宇宙世紀と言う激動の中で。   作:吹雪型

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何が有ったのか分からない。たった1話しか投稿してないのに何故週間ユニークが7000近くあるのか?
何か、1話投稿で申し訳ない。

後、また誤字報告ありがとうございます。何時も助かります。


RGM-79N-Fbジム・カスタム高機動型

宇宙世紀0080.6月10日。地球連邦軍共同墓地

 

共同墓地は非常に殺風景な場所だ。墓標が沢山並べられている。それ以外には殆ど何も無い。その中で一際大きな石版が有った。大量の名前が刻まれた石版。それは一年戦争で戦死した者達。身寄りも無ければ死体をも回収出来無かった者達。だからこそ名前だけでもと刻まれた石版。

 

「よう、アーク。半年も待たせて悪かったな」

 

この日、宇宙での戦いが一段楽着いた。正確に言うなら地球連邦宇宙軍の戦力再編が順調に進んで少し余裕が出来たのだ。しかし、今でも宇宙ではジオン公国残党軍のゲリラ活動は多発している。

 

「まあ、宇宙も結構忙しくてな。漸く長期休暇の申請が通ったんだ」

 

石版には【アーク・ローダー軍曹】と刻まれていた。死んで二階級特進したのだ。だが、それを喜ぶ事は出来無い。

 

「お前の荷物な、殆ど連邦軍の事務の方に任せたよ。俺が持ってても…辛いからさ」

 

アークの両親に遺留品を渡す手続きをやる必要は無かった。アークの両親、故郷は戦火に消えていたからだ。結局、俺はアークの荷物を纏めておく位しか出来なかった。

 

「其方の居心地はどうだ?寂しい事は無いだろう。何せ50億人超えが其方に居るからな」

 

石版に触れアーク・ローダーの名前に触れる。

 

「アーク、戦争は終わったよ。だけどな、残った物は大き過ぎたよ」

 

地球連邦とジオン。アースノイドとスペースノイド。この両者の溝は深まる一方だった。地球連邦軍は軍備を増強させ、ジオン共和国の戦力保有を制限させる。つまり争う事すら出来無い状況になりつつ有るのだ。

 

「未だに地球の復興は進まずだ。コレが俺達が望んだ未来なのか?違うだろ」

 

確かに軍備増強は理解出来る。一年戦争の二の舞を起こす訳には行かない。だが、抑圧が強過ぎれば反発するのは必然だ。

 

「アーク、俺は軍に残るつもりだ。一年戦争の犠牲から目を背ける訳には行かないからな」

 

開戦時、俺は戦う理由が無かった。精々地球連邦政府に色々お世話になったから、その返済の為に軍に入隊したに過ぎない。だが、今は少し違う。

 

「この戦いから学んだ事を次に伝えて行こうと思う。正しいとか間違いとか関係無く、自分達が起こしてしまった犠牲を忘れさせ無い為に」

 

この悲惨な戦いを風化させない為に。地球連邦とジオン公国と戦いは起こるべくして起こったと理解させる為に。

 

「安心して良いから。俺は……もう、大丈夫だから」

 

石版に触れたまま目を閉じる。聞こえる音は風が微かに吹く音だけだ。ニュータイプは人の気配を感じる事が出来るとか言われてる。なら、死んだ者達の気配をも感じる事が出来るのだろうか?

暫くしてから石版から手を離す。若干目元が熱くなったのは仕方ない。

 

「そろそろ行くよ。其方で達者でな。後、強引なナンパは止めとけよ。またビンタ喰らうからな」

 

軍学校での出来事を思い出し、呟きながら石版に背を向けて歩く。しかし、一年戦争の痕跡は人々の心だけに留まらなかった。

ミノフスキー粒子、モビルスーツと言う強力で魅力的な兵器群は新しい産業分野となる。それにより経済の発展に繋がると同時に新たなる争いの引き金になるとは、この時はまだ誰も知らなかったのだった。

 

……

 

宇宙世紀0081.8月15日。ジオン公国残党軍【デラーズ・フリート】は組織再編が完了。地球連邦軍に対しゲリラ活動を開始。

 

宇宙世紀0081.10月20日。地球連邦軍ジョン・コーウェン中将の元、AE(アナハイム・エレクトロニクス)社との【ガンダム開発計画】が極秘裏に共同開発が開始される。

 

宇宙世紀0083.1月。デラーズ・フリートは極秘計画であるガンダム開発計画を察知。AE社に工作員を潜入させる。

 

……

 

宇宙世紀0083.6月10日。サラミス改級ロイヤルを旗艦とするサラミス改4隻、コロンブス級輸送艦1隻を構成とする地球連邦宇宙軍地球機動艦隊所属第217パトロール艦隊は月面都市フォン・ブラウンシティのAE本社に向かう。

 

サラミス改級ロイヤル。

 

「レイナ大尉、シュウ中尉、見て下さい。フォン・ブラウンですよ!自分初めて来ましたよ」

 

「落ち着けウィル・ルガード少尉。俺達はテスト機の受領とロイヤルの改修に来たんだぜ?」

 

ウィル・ルガード少尉。此奴は2年前に仕官学校を卒業して俺達、MS第217パトロール小隊ラングリッジ小隊に入隊して来た。しかし、戦時中では無い為に中々昇進には恵まれない奴だ。

 

「そうよ。でも、私達は基本自由になる筈よ。だから頑張りなさいシュウ・コートニー中尉殿」

 

「俺もフォン・ブラウン観光したい…」

 

そう、今回のテスト機には俺が搭乗する事になってる。しかし、一つ納得出来無い事が有る。

 

「と言うか、普通テストパイロットの仕事でしょう?」

 

今回搭乗する機体資料を見ながら呟く。するとレイナ大尉が理由を教えてくれた。

 

「あ、それね。私が社交パーティーでシュウ中尉の自慢をしたのよ。そうしたら是非お願いしますってコーウェン中将から依頼されたの」

 

ゴメンねーとウィンクかましながら言う。アンタが原因かコノヤロー。

 

「自慢て。別にエースパイロットとかじゃ無いんですけど?」

 

「いやいや、中尉がエースじゃ無かったら他の殆どのエースパイロットが自称に成りますから」

 

ジト目で突っ込んで来るウィル少尉。

 

「んな事知るか。まあ、機体は悪く無さそうだから良いか」

 

「そうよ。何時もジム改の出力不足に不満気だったでしょう?なら丁度良いじゃ無い」

 

「中尉の機体データ見ましたけど、アレで出力不足とかどんだけ身体が頑丈何ですか」

 

二人の言葉を聞きながら資料を見る。コーウェン中将の元で行われてるガンダム開発計画。その機体のテスト機。

RGM-79N-Fbジム・カスタム高機動型。嘗ての愛機とは似ても似つかない。しかし、期待する気持ちは充分に有ったのだった。




ジムカスタム高機動型の資料少ねえ…。てか、全然無い。多少独自解釈するので勘弁な!

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