りになる。