宇宙世紀と言う激闘の中で。   作:吹雪型
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ジオンの亡霊が動き出す1

ジム・カスタムFbが回収された後、ニナ・パープルトンさんと会った。

 

「コートニー中尉、お疲れ様でした。最後は機体トラブルが有りましたが、怪我も無く良かったですね。それに無事最後まで試験をクリアしたのですから次に活かせます」

 

「それは良かったです。唯、一つだけ機体について不満が出ましたね」

 

「不満ですか?耐久性は今後強化して行きますから問題は有りませんよ?」

 

パープルトンさんは分からないと言った表情になる。

 

「折角の自由の効く追加ブースターが有るのですから、後退速度をもう少し上げて欲しいですね。例えば機体前方にブースターを追加するとか」

 

「成る程。確かに模擬戦でジム改に追いかけられた時は少々危なかったですね」

 

俺の提案にパープルトンさんも思案顔になる。

 

「確か最初は地上での運用試験をするのですよね?でしたらその間に改修は出来ると思いますよ。少なくとも大幅に改修する必要は無いですし」

 

少なくとも他にはジム・カスタムFbに不満は無い。後退速度も決して遅い訳では無い。唯、俺だったらもう少し速くして欲しいと感じただけだ。

 

「はい。しかし今のは貴重な意見と成ります。それに宇宙戦仕様はまだ開発途中ですから修正は可能です」

 

「なら良かった。それにジム・カスタムFbでも充分高い戦闘力が有りますからね。そこに更に手が加えられるガンダムは、圧倒的な戦闘力が得られるんでしょうね」

 

その言葉にパープルトンさんは良い笑顔になる。その表情を見て今回の模擬戦は無駄にはならないと感じた。

 

「さて、では自分はこれで失礼します。パープルトンさんの手掛ける新型機の成功を祈ります」

 

手を差し出しながら彼女の無事を祈る。彼女もその手を取る。

 

「はい、コートニー中尉。今回の模擬戦有難う御座いました」

 

パープルトンさんは暫くしたら地球に降りるらしい。宇宙だけで無く、地球には未だにジオン公国残党軍が潜伏してる。その中で新型機の試験を行うのだ。正直不安しか無いが、俺には止める術は無い。

そしてお互い別れた後、ラングリッジ、ウィスキー、ロック隊が居る格納庫に向かう。

 

「やあやあ皆さん。本日はお疲れ様」

 

俺は良い笑顔で彼等に声を掛ける。すると全員ビクッとなる。分かり易い反応で助かるよ。

 

「あ、あら〜シュウ中尉じゃ無い。今日もイケメンでカッコいいわよ?」

 

「そうですよ!流石中尉の実力はトップクラスですよ!」

 

レイナ大尉とウィル少尉が俺を褒める。

 

「全くだぜ。いやー、俺達パトロール部隊のエースパイロット様は違うぜ」

 

「うんうん。こうオーラが違うよな」

 

「そうですよね。それに、俺達ももっと鍛えないと行けないですね!」

 

「確かにな!エース様ばかりに苦労させたら悪いしな!」

 

ウィスキー、ロック隊の連中も次々と褒め称える。よっ!大統領とか、アンタがエースだ!とか。まあ、言いたい事は分かる。

 

「今日からウィスキー隊の奴のを貰うわ。次はロック隊な。勿論ラングリッジ隊も仲間外れにはしないから安心してね」

 

この瞬間、彼等は悲鳴を上げる。

 

「私達仲間でしょう!ちょっとは大目に見てよ〜」

 

「だが断る。それにロイヤルの人員分も貰えると思うと気分は最高だぜ」

 

この瞬間、周りに居たロイヤルの乗組員が悲鳴を上げる。

 

「鬼!悪魔!畜生野郎!」

 

「アンタには血も涙も無いのかよ!」

 

様々な罵声を浴びるが、何と心地良いのだろう。今の俺は無敵だ。

 

「敗者の悲鳴は実に心地良いな。アッハッハッハッ!」

 

俺は久々に清々しい気分になりながら高笑いするのだった。この平和を謳歌しながら。しかし、この時は誰も気付いては居なかった。迫り来るジオンの亡霊が再び争いの引金を引く事になるとは。

 

宇宙世紀0083.8月11日。ジオン公国残党軍アクシズにてマハラジャ・カーンの死去。娘であるハマーン・カーンがミネバ・ラオ・ザビの摂政に就任。

宇宙世紀0083.10月13日。ジオン公国残党軍デラーズ・フリート【星の屑作戦】発動。オーストラリアに有るトリントン基地を強襲。そして【ガンダム試作2号機サイサリス】及び【Mk-82核弾頭】を強奪。

宇宙世紀0083.10月31日。ジオン公国残党軍デラーズ・フリートは地球連邦軍に対し宣戦布告。

 

新たな争いが始まる。そして、因縁とも言える存在と再び再開する事になる事になる。

 

……

 

宇宙世紀0083.11月1日。第217パトロール艦隊は地球連邦宇宙軍コンペイトウ所属第45機動艦隊と接触していた。

 

「アーヴィント艦長、旗艦【グレイト】と接舷完了しました」

 

「うむ、では僕は出迎えに行くとしよう。序でにレイナ大尉も呼んでおいてくれ給え」

 

アーヴィント少佐は地球連邦宇宙軍第45機動艦隊の旗艦マゼラン改級グレイトに向かう。何故なら其処にある人物が居るからだ。

そしてレイナ大尉率いるラングリッジ小隊も付いて行く事になった。

 

「僕はレイナ大尉だけを呼んだ筈だが?」

 

「いや、俺達は無理矢理連行されたんですが。なあ、ウィル少尉?」

 

「いや、自分はシュウ中尉に無理矢理連行されましたし。そうですよね、レイナ大尉?」

 

「そうねー。全く、勝手な事をしちゃダメよ?」

 

俺だけメッと言った感じに怒られる。解せぬ。

 

「はあ、まあ良いさ。君達は僕に恥を掛けない為に、粗相の無い様にしてくれ給え」

 

「所でアーヴィント少佐、誰と会うのですか?」

 

アーヴィント少佐が微妙にピリピリしてるので気になって聞いてみる。すると教えて貰う前にドアが開く。

現れたのは准将の階級を持つ人物だった。壮年であるが金髪で口髭を整えた紳士然とした人だ。だが、微妙にアーヴィント少佐に似ている気がする。

 

「スタンリー・アルドリッジ准将に対し敬礼!」

 

全員が敬礼をする。そしてアルドリッジ准将も答礼する。と言うかアルドリッジって、まさか。

 

「久しいなアーヴィント。随分と立派な軍人になった事を私は誇りに思うよ」

 

「はっ!父上を目標に日々精進しております!」

 

「ははは、そう硬くなる事は無い。その姿を見れただけで大満足さ」フサァ

 

アーヴィント少佐のあの癖はお父さん譲りだと分かった瞬間を見れた。そしてスタンリー准将はレイナ大尉に視線を向ける。

 

「レイナ嬢も久しいな。前回の社交界以来かな?」

 

「はい、スタンリー准将もお元気そうで何よりです」

 

「ふふふ、君は相変わらず変わら無い美しさで良かったよ。所で、アーヴィントとの関係もそろそろ進めても良いと思うのだがね」

 

スタンリー准将は流し目をレイナ大尉に送りながら呟く。

 

「まだジオン残党軍の存在が有ります。それについ昨日には宣戦布告が有りました」

 

それに対しレイナ大尉は悠然とした対応をする。しかし、スタンリー准将は困り顔になってしまう。

 

「確かにね。だが、それは対して脅威にはならんよ。戦力は圧倒的に我々地球連邦軍が上だ。それに、核弾頭を使用するタイミングは既に予想出来る。恐らく観艦式を狙ってるだろう」

 

だが、と言葉を切るスタンリー准将。

 

「核弾頭を使用する前に全てが終わる。何故なら観艦式には宇宙艦隊の殆どが参加する。奴等は観艦式に接近する事無く潰される訳さ」フサァ

 

そう断言するスタンリー准将。そして此方に視線を向ける。

 

「まあ、この話は後ほど行うとしよう。ではアーヴィント艦長、航路の護衛を宜しく頼むよ」

 

「はっ!お任せ下さい!」

 

そう言ってスタンリー准将は戻って行く。そして俺達は言葉少なくロイヤルに戻るのだった。

 

……

 

レイナ大尉とアーヴィント少佐の関係を一言で言うなら許嫁だ。更に両家共に名家で有る為、決められた関係と言える。

 

「はあ、凄かったですね。正直許嫁とか未知の領域ですよね」

 

「そうだな。だからこそ…だよな」

 

今時、戦略結婚などと前時代的とは言えない。寧ろこんな時代だからこそ血筋を残したいと思うのかも知れない。そして、その間に入る隙間は無い。

 

「中尉…そ、そうだ!今度休暇取れたら一緒にナンパに行きましょうよ!」

 

「突然だな。まあ、気が向いたらな」

 

この後もウィル少尉と話をする。その内容に許嫁の話はもう出なかった。多分気を使ってるのだろう。

 

「ウィル少尉、今日のオカズ一品やるよ」

 

「え!本当ですか?やった!」

 

そして、艦隊はコンペイトウに向け移動する。しかしジオン公国残党軍が其れを見逃す筈が無かったのだった。




はい、アーヴィントのお父さん登場。あの癖はお父さん譲りなのさ。
因みにレイナのお父さんは資産家かな。多分レイナパパは出てこない…。







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